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窃盗罪で逮捕・少年による詐欺盗事件

2020-03-08

窃盗罪で逮捕された少年による詐欺盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

電話で「銀行口座から不正に現金が引き出されている」「警察官がクレジットカードを保管しに伺う」などと嘘をついた上で、警察官になりすました少年A(19歳)は、V宅を訪れた。
Aは、用意した封筒にVのクレジットカードを入れさせ、封筒を閉じるのりを取ってくるためにVが玄関先から離れた隙に、ダミーのカードの入った封筒と上記封筒をすり替えた。
Vの通報を受けた兵庫県明石警察署の警察官は、少年Aを窃盗の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~少年によるクレジットカードのすり替え~

現在、お年寄り等を狙ったクレジットカードのすり替え事件が、社会問題となっています。
20歳未満の少年がこのような事件に関与することも少なくなく、いわゆる特殊詐欺の一種として警戒が呼びかけられていますが、このような事例では詐欺罪ではなく窃盗罪が成立すると考えられています。
以下では、なぜ詐欺罪ではなく窃盗罪が成立すると考えられているのかについて解説いたします。

刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者」を詐欺罪として処罰する旨を定めています。
この条文から明らかなとおり詐欺罪においては、被害者による「交付」行為が必要であり、このような「交付」行為に基づいて「財物」の占有が加害者に移転したといえる場合に詐欺罪が成立しうることになります。
しかし、本件のようなすり替え行為は、被害者は「財物」たるキャッシュカードを玄関に置いたにすぎません。
このような場合、加害者は、あくまで被害者の隙を見てキャッシュカードをすり替えたのであり、被害者から直接加害者へと「財物」の占有が移転したとまではいえないのが通常でしょう。
したがって、この場合には被害者の意思に反して占有を移転させたとして、「他人の財物」を「窃取」したものと考えられることから窃盗罪(刑法235条)が成立することになると考えられています。

~観護措置を回避するための弁護活動~

少年事件では、成人における通常の刑事事件と異なり、全件家裁送致主義が採られており、原則として事件は家庭裁判所に送られることになります。
このように、少年事件では成人の刑事事件とは異なる手続を経る点に注意が必要です。
また、家裁への送致後に、観護措置という身体拘束処分(法律上は原則2週間、もっとも運用上は3~4週間)が採られる可能性もあります。
つまり、少年法の適用される少年事件においては、成人よりも長い身体拘束が生じる可能性があるのです。

観護措置が決定されれば、少年は少年鑑別所に収容されることになってしまいます(少年法17条1項2号)。
上記のとおり観護措置は、身体拘束が長期間となるため、通っている学校の退学あるいは職場からの解雇といった形で少年に著しい不利益を生じさせる可能性があります。
そのため、観護措置の回避を目指す弁護活動を行うことが重要になると考えられます。
したがって弁護士としては、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれがないこと、収容鑑別を行う必要性がないことなどを具体的に主張し、観護措置の回避を目指していくことなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺盗のような窃盗事件も含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
少年事件・刑事事件のエキスパートである弁護士が、無料相談や初回接見等に迅速に対応いたします。
窃盗事件で逮捕された少年のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはお電話ください。

【少年事件】傷害致死と逆送

2020-03-03

少年事件における傷害致死と逆送について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

京都府八幡市に住むAさん(17歳)は傷害致死罪京都府八幡警察署に逮捕されました。Aさんは、20歳未満の少年でしたが、警察から「少年でも刑事裁判を受け、刑事罰を受ける可能性がある」と聞いたAさんの両親は、少年事件に強い弁護士に弁護活動を依頼することにしました。
(フィクションです)

~傷害致死罪~

傷害致死罪は刑法205条に規定されています。

刑法205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

本罪は傷害罪(刑法204条)の結果的加重犯です。
結果的加重犯とは、一定の基本となる犯罪(基本犯)の構成要件を実現した後、犯罪行為から行為者(Aさん)の予期しない重い結果が生じたときに、その重い結果について刑が加重される犯罪のことをいいます。

では、傷害致死罪の基本犯である傷害罪をみていきましょう。
同罪は、刑法204条に規定されています。

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、他方で、傷害致死罪は「3年以上の有期懲役(上限は懲役20年)」ですから、確かに刑が加重されている(重くなっている)ことが分かります。

