【少年事件】傷害致死と逆送

2020-03-03

少年事件における傷害致死と逆送について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

京都府八幡市に住むAさん(17歳)は傷害致死罪京都府八幡警察署に逮捕されました。Aさんは、20歳未満の少年でしたが、警察から「少年でも刑事裁判を受け、刑事罰を受ける可能性がある」と聞いたAさんの両親は、少年事件に強い弁護士に弁護活動を依頼することにしました。
(フィクションです)

~傷害致死罪~

傷害致死罪は刑法205条に規定されています。

刑法205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

本罪は傷害罪(刑法204条)の結果的加重犯です。
結果的加重犯とは、一定の基本となる犯罪(基本犯)の構成要件を実現した後、犯罪行為から行為者(Aさん)の予期しない重い結果が生じたときに、その重い結果について刑が加重される犯罪のことをいいます。

では、傷害致死罪の基本犯である傷害罪をみていきましょう。
同罪は、刑法204条に規定されています。

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、他方で、傷害致死罪は「3年以上の有期懲役(上限は懲役20年)」ですから、確かに刑が加重されている(重くなっている)ことが分かります。

傷害罪が成立するためには(構成要件)、
①暴行行為(暴行の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン1)
あるいは、
①傷害故意(傷害の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン2)
が必要です。

さらに、傷害致死罪が成立するには、上記要件に加えて
予期しない重い結果(人の死)が生じたこと
が必要です。
「予期しない」という点がポイントで、予期していた場合は、殺人罪(刑法199条)が成立します。

刑法199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

予期していたか、予期していなかったかで法定刑に大きな開きがあることがお分かりいただけるかと思います。

傷害罪では、暴行行為や傷害行為と傷害との間に因果関係が必要とされましたが、傷害致死罪でも同様に、
傷害と人の死との間に因果関係が必要
とされます。
仮に、因果関係が認められない場合は、行為者に人の死についての責任を問うことはできませんから、傷害罪が成立するにとどまります。

~少年事件でも刑罰を受ける?~

刑事事件を起こした少年については、少年の再犯防止・更生に主眼が置かれ、原則として刑事罰を受けることはありません。ただし、一定の要件を満たした場合は、成人と同様の手続に乗っ取り、刑事罰を受ける場合があります。その第一歩となるのが、家庭裁判所の逆送決定です。少年法では、逆送の決定を出せる場合として以下の3つを挙げています。
1 本人が20歳以上であることが判明したとき(少年法19条2項)
2 死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、刑事処分を相当と認めるとき(少年法20条1項)
3 故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた罪の事件であって、犯行時に16歳以上であるとき(少年法20条2項)
逆走決定を受けた場合、家庭裁判所に送致されていた事件が検察庁へ送致(逆送)され、その後は成人と同様の刑事手続で進められます。3の事件は「原則逆送」事件と呼ばれており、犯行の動機や態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状、環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置が相当と認められる場合は、逆送されない例外的な場合もあります(少年法20条2項但書)。

少年にとって、成人同様、刑事裁判、刑事罰を受けることは大きな負担となります。逆送が見込まれる事件で、逆送回避をご検討中の方は少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談下さい。24時間、無料法律相談や初回接見サービスの受付を行っています。

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