少年事件で家庭裁判所から呼び出しを受ける理由は?呼び出し後の流れは?
家庭裁判所から少年事件の呼び出し状が届くと、「これからどうなるのか」「少年院に送られてしまうのではないか」と不安になる保護者の方も多いと思います。
もっとも、家庭裁判所からの呼び出しは、直ちに厳しい処分を意味するものではありません。多くの場合、「家庭裁判所調査官による調査」や「少年審判」のために呼び出しが行われます。
この記事では、家庭裁判所が少年や保護者を呼び出す理由・当日の流れ・どんな処分が下されるのか・保護者が今すぐ取るべき行動を、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。
突然の呼び出し状に戸惑われているかと思いますが、適切な対応をとることで少年にとって有利な処分を目指すことは可能です。ぜひ最後までご覧ください。
家庭裁判所から少年が呼び出される理由
少年事件とは、20歳未満の人が起こした事件や非行について、家庭裁判所で手続が行われる事件をいいます。万引きや暴行、薬物事件、盗撮事件などの刑事事件だけでなく、ぐ犯や触法行為なども対象になる場合があります。警察や検察による捜査の後、事件が家庭裁判所へ送致されると、少年本人や保護者に対して家庭裁判所から呼び出しが行われ、家庭裁判所調査官による調査や少年審判の手続が進められます。
なお、民法上の成年年齢は18歳に引き下げられましたが、少年法では現在も20歳未満が「少年」とされています。そのため、18歳・19歳であっても、事件内容によっては家庭裁判所で少年事件として扱われます。ただし、18歳・19歳については「特定少年」として位置付けられており、逆送(検察官送致)の対象事件が広がるなど、16歳・17歳の少年とは一部異なる取扱いがされています。
家庭裁判所から突然呼び出し状が届くと、「このまま逮捕されるのではないか」「すぐに少年院へ送られてしまうのではないか」と強い不安を感じる保護者の方も少なくありません。しかし、家庭裁判所からの呼び出しには、目的や手続の流れがあります。
家庭裁判所から呼び出し状(呼出状)が届いても、それだけで「逮捕される」「少年院に送られる」というわけではありません。呼び出しには大きく分けて2つの目的があります。
調査官による調査のための呼び出し
少年事件は警察・検察から家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所調査官が少年や保護者と面談を行い、少年の生活環境・家庭環境・交友関係・非行の背景などを調査します。この面談のために家庭裁判所から呼び出しがかかります。
調査官の調査は審判での子どもに対する処分を左右する重要な手続きです。調査官は少年の要保護性(再び非行を起こす危険性や、保護が必要かどうか)を見極め、裁判官に処遇意見を提出します。調査結果は最終的な処分に直結するため、この面談をどう迎えるかが非常に重要になります。
少年審判を行うための呼び出し
調査官の調査を経て、裁判官が「審判を開く必要がある」と判断した場合、少年審判の期日(日時)が決まり、少年と保護者に対して呼び出しがかかります。実務における通常は、審判が開催されます。少年審判は成人の刑事裁判とは異なり、非公開で行われる手続きで、原則として裁判官・調査官・付添人(弁護士)・少年・保護者が出席します。もっとも、特に調査内容等に問題がなければ、調査官が審判に出廷しないことも多いです。
審判期日は通常1回で終わることが多く、1時間程度で処分が言い渡されます。ただし、試験観察(一定期間様子を見る処分)となった場合は複数回の期日が設けられます。
家庭裁判所から呼び出された後の流れ
家庭裁判所から呼び出しを受けた段階から審判までの流れを整理します。全体の流れを理解しておくことで、今何をすべきかが見えてきます。
調査官の調査から少年審判までのステップ
呼び出しを受けた後、一般的には以下のような流れで手続きが進みます。
①調査官調査
家庭裁判所から呼び出しを受け、少年・保護者が調査官と面談します。調査期間は概ね家庭裁判所送致から1〜2か月程度です。
②審判不開始 or 審判開始の決定
調査の結果、裁判官が審判を開くかどうかを判断します。非行事実が軽微な場合や保護の必要性が低いと判断された場合は「審判不開始」(審判なし)で手続きが終わることもあります。
