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高校生の脅迫事件で不処分決定を目指す

2019-12-11

高校生の脅迫事件で不処分決定を目指す

今回は、少年の脅迫事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

兵庫県小野市に住む高校生(16歳)のAくんは、友人Vに含むところがあり、VのSNSのコメント欄に「調子に乗るなよ。家に火をつけようか。熱いだろうな」などと書きこんでしまいました。
Vは恐怖し、親に相談したところ、親は激怒して兵庫県小野警察署に被害届を提出しました。
ある日、Aくんの自宅に少年係の警察官が現れ、「SNSのことで聞きたいことがある」と告げ、A君は任意同行されてしまいました。
Aくんはその晩帰宅できましたが、今後どうなってしまうのか不安です。
Aくんの両親から相談を受けた弁護士は、脅迫罪に当たる可能性があることを指摘したうえで、不処分を目指すことを提案しました。(フィクションです)

~Aくんには何罪が成立するか?~

脅迫罪を構成する可能性が高いと思われます。
脅迫罪は、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫」する犯罪です(刑法第222条1項)。

「自宅に火をつけようか」と申し向ける行為は、上記の害悪の告知に該当する可能性が高いと思われます。

実際に火をつける訳ではなくても、「自宅に火をつけようか」と申し向けること自体が「脅迫罪」を構成する可能性があるということです。
仮に実際にVの自宅に火をつけた場合には、別途「現住建造物等放火罪」(刑法第108条)に問われることになるでしょう。

~Aくんの事件はどう解決すべきか?~

(特殊な少年手続)
Aくんは少年なので、脅迫罪を構成しうる行為を行ったとしても、原則として刑罰に問われることはありません。
その代わり、少年保護事件として手続が進み、必要に応じて家庭裁判所により保護処分を言い渡されることになります。

(大まかな手続の流れ)
現在、在宅事件として捜査が行われているので、警察の出頭要請に応じて出頭し、取調べを受けることになります。
在宅捜査中、Vに腹いせをしたり、口封じなどを試みた場合、罪証隠滅のおそれがあると判断され、逮捕されてしまう可能性が高まります。
事件が解決するまでは、不必要にVと接触しない方が賢明でしょう。
また、出頭要請には、特段の事情が無い限り、応じた方が良いと思われます。
決まった出頭日に出頭しない場合、逃亡のおそれがあると判断され、やはり逮捕されてしまう可能性を高めてしまうことになります。

捜査機関が捜査を遂げると、Aくんは家庭裁判所に送致され、非行事実の確認やAくんの人物像などの調査が行われることになります。
その際、調査を円滑に行うために「観護措置」を行うかどうかを検討されます。
観護措置が行われると、少年鑑別所に収容されて調査を受けることになります。

これまで在宅で捜査がなされてきた場合であっても、観護措置決定がなされ、少年鑑別所に収容されることはありえます。
少年鑑別所に収容されてしまうと、2週間の身体拘束を受けることになります。
期間は、1回更新することができ、さらに、要件を満たす場合は、さらに2回を限度として更新することができます。
今回のケースで観護措置決定がなされた場合、一般的な傾向に照らせば4週間収容されると見込まれます。
身体拘束の期間が長引くと、Aくんにとって不利になります。
なるべく早い段階で弁護士に依頼し、観護措置決定がとられないように活動してもらいましょう。

(審判)
調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときは、審判開始決定がなされます。
少年審判では、必要に応じて、①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致といった、保護処分が言い渡されます。
これに対し、いずれの保護処分にも付する必要がないと認められれば、何らの処分も行わない不処分決定がなされます。

少年審判が開始された場合において、Aくんにもっとも負担がかからないのは、不処分決定を獲得することです。
不処分決定を獲得するためには、審判開始決定がなされる前から、Aくんに真摯な内省を促し、家庭環境を調整するなどして、Aくんの監護態勢を整えておく必要があります。
どのようにすれば説得的な環境調整ができるのか、という点については、少年事件を専門とする弁護士の助言が大いに役立つでしょう。
お子様がケースのような事件を起こしてしまった場合には、なるべく早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が脅迫事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(無料法律相談のご予約はこちら

少年の傷害事件で正当防衛を主張

2019-12-06

少年の傷害事件で正当防衛を主張

少年事件における傷害事件ついて正当防衛が成立するか,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

京都府福知山市に住む少年A(17歳)(と友人B)は,従前から些細なトラブルのあった少年Vから呼び出され,近くの公園に向かった。
当初は口論に終始していたが,突如としてVが殴りかかってきたことから,BがVを羽交い締めにした。
それでもVが抵抗をやめないため,AはBの身にも危険が及ぶと感じたことからVを数回殴打し,Vが怪我を負うに至った。
京都府福知山警察署の警察官は,Aを傷害罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は,少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実を基にしたフィクションです。)。

