Author Archive

【解決事例】準強制わいせつ罪・住居侵入罪の少年事件で少年院送致回避

2022-05-25

【解決事例】準強制わいせつ罪・住居侵入罪の少年事件で少年院送致回避

事件

千葉市中央区に住んでいるAくんは、学校生活でのストレスから度々盗撮やわいせつな行為を繰り返しており、千葉県千葉中央警察署住居侵入罪準強制わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aくんの将来を心配に思ったAさんの家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスを利用しました。
その後、弁護士から接見の報告を受けたAさんの家族は、弊所に弁護活動を依頼することに決めました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

事件解決の流れ

Aくんは当初逮捕された住居侵入罪準強制わいせつ罪以外にも複数回性犯罪行為をしており、いわゆる余罪が多数ありました。
住居侵入行為をした上で準強制わいせつ行為をするという悪質性の高い行為をしていたこともあり、Aくんが少年院送致になることも充分考えられるという状況でした。
少年院送致になるということは、その分社会と離れて生活することになるため、Aくんのご両親は、Aくんの将来を考えると少年院送致を避けたいというご希望でした。

少年院送致という処分は、大まかにいえば、社会内ではなく少年院で生活を送らなければ更生は難しいだろうと判断された場合に取られます。
ですから、少年院送致を避けるためには、社会内での更生が十分可能であるということを示さなければなりません。
そのために、弁護士はAくんとそのご両親と一緒に環境調整を行いました。

まず、弁護士はAくんに、より事件に向き合ってもらうための課題を出しました。
Aくんは、課題の作文の作成と毎日日記をつけることで、自分自身と向き合うことができました。
課題を通して、Aくんはより、被害者様の気持ちを考えることができるようになりました。
また、弁護士はAくんの再犯を防止するために、Aくんの両親にも課題を出しました。
課題を通じてAくんの両親は、Aくんとの生活を見直し、今後Aくんが新たに罪を犯さないための環境を整えていきました。

並行して、弁護士は被害者様との示談交渉を進めました。
示談について、弊所の弁護士と被害者様との間で何度もやりとりをし、Aくんの書いた謝罪文を被害者様に読んでいただきました。
こうしたやり取りの中でAくんの反省が被害者様に伝わり、示談を締結するに至りました。

家庭裁判所の調査や弁護士の課題への取り組みを通じて、Aくんは他者との関わりやストレスの解消が苦手であることが分かり、そうしたことが原因で今回の少年事件を起こすに至ったと考えられました。
これらの原因を解消するためにも、補導委託による試験観察が適切だと弁護士は考えました。
1回目の審判では、弁護士は、すぐに少年院送致とするのではなく、補導委託による試験観察とすることを家庭裁判所に求めました。
審判の結果、Aくんは補導委託による試験観察となりました。
弁護士は、Aくんの補導委託先とも密に連絡を取り、Aくんの試験観察中にもAくんとそのご両親に対してサポートと指導を行いました。

試験観察を経た2回目の審判では、弁護士は、Aくんには社会の中で経験を積んでいくことが必要であり、両親がAくんをサポートするための環境は整っていると裁判官に訴え、少年院送致ではなく保護観察処分を求めました。
審判の結果、Aくんは保護観察処分となり、少年院に入ることなく、ご両親の下で更生を目指すことが可能となりました。

少年院送致も少年を更生させるための保護処分ではありますが、少年院に入っている期間社会と切り離されてしまうというデメリットの部分が大きいという面もあります。
こうしたことから、Aくんのご家族のように少年院送致を回避したいと考えられる方も少なくありません。
ですが、少年院送致を回避する活動として何が適切なのか、何が可能なのかということはなかなか分かりづらいと思われます。
だからこそ、少年事件に詳しい弁護士に相談してみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、Aくんのように逮捕・勾留された少年に対して弁護士を派遣する初回接見サービスを行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120―631―881で受付けておりますので、少年事件住居侵入罪準強制わいせつ罪でお困りのことがございましたら、お気軽にお電話ください。

【解決事例】少年によるひったくりの窃盗事件で勾留阻止

2022-05-18

【解決事例】少年によるひったくりの窃盗事件で勾留阻止

~事例~

埼玉県さいたま市緑区に住んでいるAさん(10代)は、路上を通行中の女性Vさんに触ろうとしたものの、驚いたVさんが手を払ったことから、Vさんに触ることはできませんでした。
驚いたVさんが手を払った拍子にVさんのスマートフォンが落ちたのを見たAさんは、とっさにそのスマートフォンを持って逃げてしまいました。
その後、Aさんは、通報によって捜査を開始した埼玉県浦和東警察署窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんのご家族は、Aさん逮捕の知らせを受けて驚き、とにかく詳しい話を聞きたいと、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスを利用されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは大学在学中であり、逮捕に引き続いて勾留されてしまうと、大学の授業に出席できなかったり、大学に事件のことが知られてしまったりすることが考えられ、留年や退学のおそれがありました。
そのため、Aさん自身やAさんのご家族としては、勾留をせずに早い段階で釈放して欲しいという希望をもっていました。

