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少年の児童ポルノ製造事件

2021-05-06

児童ポルノ製造罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大阪市内の高校に通っているA君(17歳)は,SNSで知り合った別の高校に通う女子高生Vさん(16歳)に,LINEで「裸の写真送って」とメッセージを送り,Vさんの自撮りした裸の写真画像を手に入れました。しかし,A君はその後,Vさんから「親が警察署に相談に行くと言っている」と聞き,不安になったことから,このことを自分の親に相談しました。そして,A君は親とともに,少年事件に詳しい弁護士に相談に訪ねることにしました。
(フィクションです)

~児童ポルノ製造の罪~

児童ポルノ製造の罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下「法律」という)の7条3項,4項,5項,7項に規定されています。今回のAさんの行為は,法律7条4項の製造罪に該当しそうです。法律7条4項によれば,

 児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ,これを写真,電磁的記録に係る記録媒体その他の物により描写することにより,当該児童に係る児童ポルノを製造した者 ※児童=18歳に満たない者(法律2条1項)

が処罰の対象とされるとしています。
少し言い回しが難しいですが,要は,

児童の裸などの姿(第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態)をスマートフォンなど(正確には,電磁的記録に係る記録媒体その他の物)に記録(描写)した者

が対象となると考えればいいでしょう。

なお,「姿態をとらせ」とは,行為者(Aさん)の言動等により,当該児童が当該姿態をとるに至ったことをいいます。行為者自らがとったか否かは問わず,また強制によることを要しないと解されています。

* 児童の同意がある場合 *

児童の同意がある場合は,製造の罪は成立しないのでしょうか?

この点,製造の罪は,児童ポルノの製造行為が児童の心身に有害な影響を与える性的搾取行為にほかならず,流通の危険もあることから処罰の対象とされるものです。よって,たとえ児童が児童ポルノの製造につき同意・承諾していたとしても児童の心身に害悪を及ぼすことに変わりはないですし,児童ポルノの流通の危険も以前として存在します。よって,児童の同意・承諾があっても児童ポルノ製造の罪は成立すると解されています。もっとも,製造者(Aさん)と児童(Vさん)との関係,児童の同意・承諾の有無,その経緯等に鑑みて,違法性が認められないなどの理由から犯罪が成立しないとされる場合は考えられます。

* 要求しただけの場合 *

児童ポルノを送るよう要求したが,相手から拒否されたため児童ポルノを入手することができなかった場合は福岡県青少年健全育成条例に定める「児童ポルノ等の提供をを求める行為の禁止の罪」に当たる可能性があります。

~少年事件の流れ,刑事処分~

少年の場合も,事件が認知されれば,家裁送致までは基本的には成人と同様の流れとなります。逮捕・勾留され身柄を拘束されることもありますし,在宅被疑者として警察から出頭の要請に応じなければなりません。
家裁送致後は,身柄を拘束されている場合は,通常,観護措置を取られ少年鑑別所に収容されます。収容後は,専門職員による調査・面会,家庭裁判所調査官による調査・面会などを受けることになります。在宅の場合も,家庭裁判所調査官による調査・面会などを受け,最終的には,少年審判を受ける必要がある場合があります(審判不開始により受ける必要がない場合もあります)。
少年審判では,保護観察,少年院送致などの保護処分,検察官送致(いわゆる逆送)の決定が下されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。

少年による建造物侵入、建造物損壊事件の弁護活動

2021-04-29

今回は、中学2年生の少年が自身の通う中学校に侵入し、壁に落書きをするなどした疑いで逮捕されてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~[

中学2年生(14歳)のA君は深夜、共犯者である友人と自身の通う中学校へ侵入し、校舎の壁にスプレーで落書きをするなどしていたところを駆け付けた警備員と警察官に現認され、建造物侵入及び建造物損壊の疑いで逮捕されてしまいました。
A君の親はこれから事件がどのように進展するのかわからず、途方にくれています。(フィクションです)

