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(事例紹介)公務執行妨害罪の疑いで少年が逮捕された事例

2022-07-06

(事例紹介)公務執行妨害罪の疑いで少年が逮捕された事例

今回は、石川県小松市内で起きた少年による公務執行妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

6月22日午後9時ごろ、小松市内の駅ホームで男性警察官の腹を蹴り、職務執行を妨害した疑いで、16歳の少年が現行犯逮捕されました。
警察によりますと、少年が集まって大声を出し暴れているなどと複数の通報を受け、警察官が現場に駆け付け、迷惑行為をやめるよう話をしていたところ、前記少年が犯行に及んだということです。
(6月23日 石川テレビ 「駅で「少年10人以上が大声出し暴れてる」通報で駆けつけた警察官の腹を蹴る 高校生を現行犯逮捕」より引用)

~少年事件の特色~

今回取り上げたケースの16歳の少年は、公務執行妨害罪の疑いで逮捕されています。
成人が公務執行妨害事件を起こし、公務執行妨害罪で有罪判決が確定した場合には、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」に処せられます(刑法第95条1項)。
しかし、今回のケースのように、16歳の少年が事件を起こした場合には、少年法の適用があるため、原則として刑罰に処せられることはありません。

では、16歳の少年が少年事件を起こしても何の処分もなしに終わるのかというと、そうではありません。
原則として刑罰を受けないというかわりに、少年事件では事件が原則的に全て家庭裁判所へ送致され、必要な保護処分を受ける可能性が出てきます(例えば、保護観察処分・少年院送致・児童自立支援施設等送致など)。
少年事件においては、犯罪の種類が比較的軽いものであっても、家庭環境や交友環境に深刻な問題があると判断された場合には、少年院送致などの処分となる可能性があります。
ですから、少年事件の場合、事件後に事件とどのように向き合うのか、環境を改善していくのかといった部分が重要なのです。

今回の16歳の少年も、原則としては保護処分となると考えられますが、その処分の種類がどのようなものになるのかは、少年自身の資質や少年の周囲の環境、事件後の環境の変化などによって決められることになるでしょう。

有利な事件解決を行うためには、逮捕直後(場合によっては、逮捕前から)から少年事件に熟練した弁護士のアドバイスを受け、行動していく必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
少年事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

[事例紹介]特殊詐欺に関連した窃盗罪の容疑で少年逮捕

2022-06-29

[事例紹介]特殊詐欺に関連した窃盗罪の容疑で少年逮捕

特殊詐欺に関連した窃盗罪の容疑で少年が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警中京署は24日、窃盗の疑いで、大阪府堺市の無職少年(17)=窃盗容疑で逮捕=を再逮捕した。
特殊詐欺グループでカードを盗む「受け子」役だったとみて捜査している。
再逮捕容疑は、5月31日、何者かと共謀し京都市中京区の女性(80)宅に電話し、キャッシュカードの再発行が必要だとうそを言い、全国銀行協会の職員になりすまして女性宅を訪れ、キャッシュカード11枚を盗んだ疑い。
(6月24日 京都新聞  「銀行協会職員になりすまし80歳からカード11枚窃盗 少年を容疑で逮捕」より引用)

窃盗罪と詐欺罪

窃盗罪詐欺罪はどちらも他人の財産を害する犯罪であり、移転罪とも呼ばれる分類の犯罪です。
分類上は移転罪という同じカテゴリの犯罪にはなるものの、窃盗罪では被害者の意思に反して物が移動するのに対し、詐欺罪では騙された被害者の意思に沿って物が移動する(交付行為)ところが異なります。

窃盗罪詐欺罪でそれぞれ有罪となった場合には、
窃盗罪の場合、10年以下の懲役または50万円以下の罰金(刑法235条)
詐欺罪の場合、10年以下の懲役(刑法246条1項)
となります。