Aさんのご家族は、Aさんが逮捕されてすぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスを利用され、その後弁護活動のご依頼となったため、検察官から勾留請求がされた後、裁判所が勾留決定を下す前に、裁判所に対して勾留を認めないでほしいという交渉を行うことができました。
交渉の結果、Aさんに対する勾留は認められず、Aさんは早期に釈放されることができました。
勾留されずに釈放となったため、Aさんの通学状況に大きな影響を及ぼすことを避けることができました。

その後、弁護士はAさんとそのご家族の意向を伺った上で、Vさんに対しての謝罪や弁償を行うため、Vさんのご家族との示談交渉を行いました。
そして、Vさんへの謝罪と被害弁償を行い、示談締結に至りました。

Aさんは、ご家族と共に、弁護士の出した課題に取り組みつつ、自分の起こしてしまった事件に向き合い、反省を深めました。
反省と再犯防止に努めたAさんは、ご家族の協力のもと家庭裁判所で開かれた審判に臨み、保護観察処分となりました。
保護観察処分では、社会内で生活しながら更生を目指すことができるため、Aさんは大学に通いながらさらに事件と向き合い、更生を目指すことができることとなりました。

少年事件では、少年の更生が重視されますが、更生のためには、将来の為に学校に通い続けられる環境を継続させることが重要な事もあります。
そうした環境を確保するためには、逮捕・勾留などの身体拘束からの解放を目指すことも必要となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件勾留阻止についてのご相談も受け付けています。
身体拘束の伴う少年事件は、時間の制約もありますから、まずはお気軽に、そしてお早めにご相談ください。

少年事件の流れは弁護士に相談

2022-05-11

少年事件の流れは弁護士に相談

少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

仙台市太白区に住んでいる16歳のAさんは、他校の生徒を殴って大けがをさせるという傷害事件を起こして、宮城県仙台南警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、少年事件刑事事件の手続と異なるという話を聞き、少年事件に詳しい弁護士に相談したいと考え、インターネットで法律事務所を探し始めました。
(フィクションです)

・少年事件の流れとは?

通常、犯罪が起こった場合、刑法や刑事訴訟法などの規定によって捜査や裁判が行われますが、被疑者が20歳未満の場合、少年法の対象となり、一般の刑事事件とは異なる特別な手続を受けることになります。
先日の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられましたが、少年法では20歳未満の者が少年とされます。

警察による捜査を経て、少年事件は必ず家庭裁判所へ送致されます。
いわゆる全件送致主義というこの考え方は、一般の刑事事件が警察や検察が捜査をした段階で微罪処分や不起訴となって終了することがあることと対照的であるといえるでしょう。

少年事件が家庭裁判所に送致されたら、家庭裁判所調査官が少年の成育歴や少年の置かれている環境、少年の性格等を調査します。
この調査は、在宅で行われることもありますし、少年鑑別所に収容されてより専門的な調査が行われることもあります(観護措置)。

調査の後には、家庭裁判所において少年審判が開始されます。
少年審判によって次の4つの処分のいずれかがなされます。

①少年院送致
②保護観察
③不処分
④検察官送致(逆送)

①の少年院送致は、少年を少年院に収容し、少年院内で行われるプログラムを通じて少年の矯正と社会復帰を目指します。

②の保護観察では、保護司などの監護の下、社会内での少年の矯正を目指します。

③不処分は文字通り①、②、④のいずれの処分にも付さないことを意味します。

④の検察官送致は、一定の重大犯罪について検察官に事件を送致し、一般的な刑事事件と同じ刑事手続に乗せることを意味します。
この検察官送致が行われた場合、改めて検察官が起訴するかどうかを判断し、起訴された場合は刑事裁判を受け、有罪・無罪や有罪であった場合の刑罰の重さが決められることとなります。

・少年事件と弁護活動

今回のAさんのような事例では、弁護活動の依頼を受けた後、釈放を求める弁護活動に取りかかることが考えられます。
少年が犯罪の証拠の隠滅を図ったり逃亡する可能性があると認められなければ逮捕・勾留などの身体拘束はできませんので、弁護士は事件内容や少年の状況等からそのようなおそれがないことを主張することになるでしょう。