傷害罪が成立するためには(構成要件)、
①暴行行為(暴行の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン1)
あるいは、
①傷害故意(傷害の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン2)
が必要です。

さらに、傷害致死罪が成立するには、上記要件に加えて
予期しない重い結果(人の死)が生じたこと
が必要です。
「予期しない」という点がポイントで、予期していた場合は、殺人罪(刑法199条)が成立します。

刑法199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

予期していたか、予期していなかったかで法定刑に大きな開きがあることがお分かりいただけるかと思います。

傷害罪では、暴行行為や傷害行為と傷害との間に因果関係が必要とされましたが、傷害致死罪でも同様に、
傷害と人の死との間に因果関係が必要
とされます。
仮に、因果関係が認められない場合は、行為者に人の死についての責任を問うことはできませんから、傷害罪が成立するにとどまります。

~少年事件でも刑罰を受ける?~

刑事事件を起こした少年については、少年の再犯防止・更生に主眼が置かれ、原則として刑事罰を受けることはありません。ただし、一定の要件を満たした場合は、成人と同様の手続に乗っ取り、刑事罰を受ける場合があります。その第一歩となるのが、家庭裁判所の逆送決定です。少年法では、逆送の決定を出せる場合として以下の3つを挙げています。
1 本人が20歳以上であることが判明したとき(少年法19条2項)
2 死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、刑事処分を相当と認めるとき(少年法20条1項)
3 故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた罪の事件であって、犯行時に16歳以上であるとき(少年法20条2項)
逆走決定を受けた場合、家庭裁判所に送致されていた事件が検察庁へ送致(逆送)され、その後は成人と同様の刑事手続で進められます。3の事件は「原則逆送」事件と呼ばれており、犯行の動機や態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状、環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置が相当と認められる場合は、逆送されない例外的な場合もあります(少年法20条2項但書)。

少年にとって、成人同様、刑事裁判、刑事罰を受けることは大きな負担となります。逆送が見込まれる事件で、逆送回避をご検討中の方は少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談下さい。24時間、無料法律相談や初回接見サービスの受付を行っています。

窃盗未遂事件で逮捕・少年事件における接見の重要性

2020-02-27

少年事件における接見の重要性について、窃盗未遂事件を題材に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

福岡市南区に住む少年A(16歳)は、金目の物を盗む目的でV宅に侵入し、タンスを物色しようと近づいたが、人の気配を感じたことから目的を遂げずに逃走した。
Vの通報を受けた福岡南警察署の警察官は、少年Aを窃盗未遂の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~窃盗未遂罪の成立時期~

本件では、AはV宅のタンスに近づいたが、人の気配を感じたことから何も盗らずに逃走しています。
このような場合にも、窃盗未遂罪は成立しうるのでしょうか。
この点、刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪」にするとしており、「他人の財物を窃取」した者は、窃盗罪既遂が成立することになります。
これに対し、未遂罪は「他人の財物を窃取」するという結果が発生していなくても、「犯罪の実行に着手」(刑法43条本文)したと認められる場合に成立することになります。
判例・実務において、窃盗罪の実行の着手は、物色行為にまで至らずとも金品等がありそうな物に近づいた段階で、「窃取」行為の現実的危険性があるとして実行の着手が認められるとされています。
したがって、本件でもAが窃盗目的でV宅のタンスに近づいた段階で、窃盗の既遂に至る現実的危険性があるとして、窃盗未遂罪(刑法235条、243条)が成立しうると考えられます。
なお、少年Aが窃盗目的でVの住居に侵入した行為には、住居侵入罪(刑法130条)が成立し、これは窃盗未遂罪牽連犯 (刑法54条1項後段)になることに注意が必要です。