窃盗罪・詐欺罪の裁判例

昨今、報道されている事例のような特殊詐欺事件は絶えず報道されています。
成人の起こした特殊詐欺事件の裁判も多く見られ、例えば今回の事例に類似した裁判例には、以下のようなものがあります。

被告人は知人と共謀して警察官及び銀行関係者になりすまし、キャッシュカードを騙しとった上に、そのキャッシュカードで現金を盗もうと企てたとして、窃盗罪・詐欺罪の容疑で起訴されました。
裁判では、被告人が犯行に関わったと認定するには合理的な疑いが残り、犯罪の証明がないことから、被は無罪となりました。
(以上、平成29年3月15日広島地方裁判所判決

被告人は知人と共謀して警察官になりすまし、共犯者が窃取したキャッシュカードを用いて、現金を引き出しました。
被告人は共謀して現金を引き出したことを罪に問われ、窃盗罪により懲役3年執行猶予5年の判決が言い渡されました。
(以上、令和2年2月14日名古屋地方裁判所判決

被告人は警察官になりすましてキャッシュカードを窃取した後、そのキャッシュカードを用いて現金を窃取し、より利益を得たいと思った被告人は知人を犯罪に引き入れました。
被告人は詐欺罪、窃盗罪で懲役4年となりました。
(以上、令和2年4月7日名古屋地方裁判所判決

今回取り上げた報道の事例では、いわゆる「出し子」をしている事例でしたが、この「出し子」は裁判例にもある通り、窃盗罪が適用されることが多いです。
ですから、今回紹介している事例での窃盗罪の再逮捕は、被害者のキャッシュカードを利用して266万円を勝手に引き出したことに対するものと考えられます。

今回の報道で逮捕された少年は17歳とのことですので、少年事件の手続によって事件が進んでいくことになるでしょう。
少年事件では、裁判例にあるような刑事裁判になって懲役刑を受けるということは基本的にはありません。
しかし、特殊詐欺グループに関わって複数の特殊詐欺事件に関わっていたということであれば、そういった環境を厳しく考えられ、少年院送致などの処分も考えられます。
社会内での更生を目指したいということであれば、被害者対応だけでなく、特殊詐欺グループとの関係を断つことや、生活環境の改善などを積極的に行っていくことが求められるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく、少年事件も多数取り扱っております。
特殊詐欺に関連した窃盗罪詐欺罪でお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
ご相談のご予約は0120ー631ー881までお問い合わせください。

【解決事例】高校生の強盗致傷事件で保護観察処分獲得

2022-06-22

【解決事例】高校生の強盗致傷事件で保護観察処分獲得

~事例~

高校生のAさん(16歳)は、埼玉県さいたま市見沼区にあるドラッグストアで、友人であるXさんらと一緒に商品を万引きしました。
ドラッグストアの警備員に万引きを見とがめられたAさんは、「捕まってしまう」と怖くなり、逃げるために咄嗟に警備員を突き飛ばしてしまいました。
Aさんに突き飛ばされたことで、警備員は怪我をしてしまいました。
最終的に、Aさんは通報によって駆け付けた埼玉県大宮東警察署の警察官に、強盗致傷罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんはその後、勾留されることなく釈放されましたが、AさんとAさんの両親は、今後の手続や被害を受けた店舗・警備員の方への対応をどうすればよいかと不安になり、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料法律相談を利用し、弁護活動を依頼することに決めました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

今回の事件の発端は万引き(=窃盗罪)であったものの、Aさんは警備員に捕まること(逮捕)を免れるために警備員を突き飛ばすという暴行を加えており(=事後強盗罪)、その際に警備員に怪我をさせてしまったという経緯から、Aさんに成立する犯罪は強盗致傷罪という重大な犯罪になっていました。
強盗致傷罪は、20歳以上の刑事事件で有罪となれば「無期又は6年以上の懲役」という重い刑罰が科せられる(刑法第240条)ほか、裁判も裁判員裁判の対象となる犯罪です。
少年事件では、少年の更生に重きを置いて処分が下されるため、いわゆる犯罪の軽重だけで処分が重くなるとは限りません。
しかし、重大犯罪をしてしまう環境を改善させるためには、少年院送致などによって根本的に環境を変える必要があると判断されることも少なくないため、Aさんにとって厳しい処分が下される可能性もありました。