③少年審判
審判を開くと決まった場合、審判期日が指定されます。少年・保護者・付添人弁護士が出席し、裁判官が処分を言い渡します。
④処分の確定
不処分・保護観察・少年院送致・検察官送致(逆送)などの処分が言い渡され、手続きが終結します。
なお、逮捕・勾留されて観護措置(少年鑑別所への収容)となっている場合は、観護措置の期間内に少年審判が行われます。観護措置の期間は原則2週間で、通常は1回更新され最大4週間となります。ただし、重大事件で証人尋問や鑑定などが必要となる場合には、例外的に最長8週間まで延長されるケースもあります。
在宅事件の場合は、家庭裁判所への送致から審判まで数か月かかることもあります。
少年審判当日に行われること
少年審判は成人の刑事裁判と大きく異なります。法廷ではなく比較的小さな審判廷で、裁判官・書記官・調査官・少年・保護者・付添人弁護士が向かい合って座る形式で行われます。当日の主な流れは次の通りです。
- 人定質問:本人確認が行われます。
- 黙秘権の告知:話さなくてよい権利(黙秘権)があることを告げられます。
- 非行事実の告知と陳述:非行の内容を告げられ、少年が意見を述べます。
- 少年・保護者・付添人への質問:裁判官・調査官・付添人弁護士が質問し、付添人弁護士が意見を述べます。
- 最終陳述:少年が最後に言っておきたいことを述べる機会が与えられます。
- 処分の言渡し:裁判官が処分内容と理由を告げます。
審判の結果どんな処分が下されるか
少年審判で言い渡される処分には以下のものがあります。処分の重さは、非行の内容だけでなく少年の要保護性(更生可能性・家庭環境など)によって大きく変わります。
- 審判不開始:審判を開くほどの必要性がないと判断された場合。処分なしで終了。
- 不処分:審判を開いたが、保護処分に付する必要がないと判断された場合。
- 保護観察:自宅に住みながら、保護観察官・保護司の指導を受ける処分。
- 少年院送致:少年院に収容されて矯正教育を受ける処分。第1種〜第5種まで種類があります。
- 検察官送致(逆送):刑事裁判にかけるために事件を検察官へ戻す処分。故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた事件など、一定の重大事件では原則として逆送となる場合があります。
呼び出しを無視したり行かなかったりするとどうなる?
家庭裁判所からの呼び出しを「面倒くさい」「怖い」という理由で無視したり、当日に無断欠席したりすることは絶対に避けなければなりません。
少年法は、正当な理由なく呼び出しに応じない少年に対して、裁判官が「同行状」を発付することを認めています。同行状が出ると、警察官などが少年の自宅等に出向き、強制的に家庭裁判所へ連行することになります。
また、呼び出しを無視する行為は「家庭裁判所の手続きを軽視している」「更生の意欲がない」というメッセージにもなりかねず、調査官や裁判官の心証を著しく悪化させます。これは最終的な処分を重くする方向に働く可能性があります。
もし呼び出しの日程が都合悪い場合は、必ず事前に家庭裁判所に連絡を入れ、日程の変更を申し出てください。正当な理由があれば、期日の変更に応じてもらえるケースがほとんどです。
呼び出しを受けたとき親は一緒に行くべき?
家庭裁判所からの呼び出し状には、通常「少年および保護者(親権者)〇〇殿」というかたちで、少年と保護者の両方が宛先になっています。これは、保護者にも出席が求められているということです。
調査官は、少年の家庭環境や親の監護能力・姿勢を直接確認するために保護者との面談を重要視しています。保護者が「子どもの問題を真剣に受け止め、一緒に解決しようとしている」という姿勢を示すことが、少年にとって有利な処分を引き出すうえで非常に重要です。
「父親には事件のことを伝えていないので、母親だけで行ってよいか?」というご相談をいただくことがあります。片方の親だけで行っても手続き自体は行われますが、調査官から「もう一人の保護者にも来てもらえるか」と求められる場合があります。特に初回の調査では、両親が揃って出席することが望ましいとされています。
やむを得ず片方の保護者しか同行できない事情がある場合は、事前に弁護士に相談したうえで、調査官にきちんと事情を説明することをお勧めします。
学校に連絡が行くことはある?
