(事例紹介)触法少年による死傷事件

2023-02-08

(事例紹介)触法少年による死傷事件

14歳未満の少年が犯罪に当たる行為を起こした場合に問題となる触法少年による死傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

・参考事例

16日静岡県牧之原市の住宅で40代の母親が13歳の娘に刺され死亡する事件がありました。
警察は殺人事件と断定して娘を保護し事情を聞いています。
(中略)
16日午後11時50分ごろ、牧之原市の住宅で同居する家族から「女性が刺された」という趣旨の通報が警察にありました。
警察によりますと女性は40代で病院に搬送されましたが、首など複数箇所を刺されていて間もなく死亡が確認されました。
警察は現場の状況などから、自宅にいた中学1年生の13歳の娘が事件に関与したとみて、娘を保護し事情を聞いています。
警察は身元の特定につながる恐れがあるとして、子どもの性別などを公表していませんが、これまで親子の間にトラブルなどの相談はなかったということです。
(中略)
保護された娘は13才のため、刑事責任は問われません。
警察は児童相談所に通告した上で、調査を続け、児童相談所に送致するなどの対応を取る方針です。
(静岡朝日テレビ 1月17日(火) 18時41分配信 「40代の女性が13歳の娘に刺され死亡 警察は殺人事件として娘を保護し事情を聞く 静岡・牧之原市」より引用)

・触法少年について

上記の参考事例で、警察は殺人事件として調査を進めています。
成人している者が殺人事件を起こした場合、殺人の故意があれば殺人罪(刑法199条)、殺人の故意がなくとも暴行や傷害の故意があれば傷害致死罪(刑法205条)、犯罪的意思のない過失であれば過失致死罪(刑法210条)および業務上過失致死罪(刑法211条)などが適用されます。
しかし下記の条文によって、少年(20歳に満たない者「少年法2条1項」)の中でも13歳以下の少年が犯罪に当たる行為をした場合は刑事の責任がないので犯罪は成立しません。

刑法第41条
14歳に満たない者の行為は、罰しない。

13歳以下の少年が違法行為をした場合、その行為が違法であり被害が生じていることから、少年法によって触法少年(法に触れる行為をした少年)として扱われます。
この場合まだ少年が幼いことを考慮して、参考事例の通り家庭裁判所よりも児童相談所などの児童福祉機関が触法少年を優先して扱います。
そして児童福祉機関からの送致を受けることで家庭裁判所が扱うことができるようになります。
これらは下記の条文にも定められており、条文の「前項第二号に掲げる少年」が触法少年を指しています。

少年法第3条2項
家庭裁判所は、前項第二号に掲げる少年及び同項第三号に掲げる少年で十四歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。

少年法において、14歳と15歳の初年は年少少年、16歳と17歳は中間少年、18歳と19歳を特定少年(年長少年)と呼称されています。
また、特定少年が逆送(検察官送致)された場合、成年している者と同様に取り扱われ、起訴された場合は実名報道の禁止が解除されるなど17歳以下と異なる取扱いがされます。

・触法少年事件での弁護活動/付添人活動

少年事件は犯した犯罪の内容だけでなく、少年の年齢によっても扱いが変わってきます。
少年事件の当事者となった場合、これらの法律に詳しい弁護士に相談し、先の見通しや弁護対応を求めることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件をはじめとする刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
弊所の法律相談は初回であれば無料で相談することが可能です。
お子さんが相手を死傷させたことにより触法少年として保護されたなど、少年事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。

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