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【解決事例】年齢切迫少年の盗撮事件で保護観察処分に

2022-04-27

【解決事例】年齢切迫少年の盗撮事件で保護観察処分に

~事例~

北海道札幌市中央区南にある大学に通っていたAさん(10代)は、大学内の女子トイレに忍び込み、トイレを使用する女子生徒の様子を盗撮していました。
女子生徒がAさんが盗撮していることに気付いたことで札幌方面南警察署に通報され、Aさんは盗撮事件の被疑者として現行犯逮捕されました。
Aさんのご両親は、札幌方面南警察署から連絡を受け、Aさんが盗撮事件を起こしたことを知りました。
ご両親は、これからAさんがどういった処分を受け得るのか、Aさんのために何ができるのかということを不安に思われ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談にいらっしゃいました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは、あと1ヶ月半程度で20歳を迎えるという状況であったため(いわゆる「年齢切迫少年」)、少年事件の手続で事件を終了させるためには、迅速に手続を進めてもらう必要がありました。

※少年事件の手続について
少年法が適用されるのは、20歳未満の少年に対してのみです。
事件を起こした際に20歳未満だったとしても、家庭裁判所の審判までに20歳となってしまえば、事件は検察庁へ送致(いわゆる「逆送」)され、20歳以上の者の刑事事件と同様の流れをたどることとなります。
例えば、逆送後起訴されれば刑事裁判を受けることとなりますし、そこで有罪となり執行猶予が付かなければ刑務所へ行くことにもなります。
また、少年事件の処分として取られる保護処分(例えば保護観察処分や少年院送致)は前科とはなりませんが、逆送され起訴されて有罪となった場合に刑罰を受ければそれは前科となります。

Aさんの今後と更生のために、Aさんとそのご家族は、少年事件の手続でAさんの起こした盗撮事件が処理できるように動いてほしいというご希望でした。
弁護士は、迅速に事件が家庭裁判所に送られるよう捜査機関や裁判所と交渉を行い、Aさんは勾留を経て10日で家庭裁判所へ送致されました。
家庭裁判所への送致後は、弁護士の交渉により、Aさんは観護措置を採られることなく釈放されました。
その後も、Aさんが20歳となる前に審判を受けられるよう、弁護士は家庭裁判所と交渉を行い、素早く審判に移れるよう働きかけを行いました。

その結果、Aさんの盗撮事件は逮捕から1ヶ月程度で審判まで進み、Aさんは20歳になる前に審判を受け、保護観察処分となることができました。
少年事件の保護処分で終了したため、Aさんには前科がつくこともありませんでした。

Aさんのように、あと少しで20歳になるという年齢切迫少年の場合、少年事件の手続で事件を終了させるためには、全ての手続を迅速に進める必要があります。
この際、少年事件の手続を理解していなければ手続を迅速に進めてほしいと求めたいと思っていても具体的にどのように活動すべきか分からないでしょう。
また、現在では少年法が改正され、「特定少年」という新しい区分も登場していますから、余計に複雑に思われるかもしれません。
だからこそ、少年事件でお困りの際は、弁護士という専門家の力を借りることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく、少年事件についてのご相談・ご依頼も承っています。
少年事件にお困りの際は、ご遠慮なくご相談ください。

【解決事例】強制わいせつ事件で試験観察獲得からの保護観察処分

2022-04-20

【解決事例】強制わいせつ事件で試験観察獲得からの保護観察処分

~事例~

東京都八王子市に住んでいたAさん(14歳)は、市内で女児Vさんに対してわいせつ行為をする強制わいせつ事件を起こしました。
Aさんは、警視庁南大沢警察署強制わいせつ罪の容疑で捜査されることとなりました。
Aさんは逮捕されることなく捜査が進められることとなったものの、Aさんのお母様は、警察から事件の詳しい説明まではもらえず、Aさんがどのような事件を起こしてしまったのか、どのように事件に対応すべきなのか、被害者様への謝罪をどのようにすべきなのかといったことが分からず困っておられました。
そこで、Aさんのお母様は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで相談に来られました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

弁護活動の依頼を受けた弁護士は、被害を受けたVさんの親御様とお話し、謝罪・弁償を含めた示談交渉を行いました。
Vさんの親御様には、Aさん自身の謝罪と反省の気持ちはもちろん、Aさんの親御様からも謝罪の気持ちが伝えられました。
結果として、Vさんの親御様とは示談を締結するに至り、お許しの言葉やAさんの更生を願う言葉をいただくことができました。