子どもを持つ保護者がもっとも心配されることの一つが「学校に事件のことが知られるのではないか」という点です。
結論から言うと、家庭裁判所調査官が学校に連絡を入れることはあります。調査官は少年の生活実態を把握するために、在籍校の担任教師や生活指導の担当者に連絡をとり、少年の学校での様子・成績・問題行動の有無などを確認する場合があります。
ただし、これはすべてのケースで行われるわけではなく、事件の重大性・少年の状況によって判断されます。在宅の軽微な事件では、学校への連絡が行われないケースも少なくありません。
また、逮捕された場合には、警察が学校へ連絡を行うケースもあります。こうした情報共有の運用は地域ごとに異なる部分がありますが、学校側が少年の生活状況や安全確保のために情報提供を受けることがあります。このタイミングについても弁護士に相談することで、学校への対応策を事前に検討しておくことができます。
退学などの重大な処分を避けるためにも、少年事件が学校に知られた・または知られそうな段階で速やかに弁護士に相談することをお勧めします。
呼び出された段階から弁護士(付添人)を付けるべき理由
少年事件における弁護士の役割は「付添人」と呼ばれ、成人事件の弁護人と同様に、少年の権利を守りながら有利な処分を目指して活動します。家庭裁判所への呼び出しが届いた段階から付添人弁護士を選任することには、大きなメリットがあります。
付添人なしでは調査官との面談で不利になりやすい
調査官との面談は、少年の処分を左右する非常に重要な場です。しかし、法律の専門知識がない少年や保護者が面談に臨む場合、「何を話すべきか・どう伝えるべきか」の準備ができていないため、意図せず不利な印象を与えてしまうことがあります。
付添人弁護士が就いていれば、面談前に少年・保護者と十分な打ち合わせができます。具体的には、反省の姿勢の伝え方、家庭環境の改善状況の説明、再非行防止策(学校・アルバイトの継続、交友関係の見直しなど)の具体的な提示方法について、弁護士がアドバイスします。
また、付添人弁護士は調査官との間に立って情報を整理し、少年に有利な事情が調査官に正しく伝わるよう働きかけることもできます。
早期相談で軽い処分(不処分・保護観察)を目指せる
弁護士への相談が早ければ早いほど、環境調整の時間を確保できます。たとえば、被害者がいる事件では謝罪・示談交渉を進めること、家庭環境の問題が指摘されそうな場合は事前に改善策を具体化すること、少年自身に反省文や更生計画を作成させることなど、審判前にできる準備は多岐にわたります。
これらの取り組みを審判前に積み重ねることが、「不処分」「保護観察」など少年院に至らない処分につながります。逆に、何も準備せず審判を迎えると、裁判官・調査官に更生への意欲が伝わらず、処分が重くなるリスクがあります。
少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。少年事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。
ここからは、弊所の特徴をご紹介します。
弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付
弊所では、初回の法律相談を無料でご利用可能。365日、土日祝日も対応可能で、夜間を含め24時間体制で電話でのご予約を受け付けております。
刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。当事務所にお電話いただければ、予約専用ダイヤルのスタッフがお客様から事情をお聞きし、相談のご予約をお取りします。あらかじめ事件の簡単な概要を弁護士に伝えておくことで、充実した回答を得られるためのシステムが採用されております。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
弊所での法律相談および留置施設への初回接見は、土日祝日、夜間でも対応可能。刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、弁護士が素早く対応いたします。
特に、逮捕直後ではご家族の方が面会することはできませんが、弁護士なら逮捕直後でも面会可能。当事務所に初回接見のご依頼があれば、弁護士が逮捕された方との面会を最短当日に対応いたします。
また、契約後であれば、逮捕された方から接見の要請があればすぐに接見に伺うことができます。法律相談はもちろん、初回接見のご依頼もお気軽にご連絡ください。
弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍
愛知県をはじめ多数の支部を構えている点も弊所の強みの一つ。所属する弁護士は刑事事件を中心に扱っており、薬物事件の弁護活動の実績もあります。
ご相談の際は、それぞれの支部に所属する弁護士が対応いたします。また、捜査の管轄が他県に移ってしまう場合でも、最寄りの支部に所属する弁護士が事件を引き継ぎ、そのまま当事務所が事件の対応をすることができます。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