~建造物侵入罪及び建造物損壊罪~

(建造物侵入罪)
正当な理由がないのに、人の看守する建造物に侵入すると、「建造物侵入罪」が成立します(刑法第130条前段)。

校舎に落書き目的で立ち入った場合はもちろん、その「囲繞地」(庭などのように塀で囲まれた場所をいいます)も「建造物」に含まれるので(最高裁昭和25年9月27日大法廷判決)、校舎には入らず、その周辺などに立ち入ったにすぎない場合であっても、建造物侵入罪が成立することがあります。

(建造物損壊罪)
他人の建造物を損壊すると、建造物損壊罪が成立します(刑法第260条前段)。

「建造物」とは、壁又は柱で支えられた屋根を持つ工作物であって、土地に定着し、少なくとも人がその内部に出入りできるものをいいます(大審院大正3年6月20日判決)。
既に完成し、学校教育の用に供されている中学校校舎は通常、「建造物」に該当するでしょう。
「損壊」とは、判例通説によると「その物の効用を害する行為」を指します。
裁判例によれば、公団内の公衆便所の外壁にペンキで「戦争反対」等と大書した場合(最高裁平成18年1月17日決定)、「損壊」に該当するとされています。
ケースのように、中学校校舎にスプレーで落書きをする行為は、その外観、美観を著しく汚損し、原状回復に相当の困難を生じさせたものとして「損壊」に該当すると判断される可能性が高いでしょう。

~今後、ケースの事件はどのように進展する?~

(原則としてA君は刑罰を受けない)
A君は少年のため、原則として刑罰を受けることはありません。
それは、少年法が「保護主義」を理念として掲げており、少年の健全育成のために必要な保護処分を行う手続が予定されているからです。
もっとも、捜査段階においては刑事訴訟法の適用があるため、逮捕・勾留され、身体拘束を受けうる点では成人と同様です。

(少年事件においては原則として必ず家庭裁判所が関与する)
成人の刑事手続では検察官の裁量による「起訴猶予処分」によって、被疑者を裁判にかけずに事件を終了させることができるのに対し、少年事件における検察官は自身の裁量によって、少年を家庭裁判所に送致しない、という処分ができません。
少年事件において検察官は、家庭裁判所への送致が義務付けられているのです(全件送致主義)。
これは、少年の健全な育成のため、検察官の判断ではなく、家庭裁判所の判断に委ねるのが妥当とされているからです。
一方で、犯罪の嫌疑がない、あるいは犯罪事実についての嫌疑が不十分である場合には、送致されません。
もっとも、虞犯少年といえる場合など、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、送致されます。

(家庭裁判所へ送致された後)
家庭裁判所へ送致された後は、少年の資質や性格、家庭環境の調査が行われます。
少年を少年鑑別所に収容して行う場合(観護措置)と、在宅で調査を行う場合があります。

(審判開始決定がなされたら)
A君の必要に応じ、保護処分が言い渡されます。
保護処分には①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致があります。
保護処分が必要なければ、「不処分」という決定がなされる場合もあります。
また、終局処分を留保し、相当の期間、家庭裁判所調査官の観察に付する「試験観察」が言い渡されることもあります。

ケースの場合、A君には「不処分決定」か「保護観察処分」が言い渡される可能性が高いのではないでしょうか。
当然、不処分決定を獲得する方がA君にとって有利ですが、A君の保護・教育的な必要性が高いと認められると、より負担の重い処分がなされることも考えられます。
A君にとって最も有利な事件解決を目指すためには、少年事件に熟練した弁護士のアドバイスを受けながら、家庭環境、監護態勢、交友関係などの見直しを行い、これを家庭裁判所へアピールするのが良いでしょう。

お子様が逮捕されてしまった場合には、まず少年事件の経験が豊富な弁護士を探し出し、早期に相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
中学生のお子様が建造物侵入、建造物損壊事件を起こして逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年の脅迫事件