~少年事件における弁護士による接見の重要性~

弁護士は、その資格において、逮捕直後から立会人なしで被疑者との接見交通権を行使することができます(刑事訴訟法39条 1項)。
これは通常の成人事件と同様に、少年事件でも変わるところはありません。
弁護士との接見、それも特に初回接見は、弁護人の選任や助言を得るための最初の機会であり、逮捕されてしまった被疑者にとっての防御のためにも極めて重要なものです。
逮捕段階では、家族との面会も困難であることから、単なる法的な意義を越えて精神的な面でも弁護士による接見が大きな意味を持つことになります。
このように弁護士との接見は成人事件でも重要なものですが、少年事件においてはより重要になってくると言っても過言ではありません。
未成年である少年は、刑事手続等について成人以上に知識に乏しいことがほとんどであり、また捜査官に対しても迎合しやすい性質を持っています。
したがって、少年事件においては、迅速な接見が重要になってくるとともに、少年事件特有のケアもまた必要となってくるのです。
接見において少年とコミュニケーションを取るにあたっては、弁護士が捜査官とは違い自分の味方であることを理解させた上で、成人以上に丁寧な対応を行っていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、未成年による少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
少年事件の経験が豊富な弁護士が、その経験を存分に活かした弁護活動を行ってまいります。
窃盗未遂事件で逮捕された少年のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に、まずはお問い合わせください。
担当のスタッフが、上述した弁護士による初回接見などのサービスを分かりやすくご案内いたします。

少年が恐喝事件で逮捕・少年事件の特色

2020-02-22

少年が恐喝事件によって逮捕された事案に関連して、少年事件の特色などについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

東京都大田区内に住む少年Aは、Vの胸ぐらを掴んだ上で「金をよこせ」等と脅し、金銭を交付させた。
警視庁蒲田警察署の警察官は、少年Aを恐喝の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~少年による恐喝事件~

刑法249条は、1項で「人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する」とし、同2項で「前項の方法により(=人を恐喝して)、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」ことを規定しています。
最も典型的な財産犯である窃盗罪(刑法235条)や強盗罪(刑法236条以下)が、被害者の意思に反して財物等を奪取する犯罪であるのに対し、恐喝罪や詐欺罪(刑法246条)は一応は被害者の意思に基づいて財物等が交付される点において犯罪態様が異なります。
前者のグループが盗取罪と呼ばれるに対し、後者の恐喝罪・詐欺罪は交付罪と呼ばれ区別されているのです。
また、上記刑法249条においては、「財物」のみならず「財産上……の利益」も刑法上の保護の対象となっており、窃盗罪などと異なり「財産上……の利益」も恐喝罪の客体となり得ることに注意が必要です。
もっとも、本件では金銭という「財物」を喝取しようとしていることから、専ら1項が問題になることになります。

刑法249条1項における「人を恐喝して」とは、暴行又は脅迫を手段として財物の交付を要求することをいいます。
ここでいう暴行又は脅迫は、相手方(被害者)を畏怖するに足りる程度のもので足りるとされており、相手方(被害者)の反抗を抑圧するに至るほどの強度の暴行・脅迫であれば、それはもはや意思に反する財物奪取であり強盗罪の適用場面となります。
本件では、少年AはVに対し胸ぐらを掴むなど上で、金銭の交付を強要しています。
これは、被害者を畏怖するに足る暴行・脅迫とはいい得るものですが、反抗を抑圧するほどではないと考えられます。
したがって、強盗罪ではなく、恐喝罪が成立するにとどまるものといえるでしょう。

~少年事件と成人事件の違い~

少年事件では、成人による通常の刑事事件とは、大きく異なる特色があることに注意を要します。
刑事訴訟法に基づく成人の刑事事件では、検察官の判断で不起訴にすることも可能ですが、少年法に基づく少年事件においては家庭裁判所への全件送致が原則とされています。
また、通常の刑事事件では起訴された場合にも、事実認定者である裁判官の予断を排除するために起訴状一本主義が採られており、裁判官は裁判の開始段階では原則として起訴状以外の記録を見ることはできません。
これに対し、少年事件では家裁の裁判官は最初から全ての記録に目を通すことが可能であり、上記のような予断排除の原則は採られていないのです。
そして、事件の当事者の最大の関心事である最終的な処分に関しても、家裁送致された少年事件では、刑罰といった刑事処分ではなく保護処分(保護観察や少年院送致など)がなされることになります。
したがって少年事件に対応する弁護士としては、このような少年事件特有の手続を踏まえた上で、保護処分を避け、審判不開始不処分を目指した弁護活動を行うことが肝要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、恐喝事件を含む少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
恐喝事件で逮捕された少年のご家族は、24時間365日対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで、まずはお問い合わせください。

盗品等無償譲受罪での少年審判

2020-02-12

盗品等無償譲受罪での少年審判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。 

~ 事例 ~

神奈川県大和市に住む高校生A(16歳)は、友人からもらったバイクに乗っていたところ。、神奈川県大和警察署の警察官に職務質問されました。
そこでバイクが盗品であることが判明し、Aは,盗品等無償譲受罪で逮捕され(その後釈放)ましたが、Aはバイクを譲り受けた時点では盗品とは知りませんでした。
Aは,少年審判で無実を訴えたいと考えています。
(フィクションです)

