Archive for the ‘未分類’ Category
職務質問からの公務執行妨害で逮捕・少年の勾留と観護措置
警察官の職務質問に腹を立てたことをきっかけに公務執行妨害罪で少年が逮捕されてしまった事例を題材に、職務質問や公務執行妨害罪の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
神奈川県川崎市に住む少年Aは警察官Kの職務質問を受けていたが、その態度に腹を立て警察官Kの身体を強めに押し込んだ。
神奈川県川崎臨港警察署の警察官は、少年Aを公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~職務質問に腹を立て公務執行妨害で逮捕~
本件の逮捕は、警察官による職務質問が一つのきっかけとなっています。
警察官による「職務質問」とは、よく聞きますが(もしかしたら実際にされた方もいるかもしれません)、そもそも何なのでしょうか。
端的に言えば、俗にいう「職務質問」とは、「警察官職務執行法に基づく質問」であり、一般的に「職務質問」という言葉から抱くイメージとは異なるかもしれません。
実際に法律を見てみると、その根拠規定は警察官職務執行法(以下、警職法)2条1項にあります。
「警察官」は、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断」して「何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者」を「停止させて質問」することができる、これが職務質問の根拠規定です。
ざっくり言ってしまえば、警察官が何かあやしいなと思う人間を、「停止」させて「質問」することができるという法律です。
言い回しは難しいですが、職務質問ってそういうものかなという印象を抱かれる方もいるでしょう。
しかし、ここでいう「停止」という文言がくせ者なのです。
この「停止」には、警察官による有形力の行使等をもが含まれ、警職法2条3項が刑事訴訟法によらない限り身柄の拘束や意に反した連行を行ってはならないと規定しつつも、任意処分の名の下に「停止」という文言からは凡そ想像困難な行為まで行うことが常態化しています。
したがって、この条文を根拠に実際には警察官はかなりの行為まで行うことが可能となっているのです。
ここでは「職務質問」は、明らかに一般常識で考えられているような行為とは大きく異なる性質を有するものとなっているといっても過言ではないでしょう。
このように「職務質問」という行政警察活動を根拠に、警察官はかなりの行為までを令状なしに行えるわけですが、こういった行為にかっとなってしまうことは禁物です。
なぜなら、職務質問という「職務を執行」をする「公務員」たる警察官に対し、「暴行又は脅迫を加え」てしまうと、公務執行妨害罪(刑法95条1項)が成立してしまうからです。
「暴行」や「脅迫」を加える方が悪いじゃないかというのは確かに正論ですが、ここにいう「暴行」「脅迫」は広義の暴行・脅迫で足りるというのが確立した判例の立場です。
「暴行」を例に取るなら、差し押さえた証拠物を破壊するような「公務員」の身体等には向けられていない間接暴行でもここにいう「暴行」に該当するのです。
したがって、本件少年Aのような警察官への行為が、職務を執行を妨害するような「暴行」に当たると判断される可能性は十分にあるといえるでしょう。
~勾留と勾留に代わる観護措置~
本件のように少年が現行犯逮捕されれば、逮捕者が司法巡査などであれば司法警察員に引致された後、検察官に送致されるのが原則です。
もっとも、通常の刑事事件であれば、逮捕後には端的に勾留するかどうかが判断されることになるわけですが、少年の場合には少年法43条1項本文による勾留に代わる観護措置が採られる可能性があります。
法が少年の場合の勾留を「やむを得ない場合」(少年法43条3項、48条1項)に限っていることに鑑みれば、勾留に代わる観護措置の方がむしろ原則形態とも考えられます。
このように少年事件には,捜査弁護の初期段階から、通常の刑事事件には存在しない考慮事項が多数存在します。
したがって、逮捕後の早い段階から少年事件の知識をしっかり持った弁護士のアドバイスを仰ぐことが最重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
公務執行妨害事件で逮捕されてしまったお子様のご家族等は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に まずはお問い合わせください。
少年が傷害事件や窃盗事件で逮捕
少年が傷害事件や窃盗事件で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
埼玉県行田市に住む少年Aは、以前からトラブルのあったVと喧嘩になり、Vを暴行し失神させてしまった。
その後に、倒れたVの持ち物が欲しくなった少年Aは、Vから無理矢理これを引き剥がしその場を去った。
騒ぎを聞きつけた周囲の人間が110番通報し、臨場した埼玉県行田警察署の警察官は、少年Aを逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実を基にしたフィクションです。)。
~少年が強盗罪に?~
少年Aは、普段から折の悪かったVと暴力沙汰を起こしてしまい、傷害罪等によって逮捕されてしまいました。
刑法208条は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは」暴行罪とするものと規定しています。