また、少年事件であっても、被疑者となった少年に対しては取調べが行われます。
少年は成長発達過程にあり、被暗示性や利益誘導、圧力を受けやすく、取調べにあたった捜査員の言動の影響をより強く受ける傾向があります。
このような少年事件の特性に鑑みて、適切な刑事手続の運用と少年の権利の保護のために少年事件に強い弁護士に事件を依頼することの必要性は高いといえるでしょう。

弁護士が少年に対して取調べの対応などをアドバイスすることにより、捜査機関が少年の意に反する内容の調書を作成することなどを防ぐことが期待できます。

加えて、被害者がいる場合は示談交渉を行うなどして、被害者対応を行うことも考えられるでしょう。

家庭裁判所に送致された後は、少年の更生に資する環境と作ることが重要となりますから、少年に反省を促すなど少年自身へはたらきかけることのほか、少年の周囲の環境を改善する活動が考えられます。
少年が犯罪を犯した場合、その原因が周囲の環境にあることも多いです。
例えば少年が不良グループに属していたり、親とのコミュニケーションが十分にとれていないなどが背景にあったりします。
こうした環境をそのままにしておくと再び事件を起こす可能性が高いと判断されることに繋がりますので、少年事件を依頼された弁護士は、少年本人だけでなく、少年の家族などとも協力し、こうした少年の周辺環境を整える取り組みも行います。

少年事件は一般の事件と異なる点が多く、難しい部分も多いです。
不当な処分がなされると少年自身の将来に強く影響しますので、弁護士を通じて早期から適切な対応をすることが非常に重要になってきます。

少年事件の被疑者となってしまった方、ご家族やご友人の親類が少年事件の被疑者となってしまった方は、少年事件を多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)少年の実名報道について

2022-05-04

(事例紹介)少年の実名報道について

今回は、今年4月1日に改正・施行された少年法に基づき、逮捕・起訴された少年が実名報道されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

2021年10月、甲府市の住宅で50代の夫婦が殺害され住宅が放火された事件で、甲府地方検察庁は、刑事処分が相当として家庭裁判所から送り返された19歳の被告人を殺人などの罪で起訴しました。
報道では実名も記載されています。(2022年4月8日 NHK NEWS WEB 「甲府の夫婦殺害事件 19歳被告起訴 改正少年法施行で氏名初公表」より引用)

~少年の実名報道について~

少年法上は現在でも、20歳未満の者を「少年」としていますが(少年法第2条1項)、18歳以上の少年については「特定少年」とし、特別な取り扱いがなされることになりました。
その内の一つが、少年の実名報道です。

少年法第68条本文によれば、「特定少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合における同条(第61条)の記事又は写真については、適用しない」とされています。
少年法第61条は、「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼ(ヽ)う(ヽ)等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない」と定め、推知報道を禁止しています。
少年の実名を記載するような報道(実名報道)は、この規定に反するものです。

ところが、少年法第68条本文により、特定少年のときに犯した罪により公訴を提起された場合=起訴された場合には、推知報道は禁止されません。
つまり、18歳以上の時に犯した罪によって起訴された場合においては、実名報道がなされる可能性がある、ということになります。

~実名報道の是非~

今回の少年法改正により、少年の個人情報について従来と異なる取扱いがなされることになります。
20年以上前にも、1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件(いわゆる「酒鬼薔薇事件」)の犯人である少年の写真や実名の報道に踏み切った週刊誌があり、大きな話題となりました(2015年9月14日 JCASTニュース「週刊ポストの元少年A実名・顔写真公開巡り賛否 ネットでは以前から出回っている「周知」の事実だが…」より)。

既に民法では成人とされている年齢の者による重大事件は、国民の重大な関心事である一方、実名報道されることで少年法の目指す少年の健全な育成を損なうのではないかという問題があります。
少年の実名報道については、今後も大きな議論を呼ぶでしょう。
実名報道がされますと、世の中に顔や名前が知れ渡ってしまい、仮に無罪となっても、以後の人生における就学や就職にも影響を及ぼすおそれがあります。
実名報道についてお悩みの方は、まず弁護士と相談し、今後の善後策を立てていくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
少年事件についてお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【解決事例】年齢切迫少年の盗撮事件で保護観察処分に

