無免許運転と交通保護観察

2019-05-05

無免許運転と交通保護観察

~ケース~

東京都練馬区の高校2年生のA君(17歳)は親の所有する乗用車を勝手に運転していた。
ある日,たまたま実施されていた交通検問において無免許運転であることが発覚した。
A君は道路交通法違反(無免許運転)の疑いで現行犯逮捕され,警視庁光が丘警察署に連れていかれた。
警視庁光が丘警察署から連絡を受けたA君の両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談した。
(フィクションです)

~無免許運転~

一般に無免許運転は純無免,取消無免,停止中無免,免許外運転の4種類に大別されます。
純無免はこれまでに1回も免許の交付を受けた事がない場合,取消無免は免許が取消されたにも関わらず運転した場合,停止中無免は運転免許の停止中に運転した場合,免許外運転は免許は持っているものの運転してはいけない車種を運転した場合をいいます。
特に,普通免許の場合,取得時期によって中型自動車が運転できるかどうかが変わってきますので業務などで運転をする場合には注意が必要です。
A君の場合は17歳であり,年齢から考えてそもそも普通自動車の運転免許は交付されることはありませんので、無免許運転のうち純無免となります。

無免許運転は、道路交通法第64条で「何人も,第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで,自動車又は原動機付自転車を運転してはならない」と規定されています。
罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています(道路交通法117条の2の2)。

~少年事件~

A君は高校2年生の17歳ですので通常の刑事事件ではなく少年事件として扱われます。
通常の刑事事件では事件が警察から検察官に送致された後,検察官によって起訴するかどうかが判断されます。
一方,少年事件の場合,事件が検察官に送致された後は,全件家庭裁判所に送致されます。
事件の送致を受けた家庭裁判所は家庭裁判所調査官による調査の結果を踏まえ,少年を審判に付し保護観察処分とするか,通常の刑事事件として扱うために事件を検察官に送致するかを決定します。
家庭裁判所調査官による調査の結果,審判に付された場合にはほとんどの場合,保護観察処分や少年院送致になります。

少年である場合,無免許で車を運転することにあまり抵抗感がなく,無免許運転を軽く捉えている場合も多いです。
無免許運転以外の非行事実などによっては保護観察処分ではなく少年院送致となってしまう可能性もあります。

なお,少年事件の中でも交通事件の場合,交通保護観察という一般の保護観察よりも期間が短い特別な保護観察処分となる場合があります。
一般の保護観察の場合,おおむね1年を経過し,3カ月以上継続して成績が良好であれば解除されます。
交通保護観察の場合,おおむね6月を経過していることが解除の目安とされています。
交通保護観察では一般保護観察に準じた指導監督に加えて,交通法規や運転技術等に関する個別指導,交通道徳や運転技術の向上を図るための集団処遇等が行われます。
また,少年の交通事件では,家庭裁判所での処分より刑事処分として罰金刑に処すため、検察官に逆送されることが他の少年事件より多くなっています。

~弁護活動~

少年が無免許運転をしてしまった場合には,少年自身が犯した罪の重さを自覚し,真摯な反省をすることが重要です。
そして,再犯防止への取り組みを行うことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
お子様が無免許運転をしてしまいお困りの場合、弁護士が今後の手続きや再犯防止策について無料法律相談にてご説明差し上げることができます。
無料法律相談のご利用をお考えの場合は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談・初回接見のご予約は24時間受け付けております。
(警視庁光が丘警察署までの初回接見費用:36,800円)

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