(事例紹介)少年を含むグループが窃盗をして逮捕
(事例紹介)少年を含むグループが窃盗をして逮捕
高校生の少年を含む7人が逮捕された窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
1月、札幌市北区のスーパーに侵入し、現金などを盗んだ疑いで高校生ら男7人が逮捕されました。
(中略)
1月28日午前4時ごろ、札幌市北区拓北7条2丁目のスーパーマーケットから、現金7500円が入った釣り銭用のケースが盗まれました。
建造物侵入と窃盗の疑いで11日までに逮捕されたのは、住所不定の…容疑者(25)、札幌市豊平区の…容疑者(26)、それに、16歳の男子高校生らあわせて男7人です。
警察は認否を明らかにしていません。
(中略)
社長「防犯カメラを見たら、(男たちは)まずレジに行って、レジは開けて金がないとわかったら、事務所の金庫に走っていくのが見えた。金庫は壊されてバラバラになったが、中まで開けられなかったので、盗まれたのは手提げ金庫のみ」
(中略)
警察によりますと、逮捕された7人は年齢が16歳から26歳で、居住地も札幌市や江別市などばらばらですが、知人どうしだということです。
警察は、余罪を追及する方針です。
(HBCニュース北海道 令和5年5月12日(金)17時37分配信「16歳高校生含む窃盗団7人が逮捕 被害のスーパー社長「まさか自分のところが」札幌市北区」より引用)
・事例で問題となる建造物侵入罪、窃盗罪、及び器物損壊罪
ニュースによると、逮捕された男性7人は建造物侵入罪と窃盗罪の疑いがかかっています。
また、男性7人は窃盗のために金庫を壊しているため、さらに器物損壊罪も適用される可能性があります。
条文はそれぞれ以下のとおりです。
(建造物侵入罪)
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(器物損壊罪)
刑法261条 前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(窃盗罪)
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
なお、これらの罪は一連の流れであり、窃盗という目的のために、スーパーに侵入して金庫を開けようとして壊したといういわば手段に当たることから、牽連関係にあると評価されると考えられます。
牽連関係にある罪については、最も重い刑に処されることになるため、すべての犯罪が成立して起訴された場合、「10年以下の懲役又は50万円以下」の範囲内で刑罰が科されます。
・20歳未満の少年について
逮捕された男性のうち25歳と26歳の男性については、刑事訴訟法等の手続法に則り手続きが進められ、前章で説明した刑事罰が科せられる(あるいは何かしらの理由で不起訴になる)ことが考えられます。
他方で、20歳未満の少年らについては、少年法に基づき成人とは異なる手続きに付されます。
少年事件は原則すべての事件で家庭裁判所に送致され、少年の性格や保護者の監督状況についての調査が行われた後に、必要に応じて少年審判を開きます。
少年事件の処分には保護観察や少年院送致等があり、これらは成人の刑事事件のような制裁や処罰ではなく、教育と保護を目的とした保護処分が課せられます。
そのため少年事件での付添人活動としては、少年に更生の可能性があることや、少年が更生できるような家庭環境が整っていることを家庭裁判所に主張し、少年院や児童自立支援施設などの施設送致を回避する活動が主となります。
そのためにも、早期に弁護士に相談し、弁護活動を依頼することがお勧めです。
・少年事件の経験が豊富な弁護士事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
少年事件の場合、捜査を受ける「被疑者」段階で勾留されている場合は原則として全件で国選弁護人が就きますが、家庭裁判所に送致され「少年」の立場になった後は一部例外を除き国選(付添人)は就きません。
お子さんが窃盗事件などで逮捕され、少年事件として手続きが進んでいる場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡・ご相談ください。