2021-04-22

今回は、少年の脅迫事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

兵庫県に住む高校生(16歳)のAくんは、友人Vに含むところがあり、VのSNSのコメント欄に「調子に乗るなよ。家に火をつけようか。熱いだろうな」などと書きこんでしまいました。
Vくんは恐怖し、親に相談したところ、親が警察に被害届を提出しました。すると、ある日、Aくんは脅迫罪で逮捕されてしまいました。Aくんと接見した弁護士は、脅迫罪に当たる可能性があることを指摘したうえで、不処分を目指すことを提案しました。
(フィクションです)

~Aくんには何罪が成立するか?~

脅迫罪は刑法222条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫罪の「人」とは、脅迫罪が個人の意思の自由を保護する罪である以上、その自由を享受し得る自然人を意味し、会社である法人は含まれないと解されています。
もっとも、法人の財産等に対する害悪の告知が、間接的に自然人に対する害悪の告知と解される場合も十分にあり得るところで、その場合は、やはり脅迫罪に問われる可能性があるといえます。

害を加える旨の告知(害悪の告知)とは、一般に人を畏怖させるに足りることを伝えることです。

生命に対する害悪の告知・・・「別れるくらいなら、あなた(あるいは親族)を殺す。」
身体に対する害悪の告知・・・「五体不満足にしてやる。」
自由に対する害悪の告知・・・「この街を安全に歩けると思うなよ。」
名誉に対する害悪の告知・・・●●をネットに掲載する、SNSで拡散する
財産に対する害悪の告知・・・「あなた(あるいは親族)の家に火をつけてやる。」 など

害悪の告知の方法に制限はありません。
加害者に直接会って言った場合はもちろん、電話、メール、FAXを使って伝えた場合などでも脅迫罪が成立する可能性があります。

~少年審判~

家庭裁判所での調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときは、審判開始決定がなされます。
少年審判では、必要に応じて、①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致といった、保護処分が言い渡されます。
これに対し、いずれの保護処分にも付する必要がないと認められれば、何らの処分も行わない不処分決定がなされます。

少年審判が開始された場合において、Aくんにもっとも負担がかからないのは、不処分決定を獲得することです。
不処分決定を獲得するためには、審判開始決定がなされる前から、Aくんに真摯な内省を促し、家庭環境を調整するなどして、Aくんの監護態勢を整えておく必要があります。
どのようにすれば説得的な環境調整ができるのか、という点については、少年事件を専門とする弁護士の助言が大いに役立つでしょう。
お子様がケースのような事件を起こしてしまった場合には、なるべく早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が脅迫事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年事件と保護処分

2021-04-15

少年と保護処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

東京都内に住む大学生のA君は、18歳未満のVさんと性交したとして東京都青少年健全育成条例違反(淫行の罪)で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたA君の母親は少年事件に強い弁護士にA君との接見を依頼しました。A君は接見に来た弁護士に「Vさんとは交際中だったので納得がいかない。」と話しています。
(フィクションです。)

~少年と淫行の罪~

少年とは20歳未満の者をいいます。
淫行の罪といえば、18歳未満の少年(少女)が被害者、というイメージですが、その少年が反対の加害者、つまり被疑者の立場となり得ることもあります。
淫行の罪を規定する東京都青少年健全育成条例では、

何人も、青少年とみだらな性交又はわいせつな行為を行ってはならない

としており、犯罪の主体(加害者)について何ら限定していないからです。
もっとも、少年同士の淫行事案だと、交際中、恋愛中の性交だったと主張したくなる場合もあるでしょう。
真実、交際中、恋愛中の性交であると認められる場合は「淫行」にはあたりません。もっとも、その当否については慎重に検討する必要があります。