Aさんは、捜査段階は在宅捜査を受けていたものの、家庭裁判所へ事件が送致された後は、観護措置となり、鑑別所に収容されての調査を受けることになりました。
鑑別の結果、Aさん自身やAさんのご家族も気付いていなかったAさん自身の内面の問題も明らかになり、今後Aさんが更生するためには、そういった特性も知ったうえでトレーニングを積む必要があるということが分かりました。
弁護士は、Aさんとの接見を重ねるとともに、Aさんの通う中学校にも働きかけ、連携を求めました。
その結果、Aさんの通う中学校でも、Aさんへの配慮や協力を得られることとなりました。
そして、Aさんは1回目の審判の結果、試験観察期間を設けて今までの生活環境の中で改善を目指してみるという判断になりました。

試験観察中、弁護士はAさんとAさんの親御様と定期的に打合せを行い、トレーニングにも協力しました。
また、児童相談所やAさんの通う中学校とも打合せを行い、試験観察後のAさんが社会復帰できるよう調整を行いました。
最終的に、Aさんは2回目の審判で保護観察処分となり、社会内で更生を目指すことが決定しました。

少年事件では、単に犯した罪の重さだけで処分が決まるのではなく、少年本人やご家族、学校など少年の周囲の人たちの作る環境が改善できるかどうかといったことも処分の内容に影響します。
弁護士と協力して環境調整を行うことで、より適切な処分を求めていくことが可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についても取り扱いを行っています。
試験観察保護観察処分を目指したい、そもそも少年事件の手続が分からないといったお悩みを抱えている場合には、ご遠慮なく弊所弁護士までご相談下さい。

少年による無免許・酒気帯び運転事件

2022-04-12

少年による無免許・酒気帯び運転事件

今回は、少年が無免許で、酒気を帯びた状態で自動車を運転した場合における刑事手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

A君(16歳)は、酒を飲んだ後に自動車を運転中、パトカーに止められ職務質問を受けました。
A君からはお酒の臭いがしたので、呼気検査を行ったところ、呼気1リットルにつき0.20ミリグラムの酒気が検出されました。
警察はA君を無免許運転及び酒気帯び運転の現行犯として逮捕しました。
(フィクションです)

~無免許運転の罪と酒気帯び運転の罪を解説~

(無免許運転の罪)
道路交通法第84条1項では、「自動車及び原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない」としています。
あらためて言及すべきことではないと思われますが、自動車を運転する場合には必要な免許を受けなければなりません。

自動車を運転できる免許を受けずにこれを運転すれば、「無免許運転の罪」に問われます(道路交通法第117条の2の2第1号)。
この場合の法定刑は「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっています。

(酒気帯び運転の罪)
身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、「酒気帯び運転の罪」が成立します。
酒気帯び運転につき起訴され、裁判で有罪が確定すると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条の2の2第3号)。

「政令で定める程度」とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です(道路交通法施行令第44条の3)。

A君は呼気1リットルにつき0.20ミリグラムのアルコールが検出される状態で自動車を運転していたのですから、酒気帯び運転の罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~A君は今後どうなるか?~

A君は16歳の少年ですから、少年法の適用があります。
そのため、原則として刑罰を受けることはありません。
その代わり、家庭裁判所で審判が開かれれば、必要な保護処分を受けることになります。

(逮捕後の手続)
少年であっても、逮捕・勾留されうるという点では成人と同様です。
逮捕され留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、A君の勾留を請求するか、釈放するかを判断しなければなりません。

勾留請求がなされ、裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されることになります。
さらに、やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されることになります。

その後、検察官は勾留の満期日までにA君を家庭裁判所に送致します。

(家裁送致後)
家庭裁判所に送致されると、A君について「観護措置」をとるか否かが判断されます。
観護措置がとられると、少年鑑別所に収容され(すでに少年鑑別所に勾留されているケースもあるかもしれません)、審判の円滑な進行、適切な処分を行うための検査を受けることになります。

(家庭裁判所の審判)
審判が開かれた場合、A君にとって必要な保護処分が言い渡されます。
保護処分には、①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致があります。
A君に保護処分を言い渡さなくても更生を期待できる場合には、①そもそも少年審判が開かれない、②少年審判で「不処分」が言い渡される場合もあります。

A君の家庭環境に大きな問題がなければ、不処分か保護観察処分を受けて事件が終了することになるでしょう。
保護観察処分は在宅で更生を図る保護処分ですが、保護観察官・保護司の指導・監督を受けなければなりません。
不処分の場合は、このような負担がありません。
できるだけ負担の少ない事件解決を目指すためには、逮捕直後からA君を取り巻く環境を改善し、審判に向けて準備を行う必要があります。
そのためには、少年事件に熟練した弁護士のサポートが役に立つでしょう。

お子様が無免許運転・酒気帯び運転の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士と相談し、事件解決に向けた対策を講じることが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取扱う法律事務所です。
お子様が無免許運転・酒気帯び運転の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