弁護士は、まずはAさん自身の反省を深めるため、被害を受けた店舗や警備員の方に向けた謝罪文を作成してもらうとともに、課題や打合せを通じて、Aさんに事件について振り返りをしてもらいました。
そして、AさんだけでなくAさんのご両親に対しても、今までのAさんへの向き合い方を振り返り、今後改善できる点をピックアップし、行動に移してもらうようアドバイスを行いました。

こうしたAさん自身やそのご家族へのアプローチと並行し、弁護士は被害を受けた店舗や警備員の方に連絡を取り、謝罪と弁償を含めた示談交渉を行いました。
最終的に、被害を受けた店舗とも警備員の方とも示談を締結することができ、店舗からも警備員の方からもお許しの言葉をいただくこともできました。

家庭裁判所の審判では、Aさん自身やその家族が事件に向き合い生活態度などを改善させていることや、Aさんが犯行当時の交友関係を清算していること、被害店舗や警備員の方への謝罪や賠償をしてお許しをいただいていることなどが示され、Aさんは保護観察処分となりました。
保護観察処分となったことで、Aさんは社会内で更生を目指していくことができるようになりました。

少年院送致も少年の更生のための処分ではありますが、学校へ通えなくなるなど、少年にとってデメリットがある面も否定できません。
より適切な処分を求めていくためにも、事件へ向き合い、今までの環境を改善させることが必要となってきますが、当事者だけで環境調整活動を行うことは難しいでしょう。
だからこそ、少年事件にお悩みの際は、弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
強盗致傷事件などの重大事件についても取り扱っていますので、まずはお気軽にご相談下さい。

(事例紹介)パトカーに向けて消火器を噴射し追送致

2022-06-15

(事例紹介)パトカーに向けて消火器を噴射し追送致

~ケース~

バイクと消火器を盗み、パトカーに向かって消火器を噴射したなどとして、15~16歳の少年ら3人が追送致されました。
少年らは4月1日、バイク1台と消火器10本ほどを盗み、追跡にあたったパトカーなどに向かって消火器を噴射した疑いがもたれています。
少年らはすでに、盗んだバイクなどに乗って集団暴走した疑いで、道路交通法違反の被疑事実により、5月16日に逮捕されています。
(5月31日 日テレNEWS 「バイクと消火器盗み…追跡のパトカーに噴射 少年ら3人追送検「警察に勝って自慢したかった」」より引用 )

~少年事件の特殊性~

ケースの少年らは15歳~16歳であるため、少年法が適用されて事件が進んでいくことになるでしょう。
そのため、原則として刑罰を受けることはなく、必要に応じた保護処分を受けることによって事件が終了することになると考えられます。

今回のケースのような事例では、少年らが集団暴走行為もしていたという事情もあり、交友関係にも非行の原因があると判断される可能性があります。
そうした場合、少年らの更生のために根本から環境を変化させる必要があると判断され、後述の少年院送致といった保護処分が取られることも考えられるところです。

~保護処分の種類~

前述した保護処分には、①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設等送致があります。
保護処分が必要なければ、「不処分」や、そもそも家庭裁判所にて審判を行わない「審判不開始」という事件処理もあります。

~保護観察処分にも負担の軽重がある~

例えば、少年院送致が言い渡された場合、少年院に入って更生を目指すことになりますが、保護観察処分の場合は、保護観察官・保護司の指導・監督を受けるものの、社会内で更生を目指すことができます。
どちらも少年の社会復帰・更生のために取られる処分ではあるものの、在宅で更生を目指す方が学校や職場に通うことができるため、負担が軽いともいえるでしょう。

