年齢切迫少年の弁護活動

2020-02-07

今回は、家庭裁判所送致時に、20歳の誕生日が近い少年の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

埼玉県さいたま市に住む大学2回生で、19歳のAくんは、自身の居住するアパートの隣室である、女性V宅に侵入し、強いてわいせつな行為をした疑いで埼玉県岩槻警察署に逮捕されています。
つい最近、検察から家庭裁判所に送致され、少年鑑別所観護措置を受けています。
20日後に20歳の誕生日を迎えますが、有利に事件を解決するために、何か特別な弁護活動は必要なのでしょうか。(フィクションです)

~まずは少年事件の手続について解説~

Aくんの行った行為は、①住居侵入罪(刑法第130条前段)、②強制わいせつ罪(刑法第176条)を構成する可能性の高い行為です。

ただし、現在、Aくんは少年ですから、少年法の適用があります。
少年法による手続は、原則として刑罰を科すことを目的とするものではなく、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分及び少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的としています(少年法第1条)。

※少年法第1条
「この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。」

(捜査段階)
捜査段階においては、少年保護事件であっても、刑事訴訟法の適用があります。
したがって、逮捕・勾留された場合、捜査段階で23日間身体拘束を受ける可能性があることは、成人と同様です。

(家庭裁判所への送致)
捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

(観護措置決定)
家庭裁判所は、送致により少年が到着した時から24時間以内に、Aくんについて観護措置をとるかどうかを決めなければなりません。
観護措置とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置をいいます。

観護措置がとられると、少年鑑別所に収容され、心身の調査を受けます。
期間は、法律上、2週間を超えることができず、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます。
多くの場合、更新がなされるので、ほとんどの事件では4週間、少年鑑別所に収容されることになります。
さらに、少年法第17条4項但書の要件を満たす場合には、「特別更新」が可能となり、この場合は、最長8週間収容されることになります。

~年齢切迫少年の弁護活動~

家庭裁判所が審判の開始を決定するまでに、Aくんが20歳に達した場合、少年審判を開始することができません。
この場合は、事件が検察送致され、成人と同じ刑事手続に乗せられます。
起訴され、有罪判決を受けると、成人と同じように、懲役刑の言渡しを受けることになるでしょう(もちろん執行を猶予される場合もありますが、ケースの場合は厳しいでしょう)。

この場合は前科となってしまいますし、教育的処遇としての保護処分を行う場合と比べて、不適切な処分となることも考えられます。

Aくんはケースの時点(家裁送致がなされ、観護措置中)において、20歳の誕生日まであと20日しか残っていません。
このままでは、観護措置期間中に20歳に達してしまいます。
このように実質的に調査を行う時間がない場合には、成人に達する前に検察官送致をなされてしまう場合もあります。

このような場合は、弁護士に依頼し、刑事処分ではなく、保護処分を受けられるように、成人に達する前に審判期日を入れるよう、家庭裁判所に働きかけてもらうことが必要です。

ケースの場合は時間がありません。
一刻も早く弁護士を入れて、Aくんの改善更正を目指していく必要があるといえるでしょう。

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少年事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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