そして、同法204条は「人の身体を傷害した者」を傷害罪とするものと定めています。
つまり、傷害罪は暴行罪の「結果的加重犯(かじゅうはん・かちょうはん)」とされているのです。
単語だけ見るとやや難解ですが、砕けた言い方をすれば、ちょっと痛めつけるつもり(暴行罪程度のつもり)でも、結果として「傷害」を負わせてしまえば、(被害者に傷害を負わせるつもりまではなくとも)傷害罪が成立するということです。
したがって、Vを失神させてしまった少年Aの暴行には、結果的加重犯として傷害罪(刑法204条)が成立します。
さらに、少年Aは失神してしまったVが金目の物をもっていることに気づき、その持ち物を持ち去ってしまっています。
この点、刑法236条は強盗罪について定め、その1項で「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪」とするとしています。
この条文で想定されているのは、暴行・脅迫による財物の強取という意思を持った行為の処罰です。
判例・実務においては、上記「暴行」「脅迫」は、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度である必要があります。
しかし、本件では少年AはVに暴行を加えた時には、Vの物を盗るなどという意思は全く有していませんでした。
さらに本件では、Vは少年Aの暴行により、少年AがVの持ち物を奪う意思を生じる前に意識を失ってしまっています。
したがって、もはや強盗罪にいう「暴行」「脅迫」を行う余地はなく、少年Aの行為には窃盗罪(刑法235条)が成立するにとどまります。
~少年の逮捕と成人の逮捕~
報道等を見れば、少年が逮捕されたという報道がない日がないくらい少年犯罪に関する報道には枚挙に暇がありません。
20歳未満の「少年」には、少年法という特別法が適用されるというのは常識の範囲と言っていいと思いますが、では成人との間で逮捕手続などに違いがあるのでしょうか。
基本的に少年と成人の間に逮捕に関して手続の違いはありません(少年法40条 )。
したがって、原則的な流れ(いわゆる通常逮捕)としては、刑事訴訟法199条1項・刑訴規則143条の3により、嫌疑の相当性や逃亡・罪証隠滅のおそれなどを考慮して、警察官等は少年の逮捕に踏み切ることになります。
一方で、刑法上14歳未満の者には刑事責任を問えないことから(刑法41条)、14歳から(成人直前の)19歳まで「少年」にも多様性があることも否めません。
したがって、極端に若い少年などの逮捕においては、上述のような一般的な逮捕要件以外にも様々な考慮事情があることもまた事実です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含んだ刑事事件を専門にした法律事務所です。
少年事件においては、少年法の専門知識に加え、多様な少年の発達段階等に対応した適切な弁護活動が求められます。
ご子息が少年事件で逮捕されてしまった方のご家族は、まずは通話料無料のフリーダイヤル(0120-631-881)にお電話ください。
放火事件で逮捕・少年事件における弁護活動
放火事件で逮捕・少年事件における弁護活動ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
千葉県山武市に住む少年Aは、駐車場に停めてあった赤の他人Vのバイクの座席に火をつけた。
駐車場には、同様のバイクが密集して停められてある状態であった。
千葉県山武警察署の警察官は、少年Aを放火の疑いで逮捕した。
Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~少年による放火事件~
寒い季節になると空気も乾燥し、火の元には十分に注意が必要になってきます。
しかも、こういった時期になると、遊び半分で放火行為に手を出す事件なども散見されるようになります。
刑法等に反しない範囲での行為であれば(少なくとも刑事法上は)問題ありませんが、周りにいる大人が必ずしも刑法等の法律を逐一理解しているわけでもありませんし、放火行為に至る動機は少年自身あるいは少年同士の出来心によることも少なくありません。
しかし、火は一度燃え広がると人の手に負えなくなることは誰もが知るところでしょうし、たとえば、現住(現在)建造物放火罪(刑法108条)という犯罪の法定刑には「死刑」が含まれており、極めて重い罪となっていることが分かります。
これは、仮に元は小さな火元でも火が燃え広がれば、人の生命をも含む重大な法益侵害が生じる可能性が高い行為であることを反映しているものといえます。
本件では、少年Aはバイクの停まっている駐車場において、他人所有のバイクの座席に火を放っています。
この場合、少年Aの行為は、刑法110条1項が規定する他人所有建造物等以外放火罪に当たると考えられます。
同条は、「放火して、前2条に規定する物以外の物(=建造物等以外の物)を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する」ものと規定しています。
ここで特徴的なのは、本罪は具体的危険犯であり、犯罪の成立には「公共の危険」の発生が必要とされているところです。
108条などの抽象的危険犯には必要とされていない、この「公共の危険」とは一体何なのでしょうか。
判例(最決平成15・4・4)は、110条における「公共の危険」を、108条や109条1項の建造物等に対する延焼の危険にとどまらず、不特定または多数人の生命・身体・財産に対する危険も含まれると判示しています。