先ほども触れたように、少年院に入ることも少年の更生のための処分ではありますが、少年院に入る間社会と離れて過ごすというデメリットも存在しますから、少年やその家族の環境を鑑みて適切な処分を下してもらうことが必要といえます。
適切な処分・事件解決を目指すためには、家庭裁判所の裁判官に対して説得的に主張する必要があります。

お子様が少年事件を起こしてしまった場合には、すぐに少年事件に詳しい弁護士と相談し、今後の対策についてアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
少年事件についてお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【解決事例】窃盗・暴行事件で観護措置回避・不処分獲得

2022-06-08

【解決事例】窃盗・暴行事件で観護措置回避・不処分獲得

~事例~

千葉市緑区に住むAさん(17歳)は、友人らと一緒に万引きをしてしまい、その万引き行為を目撃した警備員Vさんに追いかけられた際、警備員Vさんに捕まりました。
Aさんは警備員Vさんを振りほどこうとして肘をVさんに当ててしまうなどしました。
最終的にAさんは、友人らとともに千葉県千葉南警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんには勾留がつき、逮捕後も警察署で身体拘束されている状態でしたが、Aさんのご両親は、警察からも国選弁護人からも事件について詳しい話が聞けず、不安に感じていました。
そこでAさんのご両親は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスを利用し、Aさんの起こした事件やその見通しなどについて詳しく知ることにしました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

少年事件では、捜査段階で行われる逮捕・勾留といった身体拘束の他に、家庭裁判所に事件が送致されてから行われる観護措置という身体拘束を伴う処分も存在します。
特に、Aさんのように、捜査段階で逮捕・勾留されている場合には、そのまま観護措置を取られ、身体拘束期間が長引いてしまうということが多いです。
観護措置となれば通常4週間は鑑別所に収容されることとなり、そうなればAさんは学校へ戻ることもできなくなってしまう可能性がありました。

弁護士は、Aさん自身の反省を促すだけでなく、Aさんのご両親とも話し合いを重ね、今後のAさんの監督体制について見直してもらうこととしました。
また、Aさんの通う学校とも協議を重ね、学校がAさんをただちに退学とするのではなく、Aさんの復学を支援してくれる状況であることを確認しました。
こうした事情を弁護士から家庭裁判所に訴え、観護措置を取らないことを求めたところ、弁護士の主張が認められ、Aさんは観護措置をとられずに釈放されることとなりました。

その後、Aさんがなぜ今回のような事件を起こすに至ったのかということを、Aさん自身やご家族で真剣に向き合い、Aさんはご家族の協力のもと、通院や投薬なども行い、今後非行をしないための対策を行いました。
弁護士は、Aさんのご両親と学校、通院先の病院と連携してAさんの指導を行い、Aさんは生活態度を改めるとともに、節々で事件の振り返りや反省をするとともに、進路を決め、その目標に向かって課題に取り組み続けました。

家庭裁判所の審判では、こうしたAさんと周囲の方の取り組みが認められ、Aさんは不処分となりました。

観護措置という身体拘束や家庭裁判所の調査・審判など、少年事件特有の手続はたくさんあります。
一般に周知されていないことも多くあると考えられますので、少年事件にお困りの際は弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についてのご相談も受け付けています。
まずはお気軽にご相談ください。