~傷害事件と正当防衛~

本件では,AはVを数回殴打し怪我を負わせていることから,逮捕された罪である傷害罪(刑法204条)が成立するようにも思われます。
もっとも,本件ではVの方から,殴りかかってきたという事情があります。
したがって,A(およびB)に,刑36条1項が定める正当防衛(「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」)が成立する可能性があります。
正当防衛が成立すれば,Aの傷害行為には違法性が認められず,犯罪が成立しないことになります。
また,仮に正当防衛が成立せず犯罪が成立したとしても,防衛行為がやりすぎたものと認められる場合については,過剰防衛として刑の減免の可能性があります(36条2項参照)。

もっとも,その正当防衛(あるいは過剰防衛)が成立する前提として,「急迫不正の侵害」が認められる必要があります。
この点については,近年判例によって新たな解釈が示されています。
最高裁平成29年(2017年)4月26日決定は,「刑法36条は,急迫不正の侵害という緊急状況の下で公的機関による法的保護を求めることが期待できないときに,侵害を排除するための私人による対抗行為を例外的に許容したものである」と,まず正当防衛の根拠・趣旨に言及しています。
これに続き「したがって,行為者が侵害を予期した上で対抗行為に及んだ場合,侵害の急迫性の要件については,侵害を予期していたことから,直ちにこれが失われると解すべきではなく」と,相手方の侵害を予期していたとしても直ちに正当防衛が否定されるわけではないことを改めて確認しています。
そして,「急迫不正の侵害」が認められるかどうかに関しては,「対抗行為に先行する事情を含めた行為全般の状況に照らして検討すべき」とし,侵害の予期や,侵害の事前回避に関する事情を中心に様々な事情を総合的に考慮した上で決すべきものとしました。
この判例に照らしてみると本件では,たしかにAやBは従前からVとのトラブルを抱えており,Vから何らかの暴力等を振るわれることも予期していた(できた)といえます。
しかし,AやBは何の武器や凶器等も用意しておらず,この機会にVを痛めつけようなどという気まではなかったと考えられます。
また,従前もあくまで少年同士の些細なトラブルがあったにすぎず,少年に警察等を呼ぶなどの事前回避の義務があったというのは酷でしょう。
したがって,Aの反撃行為が相当(「やむを得ずにした行為」)と言えるならば正当防衛が,仮に相当といえない場合にも過剰防衛が成立することになると考えられます。
なお,正当防衛(および過剰防衛)の成立には,防衛の意思(「防衛するため」の行為であること)も必要と解されています。
これが否定されるケースというのは,たとえば先述のように正当防衛の名を借りて相手方を痛めつけようとした場合です。
少なくとも本件においては,防衛の意思は否定されないと思われます。

~正当防衛に関する弁護活動~

上記判例が示したように,現在の判例・実務では,正当防衛の判断に当たってはかなり細かな事情までも判断材料とし,その成否を決する傾向があります。
したがって,被疑者の正当防衛を主張する弁護士としては,現場の状況や目撃証言などから,上記「急迫不正の侵害」があったことなどを詳細な事実をもとにして主張する必要があるといえるでしょう。
少年事件では,まだ中学校や高校などの中等教育課程に在籍している者も多く,少年の将来のためにもその不利益は最小限に抑える必要性が極めて高いと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,少年事件を含む刑事事件専門に扱う法律事務所です。
傷害事件でお子様等が逮捕されてしまったご家族は,24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

少年の器物損壊事件

2019-12-01

少年の器物損壊事件

今回は、少年の器物損壊事件における手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

高校3年生のAくん(17歳)は、受験勉強のストレスを発散するために、福岡県直方市内の駐車場に駐車されていた他人の自動車のタイヤをパンクさせるなどのイタズラをして楽しんでいました。
ある日、パンク被害に遭ったVが福岡県直方警察署に相談し、警察が連続器物損壊事件として捜査したところ、駐車場の監視カメラなどの映像から、犯人をAくんと特定しました。
ある日、Aくんの家に捜索差押許可状を持った警察官が現れ、パンクさせるのに用いた千枚通しなどを押収していきました。
捜索の後、Aくんは器物損壊罪の疑いで警察署にて取調べを受けています。
Aくんの親は不安に思い、弁護士に相談することにしました。(フィクションです)

~少年の器物損壊事件~

器物損壊罪とは、他人の物(建造物や特定の内容の文書を除く)を損壊し、又は傷害する犯罪です。
「物」の「傷害」とは、他人が飼っている動物を傷つけるケースが想定されています。
法定刑は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっていますが、A君は20歳未満の少年ですから、原則としてこれらの刑罰を受けることはありません。
それでは、Aくんには何のお咎めもないのでしょうか。

少年法によれば、家庭裁判所は、少年審判を開始した事件につき、一定の場合を除き、保護処分を行わなければならない、としています(少年法第24条)。

保護処分には、
・保護観察処分
・少年院送致
・児童自立支援施設又は児童養護施設送致
の3種類があります。

一方、保護処分が行われない場合として、
・調査の結果、児童福祉法の規定による措置を相当と認めるとき(少年法第23条1項・18条1項)
・死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき(少年法第23条1項・20条1項)
・審判の結果、保護処分に付することができず、又は保護処分に付する必要がないと認めるとき(少年法第23条2項)
・審判の結果、本人が二十歳以上であることが判明した場合(少年法第23条3項)
があります。

