大麻所持で退学か

2019-07-29

大麻所持で退学か

福岡県筑紫野市にある中学校に通う少女Aさん(15歳)は、知人から勧められて大麻を吸引していたところ、福岡県筑紫野警察署の警察官から職務質問、所持品検査を受けてしまいました。Aさんは、ズボンの右ポケットの内に大麻入りのチャック付きポリ袋を入れていたため、警察官に大麻取締法違反(所持の罪)逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの両親は驚き、学校に通報されてしまうのか、娘は退学処分を受けてしまうのか不安になって、少年事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。

~ 少年と大麻 ~

近年は、インターネット等で比較的容易に大麻を入手できるようになっています。今年3月には、京都府の中学3年生の女子生徒が大麻を所持していたということで大麻取締法違反(所持の罪)逮捕されましたが、その女子生徒も「インターネットで大麻を購入した」などと話していたようです。
大麻はインターネットでも購入できる時代です。また、未成年であってもスマートフォンやパソコンを利用でき、容易にインターネットの世界へ飛び込める時代となっています。このようなことから、未成年であっても、一歩間違えれば大麻をはじめとする薬物に汚染されてしまう危険を有しています。

そして、少年と大麻に関して、注目していただきたい数字が出ています。平成30年度版犯罪白書によると、少年の覚せい剤取締法違反における検挙人員は平成10年から減少傾向にありますが、大麻取締法違反については平成25年まで減少傾向にあったものの、以下のとおり、その後、急激に増加しています。あくまでも検挙された人員ですから、すでに大麻に手を出している少年を含めるとさらに数は増えるものと思われます。

平成25年  58人
平成26年  77人
平成27年 144人
平成28年 206人
平成29年 292人

~ 学校に通報されるの? ~

警察から逮捕された事実を学校に通報されるかどうかは、各都道府県の教育委員会・学校と警察がどういう協定、取り決めを結んでいるかにもよります。自治体によっては

逮捕事案
逮捕事案以外であっても、児童・生徒が非行・不良行為を繰り返している場合

などは通報するとの取り決めをしており、これに該当する場合は

通報される可能性がある

かもしれません(ただし、上記の場合であっても、捜査、調査その他の理由により連絡をすることができないと認めるときは通報しないとしている自治体もあります)。

~ 逮捕されたら退学処分となるの? ~

お子さまが逮捕されたとなれば、

退学処分となるのではないか

と不安にかられる親御様もおられるかと思います。そこで、学校教育法を確認すると、その11条では

 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

とされています。そして、「文部科学大臣の定めるところにより」というのは、学校教育法施行規則のことを指しており、その26条1項から3項では

1項 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。
2項 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長(大学にあつては、学長の委任を受けた学部長を含む。)が行う。
3項 前項の退学は、公立の小学校、中学校(学校教育法第七十一条の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。)、義務教育学校又は特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。
 1 性行不良で改善の見込がないと認められる者
 2 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
 3 正当の理由がなくて出席常でない者
 4 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者

とされています。つまり、公立の小学校、中学校の児童、生徒については退学処分を受けることはありません。他方で、私立の場合は、学校の裁量に委ねられています。とはいっても、退学処分とするにはそれなりの合理的な理由が必要とされますから、それがない場合の退学処分は学校の裁量権を逸脱したとして違法とされる場合もあります(先日、6月13日、少年(16)が寮で火遊びをして退学処分になったのは違法として、少年が学校に約277万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁川越支部は「退学処分は裁量権を逸脱し違法」として、学校側に約194万円の支払いを命じる判決を言い渡しています)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、大麻取締法違反をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.