~ 盗品等無償譲受罪(刑法256条) ~

盗品等無償譲受とは、盗品その他財物に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けることで、刑法第256条で「3年以下の懲役」の罰則が規定されています。
盗品その他財物に対する罪とは、窃盗罪や横領罪によって不法領得した財物は当然のこと、詐欺罪や恐喝罪によって不正に取得した財物も対象になります。

また、財産罪によって領得された財物が盗品等となるのですが、ここにいう犯罪行為は、構成要件に該当する違法行為であれば足り、必ずしも有責であることを必要としません。
つまり財産罪を犯した犯人が、刑事未成年者であったり、親族間の犯罪に関する特例の適用によって刑の免除を受たりしている場合や、本犯の公訴時効が完成している場合でも、盗品等無償譲受けの罪は成立してしまうのです。
財産罪の実行行為に加担していた者は、財産罪の共犯となるので、盗品等の罪の主体にはなり得ませんが、財産罪の教唆者や幇助者は、財産罪の実行行為を分担するのではないので、盗品等の罪の主体となり得ます。

盗品等無償譲受罪は故意犯です。
この罪が成立するには、行為者に盗品であることの認識がなければなりません。
この認識は、いかなる財産罪によって取得した物なのか、犯人や被害者が誰なのか等の詳細まで必要とされませんが、その財物が何らかの財産犯によって領得された物であることの認識は必要です。
ただ、Aのように盗品とは全く知らなかったという場合には、盗品等に関する罪の故意を欠き、盗品等無償譲受罪が成立しない場合もあるのです。

~ 少年事件の流れ ~

・逮捕

少年事件であっても逮捕の要件を満たし、逮捕の必要がある場合は、成人被疑者と同様に逮捕されます。
警察に逮捕された後は、留置の必要が無くならない限りは警察署の留置場に留置されることとなります。

・送致後(勾留・観護措置等)
逮捕から48時間以内に釈放されなければ、少年は、検察庁に送致されます。
送致を受けた検察官は、裁判所に対して勾留請求、又は家庭裁判所に観護措置を請求若しくは少年を釈放します。

・勾留
逃走のおそれや、証拠を隠滅するおそれがあり、引き続き捜査の必要がある場合、裁判官は勾留を決定する可能性があります。
勾留の期間は10日から20日間で、基本的には、その期間中、捜査を担当する警察署の留置場に収容されることとなります。
ただし少年法で、検察官は、少年の被疑事件においてはやむを得ない場合でなければ裁判官に勾留請求できない旨が明記されています。
そのため裁判官が、勾留に代わる観護措置という決定をすることがあります。

・勾留に代わる観護措置
勾留に代わる観護措置とは、名称こそ観護措置となっていますが、この期間中には警察等捜査当局による取調べなどの捜査が行われるので実質的には勾留と差異はありません。
勾留に代わる観護措置は、10日間の満期後に、新たに裁判官の判断をあおぐことなく、自動的に観護措置が決定してしまうので、勾留後に観護措置が認められなかった場合に比べると、身体拘束期間が長くなるという大きなデメリットがあります。

・観護措置
主に家庭裁判所に送致された少年審判を円滑に進めたり、少年の処分を適切に決めるための検査を行ったりするために、少年を少年鑑別所に一定期間収容することです。
観護措置は、検察から送致を受けた家庭裁判所の裁判官が決定し、その期間は一般的に4週間です。
上記勾留や、勾留に代わる観護措置の後に観護措置が決定する他、これらの手続きを経ることなく、観護措置が決定して少年鑑別所に収容されることもあります。

~ 少年審判で無罪を主張 ~

少年審判は、少年に対する非行(犯罪)事実が認められるか、認められるとして少年に対する処分(保護観察、少年院送致などの保護処分等)をいかなるものにするかを決める手続きです。

したがって、少年事件が少年審判に付された場合、少年審判で犯罪の成立を争うことになります。
仮に、少年審判で、非行(犯罪)事実が認められない(非行なし)、つまり「保護処分に付することができない」(少年法23条2項)と判断された場合は、少年に対し「不処分」決定が下されます。
これは成人事件でいう「無罪」判決に相当します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件とともに少年の刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
少年審判で犯罪の成立を争いたいなどとお考えの方は、弊所のフリーダイヤルまでご連絡ください。
無料法律相談等を24時間いつでも受け付けています。