~Aくんは今後どうなるか?~

捜査段階では、刑事訴訟法が適用されるので、捜査機関の取調べを受ける点、場合によって、逮捕勾留されうる点においては成人と同様です。

しかしながら、成人の刑事手続が起訴便宜主義(検察官に起訴・不起訴を決める裁量が認められる)を採っているのに対し、少年事件の場合は、全件送致主義(少年法第42条1項・審判に付すべき事由が認められる限り、原則として少年を家庭裁判所に送致しなければならない)が採られているため、不起訴処分を目指した弁護活動は想定されません。
したがって、非行事実の存否を争う場合などを除いては、家庭裁判所へ送致された後の対策をも検討しなければならないことになります。

~家庭裁判所へ送致されたあと~

家裁に送致された後、それまでは在宅で捜査されてきた場合であっても、「観護措置」により、少年鑑別所に収容される場合があります。
家裁送致された後は、少年の性格、生育歴、家庭環境、交友関係などが調査され、その結果が審判の資料として利用されることになります。

~審判が開始されたら~

審判が開始されてしまった場合、Aくんに対し上記の保護処分を言い渡される可能性があります。
保護処分が言い渡される場合は、一般的に保護観察処分少年院送致のいずれかが言い渡される可能性が高いと言えます。
また、中間処分として試験観察に付され、社会内で更生できるか見究められたうえで、改めて保護処分が言い渡されることもあります。

少年院では、基本的に施設の中での生活を強いられ、特別の場合を除いては外出できません。
これに対し、保護観察処分においては、保護観察官や保護司の指導・監督を受けるものの、在宅で更生を目指すことができます。
本件において、Aくんは受験を控えた重要な時期にあります。
このような時期に、少年院に送致されてしまうと、Aくんの将来に多大な悪影響を与えることが予想されます。
したがって、保護観察処分を獲得し、在宅で改善更正を目指していくのが良いでしょう。

~弁護士と共に保護観察処分の獲得を目指す~

家庭裁判所が保護観察処分を言い渡す場合は、Aくんが在宅でも改善更正しうる、と考えている場合です。
非行を行いがちな者との付き合いがある場合や、家庭での指導監督が期待できない場合、Aくん自身に強い犯罪傾向が認められる場合は、保護観察処分の獲得は難しくなります。

弁護士と力を合わせて、Aくんに真摯な反省を促し、家庭での指導・監督態勢を充実させ、不健全な交友関係を断ち切っていくことが、より軽い処分獲得への近道です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が器物損壊事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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高校生が財布を拾い占有離脱物横領・詐欺事件に

2019-11-26

高校生が財布を拾い占有離脱物横領・詐欺事件に

高校生の占有離脱物横領詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

高校1年生で、16歳のAくんは、東京都羽村市内で道に落ちている財布を拾ったところ、中からクレジットカード、現金1万円を見つけたので、自分のものにしてしまいました。
1万円はそのまま飲食店で使い、クレジットカードはコンビニでの買い物で使用しました。
後日、Aくんの自宅に警視庁福生警察署から連絡があり、「お尋ねしたいことがあるので、Aくんに出頭してほしい」とのことでした。
Aくんの親は不安になり、弁護士に相談することにしました。(フィクションです)

~少年事件の手続について解説~

Aくんの行った行為のうち、道に落ちている財布を拾い、中からクレジットカードや現金を自分のものにしてしまった行為は、「占有離脱物横領罪」(刑法第254条)または「窃盗罪」(刑法第235条)、クレジットカードで買い物をした行為は、「詐欺罪」(刑法第246条)に問われる可能性があります。

Aくんが成人の場合は、警察で取調べを受けた後、逮捕されるか在宅で事件が進行するかを問わず、最終的に検察官がAくんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定します。
起訴され、有罪判決を受けると、刑罰を言い渡されることになります。

しかし、Aくんは20歳に満たない「少年」なので、成人の場合と異なり、原則として少年法の定める「少年保護事件」として手続が進行することになります。
Aくんの性格や環境に応じて、必要な「保護処分」を行うことが、この手続の目的です。

捜査機関による取調べが行われる点、逮捕勾留されうる点では成人と同じですが、①犯罪の嫌疑がある場合、また、②犯罪の嫌疑はないものの、審判に付すべき事由が認められる場合には、原則として家庭裁判所に送致されます。

家庭裁判所に送致された後は、少年の性格や家庭環境の調査が行われます。
調査の結果、審判が開かれると、保護観察処分などの保護処分不処分等の決定がなされます。

~保護処分にはどのような種類があるか?~

保護処分は、家庭裁判所の審判によって言い渡されます。
保護処分には、
①保護観察処分
②少年院送致
③児童自立支援施設又は児童養護施設送致
があります。

(保護観察処分)

保護観察処分は、少年を保護観察所の指導・監督に委ね、改善更正を目指す保護処分です。
この処分が言い渡された場合は、在宅で処分を受けることができるので、少年本人の負担が少ないということができます。

(少年院送致)

少年院送致は、その名の通り、少年を少年院に送致し、規律ある生活になじませて指導・訓練を行うことを内容としています。
少年院送致では少年院での生活を余儀なくされ、特別の場合を除いて外出することはできません。

