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(事例紹介)蛇行運転や信号無視の集団暴走事件で検挙された事例
(事例紹介)蛇行運転や信号無視の集団暴走事件で検挙された事例
~事例~
川崎市内の道路で2021年9月に集団暴走をしたとして、神奈川県警は21日、道交法違反(共同危険行為)容疑などで、川崎市と横浜市に住む16~18歳(当時)の少年ら15人を逮捕や書類送検したと発表した。
(中略)
容疑は21年9月25日夜、川崎市高津区や宮前区の主要地方道約5・6キロで、バイク11台に分乗し、蛇行運転や信号無視などを繰り返し、集団暴走したとしている。
交通捜査課によると、15人の大半は川崎市内にある暴走グループに所属。無免許運転も5人いた。
15人のうちの1人が自らの18歳の誕生日を祝ってもらおうと、SNS(ネット交流サービス)で参加者を集めた。(後略)
(※2022年11月21日19:35毎日新聞配信記事より引用)
~集団暴走と犯罪~
今回取り上げた事例では、事件当時16~18歳の少年ら15人が道路交通法違反などの容疑で逮捕や書類送検をされています。
こうした、いわゆる暴走族のような集団暴走行為は、道路交通法で「共同危険行為」として禁止されています。
道路交通法第68条
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
いわゆる暴走族的に集団暴走をしたというケースでは、多くの場合、複数人で自動車やバイクを並列させて蛇行運転を行ったりスピード違反を行ったりといったものが見られます。
複数人で蛇行運転やスピード違反、信号無視などを行えば、当然交通事故の危険は増しますし、他の運転者にとっては迷惑になりますから、「共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」と判断され、共同危険行為による道路交通法違反となることが多いです。
今回の事例でも、少年15人が11台のバイクに分乗した上、蛇行運転や信号無視を繰り返したとして共同危険行為による道路交通法違反の容疑がかけられているようです。
そして、こうした集団暴走行為をしている場合、共同危険行為以外の道路交通法違反が成立することもあります。
例えば、一般道で30km/h、高速道路で40km/h以上のスピード違反であれば、これも道路交通法違反として刑事事件・少年事件になります。
今回の事例のように、無免許運転の者がいれば、それもまた道路交通法違反となります。
集団暴走事件では、こうした複数の道路交通法違反が絡んでくるケースも珍しくありません。
~集団暴走と少年事件~
いわゆる暴走族のような集団に属して集団暴走行為を行った場合、少年事件ではその事実を重くとらえられることも少なくありません。
というのも、少年事件の手続では、少年の更生を重要視しますが、暴走族という集団に属しているということは、その環境を変えなければ、また同じことを繰り返してしまうのではないかという懸念を抱かれる可能性が高いためです。
交友関係の整理をする、生活環境を変えるということはとても大変なことであり、少年自身だけではなく、ご家族や学校など、周りの人の協力も必要となります。
こうしたことから、例えば少年院送致などの施設送致により、物理的・強制的に環境を変えるという手段が取られることもあるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、集団暴走事件を含めた少年事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
刑事事件も少年事件も取り扱っている弁護士だからこそ、突然の逮捕・捜査にも迅速かつ丁寧な対応が可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。
(制度紹介)少年事件の「保護観察」 どんな処分?
(制度紹介)少年事件の「保護観察」 どんな処分?
少年事件で家庭裁判所の審判を受け、最終的に「保護観察」という保護処分を言い渡されることがあります。
この「保護観察」とはいったいどのような保護処分で、どういったことをするものなのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
~「保護観察」になる少年事件はどれくらい?~
まず、少年事件でいう「保護観察」とは、保護処分の一種です(成人の刑事事件における「保護観察」もありますが、今回は少年事件の保護処分である「保護観察」を取り上げます。)。
保護処分は、前回の記事でも取り上げた通り、少年を更生させるための処分であり、少年の生活環境・態度の改善やそのための支援をしていく内容となります。
保護観察処分を含む保護処分は、少年事件が捜査機関の捜査などを経て家庭裁判所に送致され、家庭裁判所の審判が開かれた結果、少年に対して下されます。
法務省の統計(令和3年犯罪白書:参考)によると、令和2年に家庭裁判所で終局処理が行われた非行少年は4万3,872人であり、そのうち1万2,806人が保護処分を受けています。
そして、その保護処分を受けた1万2,806人のうち、1万733人が保護観察処分となっているとされています。
すなわち、家庭裁判所の審判を受け、保護処分となった少年のうち、8割を超える少年が保護観察処分となっています。
ですから、少年事件において保護観察処分は、比較的受けることになる可能性の高い保護処分であると考えられます。
~「保護観察」は何をする?~
では、その保護観察はどういったことをする処分なのでしょうか。
保護観察は、社会内処遇(社会の中で更生を目指すために処遇を行う)と呼ばれる処遇であり、少年院送致などとは異なり、施設などへは入所せずに処遇を受けます。