傷害罪の少年事件(共犯)で観護措置が不安

2022-04-06

傷害罪の少年事件(共犯)で観護措置が不安

傷害罪少年事件共犯)で観護措置が不安な場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

東京都千代田区に住むAさん(高校1年生)は、友人であるBさん、Cさんとともに、Vさん(中学3年生)の顔や体を殴ったり蹴ったりしました。
Vさんは病院に運ばれ、急性硬膜下血腫などの重傷を負いました。
Aさんらは、Aさんを中心に結成したバイク愛好会のメンバーでしたが、Vさんが同グループを抜けたいと言い出したことをきっかけに、傷害事件が起こってしまったという経緯のようです。
Aさんら3名は、警視庁万世橋警察署の警察官により傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの両親は、今後Aさんが観護措置を取られる可能性があると警察官に聞き、不安に思っています。
(2021年1月12日に朝日新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【傷害罪とは】

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪の「傷害」とは、人の生理機能に障害を与えることをいいます。
刑事事件例のVさんの急性硬膜下血腫などの重傷は、生理機能障害として、傷害罪の「傷害」に該当します。

ところで、刑事事件例では、Aさん、Bさん、Cさんがそれぞれ殴る・蹴る等の暴行を加えています。
この場合、Aさんはいわゆる「共犯」となるのでしょうか。

【共犯(共同正犯)とは】

刑法60条
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

刑法60条の「正犯」とは、自ら犯罪を行った者を指します。
すなわち、刑法60条は、「二人以上共同して犯罪を実行した」場合、共犯者(共同正犯者)全員を自ら犯罪を行った者(「正犯」)と扱うということを定めています。

刑法60条が共犯者(共同正犯者)全員を自ら犯罪を行った者(「正犯」)と扱う理由は、共犯者(共同正犯者)全員がお互いに補完・利用しあって自分の犯罪を実現しようとするとの合意(意思の連絡)をし、その合意(意思の連絡)に基づいて犯罪行為が行われている場合、結局、共犯者全員が共同犯行の合意(意思の連絡)という事実と犯罪行為の実行担当者を介して、犯罪を自ら実行したと評価することができるからだと考えられています。

このような共犯者(共同正犯者)全員を自ら犯罪を行った者(「正犯」)と扱う理由から、共犯(共同正犯)の成立要件は、①共同して犯罪行為を行う合意(意思の連絡)と②その合意(意思の連絡)に基づいて共犯者の誰か(共犯者全員でもそのうちの一人でもよい)が犯罪行為を行ったことの2つが求められると考えられています。

刑事事件例では、AさんはBさん、Cさんとともに、Vさんの顔や体を殴ったり蹴ったりしました。
このとき、Aさんら3名は①共同して犯罪行為(傷害行為)を行う合意(意思の連絡)をし、②その合意に基づいて全員で犯罪行為(傷害行為)を行っていると考えられます。
よって、Aさんは傷害罪の共犯(共同正犯)として、自ら傷害罪を犯した者(「正犯」)と扱われることになるでしょう。

【共犯(共同正犯)と刑事責任】

共犯(共同正犯)の事件においては、共犯者全員が自ら犯罪を犯した者(「正犯」)と扱われます。
その結果、共犯者(共同正犯者)は、各自の行為により生じた結果についてだけでなく、他の共犯者(共同正犯者)の行為により生じた結果についてもまた、自らが生じさせた場合と同じく扱われ、共犯者(共同正犯者)各自が結果全体について刑事責任を問われることになります。

刑事事件でいえば、Aさん、Bさん、Cさんはそれぞれ自ら傷害罪を犯した者と扱われます。

例えば、Vさんの怪我(傷害)がAさん、Bさん、Cさんのうち誰の暴行(殴る蹴る等の行為)により発生したのかが不明な場合である場合、一見するとAさん、Bさん、Cさんにはそれぞれ暴行罪が成立するのみではないかと思われます。
しかし、Aさん、Bさん、Cさんのいずれかの暴行行為によりVさんの怪我(傷害)が生じたのであれば、Aさん、Bさん、Cさんにはそれぞれ傷害罪が成立することになるのです。

なお、刑法では傷害罪について、以下のような規定もあります。

刑法207条
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

この刑法207条は、同時傷害の特例と呼ばれることもあり、「共同して実行した」場合以外でも傷害罪に問われうるということに注意が必要です。

【少年事件と観護措置】

さて、今回の事例では、傷害事件を起こしたAさんは高校1年生の未成年者ですから、Aさんは少年事件の手続に沿って処分が決められていくことになります。

少年事件では、捜査機関(警察・検察)は、事件の捜査を遂げた後は、全ての事件を家庭裁判所に送致しなければならないとされています(少年法41、42条)。

そして、事件の送致を受けた家庭裁判所は、「審判を行うために必要があるとき」(少年法17条)は、少年の身体を少年鑑別所に送致する観護措置をとることができると規定されています(少年法17条1項2号)。

