年齢切迫少年の傷害事件

2019-05-10

年齢切迫の少年事件

~ケース~

福岡県福岡市中央区在住の大学2年生のAさんは、些細な口論から同級生のVさんを殴ってしまい怪我をさせてしまいました。
Vさんが福岡県中央警察署に被害届を出したことによって、Aさんは傷害罪の疑いで福岡県中央警察署で事情を聞かれることになりました。
Aさんは現在大学2年生の19歳ですが,2ヵ月後に誕生日を迎え20歳になります。
Aさんの両親は、今後のAさんがどのような刑事手続きになるのか不安になり、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談しました。
(フィクションです)

~少年法~

日本において刑事事件を起こしてしまった場合,被疑者が成人であるか少年であるかによって手続きが大きく異なります。
少年および成人は少年法第2条1項で次のように定められています。

第二条 この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。

なお,20歳未満の者が婚姻をすると、民法753条により成年とみなされます。
ですが、これはあくまでも民事法上の話であり、刑事法の領域である少年事件では通常どおり少年として扱われます。

成人による通常の刑事事件では、事件が警察署から検察庁に送致されたあと,検察官が事件を起訴するかどうかを判断します。
事件が起訴された場合は、略式手続の同意により罰金刑が科されるか、刑事裁判が行われて有罪無罪の判断と量刑が行われます。
事件が起訴されなかった場合は、不起訴となって直ちに事件が終了します。
不起訴の理由で多いのは起訴猶予であり、これは犯罪の立証は見込めるものの事件後の情状などにより刑罰を科す必要はないと判断されたことを指します。
その他,違法な捜査があった場合や検察官の捜査により犯人でなかったことが判明した場合などに、嫌疑なし嫌疑不十分で不起訴となる場合もあります。

一方,少年事件では、検察官が送致を受けた事件をすべて家庭裁判所に送致するのが原則です(全件送致主義)。
その後,家庭裁判所は調査・審判を経て少年に対する保護処分を決定します。
事件後の情状などによってそもそも審判を開始しない場合(審判不開始)や,審判の結果保護処分には付さないとものとする場合(不処分)もあります。
これらとは別に,家庭裁判所から検察官に事件が再び送致されることもあり、この再度の送致を逆送といいます。

検察官に少年事件逆送するのは大きくわけて2つの場合があります。
一つ目は、少年事件であっても刑事処分が相当である場合です(少年法第20条)。
一般的に,被害者が死亡してしまっている事件や放火事件などの重大な事件が検察官に逆送される傾向にあります。
また,事件を起こした時に16歳以上の少年で,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件については,裁量の余地なしに検察官に逆送するのが原則となります。
ただし,犯行の動機及び態様,犯行後の情況,少年の性格,年齢,行状及び環境その他の事情を考慮し,刑事処分以外の措置を相当と認めるときは,例外的に検察官に逆送しないとされています(少年法第20条第2項但書)。

もう一つの場合は,年齢超過による検察官送致です。
年齢超過とは、少年事件が家庭裁判所に送られ,調査・審判の間に少年が誕生日を迎え成人となった場合をいいます。
この場合には、少年法19条2項により事件が検察官に送致されることになります。
家庭裁判所から事件の逆送を受けた検察官は犯罪の嫌疑があるときは起訴しなければならないと定められています(少年法45条5号)。
ただし,送致後の情況により訴追を相当でないと思料するときは起訴しなくてもよいと定められています(同条但書)。
これは通常の刑事事件の手続きの起訴猶予処分に相当する処分であると考えられます。

~逆送されないために~

刑事処分相当による逆送の場合には,少年法20条2項但書により逆送しない場合もありえます。
一方,年齢超過による逆送は,裁量によって逆送しないということはできず必ず逆送する必要があります。

そのため,年齢超過による逆送を防ぐためには,誕生日を迎える前に事件を終局させる必要があります。
今回のようなケースであれば、被害者の方と示談交渉することによって事件を早期に終局させることで,誕生日を迎える前に審判不開始不処分となる可能性もあります。
ただ,少年事件は被害者の方も少年である場合も多く,ご両親の方と示談交渉をすることが多くなります。
また,被害者の方が知り合いという場合であれば直接示談交渉できる可能性もありますが,知り合いでない場合にはそもそも連絡を取ることが困難です。
そうした状況でも,弁護士であれば,警察や検察から被害者の方の連絡先を聞いて示談交渉ができる場合もあります。
まずは弁護士に相談されるのがベストな選択肢です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
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