保護観察処分となった後は、遵守事項と呼ばれる、保護観察期間中に守らなければならないルールが決められます。
遵守事項は、保護観察処分となった人全員共通で定められるもの(一般遵守事項)と、その人に合わせて定められるもの(特別遵守事項)があり、例えば、健全な生活態度を保持することや、きちんと通学をすること、共犯者などとの接触をしないこと、再犯防止のための専門プログラムを受けることなどが想定されます。
保護観察期間中は、保護観察官・保護司と定期的に面談をしたり連絡を取ったりしながら、生活等への指導を受けたり、就労・就学のための支援を受けたりします。
そして、遵守事項に対する違反がないかどうかもこの面談や連絡を通じてチェックを受けることとなります。
もしも保護観察期間中に遵守事項に違反するなど何か問題が発生した場合には、その違反内容などの事情によっては、少年院への収容となる場合もあります。
保護観察処分は、社会内でサポートを受けながら更生を目指すことができるため、ご家庭の中で過ごし、学校や職場に通いながら環境を改善していくことが期待できます。
生活の場から切り離されずに環境の改善をしていけるという点で、保護観察処分の方が少年院送致などよりも負担が少ないと考えることもできるでしょう。
こうしたことから、保護観察処分を目指したいと希望される方も少なくありませんが、そのためには、社会内での処遇で更生が可能な環境を作っていくことや作るための準備をしておかなければなりません。
まずはお早めに弁護士に相談していただくことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件についても多数ご相談・ご依頼を承っています。
早めにお話しいただくことで、よりスムーズに弁護活動・付添人活動が行えることが期待できます。
少年事件やその処分についてお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。
(制度紹介)少年院とはどんなところ?刑務所との違いは?
(制度紹介)少年院とはどんなところ?刑務所との違いは?
少年事件では、最終的に家庭裁判所の審判によって保護処分が下されることが原則です。
その保護処分の1つとして、少年院送致という処分があります。
「少年院」という単語を聞いたことのある人は多いと思いますが、少年院が実際にどういった施設なのか、なぜその施設に送致されることになるのか等は、あまり知られていないのではないでしょうか。
今回の記事では、少年事件の最終処分の1つである、少年院という施設に注目していきます。
~少年院はどんなところなのか?~
少年院は、少年事件を起こしてしまった少年の健全な育成を図るために、その矯正教育や社会復帰支援等を行う施設です。
よく「重い犯罪をしたら少年院に行く」「より悪質な少年事件を起こした場合は少年院」というイメージが思い浮かべられがちですが、前回の記事で取り上げた通り、少年院送致という処分は「保護処分」という、少年の更生を目的とした処分であるため、必ずしもその犯罪で定められている刑罰が重いから少年院に行くというわけではありません。
そして、少年院はあくまでも少年の更生のための処遇を行う施設であるため、少年院に行くことは犯罪に対する刑罰ではありません。
少年院と刑務所は混同されがちですが、刑務所は犯罪をしたことに対する刑罰を科す場所であるのに対し、少年院は矯正教育や社会復帰支援をする場所ですから、施設の目的から異なるものであることが分かります。
少年院では、入所する少年1人1人の特性や、その少年院がある地域などに合わせた内容の矯正教育や社会復帰支援が行われます。
例えば、生活を改善・自立させるための生活指導や、少年院を退所した後の進路のための職業指導・学習指導、健康的な生活を送るための運動時間の確保などが1日を通して行われます。
こうした少年自身への指導・支援だけではなく、その保護者に対しても少年院の職員が面談・面会を行い、社会復帰を支援することもあります。
こうした少年院という施設ですが、全国にあるすべての少年院が全く同じ少年院であるというわけではありません。
少年院には、第1種~第5種少年院という種類があり、少年は、年齢や犯罪傾向の進みなどに応じてそれぞれの少年院に送致されることになります。
少年院は男女分かれていますが、女子少年院の数は少数となるため、女子の場合は居住地よりかなり離れた場所にある少年院にいくことになるケースもあります。
少年院に入る期間は家庭裁判所の審判で決められますが、「特修短期処遇」「一般短期処遇」「長期処遇」と呼ばれる種類で大まかに区切られています。
このうち、一番短いのは「特修短期処遇」で、4ヶ月以内で仮退院することが目安となるものであり、一番長いのは「長期処遇」であり、こちらは原則2年以内で退所することが目安となりますが、長期となる場合には2年以上入所を継続するケースもあります。
少年事件は、少年院送致などの終局処分もそこに至る経緯についても成人の刑事事件とは異なるため、全体像を掴みづらいというケースも考えられます。
少年事件の当事者となってしまってからすぐに弁護士に相談しておくことで、見通しやそれに伴う手続の流れを把握できると期待できます。
少年事件の全体を把握しながら手続きを進めることができれば、適切な処分を求めていくことができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についてのご相談も受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
(制度紹介)少年事件の終局処分~「保護処分」とはどんな処分?