(児童自立支援施設又は児童養護施設送致)

児童自立支援施設は、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童や生活指導等を要する児童を入所させ、または保護者の下から通わせて、必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設です。

児童養護施設は、保護者のない児童(乳児は除かれます。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含みます)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設です。

~審判に向けてどうするか?~

紹介した保護処分のうち、児童自立支援施設又は児童養護施設送致は、その性質上Aくんになされる可能性はあまり高くないと思われます。
したがって、Aくんになされる可能性の高い保護処分は「保護観察処分」、「少年院送致」ということになります。

Aくんの学業や生活を考慮すると、本来の生活環境を離れることになる「少年院送致」は回避したいところです。
保護観察処分を受けることにより事件を解決するには、家庭裁判所の裁判官に、Aくんが在宅であっても改善更正しうる、ということに納得してもらう必要があります。
そのためには、Aくんに真摯な内省を促し、家庭での指導環境を充実させる必要があります。
弁護士のアドバイスを受けながら、環境調整を行い、より有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
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事実否認の少年事件②

2019-11-21

事実否認の少年事件②

東京都文京区の学校では、高校生D君(16歳)が不登校になったことから、D君に対するいじめ暴力問題(D君は加療約1か月の傷害)が浮き彫りになっていました。そうしたところ、同級生のA君は、同じB、Cから呼び出しを受けました。そして、A君は、B、Cから「お前もあの場にいたから同罪だよな?」「お前が全部やったように言えよ。」「でないとどうなるか分かっているんだろうな。」と脅しを受けたのです。A君は、その後の学校の調査で「僕がやりました。」などと嘘をつき、事態を重く見た学校から警察へ通報されてしまいました。そして、A君は、警視庁大塚警察署傷害罪逮捕されました。A君は警察官や接見に来た弁護士に「やったのは僕ではありません。」「B、CがD君を叩いているのをその場で見ていただけです。」などと話しています。

~ 前回のおさらい ~

前回の「事実否認少年事件」では、

・少年事件では罪の擦り付けが行われる可能性があること
・事実を否認した方が逮捕される可能性が高いこと
・事実を否認する場合の弁護士の対応

などについてご説明しました。
本日は、

否認事件における家庭裁判所送致後の弁護士の対応

などについてご説明します。

~ 家庭裁判所送致後 ~

少年(20歳に満たない者)事件では、警察、検察での捜査が終わると、事件は家庭裁判所へ送致されます。家裁送致前に警察署の留置施設に拘束されている場合は、通常、家裁送致後、観護措置決定により少年鑑別所に身柄を移されるでしょうし、家裁送致前から少年鑑別所に収容されている場合は、そのまま少年鑑別所に収容されることになるかと思います。

少年鑑別所は少年の身柄を確保しつつ心身の鑑別を行う施設です。家裁送致後の観護措置により収容された場合、はじめに「2週間」拘束されます。しかし、ほとんどの場合期間が更新されますから、拘束期間は「4週間」が通常と考えていた方がよいでしょう(なお、特別な事情がある場合は更に2回まで更新することができます(つまり、収容期間は最大で「8週間」となります)。
その間、少年鑑別所の技官や家庭裁判所調査官による調査を受けます。調査の結果は少年審判などに活用されます。

~ 弁護士の対応(不処分獲得を目指す) ~

少年が犯罪事実を否認したものの、家庭裁判所に事件を送致された場合、少年審判において少年の無実を明らかにすることになります。少年事件では、事件が家庭裁判所に送致されれば、弁護士は事件記録のすべてを原則として見ることができます。弁護士はその記録や少年から聴き取った話の内容を基に証拠や主張を固め、裁判官に対して、非行事実(犯罪事実)がないことを伝える意見書を提出します。少年事件では、事件が家庭裁判所に送られた時に、捜査機関が持っていた事件記録がすべて家庭裁判所に送られます。そのため、早い段階で弁護士が少年の主張を伝えなければ、裁判官が事件記録から少年には非行事実があるのではないかという印象を持ってしまいます。
さらに、少年審判においては、成人の刑事裁判のように証人に対する尋問、少年に対する質問などが行われていきます。少年審判では、証人の証言の矛盾点を暴き出し、少年の供述に不合理、不自然な点はないかなどを明らかにする必要があります。
なお、否認事件の少年審判は1回で終わることはほとんどありません。

そして、少年審判で、裁判官によって「非行事実がない」と認められた場合は、不処分決定を受けます。
不処分決定とは、保護観察少年院送致などの保護処分を受ける必要がない旨の決定のことをいいます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見無料法律相談の予約を受け付けております。

事実否認の少年事件

2019-11-16

事実否認の少年事件

事実否認少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ ケース ~

東京都文京区のX高校では、高校生D君(16歳)が不登校になったことから、D君に対するいじめ暴力問題(D君は加療約1か月の傷害)が浮き彫りになっていました。そうしたところ、同級生のA君は、同じB、Cから呼び出しを受けました。そして、A君は、B、Cから「お前もあの場にいたから同罪だよな?」「お前が全部やったように言えよ。」「でないとどうなるか分かっているんだろうな。」と脅しを受けたのです。A君は、その後の学校の調査で「僕がやりました。」などと嘘をつき、事態を重く見た学校から警察へ通報されてしまいました。そして、A君は、警視庁大塚警察署傷害罪逮捕されました。A君は警察官や接見に来た弁護士に「やったのは僕ではありません。」「B、CがD君を叩いているのをその場で見ていただけです。」などと話しています。