一人でも多くのお客様が安心して上質な刑事弁護サービスを受けられるよう、弊所の弁護士費用についてはシンプルかつ明朗会計にしております。
弁護士に事件を依頼する場合、ご不安に思われる事情の1つとして「弁護士費用」が挙げられます。当事務所では事件に応じた適正な料金を、無料相談の段階で、弁護士からご提示・ご説明させていただいております。
また、契約するにあたっても詳細にご説明いたしますので、まずは弊所にご連絡ください。
【解決実績】実際に依頼を受けた少年事件
実際に弊所の担当した少年事件の解決実績を紹介します。
事例①:少年による痴漢事件で不処分+退学を阻止
学校に通学途中、電車内にて右隣に座っていた女性の足をスカートの上から触ったというケースです。
担当弁護士は、捜査機関を通じて被害女性と示談交渉を行い、その後、少年は家庭裁判所調査官から調査を受けましたが、事前に弁護士との綿密な打ち合わせや対策を行った結果、不処分の結果を得られました。
学校側も退学処分をすることなく、少年は学校生活を続けられました。
▼弁護活動について詳しく知りたい方はこちら
事例②:少年による盗撮事件で審判不開始
鉄道駅のエスカレーターで、前に立っていた女性のスカート内をスマートフォンのカメラで盗撮したというケースです。
担当弁護士は、事件が家庭裁判所に送致されたのち、調査官面談の前後で本人と保護者からヒアリングを行いました。事件前・事件直後・現在とでどのような変化が見られたかを確認し、家庭裁判所調査官とも電話協議を重ねた結果、最終的に保護処分は必要ないと判断し、審判を開始する必要がないとの意見を書面にして提出しました。
結果的に、審判不開始となり、審判が開かれることなく事件を終了させることに成功しています。
▼弁護活動について詳しく知りたい方はこちら
【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝のお手紙
実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。
※解決実績とお客様の声は必ずしも同じ事件とは限りません。
【FAQ】家庭裁判所からの呼び出しに関するよくある質問
最後に、家庭裁判所からの呼び出しに関してよくある質問にお答えします。
Q. 家庭裁判所から呼び出しが来たら必ず行かなければなりませんか?
A.原則として、呼び出しには応じる義務があります。
正当な理由なく無視し続けた場合、裁判官が同行状を発付し、警察官等が強制的に連行することができます。また、無視すること自体が更生の意欲がないとみなされ、処分が重くなる可能性があります。
どうしても日程が合わない場合は、必ず事前に家庭裁判所に連絡を入れ、変更を申し出てください。
Q. 家庭裁判所の呼び出しには親(保護者)も一緒に行くべきですか?
A.呼び出し状に保護者の名前が記載されている場合は、保護者も出席することが求められています。
調査官は保護者の監護姿勢を直接確認しており、保護者が真剣に関わる姿勢を示すことが処分に有利に働きます。やむを得ず片方の親しか行けない事情がある場合は、事前に弁護士や家庭裁判所に相談してください。
Q. 家庭裁判所から呼び出されたら少年院に送られますか?
A.呼び出し=少年院送致ではありません。
呼び出しの目的は調査や審判であり、その結果として審判不開始・不処分・保護観察・少年院送致・逆送など様々な処分があります。弁護士(付添人)が早期に関与し、反省の姿勢や環境調整の取り組みを示すことで、少年院送致に至らない処分を目指すことができます。
Q. 家庭裁判所の呼び出しが来た段階で弁護士に頼む意味はありますか?
A.大きな意味があります。
調査官との面談は処分を左右する重要な手続きであり、弁護士が面談前にアドバイスを行い、有利な事情が正しく伝わるよう準備することで、処分が軽くなる可能性があります。
また、被害者への謝罪・示談交渉、学校対応、環境調整なども審判前に行うことが処分に影響します。できる限り早い段階でご相談ください。
家庭裁判所からの呼び出しでお困りなら今すぐご相談を
家庭裁判所から子どもへの呼び出し状が届いた段階から、弁護士(付添人)が活動を始めることで、少年にとって有利な処分を目指すことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の加害者弁護に特化した専門の弁護士法人です。少年事件の経験豊富な弁護士が、保護者の方のご不安に寄り添いながら、審判での最善の結果を目指してサポートします。
- 初回相談は無料
- 24時間365日対応(深夜・早朝・土日祝日も対応)
- 即日接見対応(少年が身体拘束されている場合)
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「呼び出し状が届いたがどうすればいいかわからない」「審判でどんな処分になるのか不安」「学校への対応をどうすればよいか」など、どのようなご相談でも構いません。専門の弁護士が丁寧にお答えします。お気軽にご連絡ください。