(制度紹介)少年事件の終局処分~「保護処分」とはどんな処分?
少年事件では、最終的に家庭裁判所の審判によって保護処分が下されることが原則です。
その「保護処分」について、どういった処分の種類があるのか、その種類からどのように決められるのかといったことは、一般の方にはなかなか浸透していないのではないでしょうか。
今回の記事では、少年事件の終局処分の1つである、保護処分という処分について注目していきます。
~保護処分とは?~
そもそも、保護処分とはどういった処分なのかと不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。
少年事件は、原則としてそのすべてが家庭裁判所に送られ(全件送致主義)、保護処分が下されることとなっています。
保護処分は、大まかにいえば、少年事件を起こした少年を更生させるための処分です。
保護処分の種類としては、保護観察処分、児童自立支援施設・児童養護施設への送致、そして少年院への送致が挙げられます。
これらの保護処分は、先ほど触れた通り、あくまで少年を更生させるための処分であり、少年が犯罪をしたこと・犯罪に触れたことに対する罰(刑罰)ではありません。
そのため、例えば少年院送致となったとしてもそれはいわゆる「前科」ではありません。
どういった保護処分を受けるのかは、その少年のした犯罪の種類だけでなく、その少年の置かれた環境、少年の性格・資質などによって決められます。
一般的なイメージでは、「より悪質・重大な犯罪をした場合に少年院に行く」「少年院に行くことが重い処罰だ」というイメージかもしれません。
しかし、保護処分はあくまで少年の更生に資するように決められるため、単に犯罪の軽重だけで保護観察となるのか少年院送致となるのかが決まるわけではありません。
極端な話ですが、理論上、100円のお菓子を一度万引きしただけでも少年院に行く可能性はありますし、相手に重傷を負わせる傷害事件を起こしても保護観察となる可能性はあります。
これは、どういった保護処分を受けることが少年の更生に適切かということを重点に決められることによります。
例えば、少年が現在過ごしている環境そのものが少年の更生に適切でないと判断された場合には、一度その環境から離れ、生活環境の改善や指導を受けるために少年院に送致するといった判断がされるということです。
~保護処分とならない例外~
先ほどから触れている通り、原則として少年事件の終局処分は審判の後に保護処分が下されるものとなります。
しかし、少年事件では保護処分とはならない例外も存在します。
例えば、保護処分とするまでもなく、少年の更生に資する環境ができている、ないしは環境が整えられるだろうという場合には、審判の結果処分なしとなることもあります。
また、審判が始まる前から、少年の更生に十分な環境が整えられていたり、整えられるだろうことが分かっていれば、審判自体をしない(審判不開始)という判断になることもあります。
一方で、少年に要保護性がなく、刑事処分が適切であると判断された場合であったり、少年の年齢・してしまった犯罪などの条件を満たした場合では、審判の結果、検察へ逆送致されることもあります(いわゆる「逆送」)。
逆送された場合は、原則として起訴されることとなり、20歳以上の者同様に刑事裁判を受け、有罪・無罪や有罪の場合の刑罰の重さを決めることとなります。
この場合、有罪となって刑罰を受けることになれば、当然保護処分を受けることはなくなりますし、「前科」にもなります。
いずれにせよ、少年事件で最も重視される点の1つは、少年の更生に適切であるかどうかという点です。
少年の更生に適切な環境を整えることができれば、過剰な処分をせずとも更生を支えることができますから、適切な処分を目指すのであれば、早い段階から少年本人とご家族など周囲の方々で協力しながら環境調整や改善に取り組むことが望ましいといえるでしょう。
しかし、実際にそうした環境調整活動をしようとしても、当事者だけでは難しい部分もありますから、少年事件を取り扱う弁護士に相談するなどして、サポートを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、通常の刑事事件だけでなく、少年事件も多く取り扱っています。
手続や処分が何に基づいて決められていくのか、どういった環境調整をしていくべきなのかということを把握するだけでも、少年事件の手続に対応していく不安が軽減されます。
まずはお気軽にご相談だけでもご利用ください。
(データ紹介)少年事件・非行の件数、よく起こる犯罪は?
(データ紹介)少年事件・非行の件数、よく起こる犯罪は?