2022-04-27

【解決事例】年齢切迫少年の盗撮事件で保護観察処分に

~事例~

北海道札幌市中央区南にある大学に通っていたAさん(10代)は、大学内の女子トイレに忍び込み、トイレを使用する女子生徒の様子を盗撮していました。
女子生徒がAさんが盗撮していることに気付いたことで札幌方面南警察署に通報され、Aさんは盗撮事件の被疑者として現行犯逮捕されました。
Aさんのご両親は、札幌方面南警察署から連絡を受け、Aさんが盗撮事件を起こしたことを知りました。
ご両親は、これからAさんがどういった処分を受け得るのか、Aさんのために何ができるのかということを不安に思われ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談にいらっしゃいました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは、あと1ヶ月半程度で20歳を迎えるという状況であったため(いわゆる「年齢切迫少年」)、少年事件の手続で事件を終了させるためには、迅速に手続を進めてもらう必要がありました。

※少年事件の手続について
少年法が適用されるのは、20歳未満の少年に対してのみです。
事件を起こした際に20歳未満だったとしても、家庭裁判所の審判までに20歳となってしまえば、事件は検察庁へ送致(いわゆる「逆送」)され、20歳以上の者の刑事事件と同様の流れをたどることとなります。
例えば、逆送後起訴されれば刑事裁判を受けることとなりますし、そこで有罪となり執行猶予が付かなければ刑務所へ行くことにもなります。
また、少年事件の処分として取られる保護処分(例えば保護観察処分や少年院送致)は前科とはなりませんが、逆送され起訴されて有罪となった場合に刑罰を受ければそれは前科となります。

Aさんの今後と更生のために、Aさんとそのご家族は、少年事件の手続でAさんの起こした盗撮事件が処理できるように動いてほしいというご希望でした。
弁護士は、迅速に事件が家庭裁判所に送られるよう捜査機関や裁判所と交渉を行い、Aさんは勾留を経て10日で家庭裁判所へ送致されました。
家庭裁判所への送致後は、弁護士の交渉により、Aさんは観護措置を採られることなく釈放されました。
その後も、Aさんが20歳となる前に審判を受けられるよう、弁護士は家庭裁判所と交渉を行い、素早く審判に移れるよう働きかけを行いました。

その結果、Aさんの盗撮事件は逮捕から1ヶ月程度で審判まで進み、Aさんは20歳になる前に審判を受け、保護観察処分となることができました。
少年事件の保護処分で終了したため、Aさんには前科がつくこともありませんでした。

Aさんのように、あと少しで20歳になるという年齢切迫少年の場合、少年事件の手続で事件を終了させるためには、全ての手続を迅速に進める必要があります。
この際、少年事件の手続を理解していなければ手続を迅速に進めてほしいと求めたいと思っていても具体的にどのように活動すべきか分からないでしょう。
また、現在では少年法が改正され、「特定少年」という新しい区分も登場していますから、余計に複雑に思われるかもしれません。
だからこそ、少年事件でお困りの際は、弁護士という専門家の力を借りることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく、少年事件についてのご相談・ご依頼も承っています。
少年事件にお困りの際は、ご遠慮なくご相談ください。

【解決事例】強制わいせつ事件で試験観察獲得からの保護観察処分

2022-04-20

【解決事例】強制わいせつ事件で試験観察獲得からの保護観察処分

~事例~

東京都八王子市に住んでいたAさん(14歳)は、市内で女児Vさんに対してわいせつ行為をする強制わいせつ事件を起こしました。
Aさんは、警視庁南大沢警察署強制わいせつ罪の容疑で捜査されることとなりました。
Aさんは逮捕されることなく捜査が進められることとなったものの、Aさんのお母様は、警察から事件の詳しい説明まではもらえず、Aさんがどのような事件を起こしてしまったのか、どのように事件に対応すべきなのか、被害者様への謝罪をどのようにすべきなのかといったことが分からず困っておられました。
そこで、Aさんのお母様は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで相談に来られました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

弁護活動の依頼を受けた弁護士は、被害を受けたVさんの親御様とお話し、謝罪・弁償を含めた示談交渉を行いました。
Vさんの親御様には、Aさん自身の謝罪と反省の気持ちはもちろん、Aさんの親御様からも謝罪の気持ちが伝えられました。
結果として、Vさんの親御様とは示談を締結するに至り、お許しの言葉やAさんの更生を願う言葉をいただくことができました。

Aさんは、捜査段階は在宅捜査を受けていたものの、家庭裁判所へ事件が送致された後は、観護措置となり、鑑別所に収容されての調査を受けることになりました。
鑑別の結果、Aさん自身やAさんのご家族も気付いていなかったAさん自身の内面の問題も明らかになり、今後Aさんが更生するためには、そういった特性も知ったうえでトレーニングを積む必要があるということが分かりました。
弁護士は、Aさんとの接見を重ねるとともに、Aさんの通う中学校にも働きかけ、連携を求めました。
その結果、Aさんの通う中学校でも、Aさんへの配慮や協力を得られることとなりました。
そして、Aさんは1回目の審判の結果、試験観察期間を設けて今までの生活環境の中で改善を目指してみるという判断になりました。

