少年事件の流れ~子どもが逮捕されたら~

2019-09-12

少年事件の流れ~子どもが逮捕されたら~

京都府京都市西京区の高校に通うのA君(17歳)は、当時交際していたVさんとの別れ話の最中に、Vさんの言動に腹を立て、脚でVさんの腹部を蹴るなどの暴行を加えて,Vさんに全治約1週間の怪我を負わせました。そこで、A君はVさんの110番通報により駆け付けた京都府西京警察署の警察官に傷害罪逮捕されてしまいました。息子が少年院に入ってしまうことになるのかと不安になったA君の両親は、少年事件に詳しいA君との接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ 少年院送致は全体の何%? ~

少年(20歳未満の者)が犯罪を犯したといえば、まっさきに思い浮かぶのは

少年院

という方も多いかと思います。
しかし、平成30年度版犯罪白書によると、平成29年に少年院に入所した少年は2147人で、刑法犯罪等で検挙された少年は50209人ですから、少年院に入所した少年は検挙少年全体の

約4%

に過ぎません。
また、逮捕されたからといって直ちに少年院に入所することが決まるのではなく、一定の手続を踏む必要があります。

~ 逮捕から家庭裁判所送致まで ~

警察に逮捕されると、少年であっても警察の留置場(留置施設)に収容されます。
逮捕後の流れは、

逮捕→②検察官送致→③検察官による「勾留請求」OR「勾留に代わる観護措置請求」→④裁判官による「勾留決定」OR「勾留に代わる観護措置決定」→⑤家庭裁判所送致→観護措置決定
 
という手続を踏みます(なお、この間、不服申し立て等により釈放を早めることも可能です)。

①から②まで最大で48時間、①から③まで最大で72時間拘束されます。なお、①の段階では警察官の、②の段階では、検察官の判断により釈放されることがあります。また、③の段階、つまり、請求を受けた裁判官の判断により釈放されることもあります。
勾留決定があった場合(④)は、逮捕された際に収容された留置場へ収容されるでしょう。勾留に代わる観護措置決定があった場合(④)は指定された少年鑑別所へ収容されます。つまり、逮捕時の留置場から少年鑑別所へ身柄を移されます。
勾留の期間は、検察官の勾留請求があった日から「10日間」で、その後、やむを得ない事由がある場合は最大「10日間」延長されることがあります。観護措置の期間も請求の日から「10日間」ですが、延長は認められていません。
拘束された少年は、上記の期間内に警察や検察の捜査を受け、事件を⑤家庭裁判所へ送致される手続を取られます。

~ 家庭裁判所送致から少年審判まで ~

家庭裁判所送致から少年審判までの流れは以下のとおりです。

①家庭裁判所送致&観護措置決定→②少年鑑別所における鑑別、家庭裁判所調査官による調査等を受ける→③少年審判

①の観護措置決定とは、通常、少年鑑別所へ収容する旨の決定のことをいいます。つまり、上記④の勾留決定により警察署の留置場に収容されていた少年は、観護措置決定により少年鑑別所へ身柄を移送されます。他方、勾留に代わる観護措置決定により少年鑑別所に収容されていた少年に対しては、家庭裁判所送致されると観護措置決定が出たものとみなされます(これを「みなし観護措置」といいます)。この場合、少年の収容場所は従前の少年鑑別所のままです。
収容期間は観護措置決定のときから「2週間」ですが、2週間更新することができるとされており、多くの事件では更新されていますから、通常、拘束期間は観護措置決定の日から「4週間」となります(例外あり)。ただし、不服申し立てによってはやめに釈放されることもあります。
この拘束期間中に、少年鑑別所において専門技官による鑑別(専門的調査)を受けたり、家庭裁判所調査官による面談を受けるなどします。なお、面談を受けるのは少年に限らず、保護者などの少年の関係者が広く含まれる場合があります。
こうした調査を受けるなどした上で、③少年審判を受けます。少年審判では、非行事実が認められるかどうか、認められるとして少年にどんな処分を下すことが適当か判断されます。

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