10代の少年少女が犯罪をしてしまったり、犯罪に触れる行為をしてしまったりしたときには、その事件は少年事件として取り扱われることになります。
日々の報道により、少年事件が起きていることをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、この少年事件について、毎年どれほどの少年事件が起き、どういった種類の少年事件が存在するのかということを、令和3年に出されたデータを基に紹介していきます。
~少年事件の検挙数~
法務省が毎年作成している統計「犯罪白書」の令和3年版(参考)によると、令和2年に刑法犯(刑法に定められている犯罪をした/犯罪に触れた少年)や危険運転致死傷罪・過失運転致死傷罪等を犯した/これらの罪に触れたとして検挙された少年は、3万2,063人だったとされています。
このうち、刑法犯(刑法に定められている犯罪をした/犯罪に触れた少年)で令和2年に検挙された少年は、2万2,552人とされています。
刑法犯・危険運転致死傷罪・過失運転致死傷罪等で検挙される少年の数は、全体として年々減少する傾向にあり、平成24年以降は毎年戦後最少を記録し続けているとのことです。
報道などでは、センセーショナルな少年事件が起こった際に繰り返し報道されることもあり、「少年事件が増えている」というイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、全体の数としては少年事件は減少しているということになります。
この刑法犯の少年事件については、検挙された少年の年齢区分も統計が出ています。
令和2年の刑法犯の少年事件として検挙された2万2,552人の内訳は、
年長少年(18歳~19歳):5,785人
中間少年(16歳~17歳): 7,181人
年少少年(14歳~15歳):4,500人
触法少年(14歳未満):5,086人
となっています。
この数を見ると、14歳未満から15歳の少年が検挙された少年の4割近くを占めており、高校生になりたてであったり中学生以下であったりする年齢の少年が起こしている少年事件も少なくないことが分かります。
こうした幼い年齢の少年の場合、逮捕・勾留などの身体拘束を受けることへの負担が大きかったり、家庭裁判所の審判や今後の更生に向けてより丁寧な指導が必要だったりすることが考えられますから、特に早い段階からサポートを受けることが望ましいといえるでしょう。
また、「犯罪白書」の令和3年版では、刑法犯で検挙された少年の罪名別の検挙数も計上されています。
統計によると、一番検挙された少年が多いのは窃盗罪(1万2,514人)であり、次いで傷害罪(2,033人)、横領罪(1,834人)と続いていきます。
万引きなど身近な犯罪が含まれることもあってか、窃盗罪が一番多く検挙されています。
この統計では、成人も含めての全体の刑法犯の罪名別検挙数のうち、少年事件がどれほどの比を占めているのかという数値も出しています。
この数値では、恐喝罪が1番数値が高く、成人も含めた全体の恐喝事件のうち、25.6%が少年事件となっています。
こうした数値を確認すると、少年事件は年齢の高い低いにかかわらず起きていることや、様々な犯罪に渡って起きていることなどが分かります。
少年事件も多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、どういった種類の少年事件でも柔軟に対応していきます。
逮捕・検挙の知らせを聞いて「まさかうちの子が」と困惑してしまうケースも少なくありませんが、そういったときこそプロである弁護士のサポートを受けましょう。
まずはお気軽にお問い合わせください。
(事例紹介)小学生への強制わいせつ事件で高校生が逮捕された事例
(事例紹介)小学生への強制わいせつ事件で高校生が逮捕された事例
~事例~
熊本市の高校生の少年が小学生にわいせつな行為をした疑いで逮捕された。
強制わいせつの疑いで逮捕されたのは熊本市に住む15歳の高校生の少年。
少年は、10月4日の午後5時過ぎ、県央の路上で、女子小学生ののスカートを引っ張ったうえ、スカートの上から尻を触るなどわいせつな行為をした疑いがもたれている。
(中略)
少年は警察の調べに対し「スカートは引っ張ったが尻は触っていない」と容疑を否認している。
(※2022年10月12日12:09YAHOO!JAPAN配信記事より引用)
~未成年の未成年に対する性犯罪~
今回取り上げた事例では、高校生の少年が、小学生に対する強制わいせつ事件を起こしたとして逮捕されています。
この事例のように、未成年者が未成年者に対して性犯罪事件を起こした容疑で捜査されるというケースもままあり、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にもご相談・ご依頼にいらっしゃる方もいます。
今回の事例で高校生の少年の容疑となっているのは、強制わいせつ罪という犯罪です。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
報道によると、今回の事例では、高校生の少年は「女子小学生ののスカートを引っ張ったうえ、スカートの上から尻を触るなどわいせつな行為をした」ということを疑われているようです。
被害者が小学生ということであれば、その年齢は「13歳未満」ですから、強制わいせつ罪の条文の後段が適用され、単に「わいせつな行為」をしたかどうかによって強制わいせつ罪が成立するかどうかが決まることになります。