したがって、本件のようにバイク等の財物が密集した駐車場での放火行為には、「公共の危険」が認められ、同罪が成立するものと考えられます。
もっとも、110条1項が具体的危険犯であることから、上述した108条などの放火罪とは異なり、犯罪が成立するためには、実際に「公共の危険」が生じていたことが証明される必要があります。
~少年事件における刑事弁護士の心得~
以上のように、放火罪と一口に言っても実際には様々な種類の犯罪が規定されており、素人判断は非常に危険です。
刑法が規定する種々の放火罪も、成立要件から法定刑まで様々であり、どの犯罪が成立するのかあるいはしないのかといった判断は容易ではありません。
特に放火罪だと逮捕されてしまう危険性も高いことから、捜査機関への発覚前なら一刻も早く弁護士に相談すべきでしょう。
また、少年が放火罪で逮捕されてしまった場合には、弁護士の重要性はより大きくなると言っても過言ではありません。
まだ20歳にも満たない少年であっても、逮捕されてしまった被疑者(容疑者)の段階では、基本的に成人と同じ扱いを受けます。
この場合、特に初犯の少年が受ける物理的・心理的不利益が極めて大きいことは想像に難くありません。
少年は、刑事事件を含めた法律やこれを運用するための手続などについてほとんど何も知らないまま、いきなり警察署の留置所等に入れられてしまうのです。
そして、逮捕された被疑者は少年であっても、原則として逮捕段階では家族とすら会って話すことはできません。
そこで、唯一の味方ともいえるのが、弁護士であり、少年と「立会人なくして」つまり秘密交通権を行使し「接見」することが可能なのです(刑事訴訟法39条1項)。
このような現在における被疑者・被告人との接見の運用は、弁護士の長年の努力によって実現した権利なのであり、これを行使しない手はありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
弁護士が少年事件・刑事事件のみに注力することによって、通常の法律事務所では難しい弁護活動も可能となります。
特に少年事件は少年法の対象となることもあり、刑事事件よりもさらに高度な専門性が要求される領域です。
放火事件で逮捕された少年のご家族は、年末年始も24時間通話可能な弊所フリーダイヤル(0120-631-881)がございますので、まずはご一報ください。
年末年始を含め、可及的速やかに弁護士が無料相談や警察署への接見(面会)活動などを行ってまいります。
高校生が傷害罪で逮捕
少年による傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
【ケース】
大阪市北区の高校に通うA君(16歳)は、自宅に帰宅中に、他校の生徒V君(16歳)とトラブルになり、V君の顔面を殴ってしまいました。
V君が被害届を提出したことにより、大阪府天満警察署が捜査を始めました。
ある日、自宅に大阪府天満警察署の警察官が訪れ、V君は傷害罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
【少年が逮捕された後の流れ】
問題となる法律は刑法第204条です。
刑法第204条 傷害罪
「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」
この傷害罪に対して、成人は「刑事訴訟法」で手続きを進めますが、少年は「少年法」という別の法律で手続きを進めていきます。
少年事件でも、「逮捕から最大48時間留置期間があり、その後検察官に送致され、さらに勾留された場合は10日から20日の間の勾留期間が設けられる」という流れは成人事件と同じです。
少年事件は、勾留期間が過ぎると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された後、「観護措置」が決定した場合は、成人事件より拘束期間が長期になるおそれがあります。
「観護措置」とは、家庭裁判所が少年の処分を決定するために、少年の性格・資質や精神状態、生活環境などを調べることをいいます。通常、観護措置は少年鑑別所に収容して行われます。
観護措置の期間は通常4週間ですが、一定の重大事件では最大8週間に延長されることがあります。
観護措置の期間中に、少年の問題点等が調査され、最終的に審判で処分が決定します。
【観護措置に対する弁護活動】
観護措置がとられてしまうと、最大で1か月間、少年鑑別所で生活しなければいけません。
当然学校に行くことはできず、授業や行事に参加できなくなるといった不利益を被ることになります。
そこで、少年が不利益を被らないように法的なサポートをすることができるのが弁護士です。
早期に少年事件に強い弁護士のサポートを受けることで以下のメリットがあります。
①観護措置決定を阻止
まずは、事件が家庭裁判所に送致される日を事前に確認し、送致された際直ちに裁判官との面会を求めることで、少年が観護措置により少年鑑別所に入らないように努めます。
②観護措置決定の取消し
たとえ、観護措置決定が出されたとしても、その取消しを求めることで、少年鑑別所から出る方法があります。
また、定期試験やお葬式など、重要な行事のある時は一時帰宅ができる場合があり、弁護士を通じて家庭裁判所に申入れを行うことができます。
③少年の進路や学校への対応
学校に事件のことが知られていない場合でも、長期の身柄拘束のため学校を欠席したこと等が原因で事件が学校に知られる場合があります。
事件のことを学校に報告すべきかの判断は難しく、その対応も様々です。
多くの少年事件を経験した弁護士が対応方法を相談します。
【審判に対する弁護活動】
