住居侵入・強制わいせつ事件

2019-04-05

住居侵入・強制わいせつ事件

Aさんは、京都市南区に住む18歳の私立大学生です。
住んでいるアパートに気に入った女性Vがいるので、深夜、V宅に侵入することにしました。
施錠されていなかったので、V宅には容易に侵入することができました。
侵入後、リビングでテレビを観ていたVの襟元から手をいれ、直接乳房をもてあそんでしまいました。
AさんはV宅から逃走しましたが、アパートの近くで隠れて様子を見ていたところを京都府南警察署の警察官に見つかり、職務質問後、現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~Aさんに成立する犯罪~

住居侵入罪と②強制わいせつ罪の成立が検討されます。

(住居侵入罪)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入する犯罪です。
「侵入」とは、住居権者の意思に反する立ち入りを意味し、ケースの住居権者はVということになると思われます。
Vが見知らぬ男性から強制わいせつ被害を受けることは、ケースの事情からも容認していなかったと考えられるので、AさんがV宅に立ち入った行為は、住居侵入罪を構成する可能性が極めて高いと思われます。

(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をする犯罪です。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした場合も同様です。
殴打、足蹴が「暴行」に含まれるのは当然ですが、暴行自体がわいせつ行為であっても強制わいせつ罪が成立します。
女性の乳房を直接弄ぶ行為は、典型的なわいせつ行為といえます。
AさんがVの襟元から手を入れ、Vの乳房を直接弄んだ行為は、強制わいせつ罪を構成する可能性が高いと思われます。

~今後の手続の流れについて~

Aさんが成人であれば、警察により捜査された後、検察に事件あるいは身柄が送致され、検察官が起訴または不起訴を決めることになります。
起訴された場合には、刑事事件として裁判にかけられ、有罪が無罪かを判断されます。
今回のAさんは18歳なので、刑事手続上は「少年」になります。
少年法第1条は、「少年の健全育成」という理念を掲げており、少年事件では、刑罰を科す手続きではなく、必要な「保護処分」(少年院送致、児童自立支援施設・児童養護施設送致、保護観察)に向けられた手続きが行われます。

~身柄解放活動~

(捜査段階)
捜査段階では、被疑者が少年の場合であっても、基本的には刑事訴訟法が適用されます。
Aさんが今後「勾留」、「勾留延長」をされた場合には、長期間身体拘束が続き、外に出られないことになります。

(家裁送致後)
家庭裁判所へ送致された後は、「観護措置」という形で身体拘束が行われることがあります。
観護措置の期間は通常4週間以内で、最大で8週間となります。
捜査段階で逮捕勾留されている場合、家裁送致された段階で観護措置をとられることがほとんどです。
また、捜査段階を在宅で過ごしていた場合であっても、家裁送致後に観護措置をとられることがあります。

大学を長期間欠席すると、単位を取得できず、留年するなど、社会生活に悪影響を与えることが考えられます。
したがって、なるべく早く外に出て、社会生活に復帰することが重要です。
身柄解放活動には、少年事件の手続に関する高度な知識が必要です。
したがって、法律の専門家である弁護士に身柄解放活動を依頼することをおすすめします。
弁護士をつければ、手続に関する疑問点についても相談していただくことができます。

~Aさんが目指すべき処分~

(家庭裁判所での審判)
非行事実の内容や、少年の資質、家庭環境等の調査結果をもとに、審判を通じて処分が決まります。
ケースのAさんになされる処分として主に考えられるのは、①少年院送致、②保護観察処分、③不処分になります。
場合によっては、上記のような処分を留保し、さらに少年の行動等を観察する「試験観察」処分がなされることもあります。

保護処分の必要がない場合になされる「不処分」、Aさんにとって負担の軽い「保護観察処分」という形で事件の解決を目指すことが、Aさんにとって有利であると考えられます。
そのためには、非行事実、Aさんの家庭環境、資質等を考慮しても、少年院送致などの負担の重い保護処分が必要ない、ということを、家庭裁判所に納得してもらう必要があります。
そのためには、弁護士の助言を受けながら、審判に向けて環境を調整し、審判に臨む必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が住居侵入強制わいせつ事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお問い合わせください。
(京都府南警察署への初回接見費用:35,300円)

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