なお、強制わいせつ罪では、加害者の年齢については特に限定されていません(刑法第41条によって14歳未満については罰しないという限定はされています。)。
ですから、たとえ未成年同士であったとしても、強制わいせつ罪の成立する条件を満たしているのであれば、強制わいせつ罪が成立するということになります。
報道によれば、逮捕された少年は容疑を否認しているとされています。
詳細な供述内容はわかりませんが、少年の供述が本来「わいせつな行為」に当たらないであろう行為のみしかしていないということであれば、少年にかけられた強制わいせつ罪の容疑は冤罪である(ただし、暴行罪など他の犯罪が成立する可能性はあります。)ということになります。
~少年事件と否認事件~
特に少年事件においては、当事者である少年もそのご家族も、取調べに対する不安は大きいものと思われます。
取調べは、プロの捜査官である警察官や検察官に対峙して対応しなければなりません。
加えて、容疑を否認しているケースでは、取調べによる追及が厳しくなる可能性もあり、成人であっても精神的な負担が大きく、本意ではない自白をしてしまうというケースも見られます。
もちろん、少年事件の場合は、取調べなどでも配慮するようにはされていますが、それでも否認事件の場合は厳しく問い詰められることもあるようですから、少年にかかる負担は大きいと予想されます。
逮捕・勾留による身体拘束を受けているケースであれば、暮らし慣れた家を離れて1人で捜査に対応するという環境が続くこともあり、さらに大きな負担がかかることが考えられます。
こうしたケースでは、少年に対して細やかなフォローが求められますが、ご家族の面会が一定の制限のもとしか行えないなど、ご家族だけでは十分にフォローできないという状況になりがちです。
弁護士であれば、逮捕直後であっても少年と接見することができますし、接見の時間についても原則制限はありません。
こまめな接見によって、取調べなどへの対応のアドバイスのほか、ご家族からのご伝言を伝えることもできます。
弁護士のサポートを受けることで、少年本人だけでなく、そのご家族の負担を軽減することが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕されてしまったお子さんに弁護士が会いに行くという初回接見サービスを行っています。
お子さんが逮捕されてしまった際にまずは状況を知りたいという方、お子さんに対していち早くアドバイスをしてほしいという方などには、こちらの初回接見サービスをご利用いただくことをおすすめいたします。
詳細につきましては、0120-631-881でスタッフがご案内していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
(事例紹介)特殊詐欺の受け子で中学生・高校生が逮捕された事例
(事例紹介)特殊詐欺の受け子で中学生・高校生が逮捕された事例
~事例~
滋賀県野洲市に住む高齢女性からカードをだまし取ろうとした疑いで、「受け子」の高校生と中学生が逮捕されました。
(中略)
17歳の男子高校生と14歳の男子中学生は8日、野洲市内で82歳の女性からキャッシュカードをだまし取ろうとした疑いが持たれています。
警察によりますと10月、「銀行協会の職員」を名乗る不審電話の情報が周辺で相次ぎ、警察官が警戒していたところ、革靴やワイシャツを入れた半透明の袋を持つ2人を発見。
公園で高校生が着替え始めたため声をかけると「これから詐欺しに行く」などと話したということです。
(後略)
(※2022年10月9日12:31YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)
~特殊詐欺事件と少年事件~
今回取り上げた事例では、中学生と高校生が特殊詐欺事件の「受け子」の容疑で逮捕されています。
特殊詐欺事件では、複数人で役割分担をして詐欺行為をはたらくというケースも少なくありません。
そういったケースでは、今回の事例で逮捕された中学生・高校生が担ったとされる「受け子」という役割のほか、「出し子」や「かけ子」といった役割があることが多いです。
今回の事例でも出てきた「受け子」は、特殊詐欺の被害者からお金やカードなどを「受け」取る役割です。
このほか、「出し子」は特殊詐欺の被害者から受け取ったキャッシュカードを利用してATMなどから現金を引き出す役割、「かけ子」は特殊詐欺の被害者に対して電話をかける役割を指します。
このうち、特に「受け子」「出し子」については、被害者の自宅などに足を運んで直接被害者と顔を合わせたり、ATMなど防犯カメラに映る場所で犯行をしたりするため、他の役割に比べて検挙されやすいとされています。
他の役割に比べて検挙されやすいということから、この役割を担う人は特殊詐欺グループの中心から離れた人が任されやすく、いわゆる「とかげのしっぽ切り」的に使われてしまうケースも少なくありません。
こうした特徴から、「受け子」や「出し子」については、SNSなどを通じて、元々特殊詐欺グループに所属していなかった人を募ってその役割を割り当てるというケースも多いです。
SNSなどでは、「闇バイト」「裏バイト」などと称して「受け子」「出し子」が募集されていることもあり、「荷物を受け取るだけで高収入」「違法ではないので大丈夫」「知らなかったといえば逮捕されない」などと謳われていることもあります。
こういった謳い文句に乗ってしまい、「受け子」「出し子」をしてしまう10代の少年少女も少なくなく、弁護士法人あいち刑事事件総合補率事務所にも、SNSなどを経由して「受け子」や「出し子」を引き受けてしまい、詐欺罪や窃盗罪の容疑で逮捕された少年事件のご相談・ご依頼が度々寄せられています。