~少年事件と保護処分~

少年の刑事事件には、

少年法

が適用されます。
少年法の目的は少年の更生と健全な育成にありまるから、罪を犯した少年に対して、原則、刑罰が科されることはありません。
その代わりに、

保護処分

という処分を科される場合もあります。
保護処分は、

①少年院送致、②児童養護施設・児童自立支援施設送致、③保護観察

の3種類があり、家庭裁判所の少年審判を受けることになった場合に言い渡される可能性があります。

①少年院送致は、少年を少年院に入所させ、そこで一定期間矯正教育などを受けさせる措置です。②児童養護施設・児童自立支援施設送致は、児童養護施設・児童自立支援施設で、少年の更生を図るものです。施設に入所する点では少年人と同様ですが、少年院よりかは比較的制限の緩やかな生活を送ることができます。少年に頼るべき親などがいない場合に下されることの多い処分です。③保護観察は、どの施設にも入所せず、通常の日常生活を送りながら少年の更生を図るものです。ただし、一定期間、保護観察所の指導・保護下に置かれることになります。親などの監督が規定できる場合は、比較的この処分がくだされることが多いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

少年事件と初回接見

2021-04-08

少年事件と初回接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

中学生のAくんは、自宅近所の路上において、下校中の女子小学生V(11歳)に声をかけ、その陰部を触ったという強制わいせつ容疑で逮捕されました。逮捕の通知を受けたAくんの両親は、弁護士に初回の接見を依頼しました。
(フィクションです)

~初回接見とは~

初回接見とは、一般的には、弁護士が身柄を拘束された方と初めて対面して行う接見(面会)のことをいいます。
弁護士は、いつでも身柄拘束された方と接見することができます。
逮捕された、勾留された、家裁送致された、少年鑑別所に収容された、少年院に収容された、などどんな段階でも接見することができます。

接見は憲法に由来する非常に重要な権利です。
裁判所も、判例(平成12年6月13日)の中で、「逮捕後の初回接見は、弁護人の選任を目的とし、かつ取調べを受けるに当たっての助言を得る最初の機会ですから、その重要性は特に高く、一刻も早い接見が実現されるべき」としています。

少年事件において接見は重要です。
少年の場合、精神的に未熟であるがゆえに、身柄を拘束されると成人以上に落胆の度合いが大きく、将来について悲観的になりがちです。そのため、ときに捜査官の取調べにに迎合して虚偽の自白をしたり、自らの意図とは関係のない話をしてしまうおそれがあるからです。

~幣所の初回接見までの流れ~

警察から「お子様を逮捕した」、との連絡が入り、弁護士とお子様との接見を希望される場合は、まず幣所のフリーダイヤル

0120-631-881

までお電話していただく必要があります。24時間、専門の事務員が電話を受け付けております(いつ逮捕されるか分かりません)。
接見を希望される場合、事務員が親御様からお聞きした情報を基に、お子様がいずれの留置場に拘束されているのか調べます。その上で、接見にかかる弁護士費用を算出の上、金額などにご納得していただけるのであれば、速やかに弁護士を派遣する手続きを取ります。
(なお、弁護士の都合やお子様の予定(取調べなど)などによってはご希望の日、時間に弁護士を派遣できないこともあります。また、当接見は1回のみで、その後の接見や弁護活動をお希望される場合は、委任契約を結んでいただく必要がございます。)

弁護士が接見した後は、ご依頼者様に接見の報告をいたします。
お子様が疑われている罪の内容、お子様の話、今後の事件の見通しや、取るべき対策などについてアドバイスさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間体制で、無料法律相談・初回接見の予約を受け付けております。

少年鑑別所は何をするところ?

2021-04-01

今回は、少年事件の手続における少年鑑別所の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
A君(15歳)は、無免許でバイクを運転し、人身事故を起こした非行事実により逮捕・勾留され、家庭裁判所に送致されました。
送致後は、少年鑑別所に収容され、観護措置を受けています。
Aくんはこれからどうなってしまうのでしょうか。(フィクションです)

~A君に成立する罪は?~
(無免許過失運転致死傷罪)
バイクを無免許で運転する行為も、バイクを運転中に人身事故を起こした点についても、それ自体犯罪を構成しうる行為ですが(無免許運転の罪及び過失運転致死傷罪)、過失運転致死傷罪を犯した際に無免許運転であった場合は、「無免許過失運転致死傷罪」という特別な犯罪の成否が検討されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項)。

