京都府南丹市の児童自身による児童ポルノ製造事件

2019-02-24

京都府南丹市の児童自身による児童ポルノ製造事件

~ケース~

京都府南丹市在住のA(高校生)は,ライブ動画配信サイトで動画を配信していた。
その動画配信サイトは視聴者が購入したポイントを配信者に投入できるシステムを導入していた。
視聴者から服を脱いで裸で配信して欲しいとメッセージを受け取ったAは「ポイントをくれたらいいよ」とA視聴者の要求に応じるそぶりを見せた。
その後,視聴者からポイントが投入され,Aは服を脱ぎ裸になり動画配信をした。
後日,京都府警南丹警察署のサイバーパトロールがこの配信動画を発見し,Aは児童ポルノ禁止法違反の疑いで事情を聞かれることになった。
Aの両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談した。
(実際にあった事例を基にしたフィクションです)

~児童ポルノ禁止法~

児童ポルノ禁止法(正式名称:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)は児童ポルノによる侵害される児童の権利を擁護することを目的としています。
児童ポルノとは児童ポルノ禁止法2条3項によって,

一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

に該当する写真や電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものと定義されています。
後半がわかりにくい表現となっていますが写真や画像ファイル等をUSBといったメディアに保存されたものだと考えてもらえばよろしいでしょう。
そして児童ポルノ禁止法7条によって児童ポルノの所持,提供,製造などが禁止されています。

~児童ポルノ禁止法の問題点~

さて,今回のケースでは児童ポルノの被害者であるはずのAが児童ポルノ禁止法違反とされています。
実は,児童ポルノ禁止法は立法者が児童自身による画像送信を想定しておらず,被害児童(とされる児童)自身を行為の主体から除外していません。
つまり,裸の写真などを要求された児童が実際に送信すると,児童ポルノを提供したとして児童ポルノ提供罪となってしまうのです。
脅迫や欺罔などを用いた要求の場合には,児童を利用し児童ポルノを製造したとみなされ,児童自身は児童ポルノ製造罪とはなりません。
しかし脅迫や欺罔などがない場合でも,実務上は要求者のみを処罰し,要求された児童は処罰しないという運用がされています。
一方で,児童自身に任意性が認められる場合に,児童自身も児童ポルノ製造罪の主体とされた裁判例もあります(神戸地裁平成24年12月12日)。

今回のケースではAは動画配信サイト上で視聴者に要求されたのであり,脅迫や欺罔等があったとはいえないでしょう。
また,対価としてサイト上のポイントを要求しておりAが自主的に裸の動画を配信していたといえます。
そのため,Aは児童ポルノ提供目的製造(7条3項)となってしまう可能性が高いです。

~少年事件として~

児童自身による児童ポルノ禁止法違反事件の場合,少年事件となります。
今回のようなケースでは、事件の被害者は児童自身であり被害者がいないこと等から不処分や審判不開始となる可能性があります。
しかし自身の裸の写真を常習的に販売していた場合などは保護観察処分に付される可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所少年事件刑事事件専門の法律事務所です。
お子様や自身が児童ポルノ禁止法違反に問われてしまったといった場合には0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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(京都府南丹警察署までの初回接見費用:41,300円)

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