少年事件と逆送①

2019-03-16

少年事件と逆送①

A君(17歳)は傷害致死罪神奈川県瀬谷警察署に逮捕,検察庁に送致された後勾留されました。
A君の傷害致死罪の事件はいったん家庭裁判所に送致されましたが,家庭裁判所の少年審判で逆送決定が出て,再び検察庁に送致されました。
事件を担当した検察官に起訴されました。
A君は,今後,裁判員裁判に出廷する必要が出てきました。
A君のご両親は今後のことが不安になって少年事件に詳しい弁護士に相談を申込みました。
(フィクションです)

~ 逆送とは ~

逆送とは,家庭裁判所の審判において,刑事処分が相当であると判断されて,事件が家庭裁判所から検察官に戻されて送致されることをいいます。
逆送されれば,成人と同様の刑事手続に移行します。
正式起訴されれば,成人同様,正式裁判を受けなければなりませんし,裁判で有罪となり裁判が確定すれば刑に服さなければなりません。
前科も付きます。

~ 逆送人員の実情 ~

平成30年度版犯罪白書によれば,2087人の少年が逆送され,うち2028人の少年が起訴されています。
ただし,起訴といっても正式起訴と略式起訴の2通りがあります。
犯罪白書によれば正式起訴された少年は187人ということでした(ということは,略式起訴された少年は1841人)。
つまり,起訴された少年の中でも正式起訴され正式裁判を受けた少年は全体の9%ほどだったということになります。
ちなみに,略式起訴された場合は,その多くは罰金刑の命令を言渡されます。
しかし,正式裁判のように裁判所に出廷する必要はありません。

略式起訴された少年の多くは「道路交通法違反」の罪で起訴されています。

~ 逆送されるケース ~

検察官へ逆送されるケースは,大きく分けて「年齢超過」による場合と「刑事処分相当」による場合とがあります。

= 「年齢超過」による場合 =

「年齢超過」による場合とは,事件が家庭裁判所に送られ,調査・審判が行われている段階で,少年の年齢が20歳以上と判明した場合のことをいいます(少年法19条2項,23条3項)。
20歳以上かどうかの判断は,事件時ではなく,調査・審判の時点で判断されます。

= 「刑事処分相当」による場合 =
 
「刑事処分相当」による場合とは,その名の通り,少年に刑事処分を科すのが相当であると考えられる場合のことをいいます。
少年法は以下の事件ごとに,いかなる場合に逆送すべきか規定しています。

* 死刑,懲役又は禁錮に当たる罪の事件(少年法20条1項) *

「死刑,懲役又は禁錮に当たる罪」とは選択刑として死刑,懲役刑,禁錮刑が定められている罪のことを指します。
刑法犯のほとんどがこれに当たり。あとは,「罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき」に逆送する旨規定されています。
ちなみに,平成30年版犯罪白書によれば,傷害罪で8人,窃盗罪で8人,強盗罪で9人,詐欺罪で15人,恐喝罪で3人逆送されていますが,皆,正式起訴されています。

* 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件(少年法20条2項) *

「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」の例としては殺人罪が典型ですが,その他にも傷害致死罪,強制性交等致死罪,強制わいせつ致死罪,強盗致死罪,強盗殺人罪,危険運転致死罪などがあります。
他方で,自動車を運転して人を死亡させた場合に適用される「過失運転致死罪」は過失犯ですから「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」には当たりません。

この罪の事件については,まず,罪を犯した時点で,少年の年齢が16歳以上であることが必要です。
もっとも,「犯行の動機及び態様,犯行後の情況,少年の性格,年齢,行状及び環境その他の事情を考慮し,刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は逆送しないと規定されています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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(神奈川県瀬谷警察署までの初回接見費用:36,500円)

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