試験観察中、弁護士はAさんとAさんの親御様と定期的に打合せを行い、トレーニングにも協力しました。
また、児童相談所やAさんの通う中学校とも打合せを行い、試験観察後のAさんが社会復帰できるよう調整を行いました。
最終的に、Aさんは2回目の審判で保護観察処分となり、社会内で更生を目指すことが決定しました。

少年事件では、単に犯した罪の重さだけで処分が決まるのではなく、少年本人やご家族、学校など少年の周囲の人たちの作る環境が改善できるかどうかといったことも処分の内容に影響します。
弁護士と協力して環境調整を行うことで、より適切な処分を求めていくことが可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についても取り扱いを行っています。
試験観察保護観察処分を目指したい、そもそも少年事件の手続が分からないといったお悩みを抱えている場合には、ご遠慮なく弊所弁護士までご相談下さい。

少年による無免許・酒気帯び運転事件

2022-04-12

少年による無免許・酒気帯び運転事件

今回は、少年が無免許で、酒気を帯びた状態で自動車を運転した場合における刑事手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

A君(16歳)は、酒を飲んだ後に自動車を運転中、パトカーに止められ職務質問を受けました。
A君からはお酒の臭いがしたので、呼気検査を行ったところ、呼気1リットルにつき0.20ミリグラムの酒気が検出されました。
警察はA君を無免許運転及び酒気帯び運転の現行犯として逮捕しました。
(フィクションです)

~無免許運転の罪と酒気帯び運転の罪を解説~

(無免許運転の罪)
道路交通法第84条1項では、「自動車及び原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない」としています。
あらためて言及すべきことではないと思われますが、自動車を運転する場合には必要な免許を受けなければなりません。

自動車を運転できる免許を受けずにこれを運転すれば、「無免許運転の罪」に問われます(道路交通法第117条の2の2第1号)。
この場合の法定刑は「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっています。

(酒気帯び運転の罪)
身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、「酒気帯び運転の罪」が成立します。
酒気帯び運転につき起訴され、裁判で有罪が確定すると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条の2の2第3号)。

「政令で定める程度」とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です(道路交通法施行令第44条の3)。

A君は呼気1リットルにつき0.20ミリグラムのアルコールが検出される状態で自動車を運転していたのですから、酒気帯び運転の罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~A君は今後どうなるか?~

A君は16歳の少年ですから、少年法の適用があります。
そのため、原則として刑罰を受けることはありません。
その代わり、家庭裁判所で審判が開かれれば、必要な保護処分を受けることになります。

(逮捕後の手続)
少年であっても、逮捕・勾留されうるという点では成人と同様です。
逮捕され留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、A君の勾留を請求するか、釈放するかを判断しなければなりません。

勾留請求がなされ、裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されることになります。
さらに、やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されることになります。

その後、検察官は勾留の満期日までにA君を家庭裁判所に送致します。

(家裁送致後)
家庭裁判所に送致されると、A君について「観護措置」をとるか否かが判断されます。
観護措置がとられると、少年鑑別所に収容され(すでに少年鑑別所に勾留されているケースもあるかもしれません)、審判の円滑な進行、適切な処分を行うための検査を受けることになります。

(家庭裁判所の審判)
審判が開かれた場合、A君にとって必要な保護処分が言い渡されます。
保護処分には、①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致があります。
A君に保護処分を言い渡さなくても更生を期待できる場合には、①そもそも少年審判が開かれない、②少年審判で「不処分」が言い渡される場合もあります。

A君の家庭環境に大きな問題がなければ、不処分か保護観察処分を受けて事件が終了することになるでしょう。
保護観察処分は在宅で更生を図る保護処分ですが、保護観察官・保護司の指導・監督を受けなければなりません。
不処分の場合は、このような負担がありません。
できるだけ負担の少ない事件解決を目指すためには、逮捕直後からA君を取り巻く環境を改善し、審判に向けて準備を行う必要があります。
そのためには、少年事件に熟練した弁護士のサポートが役に立つでしょう。

お子様が無免許運転・酒気帯び運転の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士と相談し、事件解決に向けた対策を講じることが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取扱う法律事務所です。
お子様が無免許運転・酒気帯び運転の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