特にグループで行われている特殊詐欺事件では、事件関係者が多いこともあり、逮捕・勾留による身体拘束を伴って捜査されることも珍しくありません。
今回取り上げた事例でも、中学生・高校生の少年が逮捕されています。
逮捕・勾留を受けながら捜査に対応することは、成人であっても負担の大きいことですから、成長途中の少年にかかる負担はさらに大きいものであることが予想されます。
捜査への適切な対応が必要なことはもちろんですが、その後の更生に向けても事件と真摯に向き合うことも必要ですから、早い段階から専門家である弁護士のサポートを受けられることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、在宅捜査を受けている方にも逮捕・勾留されている方にも早期に対応できるよう、0120-631-881でいつでもサービスをご案内中です。
「受け子」「出し子」などによってお子さんが逮捕されてしまったなど、少年事件でお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。
(事例紹介)強盗殺人未遂罪で高校生が逮捕された事例と「逆送」
(事例紹介)強盗殺人未遂罪で高校生が逮捕された事例と「逆送」
~事例~
女性を殴り現金を奪ったとして、吉川署は29日、強盗殺人未遂の疑いで埼玉県三郷市に住む高校生の少年(16)を逮捕した。
逮捕容疑は、29日午前0時44分ごろ、三郷市中央2丁目の国道298号交差点で、歩いて帰宅途中だった同市の女性(27)の頭などをキャスターボードで背後から複数回殴り、首を絞め、現金500円を女性の財布から奪った疑い。
「女性を殺そうと思って殴ったほか、首を絞めて金を奪ったことは間違いない」と容疑を認めているという。
同署によると、少年は「金を出せ」と女性を脅迫し、現金を強取。女性は頭部顔面打撲や鼻骨骨折など、全治不詳の重傷を負い救急搬送された。
(後略)
(※2022年9月30日9:05YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)
~強盗殺人罪・強盗殺人未遂罪~
今回取り上げた事例では、高校生の少年が強盗殺人未遂罪の容疑で逮捕されています。
逮捕容疑である強盗殺人未遂罪は刑法に定められている犯罪で、以下のように定められています。
刑法第236条第1項(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
刑法第240条(強盗致死傷罪)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
刑法第243条(未遂罪)
第235条から第236条まで、第238条から第240条まで及び第241条第3項の罪の未遂は、罰する。
刑法第240条の強盗致傷罪・強盗致死罪は、強盗傷人罪や強盗殺人罪とも呼ばれます。
この呼び方の違いは、強盗の機会に用いられた暴行で結果的に人が傷ついたり亡くなったりしたものか、それとも人を傷つけたり殺したりしてでも強盗行為をして実際に人が傷ついたり亡くなったりしたものなのかということによります。
つまり、元々人が傷ついたり亡くなったりすることを織り込み済みで強盗罪を犯し、人の死傷という結果が起こった場合には、強盗傷人罪や強盗殺人罪が成立するということになります。
罪名の呼び方は違いますが、中身としてはどちらも刑法第240条のものとなりますから、強盗致死傷罪も強盗傷人罪・強盗殺人罪どれも「人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役」という刑罰の範囲で罰せられることとなります。
今回の事例では、報道された内容によると、逮捕された少年は被害者を殺そうとして殴るなどして金品を奪ったとされています。
先ほどの考え方からすると、元々殺意があって強盗に及んでいるということになりますから、強盗殺人罪に該当する行為といえ、被害者の女性が死亡するまでには至っていないことから強盗殺人未遂罪が成立すると考えられます。
~少年事件と強盗殺人罪・強盗傷人罪~
少年事件は、基本的には成人の刑事事件とは異なる手続きを踏み、少年は最終的に保護処分と呼ばれる少年の更生のための処分を受けることになりますが、例外的に「逆送」という措置が取られることがあります。
「逆送」は、家庭裁判所から検察官に事件が送致されることを指しており、「逆送」された少年事件は検察官の下で原則起訴されることになります。
そして、起訴された少年事件は成人同様刑事裁判となり、裁判では有罪・無罪が争われたり、有罪の場合の刑罰の重さが争われたりします。
ここで有罪となると、少年は少年刑務所に行って刑罰を受けることになります(犯罪によっては罰金刑で終わるケースもあります。)。
少年法では、様々な事情を考慮して「逆送」が適切であると判断したケースの他、原則として「逆送」を取ると定めているケースがあります。
原則として「逆送」すると定められているケースは以下のようなケースです。
・犯罪をしたときに16歳以上の少年の場合:故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であるとき(少年法第20条第1項)
・犯罪をしたときに18歳以上の少年(特定少年)の場合:上記に加えて死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であるとき(少年法第62条第2項)
