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(事例紹介)少年を含むグループが窃盗をして逮捕

2023-05-31

(事例紹介)少年を含むグループが窃盗をして逮捕

高校生の少年を含む7人が逮捕された窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

・参考事例

1月、札幌市北区のスーパーに侵入し、現金などを盗んだ疑いで高校生ら男7人が逮捕されました。
(中略)
1月28日午前4時ごろ、札幌市北区拓北7条2丁目のスーパーマーケットから、現金7500円が入った釣り銭用のケースが盗まれました。
建造物侵入と窃盗の疑いで11日までに逮捕されたのは、住所不定の…容疑者(25)、札幌市豊平区の…容疑者(26)、それに、16歳の男子高校生らあわせて男7人です。
警察は認否を明らかにしていません。
(中略)
社長「防犯カメラを見たら、(男たちは)まずレジに行って、レジは開けて金がないとわかったら、事務所の金庫に走っていくのが見えた。金庫は壊されてバラバラになったが、中まで開けられなかったので、盗まれたのは手提げ金庫のみ」
(中略)
警察によりますと、逮捕された7人は年齢が16歳から26歳で、居住地も札幌市や江別市などばらばらですが、知人どうしだということです。
警察は、余罪を追及する方針です。
(HBCニュース北海道 令和5年5月12日(金)17時37分配信「16歳高校生含む窃盗団7人が逮捕 被害のスーパー社長「まさか自分のところが」札幌市北区」より引用)

・事例で問題となる建造物侵入罪、窃盗罪、及び器物損壊罪

ニュースによると、逮捕された男性7人は建造物侵入罪と窃盗罪の疑いがかかっています。
また、男性7人は窃盗のために金庫を壊しているため、さらに器物損壊罪も適用される可能性があります。
条文はそれぞれ以下のとおりです。

(建造物侵入罪)
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(器物損壊罪)
刑法261条 前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(窃盗罪)
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。 

なお、これらの罪は一連の流れであり、窃盗という目的のために、スーパーに侵入して金庫を開けようとして壊したといういわば手段に当たることから、牽連関係にあると評価されると考えられます。
牽連関係にある罪については、最も重い刑に処されることになるため、すべての犯罪が成立して起訴された場合、「10年以下の懲役又は50万円以下」の範囲内で刑罰が科されます。

・20歳未満の少年について

逮捕された男性のうち25歳と26歳の男性については、刑事訴訟法等の手続法に則り手続きが進められ、前章で説明した刑事罰が科せられる(あるいは何かしらの理由で不起訴になる)ことが考えられます。
他方で、20歳未満の少年らについては、少年法に基づき成人とは異なる手続きに付されます。

少年事件は原則すべての事件で家庭裁判所に送致され、少年の性格や保護者の監督状況についての調査が行われた後に、必要に応じて少年審判を開きます。
少年事件の処分には保護観察や少年院送致等があり、これらは成人の刑事事件のような制裁や処罰ではなく、教育と保護を目的とした保護処分が課せられます。
そのため少年事件での付添人活動としては、少年に更生の可能性があることや、少年が更生できるような家庭環境が整っていることを家庭裁判所に主張し、少年院や児童自立支援施設などの施設送致を回避する活動が主となります。
そのためにも、早期に弁護士に相談し、弁護活動を依頼することがお勧めです。

・少年事件の経験が豊富な弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
少年事件の場合、捜査を受ける「被疑者」段階で勾留されている場合は原則として全件で国選弁護人が就きますが、家庭裁判所に送致され「少年」の立場になった後は一部例外を除き国選(付添人)は就きません。
お子さんが窃盗事件などで逮捕され、少年事件として手続きが進んでいる場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡・ご相談ください。

(事例紹介)特定少年による強盗事件①

2023-04-19

(事例紹介)特定少年による強盗事件①

特定少年強盗を起こした場合の事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

東京都渋谷区のアクセサリー店で14日に貴金属などが奪われた事件で、警視庁は19日、三重県に住む職業不詳の少年(19)を強盗の疑いで逮捕し、発表した。少年は事件に関与したことを家族に相談していたといい、18日午後、家族に付き添われて同県内の警察署に出頭した。「指示を受けて1人で店に入り強盗をしました」と容疑を認めているという。
捜査1課によると、少年は14日午後6時40分ごろ、渋谷区神南1丁目のアクセサリー店で20代の男性店長らに包丁を突きつけて「強盗だ」「金を詰めろ」などと脅し、アクセサリー類100点以上(計約4千万円相当)と現金約350万円を奪った疑いがある。
(3月19日配信の朝日新聞デジタルの記事を引用しています。)

19歳の少年が起こした強盗事件

今回の強盗事件は、19歳の少年が起こした疑いが持たれています。
20歳未満の少年が犯罪を犯した場合には「少年法」が適用されます。
19歳は、少年法が適用される「少年」に該当するため、警察官、検察官が必要な捜査を受けた後、全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
もっとも、18歳と19歳の少年は、「特定少年」として17歳以下の少年とは異なった取り扱いを受けます。

特定少年の扱いについて

民法の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、18歳・19歳の者は社会において成年者として責任ある主体となって積極的な役割を果たすことが期待される立場になりました。
これに合わせ、少年法も改正され、18歳と19歳は少年法の適用がありながらも「特定少年」として、17歳以下の少年とは、異なった取扱いを受けることになりました。
主なものを今回と次回の2回に分けて解説していきます。

少年事件が家庭裁判所に送致された後は、家庭裁判所は送致された事件について調査を行い、審判を開始するのが相当であるとされた場合は、審判の上、保護処分や検察官送致(逆送)などの処分がされます。
少年法においては、原則として逆送するものとされている事件が規定されています。
そして、「特定少年」については、この原則逆送となる対象事件が拡大されています。
これまでは、「16歳以上の少年のとき犯した故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件」が原則逆送の対象となっていました

しかし、少年法の改正によって「18歳以上の少年のとき犯した死刑、無期又は短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件」についても原則逆送の対象となりました。
例えば、特定少年が、現住建造物等放火罪、強盗罪、強制性交等罪等を犯した場合、原則として事件が逆送されることになります。
事件が逆送され検察官に起訴されると、少年審判ではなく、20才以上の者と同様に刑事裁判にかけられることになります。
逆送後の取扱いについては、次回解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
特定少年」に該当する18歳、19歳の少年が起こした事件の弁護活動においても対応できる弁護士が多数在籍しています。
もし、18歳、19歳の少年が事件を起こしてしまったら、今後の事件の見通しを含めて、いち早く弁護士のアドバイスを受けることが大切になってきます。
まずは、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお電話(フリーダイヤル0120ー631ー881)ください。

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