傷害罪の少年事件(共犯)で観護措置が不安

2022-04-06

傷害罪の少年事件(共犯)で観護措置が不安

傷害罪少年事件共犯)で観護措置が不安な場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

東京都千代田区に住むAさん(高校1年生)は、友人であるBさん、Cさんとともに、Vさん(中学3年生)の顔や体を殴ったり蹴ったりしました。
Vさんは病院に運ばれ、急性硬膜下血腫などの重傷を負いました。
Aさんらは、Aさんを中心に結成したバイク愛好会のメンバーでしたが、Vさんが同グループを抜けたいと言い出したことをきっかけに、傷害事件が起こってしまったという経緯のようです。
Aさんら3名は、警視庁万世橋警察署の警察官により傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの両親は、今後Aさんが観護措置を取られる可能性があると警察官に聞き、不安に思っています。
(2021年1月12日に朝日新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【傷害罪とは】

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪の「傷害」とは、人の生理機能に障害を与えることをいいます。
刑事事件例のVさんの急性硬膜下血腫などの重傷は、生理機能障害として、傷害罪の「傷害」に該当します。

ところで、刑事事件例では、Aさん、Bさん、Cさんがそれぞれ殴る・蹴る等の暴行を加えています。
この場合、Aさんはいわゆる「共犯」となるのでしょうか。

【共犯(共同正犯)とは】

刑法60条
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

刑法60条の「正犯」とは、自ら犯罪を行った者を指します。
すなわち、刑法60条は、「二人以上共同して犯罪を実行した」場合、共犯者(共同正犯者)全員を自ら犯罪を行った者(「正犯」)と扱うということを定めています。

刑法60条が共犯者(共同正犯者)全員を自ら犯罪を行った者(「正犯」)と扱う理由は、共犯者(共同正犯者)全員がお互いに補完・利用しあって自分の犯罪を実現しようとするとの合意(意思の連絡)をし、その合意(意思の連絡)に基づいて犯罪行為が行われている場合、結局、共犯者全員が共同犯行の合意(意思の連絡)という事実と犯罪行為の実行担当者を介して、犯罪を自ら実行したと評価することができるからだと考えられています。

このような共犯者(共同正犯者)全員を自ら犯罪を行った者(「正犯」)と扱う理由から、共犯(共同正犯)の成立要件は、①共同して犯罪行為を行う合意(意思の連絡)と②その合意(意思の連絡)に基づいて共犯者の誰か(共犯者全員でもそのうちの一人でもよい)が犯罪行為を行ったことの2つが求められると考えられています。

刑事事件例では、AさんはBさん、Cさんとともに、Vさんの顔や体を殴ったり蹴ったりしました。
このとき、Aさんら3名は①共同して犯罪行為(傷害行為)を行う合意(意思の連絡)をし、②その合意に基づいて全員で犯罪行為(傷害行為)を行っていると考えられます。
よって、Aさんは傷害罪の共犯(共同正犯)として、自ら傷害罪を犯した者(「正犯」)と扱われることになるでしょう。

【共犯(共同正犯)と刑事責任】

共犯(共同正犯)の事件においては、共犯者全員が自ら犯罪を犯した者(「正犯」)と扱われます。
その結果、共犯者(共同正犯者)は、各自の行為により生じた結果についてだけでなく、他の共犯者(共同正犯者)の行為により生じた結果についてもまた、自らが生じさせた場合と同じく扱われ、共犯者(共同正犯者)各自が結果全体について刑事責任を問われることになります。

刑事事件でいえば、Aさん、Bさん、Cさんはそれぞれ自ら傷害罪を犯した者と扱われます。

例えば、Vさんの怪我(傷害)がAさん、Bさん、Cさんのうち誰の暴行(殴る蹴る等の行為)により発生したのかが不明な場合である場合、一見するとAさん、Bさん、Cさんにはそれぞれ暴行罪が成立するのみではないかと思われます。
しかし、Aさん、Bさん、Cさんのいずれかの暴行行為によりVさんの怪我(傷害)が生じたのであれば、Aさん、Bさん、Cさんにはそれぞれ傷害罪が成立することになるのです。

なお、刑法では傷害罪について、以下のような規定もあります。

刑法207条
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

この刑法207条は、同時傷害の特例と呼ばれることもあり、「共同して実行した」場合以外でも傷害罪に問われうるということに注意が必要です。

【少年事件と観護措置】

さて、今回の事例では、傷害事件を起こしたAさんは高校1年生の未成年者ですから、Aさんは少年事件の手続に沿って処分が決められていくことになります。

少年事件では、捜査機関(警察・検察)は、事件の捜査を遂げた後は、全ての事件を家庭裁判所に送致しなければならないとされています(少年法41、42条)。

そして、事件の送致を受けた家庭裁判所は、「審判を行うために必要があるとき」(少年法17条)は、少年の身体を少年鑑別所に送致する観護措置をとることができると規定されています(少年法17条1項2号)。