【解決事例】少年の公然わいせつ事件で観護措置回避

2022-06-01

【解決事例】少年の公然わいせつ事件で観護措置回避

~事例~

Aさん(高校2年生)は、横浜市青葉区の路上で、自身の下半身を出して通行人の女性Xさんに見せつけるという公然わいせつ事件を起こしました。
Xさんの通報により、神奈川県青葉警察署公然わいせつ事件の被疑者としてAさんを逮捕し、Aさんの家族はAさんはその後釈放となりました。
Aさんの家族は、Aさんのことを心配し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスを利用することとしました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは、捜査段階では勾留されずに釈放されたものの、家庭裁判所に送致された段階で、家庭裁判所調査官から観護措置を求められていました。
観護措置とは、少年事件で少年への処分をどのようにすべきなのか判断するために、鑑別所に少年を収容した上で、少年の資質についてより専門的に調査するための措置を指します(在宅で行う観護措置も存在します。)。
観護措置は、警察や検察が捜査する段階で行われる逮捕・勾留とは目的も行う機関も異なる身体拘束ですから、逮捕・勾留されていないから観護措置も取られないということはありません。
実際に、今回の事例のAさんは逮捕後すぐに釈放となっていますが、家庭裁判所調査官からは観護措置を求める意見が出されていました。

しかし、観護措置がとられてしまうと、実務上4週間程度は鑑別所に収容されてしまうこととなり、学校に通うこともできなくなってしまいます。
観護措置によって得られるメリットもありますが、それだけの期間学校に通えないとなると、少年の更生に悪影響を及ぼしてしまう可能性も出てきてしまいます。
Aさんも、今回の公然わいせつ事件を契機に高校を退学し、別の高校に編入する手続が進んでいるところであったため、観護措置となってしまうとその編入手続が頓挫してしまう可能性がありました。
こうしたデメリットがあったことから、弁護士から家庭裁判所に観護措置をとらないように交渉を行い、観護措置を回避することができました。
観護措置によって鑑別所に収容されることがなくなったAさんは、学校に通い続けながら更生を目指すことが可能となりました。

これらの活動と並行しながら、弁護士とAさん、Aさんの家族は協力してAさんの再犯を防ぐための活動にも取り組んでいきました。
Aさんは、カウンセリングなどを利用しながら、自分の認識で間違っていたところを正し、今後同じような状況に陥っても再犯を繰り返さないよう努めることなどを約束しました。
こうした状況もあり、審判の結果、Aさんは不処分となりました。

観護措置など、少年事件には少年事件特有の手続・措置が存在します。
どういった手続・措置なのか、どのような活動ができるのか、弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく少年事件も数多く取り扱っています。
観護措置など少年事件に関するお悩みは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士まで、ご相談ください。

【解決事例】準強制わいせつ罪・住居侵入罪の少年事件で少年院送致回避

2022-05-25

【解決事例】準強制わいせつ罪・住居侵入罪の少年事件で少年院送致回避

事件

千葉市中央区に住んでいるAくんは、学校生活でのストレスから度々盗撮やわいせつな行為を繰り返しており、千葉県千葉中央警察署住居侵入罪準強制わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aくんの将来を心配に思ったAさんの家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスを利用しました。
その後、弁護士から接見の報告を受けたAさんの家族は、弊所に弁護活動を依頼することに決めました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

事件解決の流れ

Aくんは当初逮捕された住居侵入罪準強制わいせつ罪以外にも複数回性犯罪行為をしており、いわゆる余罪が多数ありました。
住居侵入行為をした上で準強制わいせつ行為をするという悪質性の高い行為をしていたこともあり、Aくんが少年院送致になることも充分考えられるという状況でした。
少年院送致になるということは、その分社会と離れて生活することになるため、Aくんのご両親は、Aくんの将来を考えると少年院送致を避けたいというご希望でした。

少年院送致という処分は、大まかにいえば、社会内ではなく少年院で生活を送らなければ更生は難しいだろうと判断された場合に取られます。
ですから、少年院送致を避けるためには、社会内での更生が十分可能であるということを示さなければなりません。
そのために、弁護士はAくんとそのご両親と一緒に環境調整を行いました。

まず、弁護士はAくんに、より事件に向き合ってもらうための課題を出しました。
Aくんは、課題の作文の作成と毎日日記をつけることで、自分自身と向き合うことができました。
課題を通して、Aくんはより、被害者様の気持ちを考えることができるようになりました。
また、弁護士はAくんの再犯を防止するために、Aくんの両親にも課題を出しました。
課題を通じてAくんの両親は、Aくんとの生活を見直し、今後Aくんが新たに罪を犯さないための環境を整えていきました。