~ はじめに ~

未成年者間のトラブルでは、なれ合い、力関係などから罪の擦り付けが行われやすいのも事実ではないでしょうか?
そして、このトラブルが少年事件となった場合、どんな事態に発展していくのか見ていきたいと思います。

~ 逮捕される可能性がある ~

一つは逮捕される可能性がある、ということです。
もっとも軽微な事件で逮捕されることは少ないですが、本件のように被害者に加療1か月間の傷害を負わせるなどの重大事件に発展した場合は逮捕される可能性が高まります。
また、特に、少年が犯罪事実を否認した場合(否認事件の場合)には、犯罪事実を認めている場合(自白事件の場合)よりも逃亡のおそれや証拠を隠滅するおそれが高いとされて、逮捕の可能性がさらに高くなります。

本来、事実を否認するということは、その罪については「白」ということで、逮捕される筋合いなどありません。
否認事件の場合は逮捕されて、自白事件の場合は逮捕されない、というのは矛盾しているようで理解しがたいところですが、逮捕する側からすれば、否認事件の場合の方が被害者の働きかけたり、逃亡などをするおそれが高く逮捕の必要性が高いと判断するのです。

~ 弁護士の対応 ~

しかし、だからといって、罪に関与していないのに自白してはいけません。
いったん自白すると、その後、その自白を覆すのに大変な労力と時間を要します。
そのため、否認事件の場合には、もし警察が捜査していると分かったら、早い段階で弁護士を弁護人として選任することをお勧めします。警察が事情聴取するよりも前に、少年に弁護士が付けば、少年を逮捕する必要性がないことを弁護士が警察に伝えることができますので、少年が犯罪事実を否認したとしても、逮捕される可能性が低くなります(もちろん、殺人罪等のような重大犯罪であれば、弁護士が付いても少年の逮捕を回避するのは極めて難しいでしょう)。
 また、少年が身柄拘束される前に、弁護士が付いていれば、少年に対して警察・検察における事情聴取への適切な対応をしっかりと伝えることができますし、逮捕を回避するための証拠収集も事前にしっかりと行うことができます。

~ 逮捕後の流れ ~

警察に逮捕されると警察の留置場(留置施設)に収容されます。
少年事件(被疑者が20歳未満の者である事件)における逮捕後の流れは、

①逮捕→②検察官送致→③検察官による「勾留請求」OR「勾留に代わる観護措置請求」→④裁判官による「勾留決定」OR「勾留に代わる観護措置決定」→⑤家庭裁判所送致→観護措置決定
 
という手続を踏みます(なお、この間、不服申し立て等により釈放を早めることも可能です)。

①から②まで最大で48時間、①から③まで最大で72時間拘束されます。なお、①の段階では警察官の、②の段階では、検察官の判断により釈放されることがあります。また、③の段階、つまり、請求を受けた裁判官の判断により釈放されることもあります。
勾留決定があった場合(④)は、逮捕された際に収容された留置場へ収容されるでしょう。勾留に代わる観護措置決定があった場合(④)は指定された少年鑑別所へ収容されます。つまり、逮捕時の留置場から少年鑑別所へ身柄を移されます。
勾留の期間は、検察官の勾留請求があった日から「10日間」で、その後、やむを得ない事由がある場合は最大「10日間」延長されることがあります。勾留に代わる観護措置の期間も請求の日から「10日間」ですが、延長は認められていません。
拘束された少年は、上記の期間内に警察や検察の捜査を受け、事件を⑤家庭裁判所へ送致される手続を取られます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見無料法律相談の予約を受け付けております。

少年鑑別所と少年院について

2019-11-11

少年鑑別所と少年院について

少年鑑別所少年院について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

神奈川県横浜市在住の高校生のA君(15歳)は、地元の友人達と、他校の生徒との間で喧嘩を繰り返していた。
A君は、上記の事件などで警察に呼ばれたこともあったが、相手の怪我の程度が軽かったなどの事情もあり、学校や家族による厳重注意を促す程度の処分にとどまっていた。
しかし、A君の父母はA君の更生を半ば諦めており、警察からの注意後も毎日のように繁華街で夜遊びを行うA君に対し、一般的な注意をするにとどまり、特段の措置をとらなかった。
そのような状況において、A君は地元の友人と一緒に、バイクを使ったひったくり事件を起こした。
事件を担当することになった神奈川県瀬谷警察署の警察官は、A君の更生のためには、少年院による家庭外での処遇が必要であると考えている。
(上記事例はフィクションです。)

~少年事件の流れ~

少年事件における少年とは、20歳に満たない者をいいます。
14歳以上の少年が犯罪を犯した場合、警察官や検察官が取調べを行った上で、少年をどのような処分にするのがよいのかという意見を付して、事件を家庭裁判所に送ることになります。
その後、家庭裁判所が送致された事件について、審判を行うかどうかの決定を行った上で、審判の開始が必要であると判断した場合には、審判手続が開始されることになります。