審判では、少年が本当に非行を犯したかどうかを確認した上で、非行内容や少年の抱える問題に応じた適正な処分を選択します。
その際、「少年院送致」という処分がとられると、4カ月から2年の範囲で少年院に収容されます。
そのような「少年院送致」という処分がとられないように、弁護士が法的なサポートを行います。
具体的には「少年に非行事実がないこと」、「非行事実があったとしても、それが軽微であること」、「少年の性格や周りの環境などから再び非行に走る危険がないこと」などを主張し、裁判官を説得していきます。
その結果、①審判不開始を得る、②不処分を得る、③少年院送致以外の保護処分(保護観察など)を得ることを目指します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では少年事件に強い弁護士が、初回相談、初回接見をおこなっております。
傷害事件でお子様が逮捕された方、その他少年事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
盗撮の疑いで逮捕された中学生が高校を受験する方法
今回は、盗撮の疑いで逮捕され、勾留中の少年が高校入試を受験する方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
大阪府八尾市に住むAくんは高校入試の受験を控えた中学3年生です。
ところが、受験勉強の疲れからか、Aくんに魔が差し、駅構内で女性のスカート内を盗撮した疑いで大阪府八尾警察署に逮捕・勾留されてしまいました。
勾留中に高校入試の受験予定があります。
Aくんは大いに自身の過ちを反省していますが、今まで必死に受験勉強に打ち込んできたこともあり、できれば高校入試を受験したいと考えています。
何か方法はないでしょうか。(フィクションです)
~少年事件においても刑事訴訟法の適用がある~
少年事件においても、刑事訴訟法の適用があるため、成人と同じく逮捕・勾留される可能性があります。
逮捕された後、取調べを受け、留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致後は検察官の取調べを受け、検察官が身柄を受けとったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aくんの勾留が請求されるか、釈放されるかが判断されます。
勾留が請求されると、裁判官が勾留の可否を審査し、適法に勾留できると判断すると、勾留決定を出します。
勾留決定が出されると、10日間、勾留されることになります。
また、やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されることになります。
勾留中は外に出られませんので、その間に高校入試があっても受験することはできません。
それでは、Aくんは高校受験を諦めるほかないのでしょうか。
~Aくんが高校入試を受験する方法~
(勾留を解き、外に出る方法)
勾留決定に対し、不服があるとして「準抗告」を行うことが考えられます。
「準抗告」が認容され、勾留の取消が認められれば、外に出ることができます。
外に出た後は、捜査機関などの出頭要請に応じ、取調べを受ける必要はありますが、日常生活に戻ることができます。
学校にも今まで通り登校することができますし、また、高校入試も受験することができるでしょう。
ただし、準抗告は一度なされた勾留決定を覆すものです。
準抗告による勾留の取消しはハードルの高い身柄解放活動といえるでしょう。
(勾留の執行停止を実現する)
勾留決定が適法と判断されれば、勾留決定に対する準抗告は認められません。
この場合には、「勾留の執行停止」という制度を利用することが考えられます。
刑事訴訟法第95条は、「裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる」としています。
条文中には「被告人」とありますが、捜査段階の「被疑者」の勾留に対しても準用されます(刑事訴訟法第207条1項)。
執行停止が認められる場合として、実務上、①被疑者・被告人の病気、②特に親しい近親者の病気や冠婚葬祭、③学生の試験があります。
Aくんは勾留中に高校受験を控えているため、執行停止が認められる可能性があります。
勾留執行停止の申請を行い、認められると、勾留の執行が一時的に停止され、外に出ることができます。
その間に、高校入試を受験することができるかもしれません。
~その後の弁護活動~
無事に高校入試を受験できても、当然ながら事件が解決したわけではありません。
Aくんはこの後、検察から家庭裁判所へ送致され、少年審判を受けることになる可能性が高いです。
事件解決までを見越し、行動していくことが重要です。
有利に事件を解決するためには、弁護士の助力が役立ちます。
早期に弁護士を依頼し、Aくんの将来に悪影響を及ぼさないよう、活動していくことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
高校受験を控えたお子様が盗撮事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年が受け子で逮捕・騙されたふり作戦
昨今増加する特殊詐欺事件について,少年が受け子をして逮捕されてしまった事例を題材に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
架け子であるXは、V(79歳)を電話で騙して金員を詐取しようとしたが、Vは途中で詐欺であることに気付いて警察に通報した。