観護措置は、実務において通常は4週間(少年法17条3項、4項)という期間で運用されていることが多いです。
この期間、少年は家庭裁判所調査官により心理調査や行動観察を受け、規則正しい生活を送るための運動や読書、学習などをします。
観護措置はこのような教育的な面があるものの、少年の身体拘束を伴うことから、学校を欠席せざるをえなかったり、家庭内で過ごすことができなかったりというデメリットがあることも事実です。

そうしたこともあり、刑事弁護士(少年付添人)に観護措置を避けるための活動を行ってほしいと相談される方も少なくありません。
弁護士の活動としては、観護措置の要件や必要性がなく、また、観護措置を避けるべき事情があると主張して、観護措置の回避を目指す活動が考えられます。
また、一度観護措置が決定されてしまった場合は、観護措置決定を争うための刑事弁護(少年付添)活動として、異議申立て(少年法17条の2)をすることもできます。

先述のとおり、事例のAさんは高校1年生であり、Aさんの傷害事件少年事件に分類されます。
とすると、傷害罪の容疑で逮捕されたAさんは、逮捕に引き続く身体拘束である勾留を経て、家庭裁判所に送致されることになります。

このとき、Aさんに観護措置決定がなされる可能性がありますから、場合によっては刑事弁護士(少年付添人)が観護措置を避けるための活動や観護措置決定を争う活動をすることも考えられます。
その際、観護措置をとらなくてもAさんの監督が十分にできることや、観護措置を取られることで発生する不利益を主張していくことになるでしょう。

傷害罪少年事件共犯)で逮捕された場合で、その後の観護措置を回避したい場合は、刑事事件少年事件)に強い刑事弁護士(少年付添人)を選任することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
傷害罪少年事件共犯)で観護措置が不安な場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

現場助勢罪と示談 

2022-03-30

現場助勢罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

ある日の深夜、埼玉県草加市にある自宅前の公園が騒がしいと思った高校2年生のAさん(17歳)は様子を見に行くことにしました。
するとAさんと同じ高校に通う顔見知りのBさんがCさんを一方的に殴っており、周囲には野次馬が集まっていました。
Aさんは興味本位で野次馬に加わり、「Bー!やっちまえ!」「C、しっかりしろ!」などはやし立てていました。
その後埼玉県草加警察署の警察官がやってきて、BさんとCさんは連れていかれました。
Aさんは「僕は声出してただけだし、関係ないよね。」と思い自宅に帰ろうとしたところ、警察官がAさんに「君がずっとはやし立てているのを見ていた人がいるんだ。警察署で話を聞かせてくれないかな。」と声をかけました。
(フィクションです)

野次馬やはやし立てる行為も犯罪になるのですか

Aさんの行為は「現場助勢罪」に問われる可能性が有ります。
では、現場助勢罪について見ていきましょう。

刑法第206条(現場助勢罪)
前2条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

と規定されています。
「前2条」とは、刑法第204条と刑法第205条のことで、傷害罪と傷害致死罪のことを指します。

現場助勢罪について

現場助勢罪とは、傷害罪、傷害致死罪の行われる現場での助勢行為を独立して処罰する法律です。
いわゆる野次馬的な助勢行為がその対象となります。
つまり、傷害行為が行われている現場において、その勢いを助ける行為をすると、現場助勢罪に問われるということです。

「勢いを助けた」とは
「やってしまえ」「叩きのめせ」などはやし立てる行為をすることで、野次馬的な声援であれば、言語か動作かは問いません。
また、その助勢行為により、実行行為者の行為がやり易くなったということは必要ではありません。
ただし、単なる声援とはいえない、強度の応援をして、実行行為をやり易くした場合は、傷害罪の幇助犯となります。
また、助勢した者が自分で暴行、傷害行為を行なった時は、傷害罪の共同正犯もしくは同時犯となります。

現場助勢罪で話を聞かれることになった

現場助勢罪は、捜査機関が行為を裏付ける証拠を得るのが難しい犯罪であるため、検挙される可能性はあまり高くはない犯罪といわれています。
しかし、検挙される可能性は完全にゼロではありません。
もし検挙された時は、被害者に対する謝罪や示談などの弁護活動をしていく可能性が高いです。

被害者に謝罪や示談をしようとした時、Aさんのように被害者と顔見知りで住所や連絡先を知っていることがある場合があります。
しかし、住所や連絡先を知っていても直接被害者と接触するのは避けた方が良いでしょう。

なぜなら直接話し合うと、被害者も感情的になり示談が上手くいかなかったり、捜査機関に「被害者を脅して証拠隠滅を図った」などと思われてしまい、身体拘束をされてしまう可能性が有るのです。

示談については、少年事件や刑事事件に強い弁護士にお任せください。
示談が成立すれば、事件化されていたとしても家庭裁判所での審判の際の判断において有利な事情となるなど様々なメリットがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が現場助勢罪で話を聞かれることになった、被害者と示談をしているがこじれているなどお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