無免許過失運転致死傷罪の法定刑は10年以下の懲役となっています。

~少年事件の手続~
もっとも、A君は15歳の少年なので、少年事件として手続が進行します。
そのため、原則としてAくんが10年以下の懲役を言い渡され、刑務所において服役することはありません。
そのかわり、家庭裁判所において、必要に応じ、A君に保護処分が言い渡されることになるでしょう。

~少年鑑別所とは?~
A君が収容されているのは留置場でも拘置所でもなく、「少年鑑別所」という施設です。
少年鑑別所とはどのような施設なのでしょうか。

少年鑑別所とは、医学や心理学、教育学などの専門的知識に基づき、少年の資質の鑑別を行う施設です。
A君は後に家庭裁判所において審判を受けることになると思われますが、少年鑑別所において収集されたA君に関する情報は、審判の際に活用されます。

また、少年を勾留する場所となる場合もあります(少年法第48条2項)。

(観護措置とは?)
在宅で非行少年の資質が調査される場合もありますが、A君は少年鑑別所に収容された上で資質の鑑別を受けています。
家庭裁判所が調査、審判を行うために少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことを一般に「観護措置」といいます(少年法第17条1項2号)。
観護措置を行う場合に少年を収容する場所が少年鑑別所となっています。

(観護措置の期間)
期間は、法律上、2週間を超えることができず、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます(少年法第17条3項・4項本文)。
多くの場合、更新がなされるので、ほとんどの事件において4週間、少年鑑別所に収容されることになります。
さらに、重大事件で証人尋問や鑑定などを行うような少年法第17条4項但書の要件を満たす場合には、「特別更新」が可能となり、この場合は、最長8週間収容されることになります。

~少年審判について~
家庭裁判所において審判が開始されると、必要に応じてAくんに保護処分が言い渡されます。
保護処分には①保護観察処分、②児童自立支援施設又は児童養護施設送致、③少年院送致があります(少年法第24条1項各号)。

非行事実が軽微な場合や、少年事件手続上の関係者による働きかけによって再非行の危険性がなくなったと判断されると、「不処分」決定が言い渡される場合もあります。

~審判の結果はどうなるか?~
A君は無免許運転での人身事故という重大な違反を起こしており、不処分決定の獲得はかなり困難ではないでしょうか。
最終的に、保護観察処分か、少年院送致を言い渡されて事件が終了するのではないかと思われます。

A君がケースのような非行に再び手を染めないであろうということが認められ、在宅での更生が適当であり、そのための環境(両親をはじめとする監護態勢)も整っていると裁判官が判断すれば、保護観察処分を獲得できる可能性が高まります。
そのためには、少年事件に熟練した弁護士のアドバイスが大いに役立ちます。
まずは少年事件に熟練した弁護士を探して相談し、事件解決を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が無免許過失運転致死傷の非行事実により逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年審判の試験観察

2021-03-18

少年審判の試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所埼玉支部が解説します。

かつて、万引きを犯し、少年審判で保護観察の保護処分を受け保護観察中だったA君(16歳)は,またしてもコンビニで万引きして店員に見つかってしまいました。そして、A君の事件は家庭裁判所に送られ、少年審判で「試験観察」の決定を受けました。A君とA君の母親は少年院だけは行きたくないと思い、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~少年(20歳未満の者)に対する処分~

万引きは窃盗罪(刑法235条)に当たります。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。しかし、原則として、少年にこの刑罰(懲役、罰金)が科されることはありません。精神的にも身体的にも未熟な少年に対しては、その行為に対する制裁を科すよりも、少年の更生を期待し、それ相応の処分を科した方が、少年のためでもあり社会のためでもあると考えられているからです。

では、少年に対してはどのような処分が下されるのでしょうか?
少年に対する処分は、

・不処分
→非行事実が認められない場合、保護処分が必要のない場合の処分

・保護処分
→非行事実が認められることを前提に、少年を更生させるための処分。保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設送致,少年院送致の3種類があります。

・検察官送致
→保護処分よりも刑罰を科するのが相当と判断される場合に、事件が検察官に送致される処分。なお、事件が家庭裁判所に送致された後に年齢が20歳に達した場合は必ず、少年が故意に被害者を死亡させ,その罪を犯したとき16歳以上であった場合には,原則として,送致されます。