Xは、Vがすでに警察の協力を仰いでいることに気付かないまま、少年A(18歳)に対し「良い小遣い稼ぎになる」と、受け子役を打診した。
少年Aが、金員の受け渡し場所にいくと、兵庫県垂水警察署の警察官が待ち構えており,そのまま少年Aは詐欺未遂の疑いで逮捕された。
Aの家族は,少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~少年と特殊詐欺~
いわゆる「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」などの特殊詐欺事件は、若年層を中心に蔓延しつつあるともいわれており、社会問題化して久しい状況といえます。
そんな昨今では、被害者や犯罪捜査にあたっている警察官等も、もはや手をこまねいているだけではありません。
通称「騙されたふり作戦」という特殊詐欺事件対策によって、加害者を出し抜き逮捕・検挙するという対策もさかんになされています。
これは、一旦騙されたものの、嘘に気付いた被害者が騙されたふりを続けた上で、金品等の受け渡し場所を指定し、そこで待ち構えていた被害者の振りをした警察官が受け子をその場で逮捕してしまうという作戦を指します。
本件事例も、典型的な「騙されたふり作戦」が実行された特殊詐欺事件といえます。
もっとも、騙されたふり作戦が実行された特殊詐欺事件は、刑法上問題点も少なくないと言われています 。
近年は、特殊詐欺事件に関する判例・裁判例も蓄積されてきており、本稿でも関連する限りにおいてこれらにも言及しつつ解説していきたいと思います。
刑法は60条において「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と共同正犯を処罰する旨を定めています。
これは、ドラマや映画、テレビ・ネットの事件報道などで「共犯者」とされる者の典型です。
現在の通説的な考え方では、共犯者の行為と正犯者や他の共犯者の犯罪行為との間に因果関係があるときには、共犯者も正犯(共同正犯)として処罰されるものとされています(因果的共犯論)。
つまり、他の共犯者の行為によって既に発生した結果(例えば傷害行為による怪我など)について、遡って因果を与えることはできないのです(最決平成24年11月6日参照、傷害罪における承継的共同正犯の否定)。
しかし本件では、XがVに対し嘘をつき「人を欺」く行為(欺罔行為)をした後に、少年Aは受け子として犯行に参加しています。
このような場合にも、少年AはXのした行為を含めて詐欺未遂罪(60条・250条・246条1項)の罪責を負うことになるのでしょうか。
この点に関して、結論を出したのが最決平成29年12月11日の判例です。
同決定は、受け子である共犯者が、「詐欺行為を完遂する上で欺罔行為と一体のものとして予定されていた受領行為に関与している」ことを根拠に、詐欺未遂罪の共同正犯としての責任を認めました。
つまり、本件の少年Aのような受け子も、詐欺未遂罪の「正犯として」の刑事責任を負うことになってしまうのです。
~ 特殊詐欺の厳罰傾向~
上述した最決29年決定は、最決24年決定のように因果的共犯論のような理論的な根拠には一切言及することなく、騙されたふり作戦における受け子の共同正犯としての責任を認めています。
このように、裁判実務は、特殊詐欺の社会問題化を背景に、受け子のような末端の関与者も含めを極めて厳しい責任を問う傾向にあることは否定できません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,少年による特殊詐欺事件を含む刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
特殊詐欺事件は、厳罰化傾向にあるにも関わらず、少年が手を染めてしまいますい犯罪でもあります。
詐欺未遂事件で逮捕されてしまった少年のご家族は,24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはご一報ください。
少年による業務妨害罪
少年による業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
【事例】
京都市山科区のX高校に通うAさん(16歳)は、近所のスーパーで万引きが見つかり、警察に通報されました。(ここでは万引きは不問とする。)
Aさんは、警察に通報された腹いせに、スーパーを困らせてやろうと考え、スーパーに電話をかけ、「明日、爆弾を仕掛ける。客を避難させないと多数の死者がでるぞ。」と伝えました。
その翌日、スーパーは臨時休業となり、京都府山科警察署の警察官などがスーパーの爆弾を捜索することになりました。
その後、Aさんは威力業務妨害罪の疑いで京都府山科警察署に逮捕されました。
(フィクションです。)
【業務妨害罪について】
ニュースを見ていると、学校や駅などの場所に爆弾を仕掛けるなどと予告して逮捕されたという事件が時々見られるかと思います。
こうした爆破予告は、たとえ実際にその気がなかったとしても業務妨害罪に当たるおそれがあります。
業務妨害罪は、①虚偽の風説の流布、②偽計、③威力のいずれかを用いて、他人の業務を妨害した場合に成立する可能性のある罪です。
①は真実に反する噂や情報を流すこと、②は嘘をついたり勘違いや不知を利用したりすることを指し、これらによる業務妨害は偽計業務妨害罪と呼ばれます。
それに対し、③による業務妨害は威力業務妨害罪と呼ばれます。
ここで言う「威力」とは、暴行や脅迫よりも広い概念であり、相手方の意思を制圧するに足りる勢力を示すことを指します。
