放火と少年院送致

2020-01-13

少年事件の逆送について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

京都府舞鶴市に住む高校3年生のA君は、自宅で受験勉強を巡って父親と親子喧嘩をした腹いせに、新聞紙にライターで火をつけそれを自宅和室に投げ込みました。
すると和室から煙がもくもくと立ち込めました。これに反応したA君の父親が119番通報、110番通報し、駆け付けた消防隊の活動によって火は消し止められましたが、和室は全焼してしまいました。その後、京都府舞鶴警察署の警察官などの実況見分や事情聴取などからA君が犯人であることが特定されました。そして、A君は現住建造物等放火罪の被疑者として舞鶴警察署の捜査を受けることになりました。
(この事例はフィクションです。)

~ 放火の罪と現住建造物等放火罪 ~

放火の罪は刑法108条から刑法118条まで規定されていますが、A君が疑いをかけられている現住建造物放火罪は刑法108条に規定されています。

刑法108条
 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

現住建造物等放火罪は、現に人がいる住居又は建造物等を放火する罪です。
したがって、法定刑が「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」と刑法犯の中でも重い刑に属します。

「放火して」とは、故意に目的物(家等の建造物)の焼損(燃えること)に原因力を与えることをいいます。
・ライターで新聞紙に火をつけ、その新聞紙を家の中に投げ込む
・燃えている火の中に油を注ぎこむ
などがその典型でしょう。

また、
・はじめはたばこの不始末で畳みが燃えていたものの、これを消化することが可能であったのに、建物を焼損する意図で、殊更発火防止の措置を取らなかった
という不作為も「放火して」に当たる場合があります。

「人」とは犯人以外の者をいいますから、「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物」とは、犯人以外の者が住む住居、あるいは犯人以外の者がいる建造物ということになります。
「焼損」とは、火が媒介物を離れて目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼を継続しうる状態に達することをいいます。

~ 少年院送致 ~

少年院送致は、家庭裁判所の少年審判において下される保護処分(少年院送致の他に、保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設送致があります)の一つです。少年審判では、少年をどの種類の少年院に送致するかまで決定されます(少年審判規則37条1項)。少年院の種類は以下のとおりです(少年院法4条1項1号から3号)。
第1種(1号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね十二歳以上二十三歳未満のもの(次号に定める者を除く。)
第2種(2号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだおおむね十六歳以上二十三歳未満のもの
第3種(3号)
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね十二歳以上二十六歳未満のもの
* 少年院の収容期間は? *
少年院の収容期間は、大きく短期処遇と長期処遇にわけられます。
短期処遇は、さらに特修短期処遇と一般短期処遇にわけられ、「特修短期処遇」の場合、「4か月」以内、「一般短期処遇」の場合、「6か月」以内です。長期処遇については10か月から2年です。
さきほど、少年審判では家庭裁判所から処遇に関する勧告が出されることがあります(少年審判規則38条2項)。ここで、家庭裁判所が特集短期処遇、一般短期処遇との勧告を出せば、少年院はこれに従うべきとされています(従う勧告)。また、長期処遇については、「比較的短期」の処遇勧告が出た場合、収容期間は10か月以内とされ、少年院はその勧告を尊重しなければならないとされています(尊重勧告)。しかし、長期処遇について何ら勧告がない場合は、少年院が1年から2年の範囲内で決めています。

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