年齢切迫少年の弁護活動

2020-02-07

今回は、家庭裁判所送致時に、20歳の誕生日が近い少年の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

埼玉県さいたま市に住む大学2回生で、19歳のAくんは、自身の居住するアパートの隣室である、女性V宅に侵入し、強いてわいせつな行為をした疑いで埼玉県岩槻警察署に逮捕されています。
つい最近、検察から家庭裁判所に送致され、少年鑑別所観護措置を受けています。
20日後に20歳の誕生日を迎えますが、有利に事件を解決するために、何か特別な弁護活動は必要なのでしょうか。(フィクションです)

~まずは少年事件の手続について解説~

Aくんの行った行為は、①住居侵入罪(刑法第130条前段)、②強制わいせつ罪(刑法第176条)を構成する可能性の高い行為です。

ただし、現在、Aくんは少年ですから、少年法の適用があります。
少年法による手続は、原則として刑罰を科すことを目的とするものではなく、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分及び少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的としています(少年法第1条)。

※少年法第1条
「この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。」

(捜査段階)
捜査段階においては、少年保護事件であっても、刑事訴訟法の適用があります。
したがって、逮捕・勾留された場合、捜査段階で23日間身体拘束を受ける可能性があることは、成人と同様です。

(家庭裁判所への送致)
捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

(観護措置決定)
家庭裁判所は、送致により少年が到着した時から24時間以内に、Aくんについて観護措置をとるかどうかを決めなければなりません。
観護措置とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置をいいます。

観護措置がとられると、少年鑑別所に収容され、心身の調査を受けます。
期間は、法律上、2週間を超えることができず、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます。
多くの場合、更新がなされるので、ほとんどの事件では4週間、少年鑑別所に収容されることになります。
さらに、少年法第17条4項但書の要件を満たす場合には、「特別更新」が可能となり、この場合は、最長8週間収容されることになります。

~年齢切迫少年の弁護活動~

家庭裁判所が審判の開始を決定するまでに、Aくんが20歳に達した場合、少年審判を開始することができません。
この場合は、事件が検察送致され、成人と同じ刑事手続に乗せられます。
起訴され、有罪判決を受けると、成人と同じように、懲役刑の言渡しを受けることになるでしょう(もちろん執行を猶予される場合もありますが、ケースの場合は厳しいでしょう)。

この場合は前科となってしまいますし、教育的処遇としての保護処分を行う場合と比べて、不適切な処分となることも考えられます。

Aくんはケースの時点(家裁送致がなされ、観護措置中)において、20歳の誕生日まであと20日しか残っていません。
このままでは、観護措置期間中に20歳に達してしまいます。
このように実質的に調査を行う時間がない場合には、成人に達する前に検察官送致をなされてしまう場合もあります。

このような場合は、弁護士に依頼し、刑事処分ではなく、保護処分を受けられるように、成人に達する前に審判期日を入れるよう、家庭裁判所に働きかけてもらうことが必要です。

ケースの場合は時間がありません。
一刻も早く弁護士を入れて、Aくんの改善更正を目指していく必要があるといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
少年事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

少年が公務執行妨害罪で逮捕

2020-01-28

少年と公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。

~ 事例 ~

大阪府富田林市に住む高校1年生のAさん(17歳)は、深夜、同区内の公園で友人らと遊んでいたところ大阪府富田林警察署の警察官の職務質問を受けました。Aさんは、ズボンの右ポケットに大麻を入れていたため、「大変なことになった」、「何とかこの場を逃げよう」と思い、警察官から職務質問を受けている最中、その場から逃走しましたが、数名でAさんの後を追った警察官に囲まれてしまいました。それでもAさんはその場から逃げようと思い、前に立っていた警察官の腹部を1回蹴って、警察官が怯んだすきにその場から逃走しましたが、再び警察官に追いつかれてしまい、公務執行妨害罪の現行犯で逮捕されてしまいました。また、その後の捜査で、逮捕時に大麻を所持していたことが判明し、大麻取締法違反でも再逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ 公務執行妨害罪 ~