並行して、弁護士は被害者様との示談交渉を進めました。
示談について、弊所の弁護士と被害者様との間で何度もやりとりをし、Aくんの書いた謝罪文を被害者様に読んでいただきました。
こうしたやり取りの中でAくんの反省が被害者様に伝わり、示談を締結するに至りました。

家庭裁判所の調査や弁護士の課題への取り組みを通じて、Aくんは他者との関わりやストレスの解消が苦手であることが分かり、そうしたことが原因で今回の少年事件を起こすに至ったと考えられました。
これらの原因を解消するためにも、補導委託による試験観察が適切だと弁護士は考えました。
1回目の審判では、弁護士は、すぐに少年院送致とするのではなく、補導委託による試験観察とすることを家庭裁判所に求めました。
審判の結果、Aくんは補導委託による試験観察となりました。
弁護士は、Aくんの補導委託先とも密に連絡を取り、Aくんの試験観察中にもAくんとそのご両親に対してサポートと指導を行いました。

試験観察を経た2回目の審判では、弁護士は、Aくんには社会の中で経験を積んでいくことが必要であり、両親がAくんをサポートするための環境は整っていると裁判官に訴え、少年院送致ではなく保護観察処分を求めました。
審判の結果、Aくんは保護観察処分となり、少年院に入ることなく、ご両親の下で更生を目指すことが可能となりました。

少年院送致も少年を更生させるための保護処分ではありますが、少年院に入っている期間社会と切り離されてしまうというデメリットの部分が大きいという面もあります。
こうしたことから、Aくんのご家族のように少年院送致を回避したいと考えられる方も少なくありません。
ですが、少年院送致を回避する活動として何が適切なのか、何が可能なのかということはなかなか分かりづらいと思われます。
だからこそ、少年事件に詳しい弁護士に相談してみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、Aくんのように逮捕・勾留された少年に対して弁護士を派遣する初回接見サービスを行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120―631―881で受付けておりますので、少年事件住居侵入罪準強制わいせつ罪でお困りのことがございましたら、お気軽にお電話ください。

【解決事例】少年によるひったくりの窃盗事件で勾留阻止

2022-05-18

【解決事例】少年によるひったくりの窃盗事件で勾留阻止

~事例~

埼玉県さいたま市緑区に住んでいるAさん(10代)は、路上を通行中の女性Vさんに触ろうとしたものの、驚いたVさんが手を払ったことから、Vさんに触ることはできませんでした。
驚いたVさんが手を払った拍子にVさんのスマートフォンが落ちたのを見たAさんは、とっさにそのスマートフォンを持って逃げてしまいました。
その後、Aさんは、通報によって捜査を開始した埼玉県浦和東警察署窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんのご家族は、Aさん逮捕の知らせを受けて驚き、とにかく詳しい話を聞きたいと、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスを利用されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは大学在学中であり、逮捕に引き続いて勾留されてしまうと、大学の授業に出席できなかったり、大学に事件のことが知られてしまったりすることが考えられ、留年や退学のおそれがありました。
そのため、Aさん自身やAさんのご家族としては、勾留をせずに早い段階で釈放して欲しいという希望をもっていました。

Aさんのご家族は、Aさんが逮捕されてすぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスを利用され、その後弁護活動のご依頼となったため、検察官から勾留請求がされた後、裁判所が勾留決定を下す前に、裁判所に対して勾留を認めないでほしいという交渉を行うことができました。
交渉の結果、Aさんに対する勾留は認められず、Aさんは早期に釈放されることができました。
勾留されずに釈放となったため、Aさんの通学状況に大きな影響を及ぼすことを避けることができました。

