住居侵入罪,建造物侵入罪,不退去罪

住居侵入罪、建造物侵入罪、不退去罪の法定刑は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金です(刑法第130条)。  

住居侵入罪,建造物侵入罪,不退去罪の解説

他人の家(住居)又はマンションやアパートなどの共同住宅に無断で侵入した場合は住居侵入罪に問われ、店舗や公共建造物などの看守者がいる建物に不法侵入した場合は建造物侵入罪に問われます。 退去の要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった場合には、不退去罪に問われます。 住居侵入罪や建造物侵入罪における住居や建造物は、建物そのものだけではなく、その付属地も含みます。 例えば、家(住居)の庭、マンションやアパートなど共同住宅の共有スペース、学校の校庭などに無断で立ち入った場合も、住居侵入罪や建造物侵入罪に問われます。 住居侵入罪等は,少年による犯罪の中でも,多い犯罪です。 住居侵入罪等は、性犯罪、窃盗(泥棒)、盗撮、のぞきなど他の犯罪目的の手段として行われることが多く,住居侵入罪等の犯人は住居や建造物の場所を覚えている可能性が高いといった特徴があります。 そのため、住居侵入事件、建造物侵入事件では、被害者の恐怖心が大きく、被害感情が厳しいケースが多くなります。  

少年による住居侵入,建造物侵入,不退去事件の対応方法

1 無罪を主張する場合

身に覚えがないにも関わらず、住居侵入,建造物侵入,不退去の容疑を掛けられてしまった場合、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して、審判不開始又は不処分を獲得する余地があります。 アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出することで、住居侵入,建造物侵入,不退去を立証する十分な証拠がないことなどを主張していきます。 住居侵入,建造物侵入,不退去で警察に検挙・逮捕された少年の方は、本人の性格、不安や諦めの気持ち、友人・知人を庇うなど様々な原因から自分の主張を貫くことが困難になります。 弁護士が、少年本人と接見(面会)して言い分を丁寧に聞き取ってあげることで、住居侵入,建造物侵入,不退去の詳細を把握し、少年本人の主張が通るように警察・検察などの捜査機関や家庭裁判所に働きかけていきます。 また、弁護士との接見(面会)によって少年を安心させ、支えてあげることで、少年の虚偽の自白を防いで真の更生につなげることが可能になります。  

2 罪を認める場合

⑴ 謝罪,示談をする

被害者感情が重要視される昨今、少年による住居侵入,建造物侵入,不退去事件においても、被害者の方と示談することは、重要な弁護活動です。 警察に被害届が提出される前であれば、被害届の提出を阻止し、警察の介入を阻止して事件化を防ぐことができます。 警察に被害届が提出されてしまった後であっても、少年による住居侵入,建造物侵入,不退去事件においては、示談をすることによって、審判不開始や不処分、保護観察処分を獲得する可能性を高めることができます。 少年による住居侵入,建造物侵入,不退去事件では、被害弁償や示談の有無及び被害者の処罰感情が少年の処分に大きく影響することになるので、弁護士を介して迅速で納得のいく示談をすることが重要です。 また、示談をすることで少年が釈放される可能性もありますので、示談によって少年の早期の学校復帰・社会復帰を目指すことができます。  

⑵ 環境を整える 暴走族や地元の不良仲間との交遊関係が非行の背景にある場合は、交遊関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となります。 生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠となることから,ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらうことになります。  

3 身柄拘束からの早期解放活動

少年が住居侵入,建造物侵入,不退去事件で逮捕されても、適切な取り調べ対応と弁護活動によって留置場や鑑別所に入れられずに済む可能性があります。 住居侵入,建造物侵入,不退去事件で逮捕された少年が早く留置場から出て鑑別所に行かずに済むためには、逮捕の後に勾留されないこと又は家庭裁判所による観護措置を回避することが大切です。 少年の勾留や観護措置を避けるためには、逮捕後の早い段階で、弁護士と面会して取り調べ対応を協議し、身元引受人の協力を得ることが大切です。 その上で、弁護士から検察官や裁判官に対して、少年の反省と二度と住居侵入,建造物侵入,不退去事件を起こさない旨を主張し、釈放してもらうよう働きかけます。

 

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