少年(20歳未満の者)に限らず大人でも警察官に職務質問を受けると、罪の意識がない場合でも「何か誤ったことをしてしまったのではないか?」と不安になり、ときに冷静な対処を取れなくなるときがあります。本件のA君のように、罪の意識がある場合はなおさらです。
そして、冷静な対応を取れない場合につい犯してしまいがちな罪が公務執行妨害罪です。
公務執行妨害罪は刑法95条1項に規定されています。

刑法95条1項
 公務員が職務を執行するにあたり、これに対して暴行・脅迫を加えた者は3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

本件の場合の「公務員」とは警察官のことを指します(多くの警察官は地方公務員です)。
「職務」とは職務質問のことをいいます。
なお、警察官の職務質問は、警察官職務質問執行法(以下、警職法)2条1項に規定されています。

警職法2条1項

警察官は、異常な挙動その他の周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる

ただ、公務執行妨害罪は公務の円滑な遂行を保護する罪ですから、「職務=職務質問」は適法であることが大前提です。違法な「職務」は保護に値しないからです。
職務質問が適法か否かは、職務質問の必要性、緊急性なども考慮した上、具体的状況の下で相当と認められる限度内にあるかどうか、を考慮して判断されます。

~ 少年事件と保護処分 ~

少年の刑事事件には、

少年法

が適用されます。
少年法の目的は少年の更生と健全な育成にありまるから、罪を犯した少年に対して、原則、刑罰が科されることはありません。
その代わりに、

保護処分

という処分を科される場合もあります。
保護処分は、

①少年院送致、②児童養護施設・児童自立支援施設送致、③保護観察

の3種類があり、家庭裁判所の少年審判を受けることになった場合に言い渡される可能性があります。

①少年院送致は、少年を少年院に入所させ、そこで一定期間矯正教育などを受けさせる措置です。②児童養護施設・児童自立支援施設送致は、児童養護施設・児童自立支援施設で、少年の更生を図るものです。施設に入所する点では少年人と同様ですが、少年院よりかは比較的制限の緩やかな生活を送ることができます。少年に頼るべき親などがいない場合に下されることの多い処分です。③保護観察は、どの施設にも入所せず、通常の日常生活を送りながら少年の更生を図るものです。ただし、一定期間、保護観察所の指導・保護下に置かれることになります。親などの監督が規定できる場合は、比較的この処分がくだされることが多いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの予約受付を承っております。

少年による特殊詐欺事件

2020-01-23

今回は、高校2年生の少年が、オレオレ詐欺グループの犯行に加担してしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

大阪府立高校2年生で16歳のAくんは、面識のない人物から、SNSのメッセージを通じ、「高収入アルバイト」があることを聞かされました。
その内容は、銀行員を装って、高齢男性から現金を受け取る、というものでした。
1回これに従事すれば、30万円の報酬がもらえるということだったので、Aくんは上記「高収入アルバイト」に参加し、ターゲットの高齢男性から現金300万円を受け取り、指定された場所で指示された人物にこれを引き渡しました。
後日、Aくんの自宅に大阪府淀川警察署の警察官が現れ、「前にやったアルバイトについて聞きたいことがある」とのことです。
Aくんの親は大変驚いています。
Aくんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)

~Aくんにかけられている嫌疑~

Aくんには、詐欺の共犯の疑いがかけられていると思われます。
より具体的には、オレオレ詐欺などを行う犯罪グループと共謀し、その中でもいわゆる「受け子」という役割を遂行した、という嫌疑がかけられているでしょう。

詐欺罪は刑法典上の犯罪であり(刑法第246条1項)、法定刑は10年以下の懲役です。
Aくんが成人であれば、通常の刑事事件として手続が進行するのですが、ケースのAくんは16歳の少年ですから、原則として少年法の適用があり、少年保護事件として手続が進行することになります。
以下、手続の概要と、その状況に応じた弁護活動について、解説していきたいと思います。

~今後の手続~

(捜査段階)
ケースの段階では、まず警察に出頭を求められています。
出頭後は、「高収入アルバイト」に従事するに至った経緯、アルバイトの内容、グループの実態についてかなり厳しく追及されるものと思われます。
逮捕される可能性も十分あります。
ケースのような特殊詐欺事件の「受け子」としてお子様が警察に連れて行かれてしまった場合は、逮捕される可能性を十分踏まえ、早期に弁護士に相談しましょう。