強盗殺人罪で当てはめてみると、強盗殺人行為という故意の犯罪行為によって被害者を死亡させる犯罪であることから、16歳以上の少年がこの犯罪をしたときには原則「逆送」の措置が取られることとなります。
しかし、今回の事例では、逮捕された少年は16歳であるものの、容疑は強盗殺人未遂罪であり、被害者の女性は亡くなっていません。
「被害者を死亡させた」罪ではありませんから、今回の事例については原則逆送対象事件ではないということになります。
ただし、調査の結果、刑事処分が適切であると判断されれば「逆送」されることも考えられますから、「被害者が亡くなっていないから」といって一概に「逆送」されないというわけではないことも注意が必要です。
少年事件では、「逆送」などの特殊な手続もあり、なかなか先の見通しが付きづらい部分もあります。
特に強盗殺人罪・強盗殺人未遂罪などの重大犯罪の場合には、事件への対応自体が長期化し複雑になるおそれもあります。
だからこそ、専門家である弁護士のサポートを受けながら少年事件の手続に対応していくことで、ご本人だけでなくそのご家族の負担を軽減することが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、「逆送」の可能性のある少年事件から、重大犯罪にかかわる少年事件まで、幅広く少年事件を取り扱っています。
少年事件への対応でお悩みの際は、お気軽にご相談下さい。
(事例紹介)14歳少年が強盗事件で逮捕された事例
(事例紹介)14歳少年が強盗事件で逮捕された事例
~事例~
コンビニエンスストアに押し入って金属バットで店長を脅し、たばこを奪ったとして、警視庁少年事件課は、強盗の疑いで、東京都昭島市の中学3年の少年(14)を逮捕した。調べに対し、「たばこ代や遊ぶ金が欲しかった」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は、9月5日午前3時40分ごろ、昭島市内のコンビニに押し入り、コンビニの店長の男性(69)に金属バットを振りかざして「たばこを出せ」などと脅迫し、たばこ6箱(3360円相当)を奪ったとしている。店内に客はおらず、けが人はいなかった。
(後略)
(※2022年9月20日12:08産経新聞配信記事より引用)
~14歳の子どもによる少年事件~
今回取り上げた事例では、14歳の少年が強盗罪の容疑で逮捕されています。
14歳というと幼い印象を受けますが、刑法では刑事責任年齢を14歳としているため、14歳以上の者が犯罪に当たる行為をした場合には、犯罪が成立するということになります。
一方で、13歳以下の少年が犯罪に当たる行為をした場合には、犯罪は成立しませんが、その少年は法に触れる行為をした=「触法少年」として家庭裁判所の調査を受けて審判を受けることになります。
刑法第41条
14歳に満たない者の行為は、罰しない。
犯罪が成立するといっても、10代の少年少女が犯罪に当たる行為をした場合には、基本的には少年事件の手続きに則って処分が決められることとなります。
少年事件では、原則として刑罰を受けることはありませんが、その少年の更生のための処分=保護処分が取られます。
保護処分の種類としては、少年院や児童自立支援施設などの施設への送致処分、保護司や保護観察官からの指導を受けながら家庭や職場で生活を送る保護観察処分が挙げられます。
~少年事件と施設送致~
少年事件では、その少年の要保護性によって処分が決められることから、理論上、その少年がした犯罪が刑罰の重い犯罪だからといって必ずしも少年院などの施設送致になるとは限りませんし、軽微な犯罪だからといって保護観察処分や不処分になるとは限りません。
しかし、重大犯罪をしてしまったという少年事件では、そのような犯罪を少年がしてしまうというところに、環境や本人の認識などに大きな問題があるのではないかと考えられることが予想されます。
そのような場合、今までの環境を根本的に変えなければ少年の更生に適さないという判断となり、少年院や児童自立支援施設などの施設送致の処分となることが考えられます。
例えば、今回取り上げた事例で逮捕された少年は、強盗罪の容疑をかけられています。
強盗罪は、「5年以上の有期懲役」(刑法第236条第1項)が定められている犯罪であり、刑罰からも重い犯罪であることが伺えます。
もちろん、少年の環境や少年本人の事件の受け止めなどによるところが大きいですが、こうした重大犯罪の場合には、上記のような理由で施設送致という処分が必要だと考えられることもあります。
少年事件の保護処分で送致される施設としては、少年院、児童養護施設、児童自立支援施設が挙げられます。
少年院は、矯正教育や社会復帰支援などを行う施設であり、第1種から第5種までの種類があります(第4種・第5種少年院については、それぞれ刑の執行を受ける者や保護観察中の遵守事項違反のあった特定少年を収容する、特殊な少年院となっています。)。
少年院では、少年の健全な育成が主目的とされており、この部分が少年刑務所などの刑罰を目的とする施設と異なります。
生活指導や教科指導、職業指導などが行われ、少年は、少年院の中で少年の更生・社会復帰に資する指導を受けながら生活することになります。
少年院に収容される年齢としては、12歳以上26歳未満とされています。
児童自立支援施設とは、児童福祉法第44条に定められている施設であり、「不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設」とされています。
