(事例紹介)蛇行運転や信号無視の集団暴走事件で検挙された事例

2022-11-23

(事例紹介)蛇行運転や信号無視の集団暴走事件で検挙された事例

~事例~

川崎市内の道路で2021年9月に集団暴走をしたとして、神奈川県警は21日、道交法違反(共同危険行為)容疑などで、川崎市と横浜市に住む16~18歳(当時)の少年ら15人を逮捕や書類送検したと発表した。
(中略)
容疑は21年9月25日夜、川崎市高津区や宮前区の主要地方道約5・6キロで、バイク11台に分乗し、蛇行運転や信号無視などを繰り返し、集団暴走したとしている。
交通捜査課によると、15人の大半は川崎市内にある暴走グループに所属。無免許運転も5人いた。
15人のうちの1人が自らの18歳の誕生日を祝ってもらおうと、SNS(ネット交流サービス)で参加者を集めた。(後略)
(※2022年11月21日19:35毎日新聞配信記事より引用)

~集団暴走と犯罪~

今回取り上げた事例では、事件当時16~18歳の少年ら15人が道路交通法違反などの容疑で逮捕や書類送検をされています。
こうした、いわゆる暴走族のような集団暴走行為は、道路交通法で「共同危険行為」として禁止されています。

道路交通法第68条
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

いわゆる暴走族的に集団暴走をしたというケースでは、多くの場合、複数人で自動車やバイクを並列させて蛇行運転を行ったりスピード違反を行ったりといったものが見られます。
複数人で蛇行運転やスピード違反、信号無視などを行えば、当然交通事故の危険は増しますし、他の運転者にとっては迷惑になりますから、「共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」と判断され、共同危険行為による道路交通法違反となることが多いです。
今回の事例でも、少年15人が11台のバイクに分乗した上、蛇行運転や信号無視を繰り返したとして共同危険行為による道路交通法違反の容疑がかけられているようです。

そして、こうした集団暴走行為をしている場合、共同危険行為以外の道路交通法違反が成立することもあります。
例えば、一般道で30km/h、高速道路で40km/h以上のスピード違反であれば、これも道路交通法違反として刑事事件・少年事件になります。
今回の事例のように、無免許運転の者がいれば、それもまた道路交通法違反となります。
集団暴走事件では、こうした複数の道路交通法違反が絡んでくるケースも珍しくありません。

~集団暴走と少年事件~

いわゆる暴走族のような集団に属して集団暴走行為を行った場合、少年事件ではその事実を重くとらえられることも少なくありません。
というのも、少年事件の手続では、少年の更生を重要視しますが、暴走族という集団に属しているということは、その環境を変えなければ、また同じことを繰り返してしまうのではないかという懸念を抱かれる可能性が高いためです。
交友関係の整理をする、生活環境を変えるということはとても大変なことであり、少年自身だけではなく、ご家族や学校など、周りの人の協力も必要となります。
こうしたことから、例えば少年院送致などの施設送致により、物理的・強制的に環境を変えるという手段が取られることもあるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、集団暴走事件を含めた少年事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
刑事事件も少年事件も取り扱っている弁護士だからこそ、突然の逮捕・捜査にも迅速かつ丁寧な対応が可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。

Copyright(c) 2021 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.