~少年審判のおける試験観察とは~

試験観察とは「保護処分」を決定するために必要があると認めるときに,決定をもって,相当の期間,少年を調査官の観察に付するというもので,少年に対する終局処分を一定期間留保し,その期間の少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分です。
試験観察は,保護観察中に再非行を犯したような場合など,保護観察所・保護司による指導・監督・教育制度だけでは処遇として不十分と認められる場合などに行われるようです。
なお,試験観察はあくまで中間処分に過ぎないので,試験観察が終わってもそれで終了というわけではなく,最終的には試験観察の経過を見て終局処分(保護処分等)が決定されます。

試験観察の種類は2種類あります。一つは在宅試験観察と呼ばれるもの、もう一つは補導委託と呼ばれるものです。 
在宅試験観察の場合、少年審判の日に「釈放」され、自宅等へ戻ることができます。その後は、日記などを付けたり、定期的に家庭裁判所に出頭して調査官と面札するなどして、最終的に終局処分が下されます。
他方、補導委託の場合、少年審判の日に自宅へ戻ることはできません。つまり、補導委託先(農家やお寺など)へ身柄を移され、そこでの生活を経た後、最終的に終局処分が下されます。

試験観察が予想される場合は、まずは、在宅試験観察を求めていきます。そのためにも、早い段階から少年に更生を促し、在宅でも更生できる環境を整えておく必要があります。試験観察となった場合は、定期的に少年や保護者と面談するなどして、不処分や保護観察などの軽い処分を獲得できるよう努めます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。

傷害罪と少年院送致

2021-03-11

傷害罪と少年院送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

大阪市内の高校に通うAさん(16歳)は、お金の貸し借りの件で友人Vさんと口論となり、Vさんの顔や腹部を殴る蹴るなどの暴行を加え、Vさんに全治2か月の大怪我を負わせてしまいました。Aさんは、学校の通報により駆け付けた警察官に傷害罪で逮捕されてしまいました。逮捕を通知を受けたAさんの両親は、今後、息子が少年院へ送致されるのではないかと不安になり、弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです。)

~傷害罪~

傷害罪は刑法204条に規定されています。

刑法204条
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪は、当初、怪我させるつもりはあった場合はもちろん、なかった場合でも、行為と結果(傷害)との間に因果関係が認められる場合には成立します。
また、傷害の結果、人を死亡させた場合は傷害致死罪に問われることになります。

少年(20歳未満の者)の場合、原則として、罰則は科されず、家庭裁判所送致→観護措置、調査官調査→少年審判→保護処分という経過をたどります。

もっとも、故意の犯罪行為により被害者を死亡させ、行為時に16歳以上だった少年にかかる事件については、原則、事件が家庭裁判所から検察庁へ再び送致されます。これの事件のことを原則逆送事件と呼んでおり、傷害致死罪もこの事件に含まれます。検察官の元へ送致されると、成人と同様の刑事手続で進められていきます。裁判となれば、一般人が裁判に参加する裁判員裁判を受けなければなりません。裁判で有罪と認定されれば、成人と同様に刑罰を科され、刑務所に服役しなければならない可能性もでてきます。

~少年院送致とは~

少年院送致は、家庭裁判所の少年審判において下される保護処分(少年院送致の他に、保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設送致があります)の一つです。少年審判では、少年をどの種類の少年院に送致するかまで決定されます(少年審判規則37条1項)。少年院の種類は以下のとおりです(少年院法4条1項1号から3号)。

第1種(1号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね十二歳以上二十三歳未満のもの(次号に定める者を除く。)
第2種(2号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだおおむね十六歳以上二十三歳未満のもの
第3種(3号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね十二歳以上二十六歳未満のもの

少年院の収容期間は、大きく短期処遇と長期処遇にわけられます。

短期処遇は、さらに特修短期処遇と一般短期処遇にわけられ、「特修短期処遇」の場合、「4か月」以内、「一般短期処遇」の場合、「6か月」以内です。長期処遇については10か月から2年です。