また、条文では「業務を妨害した」とされていますが、その危険さえあれば実際に妨げられたかどうかは問わないと考えられています。
つまり、円滑な業務が妨げられるような偽計または威力があれば、業務の停滞や売上の減少といった結果が生じなくとも業務妨害罪に当たる可能性があるということです。
上記事例のような爆破予告は、爆弾を仕掛ける旨の偽計あるいは人の身体や財産の安全を脅かす威力と言うことができます。
そして、その内容からして人の業務を妨害する危険が認められるため、偽計業務妨害罪または威力業務妨害罪に当たると考えられます。
ちなみに、実務上は威力業務妨害罪として捜査をされることが多いようです。
【少年事件における逮捕・勾留】
上記事例のAさんは20歳未満の者であるため、通常の刑事事件ではなく少年事件として手続が進められることが予想されます。
その場合は成人と異なり刑罰が科されませんが、捜査のための身柄拘束である逮捕・勾留は通常どおり行われます。
少年事件に関しては、少年法により勾留が「やむを得ない場合」にしか許されないと定められています。
逮捕の期限が2~3日であるのに対し、勾留の期限は10日以上と長期にわたります。
このことから、勾留は心身が未成熟な少年にとって悪影響が強く、安易な勾留は控えなければならないとされているのです。
ただ、残念ながら実務上その規定が遵守されているかどうかは微妙なところです。
ですので、少年が逮捕された場合には、安易に勾留を行わないよう捜査機関や裁判所にきちんと注意喚起を行う必要があります。
具体的には、勾留が行われる前に検察官や裁判官と面談を行ったり、勾留決定が下った後で裁判官の判断の当否を争ったりすることが考えられます。
こうした手続を難なく行えるのが弁護士の強みなので、勾留の危機を感じたらぜひ弁護士に依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件専門の弁護士が、お子さんの勾留阻止を目指して真摯に弁護活動を行います。
お子さんが爆破予告をして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
中学生の傷害致死事件
中学生の傷害致死事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
~ケース~
中学3年生のAくん(15歳)は、東京都港区において、他校の中学生と頻繁に喧嘩を行っていました。
ある日、Aくんが喧嘩中に他校の生徒Vの腹部あたりを蹴ったところ、Vはバランスを崩して後ろに倒れて失神しました。
それを目撃した通行人の通報され、Aくんは駆け付けた警察官により傷害罪の現行犯として警視庁高輪警察署に逮捕されてしまいました。
その後、後頭部の強打が原因でVが死亡したため、傷害致死罪の疑いで捜査が進められることになりました(フィクションです)
~傷害致死罪について解説~
人の身体を傷害し、結果的に死亡に至った場合に成立しうる犯罪です(刑法第205条)。
傷害致死罪に類似した犯罪類型として「殺人罪(刑法第199条)」がありますが、傷害の時点で殺意がない、という点で殺人罪と異なります。
傷害致死罪の法定刑は3年以上の有期懲役となっています。
もっとも、Aくんは未成年であり、「少年」(20歳未満の者)に該当するため、原則として少年法の定める少年保護事件として事件が進行することになります。
~少年保護事件の手続について解説~
少年保護事件においても、捜査段階においては主に刑事訴訟法が適用されるため、逮捕・勾留されうる点では成人と同様です。
逮捕・勾留されると、最長で23日間身体拘束を受けることになります。
成人の場合、勾留される場所は警察の留置場または拘置所になりますが、少年の場合、「少年鑑別所」を勾留の場所とすることもできます(少年法第48条2項)。
「少年鑑別所」は、医学・心理学・教育学・社会学その他の専門的知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行う、法務省管轄の施設です。
捜査機関が捜査を遂げると、事件は家庭裁判所に送致されます。
成人の場合は検察官が起訴又は不起訴を決定することになっており、不起訴となれば事件は裁判所に係属することなく終了します。
これに対して、少年保護事件においては「全件送致主義」が採られており、検察官の裁量で家庭裁判所に送致しない、ということはできません。
(家庭裁判所へ送致された後)
まずは、家庭裁判所がAくんに対し、「観護措置」を行うかどうかを検討します。
「観護措置」とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置をいいます。
観護措置は、2週間を超えることができませんが、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます。
さらに、「特別更新」の要件を満たしている場合は、さらに2回を限度として期間を更新することができます。
実務上は4週間が最も多く、2週間で観護措置が終わるというケースは殆ど見られません。
観護措置がとられると、少年は前述した少年鑑別所に収容され、心身鑑別のために様々な調査が行われることになります。
(「逆送」の可能性)
家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪を犯した少年について、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき、検察官送致決定を行います。
