少年事件の終局

2019-02-14

少年事件の終局

~ケース~

高校1年生のA君(16歳)は交際していたVさんとの別れ話の最中に,カッとなってしまいVさんを叩き,Vさんに怪我をさせてしまった。
後日,A君は警視庁竹の塚警察署傷害罪の疑いで逮捕されることになった。
息子が少年院に入ってしまうことになるのかと不安になったA君の両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談した。
(フィクションです)

~少年事件の終局処分について~

前回では,少年事件の手続きがどのように進んでいくかを説明いたしました。
今回は家庭裁判所の調査の結果・審判ののち,どのような処分が下されるかを説明していきたいと思います。
(裁判所ホームページより引用,一部加筆)

~保護処分~

成人の刑事事件では,犯罪事実が認定されれば,制裁として刑事罰を科す判決が出されることが基本的な終局になります。
これに対して,少年事件では,審判を経て非行事実と要保護性が認定されれば,刑罰ではなく,保護処分を課すことが優先されます。
保護処分には保護観察,児童自立支援施設等送致,少年院送致の3種類になります。

◇保護観察◇

家庭裁判所が,少年が保護観察官や保護司の指導・監督を受けながら社会内で更生できると判断した場合には,保護観察処分に付されます。
保護観察処分に付された少年は,決められた約束事を守りながら社会内で生活し,保護観察官や保護司から生活や交友関係などについて指導を受けていくことになります。

◇児童自立支援施設等送致◇

比較的低年齢の少年で,開放的な施設での生活指導が相当と判断された場合,児童自立支援施設等に送致されます。
児童自立支援施設は,不良行為をしたり,又は不良行為をするおそれのある少年などを入所させて,必要な指導を行い,その自立を支援することを目的としている施設のことです。

◇少年院送致◇

少年が再び非行を犯すおそれが強く,社会内での更生が難しい場合,少年院に送致して矯正教育を行います。
少年院では,再び非行を犯すことのないように,少年に反省を深めさせるとともに,謝罪の気持ちを持つように促し,あわせて規則正しい生活習慣を身に付けさせ,職業指導をするなど,全般的指導を行います。
少年を少年院で身柄拘束をすることになりますので保護処分の中でも最も重い罰ということになります。

~検察官送致~

少年が罪を犯したときに14歳以上であった場合,事件の内容,少年の性格,心身の成熟度などから,保護処分よりも,刑罰を科すのが相当と判断される場合には,事件を検察官に送致することもあります(これを逆送致といいます)。
なお,少年が故意に被害者を死亡させ,その罪を犯したとき16歳以上であった場合には,原則として,事件を検察官に送致しなければならないとされています。
この場合には成人と同じ刑事裁判を受けることになります。
ただし,「裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めるときは、決定をもって、事件を家庭裁判所に移送しなければならない」と少年法で規定されていますので,この規定が適用されれば、事件は再び家庭裁判所に送致されて、保護処分がなされる可能性が出てきます。

~都道府県知事又は児童相談所長送致~

家庭裁判所が少年を児童福祉機関の指導にゆだねるのが適当と認めた場合,都道府県知事又は児童相談所長に事件が送致されます。
児童相談所は,18歳未満の児童を巡る各種の相談に応じ,児童福祉司による指導,児童福祉施設への入所や里親への委託などの措置をしている都道府県の機関です。

~不処分、審判不開始(教育的措置)~

少年を保護処分や検察官送致などの処分に付さなくとも,少年の更生が十分に期待できる場合,非行事実がなかった場合,すでに他の少年事件で何らかの処分を受けており,加えて処分をする必要がない場合には少年を保護処分に付さないこととしたり(不処分),審判を開始せずに調査のみ行って手続を終えること(審判不開始)もあります。
不処分又は審判不開始という語感からすると,家庭裁判所が何もしないまま少年事件を終わらせているかのような誤解を与えてしまいがちですが,不処分又は審判不開始で終局する場合でも,裁判官や調査官による訓戒や指導等の教育的働きかけを加え,少年及び保護者がそれをどのように受け止めたかを見極めた上で決定を行っています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所少年事件刑事事件を専門に扱う弁護士事務所です。
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