北九州市14歳少年の傷害事件

2019-02-19

北九州市14歳少年の傷害事件

~ケース~

福岡県北九州市内の中学校2年生のA君は、学校にも行かず、町に繰り出してうろつく日々を過ごしていました。
ある日、いつものように町をうろついていると、他の中学校の生徒から因縁をつけられ、口論となりました。
A君はカッとなってVの左頬を殴打してしまい、Vの顔面を打撲させる傷害を負わせてしまいました。
その様子をみていた通行人が警察に通報し、A君は駆け付けた福岡県警察戸畑警察署の警察官に傷害罪の現行犯として逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~傷害罪について解説~

傷害罪(刑法第204条)は、その名の通り人の身体を傷害する犯罪です。
「傷害」とは、人の生理的機能の侵害(生活機能の毀損、健康状態を不良に変更するなど)を意味し、「顔面の打撲」を与えたことは当然ながら「傷害」に該当します。
さらに判例・通説によると、暴行によって怪我を負わせてしまったケースにおいては、他人に怪我を負わせるつもり(傷害の故意)がなくても傷害罪が成立します。
A君はついカッとなってVを殴打してしまったのかもしれませんが、A君の行為が軽い暴行罪に留まらず、傷害罪を構成する可能性は極めて高いと思われます。

~A君はこれからどうなる?~

A君が成人であれば、のちに起訴された場合、刑事事件の被告人として裁判にかけられ、裁判所が傷害罪の成立を認めたときは刑の宣告を受けることになります。
もっとも、A君は少年(20歳未満の者)ですから、刑法、刑事訴訟法の他に少年法の適用を受け、原則として少年事件として事件が進行することになります。
少年事件では、成人の刑事手続きとは異なる点がいくつか存在します。

~少年事件の手続き~

捜査段階では、基本的に刑事訴訟法が適用されるので(少年法第40条)、現行犯逮捕されたA君が勾留・勾留延長される可能性がある、という点では成人と変わりません。
ただし、成人の場合は検察官が勾留の満期日までに被疑者を起訴又は不起訴あるいは処分を保留して釈放するかを決めることになるのですが、少年法は「全件送致主義」を採用しており(少年法第41、42条)、犯罪の嫌疑があると判断されれば、原則としてすべての事件が家庭裁判所に送致されます。

~家庭裁判所ではどのように手続きが進行するか~

家庭裁判所に送致された後、審判を行うため必要があるときは、24時間以内に「観護措置」をとることができます。
「観護措置」がとられた場合には、少年鑑別所に収容され、心神の鑑別を受けることになります。
「観護措置」の期間は通常4週間以内、最大で8週間です。
家庭裁判所における審判が開始され、保護処分の必要があれば①保護観察処分、②児童自立支援施設又は児童養護施設送致、③少年院送致のいずれかの決定がなされます。

~A君の親族はどうするべきか~

捜査段階で勾留され、家裁送致後も観護措置が続くと、非常に長い期間身体拘束を受けることになり、学校での評価や交友関係、少年自身の進路にも悪影響が生じます。
A君のように現行犯逮捕されてしまった場合には、一刻も早く留置場や少年鑑別所を出ることが第一の目標となります。
最終的には、なるべくA君にとって負担の少ない処分(審判不開始決定、不処分、保護観察処分など)を獲得することができるよう活動することになるでしょう。
少年事件の手続きは複雑で、少年の家庭環境、少年の素質など、様々な要素が処分を左右します。
したがって、少年事件に熟練した弁護士の助言を受け、早期の身柄解放、そしてよりA君にとって利益な処分の獲得に向けて活動するよう依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件少年事件を専門とする弁護士が多数在籍しており、全国に支部がございます。
未成年のお子様が傷害事件を起こし、現行犯逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(福岡県戸畑警察署までの初回接見費用:40,040円)

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