逮捕され、留置された場合は、逮捕時から48時間以内にAくんの身柄が検察庁送致されます。

送致後は、検察官が取調べを行い、身柄を受け取った時から24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAくんの勾留を求めるか(勾留請求)、釈放して在宅で捜査を行うかどうかを決めます。

この段階での弁護活動としては、少年を勾留することの悪影響を訴えかけ、勾留をしないよう働きかけることが考えられます。
また、Aくんが詐欺グループと共謀した事実、詐欺の故意について否認している場合には、即時に釈放するように、あるいは、勾留せず、家庭裁判所にも送致しないよう働きかけることが考えられます。

(家庭裁判所への送致)
検察官は原則として、全ての少年保護事件を、家庭裁判所送致しなければなりません。
勾留されたまま家庭裁判所に送致されると、到着のときから24時間以内にAくんについて「観護措置」をとるかどうかが決定されます。
観護措置がとられると「少年鑑別所」に送致され、Aくんの心身の状況などが調査されます。

観護措置は原則2週間までとされていますが、特に継続の必要があるとされると、1回に限り更新することができます。
多くは更新されています。
特別な要件を満たす場合(少年法第17条4項参照)には、さらに2回を限度として更新することができます。

観護措置がとられると、基本的に4週間近くという長期間、身体拘束を受けることになるので、このような事態はできれば回避したいところです。
そのためには、捜査段階である勾留中に、観護措置をとるだけの必要性がないといえるだけの環境調整を行っていくことが必要です。
また、観護措置決定に対しては、異議申し立てをすることも可能です。

(少年審判)
少年審判において、保護処分の必要が認められると、「少年院送致」「保護観察処分」「児童自立支援施設又は児童養護施設送致」という処分が言い渡されます。
「不処分」という決定もありますが、ケースの場合において、詐欺罪が成立する場合には、あまり期待できない処分です。
ケースの場合は、少年院送致か、保護観察処分のいずれかが言い渡される可能性が高いと思われます。
どちらになるかは、Aくんの家庭環境、交友関係、生活態度、被害額などを考慮して決められます。
大切なのは、Aくんに真摯な内省を促し、家庭環境を整えるなどして、出来る限り保護観察処分の獲得を目指すことです。

まずは弁護士と相談し、よりAくんの将来に悪影響を及ぼさないような事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が特殊詐欺事件に加担した疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

放火と少年院送致

2020-01-13

少年事件の逆送について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

京都府舞鶴市に住む高校3年生のA君は、自宅で受験勉強を巡って父親と親子喧嘩をした腹いせに、新聞紙にライターで火をつけそれを自宅和室に投げ込みました。
すると和室から煙がもくもくと立ち込めました。これに反応したA君の父親が119番通報、110番通報し、駆け付けた消防隊の活動によって火は消し止められましたが、和室は全焼してしまいました。その後、京都府舞鶴警察署の警察官などの実況見分や事情聴取などからA君が犯人であることが特定されました。そして、A君は現住建造物等放火罪の被疑者として舞鶴警察署の捜査を受けることになりました。
(この事例はフィクションです。)

~ 放火の罪と現住建造物等放火罪 ~

放火の罪は刑法108条から刑法118条まで規定されていますが、A君が疑いをかけられている現住建造物放火罪は刑法108条に規定されています。

刑法108条
 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

現住建造物等放火罪は、現に人がいる住居又は建造物等を放火する罪です。
したがって、法定刑が「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」と刑法犯の中でも重い刑に属します。

「放火して」とは、故意に目的物(家等の建造物)の焼損(燃えること)に原因力を与えることをいいます。
・ライターで新聞紙に火をつけ、その新聞紙を家の中に投げ込む
・燃えている火の中に油を注ぎこむ
などがその典型でしょう。

また、
・はじめはたばこの不始末で畳みが燃えていたものの、これを消化することが可能であったのに、建物を焼損する意図で、殊更発火防止の措置を取らなかった
という不作為も「放火して」に当たる場合があります。

「人」とは犯人以外の者をいいますから、「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物」とは、犯人以外の者が住む住居、あるいは犯人以外の者がいる建造物ということになります。
「焼損」とは、火が媒介物を離れて目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼を継続しうる状態に達することをいいます。