その後、弁護士はAさんとそのご家族の意向を伺った上で、Vさんに対しての謝罪や弁償を行うため、Vさんのご家族との示談交渉を行いました。
そして、Vさんへの謝罪と被害弁償を行い、示談締結に至りました。

Aさんは、ご家族と共に、弁護士の出した課題に取り組みつつ、自分の起こしてしまった事件に向き合い、反省を深めました。
反省と再犯防止に努めたAさんは、ご家族の協力のもと家庭裁判所で開かれた審判に臨み、保護観察処分となりました。
保護観察処分では、社会内で生活しながら更生を目指すことができるため、Aさんは大学に通いながらさらに事件と向き合い、更生を目指すことができることとなりました。

少年事件では、少年の更生が重視されますが、更生のためには、将来の為に学校に通い続けられる環境を継続させることが重要な事もあります。
そうした環境を確保するためには、逮捕・勾留などの身体拘束からの解放を目指すことも必要となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件勾留阻止についてのご相談も受け付けています。
身体拘束の伴う少年事件は、時間の制約もありますから、まずはお気軽に、そしてお早めにご相談ください。

少年事件の流れは弁護士に相談

2022-05-11

少年事件の流れは弁護士に相談

少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

仙台市太白区に住んでいる16歳のAさんは、他校の生徒を殴って大けがをさせるという傷害事件を起こして、宮城県仙台南警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、少年事件刑事事件の手続と異なるという話を聞き、少年事件に詳しい弁護士に相談したいと考え、インターネットで法律事務所を探し始めました。
(フィクションです)

・少年事件の流れとは?

通常、犯罪が起こった場合、刑法や刑事訴訟法などの規定によって捜査や裁判が行われますが、被疑者が20歳未満の場合、少年法の対象となり、一般の刑事事件とは異なる特別な手続を受けることになります。
先日の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられましたが、少年法では20歳未満の者が少年とされます。

警察による捜査を経て、少年事件は必ず家庭裁判所へ送致されます。
いわゆる全件送致主義というこの考え方は、一般の刑事事件が警察や検察が捜査をした段階で微罪処分や不起訴となって終了することがあることと対照的であるといえるでしょう。

少年事件が家庭裁判所に送致されたら、家庭裁判所調査官が少年の成育歴や少年の置かれている環境、少年の性格等を調査します。
この調査は、在宅で行われることもありますし、少年鑑別所に収容されてより専門的な調査が行われることもあります(観護措置)。

調査の後には、家庭裁判所において少年審判が開始されます。
少年審判によって次の4つの処分のいずれかがなされます。

①少年院送致
②保護観察
③不処分
④検察官送致(逆送)

①の少年院送致は、少年を少年院に収容し、少年院内で行われるプログラムを通じて少年の矯正と社会復帰を目指します。

②の保護観察では、保護司などの監護の下、社会内での少年の矯正を目指します。

③不処分は文字通り①、②、④のいずれの処分にも付さないことを意味します。

④の検察官送致は、一定の重大犯罪について検察官に事件を送致し、一般的な刑事事件と同じ刑事手続に乗せることを意味します。
この検察官送致が行われた場合、改めて検察官が起訴するかどうかを判断し、起訴された場合は刑事裁判を受け、有罪・無罪や有罪であった場合の刑罰の重さが決められることとなります。

・少年事件と弁護活動

今回のAさんのような事例では、弁護活動の依頼を受けた後、釈放を求める弁護活動に取りかかることが考えられます。
少年が犯罪の証拠の隠滅を図ったり逃亡する可能性があると認められなければ逮捕・勾留などの身体拘束はできませんので、弁護士は事件内容や少年の状況等からそのようなおそれがないことを主張することになるでしょう。

また、少年事件であっても、被疑者となった少年に対しては取調べが行われます。
少年は成長発達過程にあり、被暗示性や利益誘導、圧力を受けやすく、取調べにあたった捜査員の言動の影響をより強く受ける傾向があります。
このような少年事件の特性に鑑みて、適切な刑事手続の運用と少年の権利の保護のために少年事件に強い弁護士に事件を依頼することの必要性は高いといえるでしょう。

