【解決事例】高校生の強盗致傷事件で保護観察処分獲得

2022-06-22

【解決事例】高校生の強盗致傷事件で保護観察処分獲得

~事例~

高校生のAさん(16歳)は、埼玉県さいたま市見沼区にあるドラッグストアで、友人であるXさんらと一緒に商品を万引きしました。
ドラッグストアの警備員に万引きを見とがめられたAさんは、「捕まってしまう」と怖くなり、逃げるために咄嗟に警備員を突き飛ばしてしまいました。
Aさんに突き飛ばされたことで、警備員は怪我をしてしまいました。
最終的に、Aさんは通報によって駆け付けた埼玉県大宮東警察署の警察官に、強盗致傷罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんはその後、勾留されることなく釈放されましたが、AさんとAさんの両親は、今後の手続や被害を受けた店舗・警備員の方への対応をどうすればよいかと不安になり、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料法律相談を利用し、弁護活動を依頼することに決めました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

今回の事件の発端は万引き(=窃盗罪)であったものの、Aさんは警備員に捕まること(逮捕)を免れるために警備員を突き飛ばすという暴行を加えており(=事後強盗罪)、その際に警備員に怪我をさせてしまったという経緯から、Aさんに成立する犯罪は強盗致傷罪という重大な犯罪になっていました。
強盗致傷罪は、20歳以上の刑事事件で有罪となれば「無期又は6年以上の懲役」という重い刑罰が科せられる(刑法第240条)ほか、裁判も裁判員裁判の対象となる犯罪です。
少年事件では、少年の更生に重きを置いて処分が下されるため、いわゆる犯罪の軽重だけで処分が重くなるとは限りません。
しかし、重大犯罪をしてしまう環境を改善させるためには、少年院送致などによって根本的に環境を変える必要があると判断されることも少なくないため、Aさんにとって厳しい処分が下される可能性もありました。

弁護士は、まずはAさん自身の反省を深めるため、被害を受けた店舗や警備員の方に向けた謝罪文を作成してもらうとともに、課題や打合せを通じて、Aさんに事件について振り返りをしてもらいました。
そして、AさんだけでなくAさんのご両親に対しても、今までのAさんへの向き合い方を振り返り、今後改善できる点をピックアップし、行動に移してもらうようアドバイスを行いました。

こうしたAさん自身やそのご家族へのアプローチと並行し、弁護士は被害を受けた店舗や警備員の方に連絡を取り、謝罪と弁償を含めた示談交渉を行いました。
最終的に、被害を受けた店舗とも警備員の方とも示談を締結することができ、店舗からも警備員の方からもお許しの言葉をいただくこともできました。

家庭裁判所の審判では、Aさん自身やその家族が事件に向き合い生活態度などを改善させていることや、Aさんが犯行当時の交友関係を清算していること、被害店舗や警備員の方への謝罪や賠償をしてお許しをいただいていることなどが示され、Aさんは保護観察処分となりました。
保護観察処分となったことで、Aさんは社会内で更生を目指していくことができるようになりました。

少年院送致も少年の更生のための処分ではありますが、学校へ通えなくなるなど、少年にとってデメリットがある面も否定できません。
より適切な処分を求めていくためにも、事件へ向き合い、今までの環境を改善させることが必要となってきますが、当事者だけで環境調整活動を行うことは難しいでしょう。
だからこそ、少年事件にお悩みの際は、弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
強盗致傷事件などの重大事件についても取り扱っていますので、まずはお気軽にご相談下さい。

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