殺人未遂罪と少年法の改正について 

2022-03-19

殺人未遂罪と少年法の改正について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

18歳のAさんは令和4年4月上旬の深夜、神戸市長田区の路上で通りかかったVさんに対し、殺すつもりでVさんを刃物で切りつけました。
Vさんは軽傷で済み、Aさんは兵庫県長田警察署の警察官に殺人未遂罪で逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんはまだ未成年だからテレビなどで名前が出ることは無いと思っていましたが
令和4年4月1日から、18歳と19歳は実名で報道される可能性が有ることを知り、法律事務所に相談に行きました。
(フィクションです)

少年法の改正について

令和3年5月21日に、少年法等の一部を改正する法律が成立し、令和4年4月1日から施行されます。
令和4年4月1日から、成年年齢を18歳とする民法の一部を改正する法律についても施行されます。

選挙権年齢や民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、責任がある立場となります。
今回の少年法改正は、民法上は成年となる18歳、19歳の者が犯罪を犯した場合に、その立場に相応の取扱いとするために「特定少年」として、17歳以下の少年とは異なる特例を定めることになりました。

少年事件の基本的な流れ

少年事件は、事件の捜査が終了した後は、全ての事件が家庭裁判所に送られ、家庭裁判所が処分を決定します。
処分には、保護処分(少年院送致や保護観察が、あてはまります)や検察官送致(いわゆる「逆送」です)などがあります。
家庭裁判所が保護処分ではなく、少年に対し刑罰を科すのが適切であると判断した場合に、検察官送致が行われます。
また、原則検察官送致がされる事件の基準は、令和4年4月1日の改正までは「16歳以上の少年の時点で犯した、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件」とされています。

少年法の改正点

続きまして、少年法の改正点についてみていきましょう。

①少年法の適用範囲について

18歳・19歳も引き続き少年法の適用対象で、家庭裁判所が処分を決定しますが「特定少年」という扱いになります。
しかし、原則検察官送致される事件が拡大して適用されたり、検察官送致された後は20歳以上の者と同様に取り扱われることになり、検察官送致された17歳以下の少年とは異なる扱いとなります。
異なる扱いの一例として、懲役刑の長さなどがあり、17歳以下に課される有期懲役刑の上限は15年ですが、18歳・19歳は20歳以上の者と同じ扱いとなるため、有期懲役刑の上限は30年となります。

②原則逆送対象事件の範囲について

先に述べた通り、原則検察官送致がされる事件の基準は、令和4年4月1日の改正までは「16歳以上の少年の時点で犯した、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件」とされています。
しかし、特定少年については、「特定少年の時に犯した死刑、無期又は短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件」が原則検察官送致がされる事件となります。

事例のAさんは、18歳の特定少年の時点で殺人未遂罪を行っています。
殺人罪及びその未遂罪につきましては、刑法第199条及び刑法第203条に規定があり

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。(刑法第199条)
第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。(刑法第203条)

とあります。
ですので、改正後の少年法ではAさんの場合、被害者は軽傷で、亡くなってはいないのですが、殺人(未遂)罪は「死刑、無期又は短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件」となりますので、事件が検察官に送致される可能性が高いのです。

③実名報道について

少年の時に犯した事件については、犯人の実名や写真などの報道は禁止されています。
しかし特定少年の時に犯した事件について、検察官送致され、その後起訴された場合はその禁止が解除されることになります。
ただし、この起訴は正式裁判にかけられるもののみで、略式起訴(罰金などの書面で審理される手続き)の場合は当てはまりません。

少年事件の弁護活動

少年事件においても、事件の各段階において適切な弁護活動を受けることが大切です。
具体的には、逮捕前ならば取調べ対応や出頭、自首への同行、逮捕後ならば、こまめな面会や身柄解放に向けた活動、示談交渉などを行うことが可能です。
その後の家庭裁判所の審判段階ならば、少年にとって最も良い処分が出るように家庭裁判所に意見を提出したりすることもできます。
また、検察へ事件が送致され、起訴され正式裁判になった場合でも、少しでも軽い刑を獲得するための弁論活動や、身柄が解放されていなければ保釈の請求などもしていくことができます。

少年事件のことでお悩みでしたら、事件がどのような段階でも一度少年事件・刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が通り魔や殺人未遂罪で話を聞かれることになった、事件を起こして特定少年にあたるがどうなるのか不安だという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

ストーカー規制法違反事件と事件化阻止 

2022-03-08

ストーカー規制法違反事件と事件化阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

Aさんは通学途中の駅で毎日見かけるVさんに好意を持っていました。
そこでAさんはVさんの千葉県市川市にある自宅を特定し、毎朝Vさんの自宅前でVさんが自宅から出てくるのを見張った後に学校に行っていました。
ある朝、AさんがいつものようにVさんの自宅前にいると、Vさんの両親が自宅から出てきて、Aさんに対して「このままこういったことを続けるなら、千葉県市川警察署に相談する。」と強く言いました。
Aさんは驚いて、その日の夕方に両親に相談しました。
Aさんの両親は早くVさんに謝罪して、千葉県市川警察署が関与する事態にはしたくないと考えています。
(フィクションです)