観護措置は、実務において通常は4週間(少年法17条3項、4項)という期間で運用されていることが多いです。
この期間、少年は家庭裁判所調査官により心理調査や行動観察を受け、規則正しい生活を送るための運動や読書、学習などをします。
観護措置はこのような教育的な面があるものの、少年の身体拘束を伴うことから、学校を欠席せざるをえなかったり、家庭内で過ごすことができなかったりというデメリットがあることも事実です。

そうしたこともあり、刑事弁護士(少年付添人)に観護措置を避けるための活動を行ってほしいと相談される方も少なくありません。
弁護士の活動としては、観護措置の要件や必要性がなく、また、観護措置を避けるべき事情があると主張して、観護措置の回避を目指す活動が考えられます。
また、一度観護措置が決定されてしまった場合は、観護措置決定を争うための刑事弁護(少年付添)活動として、異議申立て(少年法17条の2)をすることもできます。

先述のとおり、事例のAさんは高校1年生であり、Aさんの傷害事件少年事件に分類されます。
とすると、傷害罪の容疑で逮捕されたAさんは、逮捕に引き続く身体拘束である勾留を経て、家庭裁判所に送致されることになります。

このとき、Aさんに観護措置決定がなされる可能性がありますから、場合によっては刑事弁護士(少年付添人)が観護措置を避けるための活動や観護措置決定を争う活動をすることも考えられます。
その際、観護措置をとらなくてもAさんの監督が十分にできることや、観護措置を取られることで発生する不利益を主張していくことになるでしょう。

傷害罪少年事件共犯)で逮捕された場合で、その後の観護措置を回避したい場合は、刑事事件少年事件)に強い刑事弁護士(少年付添人)を選任することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
傷害罪少年事件共犯)で観護措置が不安な場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

現場助勢罪と示談 

2022-03-30

現場助勢罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

ある日の深夜、埼玉県草加市にある自宅前の公園が騒がしいと思った高校2年生のAさん(17歳)は様子を見に行くことにしました。
するとAさんと同じ高校に通う顔見知りのBさんがCさんを一方的に殴っており、周囲には野次馬が集まっていました。
Aさんは興味本位で野次馬に加わり、「Bー!やっちまえ!」「C、しっかりしろ!」などはやし立てていました。
その後埼玉県草加警察署の警察官がやってきて、BさんとCさんは連れていかれました。
Aさんは「僕は声出してただけだし、関係ないよね。」と思い自宅に帰ろうとしたところ、警察官がAさんに「君がずっとはやし立てているのを見ていた人がいるんだ。警察署で話を聞かせてくれないかな。」と声をかけました。
(フィクションです)

野次馬やはやし立てる行為も犯罪になるのですか

Aさんの行為は「現場助勢罪」に問われる可能性が有ります。
では、現場助勢罪について見ていきましょう。

刑法第206条(現場助勢罪)
前2条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

と規定されています。
「前2条」とは、刑法第204条と刑法第205条のことで、傷害罪と傷害致死罪のことを指します。

現場助勢罪について

現場助勢罪とは、傷害罪、傷害致死罪の行われる現場での助勢行為を独立して処罰する法律です。
いわゆる野次馬的な助勢行為がその対象となります。
つまり、傷害行為が行われている現場において、その勢いを助ける行為をすると、現場助勢罪に問われるということです。

「勢いを助けた」とは
「やってしまえ」「叩きのめせ」などはやし立てる行為をすることで、野次馬的な声援であれば、言語か動作かは問いません。
また、その助勢行為により、実行行為者の行為がやり易くなったということは必要ではありません。
ただし、単なる声援とはいえない、強度の応援をして、実行行為をやり易くした場合は、傷害罪の幇助犯となります。
また、助勢した者が自分で暴行、傷害行為を行なった時は、傷害罪の共同正犯もしくは同時犯となります。

現場助勢罪で話を聞かれることになった

現場助勢罪は、捜査機関が行為を裏付ける証拠を得るのが難しい犯罪であるため、検挙される可能性はあまり高くはない犯罪といわれています。
しかし、検挙される可能性は完全にゼロではありません。
もし検挙された時は、被害者に対する謝罪や示談などの弁護活動をしていく可能性が高いです。

被害者に謝罪や示談をしようとした時、Aさんのように被害者と顔見知りで住所や連絡先を知っていることがある場合があります。
しかし、住所や連絡先を知っていても直接被害者と接触するのは避けた方が良いでしょう。

なぜなら直接話し合うと、被害者も感情的になり示談が上手くいかなかったり、捜査機関に「被害者を脅して証拠隠滅を図った」などと思われてしまい、身体拘束をされてしまう可能性が有るのです。