弁護士が少年に対して取調べの対応などをアドバイスすることにより、捜査機関が少年の意に反する内容の調書を作成することなどを防ぐことが期待できます。

加えて、被害者がいる場合は示談交渉を行うなどして、被害者対応を行うことも考えられるでしょう。

家庭裁判所に送致された後は、少年の更生に資する環境と作ることが重要となりますから、少年に反省を促すなど少年自身へはたらきかけることのほか、少年の周囲の環境を改善する活動が考えられます。
少年が犯罪を犯した場合、その原因が周囲の環境にあることも多いです。
例えば少年が不良グループに属していたり、親とのコミュニケーションが十分にとれていないなどが背景にあったりします。
こうした環境をそのままにしておくと再び事件を起こす可能性が高いと判断されることに繋がりますので、少年事件を依頼された弁護士は、少年本人だけでなく、少年の家族などとも協力し、こうした少年の周辺環境を整える取り組みも行います。

少年事件は一般の事件と異なる点が多く、難しい部分も多いです。
不当な処分がなされると少年自身の将来に強く影響しますので、弁護士を通じて早期から適切な対応をすることが非常に重要になってきます。

少年事件の被疑者となってしまった方、ご家族やご友人の親類が少年事件の被疑者となってしまった方は、少年事件を多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)少年の実名報道について

2022-05-04

(事例紹介)少年の実名報道について

今回は、今年4月1日に改正・施行された少年法に基づき、逮捕・起訴された少年が実名報道されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

2021年10月、甲府市の住宅で50代の夫婦が殺害され住宅が放火された事件で、甲府地方検察庁は、刑事処分が相当として家庭裁判所から送り返された19歳の被告人を殺人などの罪で起訴しました。
報道では実名も記載されています。(2022年4月8日 NHK NEWS WEB 「甲府の夫婦殺害事件 19歳被告起訴 改正少年法施行で氏名初公表」より引用)

~少年の実名報道について~

少年法上は現在でも、20歳未満の者を「少年」としていますが(少年法第2条1項)、18歳以上の少年については「特定少年」とし、特別な取り扱いがなされることになりました。
その内の一つが、少年の実名報道です。

少年法第68条本文によれば、「特定少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合における同条(第61条)の記事又は写真については、適用しない」とされています。
少年法第61条は、「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼ(ヽ)う(ヽ)等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない」と定め、推知報道を禁止しています。
少年の実名を記載するような報道(実名報道)は、この規定に反するものです。

ところが、少年法第68条本文により、特定少年のときに犯した罪により公訴を提起された場合=起訴された場合には、推知報道は禁止されません。
つまり、18歳以上の時に犯した罪によって起訴された場合においては、実名報道がなされる可能性がある、ということになります。

~実名報道の是非~

今回の少年法改正により、少年の個人情報について従来と異なる取扱いがなされることになります。
20年以上前にも、1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件(いわゆる「酒鬼薔薇事件」)の犯人である少年の写真や実名の報道に踏み切った週刊誌があり、大きな話題となりました(2015年9月14日 JCASTニュース「週刊ポストの元少年A実名・顔写真公開巡り賛否 ネットでは以前から出回っている「周知」の事実だが…」より)。

既に民法では成人とされている年齢の者による重大事件は、国民の重大な関心事である一方、実名報道されることで少年法の目指す少年の健全な育成を損なうのではないかという問題があります。
少年の実名報道については、今後も大きな議論を呼ぶでしょう。
実名報道がされますと、世の中に顔や名前が知れ渡ってしまい、仮に無罪となっても、以後の人生における就学や就職にも影響を及ぼすおそれがあります。
実名報道についてお悩みの方は、まず弁護士と相談し、今後の善後策を立てていくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
少年事件についてお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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