児童自立支援施設も、少年院同様に少年の更生や健全な育成を目的としており、生活指導や教科指導、職業指導などが行われています。
少年院との違いとしては、児童自立支援施設は、自室などの施錠がされておらず、開放的な処遇が取られているというところが挙げられます。
こうした特徴があることから、児童自立支援施設に送致される少年は、年齢が幼い少年(義務教育中の少年が多いです)であったり、非行の程度が進行していない少年であったりすることが多いです。
児童自立支援施設に収容される少年の年齢としては、18歳未満の少年とされていますが、延長の措置を取ることで20歳まで収容が可能とされています。
児童養護施設は、児童自立支援施設同様に、開放的な処遇の取られている施設です。
しかし、児童自立支援施設が非行少年の収容・教育・援助を目的としていることに比べ、児童養護施設は、児童福祉法第41条で「児童養護施設は、保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含む。以下この条において同じ。)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定められており、主な対象は保護者のいない児童の養護であるとされています。
こうしたことから、少年事件の処分として児童養護施設送致となることは稀であると言われています。
少年事件の施設送致という処分は、成人の刑事事件のように罰することが主目的ではありません。
それでも、その収容期間には今までの生活環境と離れてしまうことになりますから、負担が大きいという場合もあります。
適切な処分を受けるためにも、少年事件の当事者となってしまったら、弁護士に相談し、見通しや可能な弁護活動・付添人活動を把握しておくことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、「子どもが強盗事件などの重大犯罪を起こしてしまった」「少年事件の当事者となってしまった」というご相談も随時受け付けています。
まずはお気軽に0120-631-881までお問い合わせください。
(事例紹介)カードすり替え型の窃盗事件で少年が再逮捕された事例
(事例紹介)カードすり替え型の窃盗事件で少年が再逮捕された事例
~事例~
群馬県警組織犯罪対策課と前橋署は2日までに、窃盗の疑いで水戸市の高校生の少年(16)を再逮捕した。
再逮捕容疑は仲間と共謀して8月9日午後7時ごろ、金融機関職員を装って太田市の男性(86)方を訪れ、男性から受け取ったキャッシュカード1枚を封筒に入れ、男性が目を離した隙に別の封筒とすり替えて盗んだ疑い。
(中略)
男性方には少年の訪問前、市役所職員を装って「保険料の払い戻しがある」「キャッシュカードを新しくする必要があり、金融機関の職員が伺う」などのうその電話があった。
(中略)
県警は少年が現金を引き出す「出し子」を兼ねていた可能性を含めて捜査している。
(※2022年9月3日18:30上毛新聞配信記事より引用)
~カードすり替え型の窃盗事件~
今回取り上げた事例では、16歳の少年が窃盗罪の容疑で再逮捕されています。
窃盗罪と聞くと、万引きや置引きといった事件内容がイメージされますが、今回取り上げた事例では、いわゆる特殊詐欺事件のような経緯でカードのすり替えが行われています。
最近は、こうした被害者を電話などを通じて騙したうえで自宅などに向かい、そこで被害者の隙を見てキャッシュカードなどをすり替えるといった手口の窃盗事件が横行しているようです。
窃盗事件とはいっても手口としてはほとんど特殊詐欺のような内容となっていることから、窃盗事件の中でも悪質性が高いものと判断されやすいようです。
~少年事件と再逮捕~
今回の事例では、16歳の少年が再逮捕されていると報道されています。
ここでいう再逮捕とは、別の事件ですでに逮捕されていたところ、さらに別の事件で逮捕されたということを指します。
ですから、何件も事件に関与しているという場合には、理論上、関与した事件の数だけ再逮捕が繰り返される可能性があるといえます。
特に、今回取り上げたようなカードすり替え型の窃盗事件や特殊詐欺事件では、事件関係者も多く、身体拘束のリスクが高い事件といえます。
こうした窃盗事件や特殊詐欺事件に関わっていた場合には、身体拘束が長期化することが予想されます。
さらに、少年事件の場合、身体拘束のリスクは捜査段階の逮捕・勾留だけではありません。
事件が家庭裁判所に送致された後にも、少年事件では「観護措置」という少年鑑別所に収容される措置が取られる可能性があります。
この「観護措置」は4週間程度取られることが多く、逮捕・勾留が繰り返されたあとにもさらに長期の身体拘束が見込まれることがあるということです。
10代の少年にとって、長期間身体拘束され、家族とも満足に面会できずに過ごすということは、精神的・身体的に負担の大きいことと考えられます。
だからこそ、弁護士の接見を通じて負担を軽減したり、釈放を求める活動をしていったりという活動が重要となってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、10代の少年少女による少年事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
少年事件の見通し、手続の流れ、弁護活動など、把握しておくだけでも不安の軽減につながります。
まずはお気軽にお問い合わせください。