また、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件であって、その罪を犯すとき16歳以上の少年については、検察官に送致する決定をしなければなりません。
これを一般に「逆送」といいます。
傷害致死事件は、人が死亡していることからしばしば重大な事件として扱われます。
Aくんは事件当時は15歳なので当然に逆送になるわけではありませんが、逆送決定がなされる可能性が大きいです。
逆送されると、成人と同様に起訴され、有罪の場合は刑罰が科されることになります。
刑事裁判の公判は公開される点、懲役刑が言い渡される場合、少年刑務所の処遇が矯正教育として不十分である点などを考慮すると、できれば逆送決定は回避したい処分です。
弁護士は、可能な限り、逆送決定が行われないよう働きかけ、後述する保護処分に向けた事件解決を目指します。
(家庭裁判所における審判)
家庭裁判所における審判では、少年を更生するための措置である保護処分が決定されます。
一方、公的機関などの援助がなくとも更生が可能だと考えられた場合には、何らの保護処分も行わない不処分の決定がなされます。
保護処分の種類として、①少年院送致、②保護観察処分、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致があります。
ケースの場合、不処分あるいは②、③の保護処分が言い渡される可能性は低く、①の少年院送致が言い渡される可能性が高いでしょう。
少年院も矯正教育施設ですから、Aくんの改善更正を図る、という目的に照らすと妥当な処分であるようにも思えます。
ただ、本来の生活圏を離れて身柄が収容される点や、少年院へ送致されたという経歴が残る点を考えると、少年院送致の是非も一考の余地があると言えます。
ケースの事件においては、逆送決定など、Aくんにとって不利益の大きい処分を回避し、Aくんの改善更正に適した処分の獲得に向けて行動することが、弁護士の主な活動になると思われます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、少年による傷害致死事件についてもご相談いただけます。
お子様が傷害致死事件を起こしお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にの無料法律相談をご利用ください。
非行少年の要保護性の解消に向けて活動する弁護士
今回は、少年事件の処分を軽くし、有利に事件を解決するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
東京都八王子市に住む高校1年生のA君(16歳)は、学校をサボり、友人に紹介された闇カジノへ頻繁に出入りしていました。
闇カジノでは賭博行為も行っていたようです。
ある日、闇カジノで遊んでいた際に警視庁八王子警察署の捜索が入り、A君とその他の客は賭博の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
取調べでは、賭けていたお金をどこから手に入れていたのかを尋ねられたため、「親からお金を盗んで用意していた」と供述しました。
実際にA君は親から盗んだお金を使い、闇カジノで遊んでいたようです。
A君の親は、お金を盗む行為について最初は注意していましたが、A君が暴れて手に負えなくなるため、最近では特に注意しなくなっていました。
Aくんはこれからどうなるのでしょうか。(フィクションです)
~賭博罪と窃盗罪について~
(賭博罪)
賭博とは、偶然の事情に関して財物を賭け、勝敗を争うことをいいます。
勝敗を争う2人で5千円ずつ賭け、じゃんけんを行い、勝利した方が自身の賭けたお金と相手の賭けたお金を取得する、というルールであっても、立派な賭博行為といえます。
法定刑は50万円以下の罰金又は科料となっています。
また、Aくんは闇カジノへ頻繁に出入りしていたことから、「常習として賭博をした」ものと判断される可能性もあります。
この場合は「常習賭博罪」を構成し、法定刑は3年以下の懲役となります。
(窃盗罪)
他人の財布から現金を持ち出す行為は、窃盗罪を構成する可能性が高いでしょう。
ただし、配偶者、直系血族又は同居の親族との間で窃盗罪及びその未遂罪を犯したとしても、刑に処せられることはありません(刑法第244条1項)。
このような場合においては、国家の刑罰権による干渉を差し控え、親族間の規律に委ねるのが望ましいとの考慮により、刑が免除されることになっています。
もっとも、判例通説によれば、刑は免除されるものの、窃盗罪自体は成立するとされています。
また、犯人が少年であれば、親からお金を窃取した事実について家庭裁判所の審判に付せられ、保護処分を受ける可能性もあります。
~A君にとってなるべく有利な事件解決を目指す~
上記の賭博行為や窃盗行為は、それ自体、それほど重い犯罪ということはできません。
しかし、少年事件の場合は、軽微な事件であっても、家庭環境や交友関係、A君の資質、性格に重大な問題があるとされると、少年院送致を含む重い保護処分を言い渡されることもありえます。
なるべくA君にとって有利に事件を解決するためには、「要保護性」を解消する活動が必要になります。
「要保護性」とは、①再非行の危険性、②矯正可能性、③保護相当性(保護処分による保護がもっとも有効かつ適切な処遇であること)が認められることをいうと考えられています。
前述の通り、非行事実自体が軽微であっても、再非行の危険性が高く、家庭や学校での生活を通しての矯正も難しく、施設に収容した上での矯正教育による外ないと判断されれば、A君にとって不利な処分を言い渡される可能性が高まります。