ストーカー規制法違反とは

過去にストーカー行為がエスカレートした殺人事件や傷害事件が発生したこともあり、ストーカーという言葉も定着しました。
では、そのストーカーを規制する法律などはどのようになっているのか見ていきましょう。

ストーカー規制法第18条(ストーカー行為禁止)
ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。

と法律では定められていますが、ストーカー行為とはどのようなことでしょうか。
続けて見ていきましょう。

ストーカー行為とは

①同一の人に対し、つきまとい等を反復してすること
②同一の人に対し、位置情報無承諾取得等を反復してすること

とされており、詳しくは

①、②共通として
特定の人に対する恋愛感情や好意の感情、またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を満たす目的で
特定の人、その配偶者、その親族、その他密接な関係にある人に対して
①特定の行為をすること
②位置情報無承諾取得などをすること
とされています。

①の特定の行為の内容
1つきまとったり、待ち伏せすること
2行動を監視していると思わせるよう様なことを言ったりメールで送ったりすること
3面会や交際などを要求すること
4とても粗野、乱暴な言動をすること
5無言電話を掛けたり、拒否されたにもかかわらず連続して電話を掛けたり、ファックスやメール送信などをすること
6汚物や動物の死骸などを送りつけたりすること
7名誉を害する内容を知らせたり、それを知ることができるようにすること
8性的羞恥心を害する内容を知らせたり、文書、データなどを送ったりすること
です。

②の位置情報無承諾取得に該当する行為には
1相手の方の承諾を得ないで、GPS機器やアプリによる位置情報を取得すること
2相手の方の承諾を得ないで、所持する物に位置情報がわかる装置を取り付け、位置情報を取得すること
があります。

示談について

少年によるストーカー事件においても、少年事件に強い弁護士を通じて被害者の方と示談することは重要なこととされています。
今回のAさんの場合、現時点ではVさんから警察に被害届を出す前である可能性があります。

警察に被害届が提出される前であれば、被害者の方と示談を成立させ、被害届の提出を防ぎ、警察が介入することなく事案を解決させることにより事件化を防げる可能性があります。
既に警察に被害届が提出された後であっても、ストーカー事件においては、被害者の方と示談を成立させることによって、審判不開始処分や不処分、保護観察処分を得る可能性が高くなります。
また、逮捕された場合でも被害者の方との示談を成立させることで釈放される可能性も高まりますので、示談の成立によって早期の学校復帰・社会復帰を目指していくことも可能です。
ストーカー事件では、被害弁償や示談の有無、被害者の処罰感情が処分に影響していきます。
刑事事件、少年事件に強い弁護士に、一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ストーカー規制法違反事件への対応をしてきた刑事事件、少年事件に強い法律事務所です。
ご家族やご自身がストーカー規制法違反事件で話を聞かれることになった、または逮捕されてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

強盗・強制性交等罪と少年院回避

2022-02-25

強盗・強制性交等罪と少年院回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

高校生のAさんは京都市上京区のVさん宅に侵入し、その場にいたVさんに対し包丁を突きつけ、「静かにしろ」と脅迫し、抵抗できなくなったVさんに馬乗りになり性交しました。
さらにAさんは、Vさんが抵抗できなくなっている状態だったことからVさんに「金を出せ」などと脅迫し、Vさんから現金を奪い、逃走しました。
後日、Aさんは自宅にきた京都府上京警察署の警察官に、住居侵入罪と強盗・強制性交等罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの両親はAさんが住居侵入罪と強盗・強制性交等罪は重い罪なので少年院に入ることになるのではないかと考え、少年事件に強い弁護士に相談に行くことにしました。
(フィクションです)

~刑法改正について~

平成29年に刑法の改正が行われました。
改正前は、強盗行為と強姦行為の行われた順序により、法定刑が違いました。
しかし、同じ機会に強盗と強姦という単独でも悪質な行為が行われた場合、その順序の違いで法定刑に差が出るのは合理的ではないとされ、刑法が改正されました。
改正後は、同一の機会に、強盗と強制性交等罪(強姦を含む。)の行為が行われた場合につき、その行為の先後関係を問わず、強盗・強制性交等罪が成立するようになりました。
参考:刑法改正前
・強盗犯人が強姦行為を行なった場合…無期懲役または7年以上の有期懲役
・強姦犯人が強盗行為を行なった場合…5年以上30年以下の有期懲役

~強盗・強制性交等罪について~

では、刑法改正後の強盗・強制性交等罪についてみていきましょう。

刑法第241条1項
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者が、強制性交等の罪(第179条第2項の罪を除く。以下この項においておなじ。)もしくはその未遂罪をも犯したとき、または強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪もしくはその未遂罪をも犯したときは、無期または7年以上の懲役に処する。