家庭裁判所の保護処分については、①保護司等の監督の下で家庭内での少年の更生を図る保護観察、②児童自立支援施設児童養護施設への送致処分、③少年院への送致処分があります。

上記の事例では、A君はバイクを使ったひったくり事件を起こしており、少なくとも窃盗罪(成人の場合は10年以下の懲役又は50万円の罰金)が、場合によっては強盗罪(成人の場合は5年以上の懲役))などの重い犯罪が成立するおそれがあります。
そのため、A君について警察官や検察官が取調べを行った上で、どのような処分が妥当かという意見を付して事件を家庭裁判所に送ることになります。
その後、家庭裁判所にて審判開始決定がなされ、審判の結果保護処分が必要と判断されれば、上記①から③のいずれかの処分が下されることになります。

なお、14歳未満の少年は罰せられることはありませんが、少年の行為や環境等に応じ児童相談所や家庭裁判所に送致・通告されることになります。

~少年鑑別所とは~

少年鑑別所は、少年院と混同されがちですが、少年院とは異なり、「少年院送致などの保護処分が下される前」に収容される施設です。
少年鑑別所への収容は、家庭裁判所の観護措置決定に基づいてなされ、鑑別所内では少年審判に向けて少年の資質や性格などの調査が行われています。
少年鑑別所での調査の結果は、家庭裁判所に送られることになり、審判においてどのような処分が適切かという判断の中で考慮されることになります。

少年鑑別所に収容されてしまうと、事件の内容により2週間から8週間の範囲(多くは約4週間)で、身柄を拘束されることになります。
身柄拘束の期間が長期に及んでしまうと、その間学校などに通うことが出来ず、出席日数が足らず、留年や退学などの処分がなされてしまうおそれもあります。
そのため、観護措置決定に対して異議申し立てをしたり、観護措置の取消しや一時取消しを求めて少年にとって重要な時期に不必要な身柄拘束がなされないようにする必要があります。

~少年院とは~

少年院は上記の通り、家庭裁判所の保護処分のうち、③少年院への送致処分が下された場合に少年が収容されることになる施設です。
少年院送致は、少年の家庭内での更生が困難であることなどから、施設での集団生活を通じて矯正教育を行い、非行少年を更生させる処分です。
少年院は少年の矯正教育のための施設であることから、刑罰としての懲役などはなく、小中学校レベルの授業や、職業訓練などが行われたりします。
また、一般的な少年院での収容期間は、おおむね1年程度になります。

このように、少年事件であっても生活上の自由の制約を伴う処分がなされるおそれは十分にあります。
もし少年院送致の回避を目指すなら、早期の段階で弁護士に相談を行い、少年の生活環境の整備など適切な弁護活動を行っていくことが必要不可欠となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件少年事件専門の弁護士事務所のため,少年事件も豊富な経験があります。
お子様が突然逮捕されてしまいお困りの方,少年鑑別所少年院への収容を回避したいとお考えの方は,ぜひ一度,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

高校生の強制わいせつ事件

2019-11-06

高校生の強制わいせつ事件

高校生の強制わいせつ罪と事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

高校1年生のAくん(16歳)は、同級生のVを人気のない公園(埼玉県本庄市所在)に呼び出し、暴行や脅迫を用いてVの胸を弄ぶなどのわいせつな行為を行いました。
Vが泣き出したので、Aはわいせつ行為をやめ、AとVはその場で別れました。
その後、Aくんの自宅に埼玉県児玉警察署から連絡があり、「同級生の子の件で聞きたい話がある」とのことでした。
Aくんの親は、Aくんの話から強制わいせつ罪の疑いをもたれていると考え、取調べに先立ち弁護士に相談することにしました。(フィクションです)

~少年事件の特色~

少年法は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする法律です(少年法第1条)。
AくんがVに対して行った行為は、暴行や脅迫を手段とするわいせつな行為であることから、強制わいせつ罪に該当すると考えられます。
Aくんは少年法における「少年」(20歳未満の者)ですから、成人の場合におけるような刑事手続ではなく、少年法の定める「少年保護事件」として手続が進行することになります。

「少年保護事件」の手続は、非行があるとされる少年について非行事実の有無を確定し、非行のある少年に対して、その性格、環境の問題点に応じて、少年院送致等の保護処分かその他の処分かを選択することを内容とします。
ケースの場合はどのように手続が進行していくのでしょうか。

~Aくんに想定される少年保護事件手続~

まずは警察に出頭し、取調べを受けることになります。
逮捕されずに在宅で捜査が行われる場合は、取調べが終了した後、帰宅することができます。

警察での捜査が熟した後は、検察庁に事件が送致(送検)され、検察官の取調べを受けることになります。
成人の刑事事件の場合、検察官には被疑者を起訴するか、あるいは不起訴にするかという点について裁量が認められており、被疑事実を裁判で立証できる証拠を有している場合であっても、被疑者を不起訴起訴猶予)処分とすることができます。
しかし、少年法においては、少年の健全育成を図る観点から「全件送致主義」が採られており、成人の刑事事件のような裁量が認められていません。
したがって、原則として家庭裁判所に送致されることになります。