そのため、Aくんを取り巻く環境を整理し、家庭裁判所の裁判官に再非行の危険性がないことを納得してもらうための準備が必要になります。
どのような環境調整が効果的かは具体的状況により異なりますが、ケースの場合は、
①交友関係の見直し(A君に闇カジノを紹介したのは友人ですし、闇カジノへ頻繁に出入りするようになっていました)
②家庭での監護態勢の見直し(親がA君の窃盗行為に関心を持たなくなっている点が問題です)
③学業に専念するように生活態度を見直すこと(学校に在学できるように取り計らうことも必要です。逮捕・勾留が長引くと退学になるおそれがありますが、その場合、少年が勉学する機会が損なわれてしまいますし、審判に際しても一般的に不利となります)
が主なポイントとなるでしょう。
効果的な環境調整を行うためには、少年事件に熟練した弁護士の助力が役立ちます。
まずは早期に弁護士と相談し、有利な事件解決を目指した活動を始めることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が賭博、窃盗事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件において選べる弁護士
今回は、特殊詐欺グループの犯行に加担したとして逮捕された少年が選べる弁護士につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
横浜市旭区に住む高校生のA君(16歳)は、インターネットで高収入アルバイトを募集する記事を見つけました。
A君がこれに応募したところ、担当者から、指示された高齢女性の自宅に行き、刑事と称して現金とキャッシュカード、通帳を受領するよう告げられました。
A君は詐欺の片棒を担ぐことになるのではないかと思いましたが、15万円の報酬を提示されたので、引き受けることにしました。
A君が指示通り高齢女性の自宅に行き、刑事を名乗って荷物を受領したところ、神奈川県旭警察署の本物の警察官が突然現れ、詐欺未遂の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
高齢女性は詐欺であることを看破し、あらかじめ警察に相談していたようです。
逮捕されたA君はどうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~A君は今後どうするべきか?~
ケースの事件は、特殊詐欺の典型例といえるでしょう。
A君とは別に、ターゲットへ電話をかけてこれを欺罔し、現金などを騙し取るための段取りを行う者が存在すると考えられます。
欺罔に成功したと考えたら、ターゲットのもとへ受取り役であるA君を行かせて現金などを受け取らせる、という計画になっていたのではないでしょうか。
しかし、ターゲットである高齢女性は詐欺行為を看破し、警察に相談していたので、A君は待ち構えていた警察官に逮捕されてしまいました。
ケースの事件は共犯者の存在、背後で糸を引く組織の存在が見込まれることから、勾留が長期化する可能性が高いでしょう。
身体拘束が長引くと、少年にも悪影響を与えます。
早急に弁護活動を開始しなければなりません。
~捜査段階においてA君が選べる弁護士~
A君が捜査段階において選べる弁護士には、以下の種類があります。
(当番弁護士)
逮捕されてしまった場合に、1回だけ無料で接見にやってくる弁護士です。
ただし、2回目以降の接見、被害者との示談交渉や身柄解放活動などを行うことはできません。
(国選弁護人)
Aくんに勾留決定が出され、資力要件を満たしている場合に、Aくんの請求により国が付する弁護士です。
原則として費用がかからないことが最大のメリットとして挙げられます。
その反面、「あまり事件解決に熱心でない」、「接見に来てくれない」などの不満を聞くこともあります。
(私選弁護人)
国選弁護人と異なり、逮捕直後からでも選任できるので、「勾留を阻止する活動」なども行うことができます。
費用は全て被疑者サイドで負担する必要があります。
報酬についても、弁護士の方から事件解決を見越した額を提示するため、熱心に活動してもらえることが期待できます。
~家庭裁判所に送致された後に検討すべきこと~
捜査段階で国選弁護人が付されていた場合、家裁送致後は国選弁護人選任の効力は失われます(少年法第42条2項)。
家裁送致後に少年の弁護をする弁護士は「付添人」と呼ばれます。
家裁送致後、観護措置をとられ、少年鑑別所に収容されてしまった場合には、「当番付添人」の接見を無料で受けることができますが、一度だけです。
また、「国選付添人」というものがありますが、①少年審判に検察官を関与させる場合、②一定の重大事件で少年につき観護措置がとられている場合、③被害者等に審判傍聴を許す場合にしか付けられません。
①と③の場合は必ず付されますが、②の場合に付されるかどうかは家庭裁判所の裁量によります。
一方で、先述の私選弁護人と同様、少年や保護者が少年のため「私選付添人」を選任することができます。
家裁送致後においても、弁護士の存在は改善更生を目指す少年にとって精神的な支えとなります。
そのメリットを最大限に享受するためには、相性の合う、少年事件に精通した弁護士を選ぶことをおすすめします。
それぞれの弁護人・付添人のメリット、デメリットを考慮しながら、自身に合った弁護士を選びましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が特殊詐欺事件に加担した疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。