条文はこのようになっていますので、詳しくみていきましょう。
①強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者が(事後強盗罪、昏睡強盗罪を含む)、強制性交等の罪もしくはその未遂罪をも犯すこと。(「をも」というのは同一の機会にということです。)
②強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者(準強制性交等罪含む)が、強盗の罪もしくはその未遂罪をも犯すこと。
※第179条第2項(監護者性交等罪)については除くとされています。
これは、監護者が強盗行為に及ぶことが想定されていないためです。

~少年院に入らないようにしたい~

少年が少年院に入らないようにするためには、
①少年審判が開かれないようにする
②少年審判が開かれたとしても不処分又は保護観察などの少年院送致以外の保護処分を得る
のどれかが必要になります。
①少年審判が開かれない処分のことを審判不開始といいますが、これが認められるには、事案が軽微であることや、別件による保護観察等が行われており新たな措置を加える必要性がないこと、などが必要です。
②少年院送致以外の処分を獲得するためには、家庭裁判所の裁判官に対して、処分として少年院送致は適さないことを主張する必要があります。
つまり審判までの期間で、できる限り少年の内省を深め、少年を取り巻く環境を調整するとともに、少年事件に強い弁護士が調査官や裁判官と協議を行います。
そして少年にとって少年院送致以外の保護処分などがよいことを裁判所に対して主張し、少年院送致を回避する活動を行っていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強盗・強制性交等罪でご自身やご家族が話を聞かれることになった、逮捕された方は、少年院に入ることになるのではと心配な方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

未成年者とインターネットオークション 

2022-02-14

未成年者とインターネットオークションについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

横浜市神奈川区に住むA君(18歳)は妻のBさん(18歳)と共にインターネットオークションサイトを運営して、出品者から手数料を取り儲けようとしていました。
インターネットオークションサイトを運営するには、公安委員会への届け出が必要であることは以前に検索して知っていました。
しかしA君は神奈川県神奈川警察署に届け出をするのが面倒だと思い、公安委員会に届けずインターネットオークションサイトを1か月ほど運営し続けています。
ある日A君の自宅に神奈川県神奈川警察署から「古物営業の届け出をしていませんよね。古物営業法違反で話を聞かせて下さい。」と電話がかかってきました。
A君はこのような大ごとになるとは思わず、少年事件に強い弁護士事務所へ問い合わせの電話を入れました。
(フィクションです)

インターネットオークションサイトの運営者について

インターネットオークションサイトを運営する人は、「インターネットオークション事業者」と呼ばれ
法律上は「古物競りあっせん業者」とされます。
では、古物競りあっせん業とはどのようなことかみていきましょう。

「古物」とは、①一度使用された物品②使用されない物品で使用のために取引されたもの③①、②の物品に幾分の手入れをしたもの
のうち一つでも当てはまれば「古物」とされます。
「一度使用された物品」とは、その物の性質によって定まっている用法に従って一度使用したものをいいます。
たとえば、カメラは撮影、テレビは視聴、などです。
「使用されない物品で使用のため取引されたもの」とは、新品を製造または販売して利益を得ることを仕事としている人が、その仕事のため取引をして所持している場合を除き(通常の商店は除く。)、一般の人が買ったりもらったりした新品を、使用しないで、そのまま売買などの取引の対象にしたものをいいます。
「幾分の手入れ」とは、部分的な修理や加工をすることです。
「あっせんの競りの方法」は、古物営業法施行令に基づく電子情報処理組織の方法で行わなければなりません。
「営業」とは、営利の目的で古物のあっせん競りを行う行為を反復継続して営む意思をもって行うことです。
なお、たまたま1回のあっせん競りであっても、反復継続の意思をもって行えば、営業に該当します。

公安委員会へ届け出をしないとどうなるのですか

※A君は未成年ですので原則は届け出ができませんが、結婚しているため、成人と同様の能力を有していると判断され、A君には届け出をする権利があります。

届け出をしないと、古物営業法違反となる可能性が有ります。
古物営業法についてみていきましょう。

古物営業法第10条の2(届出)
1古物競りあっせん業者は、営業開始の日から2週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあっては、住所または居所をいう、以下同じ。)の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。
この場合において、届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
①氏名または名称および住所または居所ならびに法人にあっては、その代表者の氏名
②営業の本拠地となる事務所その他の事務所の名称および所在地
③法人にあっては、その役員の氏名および住所
④第2条第2項第3号の競りの方法その他業務の実施の方法に関する事項で国家公安委員会規則で定めるもの

古物営業法第34条
次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
(略)
③第10条の2第1項の規定に違反して届出書もしくは添付書類を提出せず、または同項の届出書もしくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