さきほど、少年審判では家庭裁判所から処遇に関する勧告が出されることがあります(少年審判規則38条2項)。ここで、家庭裁判所が特集短期処遇、一般短期処遇との勧告を出せば、少年院はこれに従うべきとされています(従う勧告)。また、長期処遇については、「比較的短期」の処遇勧告が出た場合、収容期間は10か月以内とされ、少年院はその勧告を尊重しなければならないとされています(尊重勧告)。しかし、長期処遇について何ら勧告がない場合は、少年院が1年から2年の範囲内で決めています。

~傷害事件における弁護活動(少年院送致回避に向けて)~

相手に怪我を負わせている場合は、相手が肉体的にも精神的にも損失を被っています。ですから、一刻も早く被害弁償をして、示談を締結することが先決です。示談を成立させることができれば、反省の意を示す証拠ともなり得、少年院送致回避に向けた証拠としても使えます。

傷害事件の場合には,少年に強い暴力性が認められるケースが多く,自分の感情をコントロールすることができないなどの欠点が見受けられることも多いものです。そのため,弁護士が少年と同じ目線に立って,感情のコントロールの仕方を教えていくことが重要となります。その上で、少年の生活環境、家庭環境、交友関係などを見直し、更生のための環境を整えていく必要があります。 

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詐欺未遂事件で逮捕・特殊詐欺における弁護活動

2021-03-04

少年が詐欺未遂事件で逮捕されたケースを題材に、特殊詐欺における弁護活動等について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

東京都八王子市に住む少年A(19歳)は、高齢者V(80歳)に対し息子を装って今すぐ金が必要であるとの嘘の電話をかけた。
その後、少年AはV宅を訪問し金を受け取ろうとした。
警視庁八王子警察署の警察官は、少年Aを詐欺未遂の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~少年による特殊詐欺~

近年、振り込め詐欺等の高齢者をターゲットとした特殊詐欺事件が増加しており、このような事件の中には少年が関わっているケースも少なくありません。
刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた」場合には詐欺罪が成立することを定めており、これは罰金刑を定める窃盗罪(刑法235条)と比べても重い犯罪とされています。
本件も特殊詐欺の事案ではありますが、少年AはVから金銭の交付を受けるには至っておらず、詐欺未遂罪が成立するかどうかが問題となります。
刑法43条前段によると、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者」は、(未遂処罰規定が存在する場合には)未遂罪の責任を負います。
(詐欺罪には未遂処罰規定(刑法250条)が存在することから)詐欺罪の「実行に着手」したと言える場合には、詐欺未遂罪が成立することになります。

まず、詐欺罪(上述の246条1項参照)の実行の着手があったといえるためには、「人を欺」く行為(この要件は刑法の現代語化前の表現である「欺罔(ぎもう)行為」と呼ばれることが多いため、以下これに倣います。)に着手したことが必要となります。
欺罔行為とは、人を錯誤に陥らせ財物を交付させる危険性を有する行為をいい、かかる客観的な危険性 があれば実行の着手すなわち未遂罪の成立が認められることになります。
本件では、少年Aは高齢者Vに対し、電話でVの息子であると名乗り金銭が必要であるとの嘘をついています。
高齢者は、日常生活等には支障がないとしても若年者に比べ判断能力が減退している傾向があり、家族を名乗る者から緊急に金銭等の無心をされた場合には、これに応じてしまうことは十分に考えられる事態といえます。
したがって、本件少年Aが息子を装いVに対し金銭の交付を要求した行為は、人を錯誤に陥れ財物を交付させる客観的危険性があるといえ、詐欺罪の実行の着手が認められることになり、詐欺未遂罪(刑法246条1項・250条)が成立すると考えられます。