逮捕され、その後に勾留勾留延長がなされた場合、捜査段階において最長23日間身体拘束を受けることになります。
この場合も、検察官に起訴・不起訴を決める裁量はなく、原則として少年を家庭裁判所に送致します。

~家庭裁判所へ送致された後~

家庭裁判所へ送致された後は、Aくんに対し、「観護措置」を行うかどうかが検討されます。
観護措置」がとられると、基本的にAくんは少年鑑別所に送致されることになり、観護措置の下でAくんの性格や資質などについて調査が行われます。
観護措置の期間は2週間を超えることができず、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新できます。
ただ、実務上は更新が殆ど常態化しており、多くの場合4週間近く少年鑑別所に収容されることが見込まれます。
また、一定の重大な事件など特別更新の要件を満たす場合は、さらに2回を限度として更新することができます。
以上に対し、観護措置がとられない場合は在宅で調査が行われます。

~少年審判~

調査の結果、審判が開かれると、「保護処分」、「不処分」などの決定がなされます。
不処分」は、①保護処分に付することができないとき(非行の事実が認定できない、少年の所在不明など)、②保護処分に付す必要がないときになされます。
ケースのように強制わいせつ罪に当たる非行事実が認定できる場合、事件の重大性は否定できないことから、一般的に不処分の獲得は難しいかもしれません。

保護処分」とは、①少年院送致、②保護観察処分、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致をいいます。
このうち③は(親による虐待などからの)保護の色彩が強く、ケースのような場合は少年院送致保護観察処分がなされる可能性が高いと思われます。
少年院では特別な場合を除き外出できませんが、保護観察処分の場合、在宅で少年の改善更正を図ります。
Aくんの将来へ及ぼす影響を考えると、なるべく在宅で改善更正を行いたいところです。
そのためには、Aくんに深く内省を促し、性に関する認識を改めさせ、家庭における監護態勢を見直し、在宅であってもAくんが改善更正しうることを家庭裁判所に納得してもらわなければなりません。
保護観察をはじめとするAくんに最適な処分を獲得するために、弁護士のアドバイスを受けながら環境を調整していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が強制わいせつ事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所無料法律相談をご利用ください。

年齢切迫少年を恐喝罪で逮捕・みなし勾留

2019-11-01

年齢切迫少年を恐喝罪で逮捕・みなし勾留

年齢切迫少年逮捕みなし勾留について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

A(19歳)は,SNSにおいて,V(大阪府大阪市在住)に対して「痛い目に会いたくなければ金をよこせ」などとメッセージを送り,Vから現金を脅し取った。
大阪府住之江警察署の警察官は,Aを恐喝罪の疑いで逮捕した。
その後,Aは家庭裁判所に送致され,観護措置を受けたがまもなく20歳の誕生日を迎えた。
Aの家族は,少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~インターネットを介した恐喝罪の成否~

刑法249条1項は,「人を恐喝して財物を交付させた者」を恐喝罪として処罰する旨を定めています。
ここにいう「恐喝」とは,反抗を抑圧するに至らない程度(畏怖する程度で足りるといわれています)の暴行または脅迫を用いて,財物の交付を要求することいいます。
対面であろうがインターネット等を介していようが,相手方(被害者)を脅迫し畏怖させれば,上記「恐喝」に当たることに疑いはありません。
本件Aは,SNS上でVを「恐喝」した上で,この行為によってVに金銭を交付させており,恐喝罪(1項恐喝)が成立するものと考えられ,かかる容疑で逮捕されていると考えられます。

~年齢切迫少年といわゆる「みなし勾留」について~

少年事件に関しては,逮捕勾留などを経て捜査が終わった後,原則として全件が家庭裁判所に送致されることになります(少年法41条,42条)。
そして,上記事例のAさんに対して行われている観護措置とは,少年事件の捜査のために少年の身柄を拘束するものであり,事件の内容に応じて2~8週間の範囲(実務上特に多いのは4週間)で行われます。
もっとも,少年法19条2項は,「家庭裁判所は」「本人が20歳以上であることが判明したときは……事件を管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない」と,少年が20歳以上になったときは,事件を家庭裁判所から検察庁に送致する旨を規定しています。
この規定により事件が検察官に送致されると,観護措置による身体拘束は裁判官が行う勾留として扱われるようになります(少年法45条4号・同45条の2)。
こうして行われる勾留は、一般に「みなし勾留」と呼ばれています。
本件Aのように,観護措置中に20歳を超えた場合には,このような措置が採られることになります。