つまり届け出をしない、または書類に嘘を書いて提出すると、20万円の罰金刑となる可能性があるのです。

弁護活動について

インターネットオークションサイトを運営する時に、「ついうっかり」や「めんどうくさい」と開業してから2週間以内の公安委員会への届け出を怠ると、古物営業法違反となります。
また、先に述べた通り未成年者は原則古物営業の届け出ができません。
インターネットオークションサイトを既に運営していて、運営することに届け出がいることを知って古物営業法違反になるけれど、自分は未成年者だから本来は届け出もできないので、どうしたらいいのかわからない。
また、未成年だけれど結婚をしているなど古物営業の届け出をする資格はあるけれど、知らなくて届け出をしておらず古物営業法違反になる可能性がある場合も気付いた時点で、まずは少年事件に強い弁護士に一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、古物営業法違反事件を含む刑事事件への対応をしてきた少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身がインターネットオークションの運営をしており、古物営業法違反で話を聞かれることになった、古物営業法違反に該当するけれどどうしたらいいのかわからないとお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。

鑑別所はどのような場所?

2022-02-03

いわゆる暴走行為による罪と、少年鑑別所について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

大阪市都島区在住のAは、大阪府内の高校に通う17歳です。
Aは普通二輪免許を取得し、友人と一緒にバイクで集団で走行し、一時停止を無視したり蛇行運転をしたりといったいわゆる暴走行為を繰り返していました。
その際、パトカーや白バイなどの警察車両から停止を求められることもありましたが、無視をして逃走しました。
ある日、Aの自宅に大阪市都島区を管轄する大阪府都島警察署の警察官が自宅に来て、Aを暴走行為により逮捕しました。
Aの保護者は、逮捕時に警察官から「しばらくは警察署にいて、その後は鑑別所に移ると思うからしばらくは帰れないよ。」という説明を受けました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

暴走行為で問題となる罪

いわゆる暴走行為は、共同危険行為と呼ばれ、以下の条文が問題となります。

道路交通法68条 二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
同117条の3 第六十八条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

その他、改造車両の場合には整備不良車両の運転の禁止違反(道路交通法62条)、マフラーに消音器を付けずに爆音で走行した場合には消音器不備車両の運転禁止違反(同71条の2)などの違反に当たるほか、騒音規制などを定める各都道府県の条例に違反する場合もあります。

暴走行為での捜査

いわゆる暴走行為については、現場でパトカーや白バイなどの車両により追尾され検挙される場合もありますが、警察官は追尾することで周囲に危険が生じると判断した場合、危険な追尾は行わずカメラの映像等を用いて捜査を行い、被疑者を後日通常逮捕するという場合も少なくありません。
逮捕後は、被疑者が複数人いるという暴走行為の性質上、口裏合わせなどによる証拠隠滅の恐れがあるとして勾留される可能性が高いと言えます。

少年鑑別所について

まず、罪を犯した14歳以上20歳未満の者は、犯罪少年として少年法が適用されます。
犯罪少年は、まずは刑事事件として成人と同様に犯罪についての捜査を受けます。
捜査をするうえでやむを得ない場合には、少年であっても逮捕され、勾留される場合もあります。

次に、捜査が終了した時点で、少年は家庭裁判所に送致されます。
送致を受けた家庭裁判所の裁判官は、捜査資料を基に、少年に対して必要であると判断した場合には観護措置を決定します。
観護措置には自宅にい乍ら受ける在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務では専ら少年鑑別所に収容する収容観護が用いられます。

少年鑑別所では、少年の身柄を拘束して規則正しい生活を送り、その間に法務技官による面接や行動観察、心身の診療などが行われます。
期間は原則として鑑別所送致から2週間ですが、1度に限り通常更新ができます。(少年法17条3項)
実務では、鑑別所での収容期間は最大4週間で、その期間内に審判を行い、少年の処分を下すか試験観察を言い渡すことが一般的です。
なお、一定以上の重大な罪で審判や鑑定に時間を要する場合には、その後2回まで延長することができる特別更新が認められているため、最大8週間、収容されるケースもあります。(同17条4項)

観護措置決定により少年鑑別所に送致されることは、周囲の環境を変えて規則正しい生活を送ることで、心身の鑑別を行い事件に至った理由や問題点などを調べることができるという点でメリットは多いです。
他方で、4週間近く(捜査段階で勾留されていた場合には更に20日以上)身柄拘束をされてしまうと、少年の学校生活や進路、社会生活などに多大な影響を及ぼし、少年の成長に良くない影響を与える恐れがあることも事実です。
そのため、事件の性質や少年の性格などを客観的に分析し、必要に応じて捜査機関や裁判官に意見し、少年や家族に対し適宜見通しの説明やアドバイスができる弁護士に弁護・付添を依頼することをお勧めします。

大阪市都島区にて、お子さんが暴走行為による共同危険行為で逮捕され、少年鑑別所での観護措置がとられる可能性がある場合、まずは刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。

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