~ 少年院送致 ~

少年院送致は、家庭裁判所の少年審判において下される保護処分(少年院送致の他に、保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設送致があります)の一つです。少年審判では、少年をどの種類の少年院に送致するかまで決定されます(少年審判規則37条1項)。少年院の種類は以下のとおりです(少年院法4条1項1号から3号)。
第1種(1号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね十二歳以上二十三歳未満のもの(次号に定める者を除く。)
第2種(2号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだおおむね十六歳以上二十三歳未満のもの
第3種(3号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね十二歳以上二十六歳未満のもの
* 少年院の収容期間は? *
少年院の収容期間は、大きく短期処遇と長期処遇にわけられます。
短期処遇は、さらに特修短期処遇と一般短期処遇にわけられ、「特修短期処遇」の場合、「4か月」以内、「一般短期処遇」の場合、「6か月」以内です。長期処遇については10か月から2年です。
さきほど、少年審判では家庭裁判所から処遇に関する勧告が出されることがあります(少年審判規則38条2項)。ここで、家庭裁判所が特集短期処遇、一般短期処遇との勧告を出せば、少年院はこれに従うべきとされています(従う勧告)。また、長期処遇については、「比較的短期」の処遇勧告が出た場合、収容期間は10か月以内とされ、少年院はその勧告を尊重しなければならないとされています(尊重勧告)。しかし、長期処遇について何ら勧告がない場合は、少年院が1年から2年の範囲内で決めています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。

少年の無免許運転事件

2020-01-09

今回は、少年が自動車を無免許で運転してしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

福岡市中央区に住むAくんは、16歳の高校生です。
不良仲間のA2くんらを誘い、自家用車を運転していたところ、福岡県中央警察署の警察官の検問により止められ、無免許運転が発覚してしまいました。
Aくんらは任意で取調べを受けた後、親が身元引受人となって帰宅することができましたが、Aくんの親は今後どうなってしまうのか不安に感じています。
どうすればよいのでしょうか。
(フィクションです)

~まずは弁護士に相談~

まずは、少年事件の得意な弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談することにより、今後の手続について理解することができ、さらに、弁護活動を依頼すれば、Aくんになされる処分を軽くすることを目指して活動してもらえます。

~少年事件の手続~

Aくんの行った行為は、「無免許運転」という犯罪行為です。

※道路交通法第117条の2の2第1号(抜粋)
第百十七条の二の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 法令の規定による運転の免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者

無免許運転を行うと、成人であれば、上記の通り、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
もっとも、よく知られている通り、Aくんは少年ですから、少年法の適用があり、上記の様な懲役刑を受けたり、あるいは罰金刑を受けることはありません。
その代わり、少年保護事件として手続が進行し、家庭裁判所による審判が開かれれば、Aくんの事情に応じた保護処分を言い渡されることになります。

(警察、検察段階での手続)
ケースの直後はこの段階に当たるでしょう。
このまま在宅で事件が進行すれば、警察の呼び出しに応じて出頭し、取調べを受けます。
検察でも同様です。

(家庭裁判所への送致)
少年事件では、事件が原則として家庭裁判所に送致されることになります。
成人における「起訴猶予処分(有罪を立証する用意があるが、検察官の裁量で被疑者を裁判にかけない処分)」のように、捜査機関限りで事件が終了することはありません。

(家庭裁判所への送致後)
家庭裁判所に送致された後は、「観護措置」をとるかどうかを決定します。
身柄を拘束されている少年は24時間以内に判断されます。
観護措置がとられると、少年鑑別所に収容され調査を受けることになります。
観護措置をとらない場合であっても、Aくんの家庭環境や、心身の状態、犯罪傾向などが調査されます。

~ケースの場合に予想される処分~

審判開始決定がなされた場合は、在宅でAくんの改善更正を図る「保護観察処分」か、保護処分などを行わない「不処分」を言い渡される可能性が高いでしょう。
保護観察処分は在宅で行われますが、保護観察所の指導監督・補導援護を受けなければならないので、少なからずAくんにも負担がかかります。
不処分を獲得できれば、上記の様な負担がかかりません。

関係者によるAくんへの働きかけ(説諭、訓戒)や、Aくんの交際関係などを見直したことが家庭裁判所に評価され、保護処分の必要がないと認められれば、不処分となる可能性が十分あります。
まずは、少年事件を得意とする弁護士のアドバイスを聞き、Aくんの将来に及ぼす悪影響が最も少ない、有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が無免許運転事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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