しかし,注意が必要なのは,観護措置の要件と(起訴前)勾留の要件が異なり、同じ身体拘束でも違い見られるということです。
観護措置の要件として,「観護措置の必要性」が認められることが必要であり,これには①住所不定又は逃亡のおそれがあり,出頭を確保する必要があること,②証拠隠滅のおそれがあり,証拠を保全する必要があることが含まれますが,これらとは別に,少年の心身の状態等を勘案して「観護措置の必要性」が認められる場合もあります。
これに対し,(起訴前)勾留の要件としては,上記①②に対応する「勾留の理由」(刑事訴訟法60条1項)に加え,勾留により得られる利益と不利益の均衡を要求する「勾留の必要性(相当性)」が認められることが必要となります。
このように対比すると重複する部分があることが分かりますが,観護措置の要件が満たされれば当然に勾留の要件が満たされるわけではないこともまた明らかです。
したがって,弁護士としては,勾留の要件を満たしていないとして,みなし勾留に対する準抗告という不服申立てをすることが考えられます。
これは,勾留の要件を満たさないときは,観護措置を取り消さなければならないことから,これの取消しを求め,それによりみなし勾留もなかったことになるというものです。
弁護士および逮捕された本人にとって,身柄の解放活動は極めて重要な活動です。
しかしながら,少年事件が絡むと上記のとおり複雑な様相を呈すことがあるため,少年事件に関する知識が必要不可欠なものとなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
いわゆる年齢切迫少年の弁護活動の経験を持つ弁護士が在籍しており,少年事件に関する知識も豊富に有しています。
本件のようなケースを含め少年事件に関しては,状況や年齢など様々な事情によって通常の刑事事件とは異なる対応が求められることが少なくありません。
お子さんが恐喝事件逮捕された方のご家族は,まずは何時でも通話可能な弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。

保護観察中に万引きで少年院?

2019-10-27

保護観察中に万引きで少年院?

兵庫県宝塚市に住む高校生のA君(16歳)は、過去にスーパーで万引き窃盗罪)をした件で、現在、保護観察中です。ところが、A君は、今度はコンビニでお菓子3点を盗む万引きをして店員に見つかり、兵庫県宝塚警察署に通報されて逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたA君の父親は、今度こそ少年院に送られることを覚悟しつつも、何とか少年院送致を回避できないかと思い、少年事件に強い弁護士に相談を持ちかけました。
(事実を基に作成したフィクションです。)

~ 少年院とは ~

少年院は、少年の健全な育成を図ることを目的とした矯正教育、社会復帰支援等を行う法務省所管の施設です。

~ どんな人が収容されるの? ~

少年院について規定した少年院法ではその3条で、少年院を「次に掲げる者を収容し、これらの者に対し矯正教育その他の必要な処遇を行う施設」としています。

・保護処分の執行を受けるもの
・少年院において懲役又は禁錮の刑(略)の執行を受ける者

なお、保護処分は少年審判時に言い渡されます。保護処分には、

・保護観察
・児童自立支援施設又は児童養護施設への送致
・少年院送致

の3種類があります。

~ どこに、どんな種類の少年院があるの? ~

少年院法4条では少年院

・第一種少年院 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね十二歳以上二十三歳未満のもの
・第二種少年院 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだおおむね十六歳以上二十三歳未満のもの
・第三種少年院 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね十二歳以上二十六歳未満のもの
・第四種少年院 少年院において刑の執行を受ける者

の4種類に区分しています。
そして、

・北海少年院(北海道千歳市) 第1種少年院
・多摩少年院(東京都八王子市) 第1種少年院
・浪速少年院(大阪府茨木市) 第1種少年院
・広島少年院(広島県東広島市) 第1種少年院

などと、各少年院ごとにその種類が指定されています。どの種類の少年院に収容されるかは、家庭裁判所の少年審判時に決定されます。

~ 少年院ではどんなことが行われるの? ~

少年院では、少年の特性に応じた矯正プログラムが策定され、それに沿った矯正教育が行われます。矯正教育は、

・生活指導:善良な社会人として自立した生活を営むための知識・生活態度の習得
・職業指導:勤労意欲の喚起,職業上有用な知識・技能の習得
・教科指導:基礎学力の向上,義務教育,高校卒業程度認定試験受験指導
・体育指導:基礎体力の向上
・特別活動指導:社会貢献活動,野外活動,音楽の実施

に区分されます。

また、矯正指導のみならず、少年の円滑な社会復帰を目的とした、就労支援、帰住先の確保などに関する社会復帰支援も行われています。

~ 少年院送致を回避するには ~

少年院は、少年に対する矯正教育を施し、少年の自発的な更生を促し、円滑な社会復帰を手助けするための施設です。
したがって、少年院送致が全て少年にとってマイナスというわけではありません。
しかし、少年院送致となると、一定期間拘束され、その間自由な生活を送れなくなります。社会内で少年の更生が期待できる場合は、少年院送致を回避すべきでしょう。

保護処分を決める少年審判では、少年に「要保護性」があるかどうかが重要な鍵となります。要保護性がある場合は少年院送致となる可能性が大きくなります。要保護性とは、少年が将来、非行に及ぶ危険があることをいいます。

要保護性の有無は、

・少年の性格や環境に照らして将来再び非行に陥る危険性があるか否か(再非行の危険の有無)
・保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性があるか否か(矯正可能性の有無)
・少年の保護の相当性が認められるか否か(保護相当性の有無)

の3つの要素を考慮して判断されます。
したがって、少年院送致を回避するには、上記3つの可能性を少しでも解消するための努力、活動が必要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接無料法律相談の予約を受け付けております。

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