~特殊詐欺事件の弁護活動~

上述のしたように少年が関与するものを含め特殊詐欺事件は社会問題化しており、捜査機関や裁判所はこれに対して厳格な態度で臨んでいるのが実情です。
成人事件では仮に初犯であっても実刑判決が下ることもあり、楽観的な弁護活動は禁物であると考えられています。
本件のような財産的被害は生じていない未遂事件の場合、財産的被害の生じている既遂事件よりは軽い処分が見込まれるとも考えられます。
もっとも少年事件では、原則として裁判ではなく、家庭裁判所による少年審判を受けることになるため、(組織的な関与も疑われる)特殊詐欺事件では少年院送致など厳しい処分を回避するための弁護活動を行うことが求められることになります。

なお、特殊詐欺グループの共犯事件に受け子や出し子などの末端で関与する場合にも、詐欺(未遂)罪等が成立するとした判例が続々と出てきており、弁護活動を行うにあたっては近年の判例・裁判例の正確な理解が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、特殊詐欺などの詐欺事件を含む少年事件を専門的に取り扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
詐欺未遂(特殊詐欺)欺件で逮捕されてしまったお子様のご家族等は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に まずはお問い合わせください。

器物損壊で少年が逮捕・弁護士による早期接見

2021-02-26

少年が逮捕されてしまった器物損壊事件を題材に、弁護士による早期接見等の重要性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

神奈川県横浜市に住む少年A(18歳)は、V女の住むマンションの駐輪場にあったV女の自転車に、自らの体液を付着させた。
V女による被害の申告を受けた神奈川県山手警察署の警察官は、少年Aを器物損壊の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~器物損壊罪の成否~

本件では、少年Aは器物損壊の疑いによって逮捕されています。
この点、刑法261条は「前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し……た者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する」として、器物損壊罪を定めています。
ここにいう「前3条」には、公用文書等毀棄罪・私用文書等毀棄罪・建造物等損壊罪(258条~260条)が含まれ、これら以外の他人の物を物理的に壊した場合には、261条の器物損壊罪が成立することになります。
では、本件少年Aの行為も「他人の物を損壊し」たとして、器物損壊罪が成立するのでしょうか。

判例・通説によると、刑法261条にいう「損壊」とは、財物の物理的な損壊までは必ずしも必要なく、財物の効用を害する一切の行為をいうと解されています。
判例上、食器に放尿する行為や窓ガラス等に多数のビラを貼付する行為なども、同条の「損壊」に当たるとされています。
そして、本件のような他人の自転車に体液を付着させる行為も、これにより心理的に財物の利用を困難にさせる点で財物の効用を害する行為といえ、少年Aの行為に器物損壊罪が成立することになります。
なお、本罪は刑法264条により親告罪とされていることにも注意を要します。

~少年事件における早期接見の重要性~

逮捕段階においては、家族等による面会は基本的に認められていません。
したがって、刑事訴訟法39条1項によって接見交通権を認められている弁護士による接見が、逮捕されてしまった者とコミュニケーションを採るための重要な手段となります。

少年事件では、いまだ精神的にも未成熟な少年に対する迅速なケアが必要不可欠です。
少年と接見するに当たっては、このような少年の発達段階に配慮したコミュニケーションが弁護士側に求められることになります。
つまり、個々の少年の特性を踏まえた上で、少年の成長・発達の過程に即した言葉や態度を適切に駆使する必要があります。
また、少年は成人と比しても法律の知識のみならず、常識の範疇に属する知識を欠いていることも少なくないことから、よりきめ細かな弁護活動が必要です。
特に捜査官の取調べに対する対応には十分に注意する必要があり、少年事件の経験を十分に積んだ弁護士による弁護活動を受けるメリットは大きいといえます。
捜査官による取調べは、時に威圧的であったり誘導的であったりするため、早期接見により少年への不利益を最小限化することが重要です。

なお、少年事件では、中学や高校・大学等といった教育機関に在籍している者も多いため、これらの学校生活への影響も最小限にとどめる弁護活動が求められることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊事件などの少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
少年事件の経験が豊富な弁護士が、迅速な接見や弁護活動を行ってまいります。
器物損壊事件で逮捕されてしまった少年のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
担当の者が早期接見の実現に向けて迅速に対応いたします。

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