示談については、少年事件や刑事事件に強い弁護士にお任せください。
示談が成立すれば、事件化されていたとしても家庭裁判所での審判の際の判断において有利な事情となるなど様々なメリットがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が現場助勢罪で話を聞かれることになった、被害者と示談をしているがこじれているなどお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

殺人未遂罪と少年法の改正について 

2022-03-19

殺人未遂罪と少年法の改正について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

18歳のAさんは令和4年4月上旬の深夜、神戸市長田区の路上で通りかかったVさんに対し、殺すつもりでVさんを刃物で切りつけました。
Vさんは軽傷で済み、Aさんは兵庫県長田警察署の警察官に殺人未遂罪で逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんはまだ未成年だからテレビなどで名前が出ることは無いと思っていましたが
令和4年4月1日から、18歳と19歳は実名で報道される可能性が有ることを知り、法律事務所に相談に行きました。
(フィクションです)

少年法の改正について

令和3年5月21日に、少年法等の一部を改正する法律が成立し、令和4年4月1日から施行されます。
令和4年4月1日から、成年年齢を18歳とする民法の一部を改正する法律についても施行されます。

選挙権年齢や民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、責任がある立場となります。
今回の少年法改正は、民法上は成年となる18歳、19歳の者が犯罪を犯した場合に、その立場に相応の取扱いとするために「特定少年」として、17歳以下の少年とは異なる特例を定めることになりました。

少年事件の基本的な流れ

少年事件は、事件の捜査が終了した後は、全ての事件が家庭裁判所に送られ、家庭裁判所が処分を決定します。
処分には、保護処分(少年院送致や保護観察が、あてはまります)や検察官送致(いわゆる「逆送」です)などがあります。
家庭裁判所が保護処分ではなく、少年に対し刑罰を科すのが適切であると判断した場合に、検察官送致が行われます。
また、原則検察官送致がされる事件の基準は、令和4年4月1日の改正までは「16歳以上の少年の時点で犯した、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件」とされています。

少年法の改正点

続きまして、少年法の改正点についてみていきましょう。

①少年法の適用範囲について

18歳・19歳も引き続き少年法の適用対象で、家庭裁判所が処分を決定しますが「特定少年」という扱いになります。
しかし、原則検察官送致される事件が拡大して適用されたり、検察官送致された後は20歳以上の者と同様に取り扱われることになり、検察官送致された17歳以下の少年とは異なる扱いとなります。
異なる扱いの一例として、懲役刑の長さなどがあり、17歳以下に課される有期懲役刑の上限は15年ですが、18歳・19歳は20歳以上の者と同じ扱いとなるため、有期懲役刑の上限は30年となります。

②原則逆送対象事件の範囲について

先に述べた通り、原則検察官送致がされる事件の基準は、令和4年4月1日の改正までは「16歳以上の少年の時点で犯した、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件」とされています。
しかし、特定少年については、「特定少年の時に犯した死刑、無期又は短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件」が原則検察官送致がされる事件となります。

事例のAさんは、18歳の特定少年の時点で殺人未遂罪を行っています。
殺人罪及びその未遂罪につきましては、刑法第199条及び刑法第203条に規定があり

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。(刑法第199条)
第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。(刑法第203条)

とあります。
ですので、改正後の少年法ではAさんの場合、被害者は軽傷で、亡くなってはいないのですが、殺人(未遂)罪は「死刑、無期又は短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件」となりますので、事件が検察官に送致される可能性が高いのです。

③実名報道について

少年の時に犯した事件については、犯人の実名や写真などの報道は禁止されています。
しかし特定少年の時に犯した事件について、検察官送致され、その後起訴された場合はその禁止が解除されることになります。
ただし、この起訴は正式裁判にかけられるもののみで、略式起訴(罰金などの書面で審理される手続き)の場合は当てはまりません。

少年事件の弁護活動

少年事件においても、事件の各段階において適切な弁護活動を受けることが大切です。
具体的には、逮捕前ならば取調べ対応や出頭、自首への同行、逮捕後ならば、こまめな面会や身柄解放に向けた活動、示談交渉などを行うことが可能です。
その後の家庭裁判所の審判段階ならば、少年にとって最も良い処分が出るように家庭裁判所に意見を提出したりすることもできます。
また、検察へ事件が送致され、起訴され正式裁判になった場合でも、少しでも軽い刑を獲得するための弁論活動や、身柄が解放されていなければ保釈の請求などもしていくことができます。

少年事件のことでお悩みでしたら、事件がどのような段階でも一度少年事件・刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が通り魔や殺人未遂罪で話を聞かれることになった、事件を起こして特定少年にあたるがどうなるのか不安だという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

« Older Entries
Copyright(c) 2021 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.