少年による強制性交事件

2019-07-24

少年による強制性交事件

~ケース~
東京都昭島市に住む高校2年生(17歳)のAくんは、友人3名を誘い、学校の同級生の女子Vとカラオケに出かけました。
カラオケボックスにおいてAくんは、友人3名と共謀し、Vを3名でソファーに押さえつけ、残る1名で順次Vと性交しました。
Vが助けを求めて叫んだので、店員が警察に通報し、Aくんらは強制性交等罪の疑いで警視庁昭島警察署現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~強制性交等罪について解説~

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」といいます)をする犯罪です。
13歳未満の者に対しては、暴行又は脅迫が要件となっておらず、性交等のみをもって強制性交等罪が成立します。
法定刑は5年以上(20年以下)の有期懲役となっており、かなりの重罪と言えます(刑法第177条)。

強制性交等罪における「暴行又は脅迫」とは、被害者の反抗を著しく困難にする程度のもので足り、反抗を抑圧する程度に達する必要はありません(最高裁昭和24年5月10日判決)。
その程度は、暴行・脅迫の態様のほか、時間的・場所的状況・被害者の年齢・精神状態等の諸般の事情を考慮して客観的に判断されます。

ケースの場合は、反抗する力が同年代の男性よりも弱いと考えられる女性のVを、男性3名でソファーに押さえつけ、また、逃走しにくいカラオケボックス内で上記暴行が行われています。
こうした事情を考慮すると、「反抗を著しく困難にする程度」の暴行がなされたと認められる可能性が高いと思われます。
上記暴行により、AくんらはVと性交したものと考えられるので、Aくんらに強制性交等罪が成立する可能性は極めて高いでしょう。

~Aくんは今後どうなるか?~

(少年保護事件として手続が進行する場合)
Aくんは17歳の少年ですから、少年法が適用され、原則として少年に必要な保護処分少年院送致保護観察処分児童自立支援施設又は児童養護施設送致)を行う少年保護事件として手続が進行することになります。
成人の事件においては、警察、検察の捜査を遂げた後、事件について起訴されれば、裁判で有罪あるいは無罪の判断がなされます。
少年保護事件においても、捜査段階で逮捕勾留勾留延長されうる点は成人と同じであり(少年法第40条)、最長23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
成人の事件においては、犯罪を立証できる場合であっても検察官の裁量で被疑者を起訴しない「起訴猶予処分」が行われる可能性がありますが、少年事件においては、犯罪の嫌疑がある場合、犯罪の嫌疑がなくとも、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません(全件送致主義)。
少年の教育による改善更正が優先されているといえます。

(成年と同じく刑事事件として扱われるケース)
少年法第20条1項は「家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない」としています。
これを「検察官送致」といいます。
強制性交等罪が5年以上の有期懲役が予定されている犯罪であり、凶悪犯罪として考えられていることから、検察官送致が行われる可能性が否定できません。
検察官送致がなされると、原則として起訴され、成人と同じく刑事裁判を受けることになります。
有罪判決で実刑が下されれば刑に服さなければならず、執行猶予でも前科となってしまいます。
保護処分と比較すると、Aくんにとっても負担の重い手続きになるでしょう。

~弁護士と相談し、なるべく負担の少ない処分を目指す~

検察官送致は可能な限り回避したい処分です。
弁護士は、家庭裁判所に対し、刑事処分が相当ではなく、原則通りの保護処分によりAくんが改善更正することができることを主張し、検察官送致をしないよう働きかけます。
そのためには、性に関する認知の歪みを直してAくんの反省を心から促した上で、共犯者の友人3名との交友関係を見直し、家庭における指導監督を充実させるなど、Aくんの周囲の環境を調整する必要があると考えられます。
弁護士と相談しながら、環境調整を行っていきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
未成年のご家族が強制性交等事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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