(事例紹介)「パパ活狩り」で強盗罪に問われて逮捕された事例

2022-09-14

(事例紹介)「パパ活狩り」で強盗罪に問われて逮捕された事例

~事例~

デートの見返りに金品をもらう「パパ活」に応じた男性(30)から車などを奪ったとして、警視庁が川崎市内の17~19歳の少年5人と女子高校生(16)の計6人を強盗容疑で逮捕したことが8日、捜査関係者への取材でわかった。少年らの一部は「遊ぶ金が欲しかった」と容疑を認め、パパ活を悪用して金品を巻き上げることを「パパ活狩り」と呼んでいたと説明しているという。
捜査関係者によると、6人は8月22日未明、川崎市多摩区の路上で「俺の女に手を出しやがって。警察に言わないでやるってことはどういうことかわかるよね」などと脅して男性の車を乗っ取ったほか、イヤホンなど18点(計約13万円相当)を男性に買わせた上で奪った疑いがある。
(後略)
(※2022年9月8日9:50YAHOO!JAPAN配信記事より引用)

~「パパ活狩り」と強盗罪~

今回取り上げた事例では、10代の少年少女が複数人、強盗罪の容疑で逮捕されています。
少年らは「パパ活」を利用して被害男性を呼出し、「パパ活狩り」と称して呼び出された被害男性から金品を巻き上げていたと報道されています。

いわゆる「パパ活」とは、若い女性が金銭的に余裕のある男性を相手に、食事やデートなどを共にし、対価として金品をもらうというものを指します。
性的関係をもたないことなどがいわゆる援助交際との違いであると言われていますが、昨今では「パパ活」と称して援助交際のようなことをするケースもあるようです。
今回の事例の少年らは、この「パパ活」を装って男性を呼出し、呼び出された男性を脅して金品を巻き上げていたようです。

今回の事例の内容を見ると、いわゆる「美人局(つつもたせ)」の手法と同じ様な手法で被害者から金品を巻き上げていると考えられます。
美人局(つつもたせ)」とは、男女が共謀して、女性が被害者となるほかの男性と通ずるように見せかけたところを、それを理由に男性が被害者に言いがかりをつけて脅し、金品を巻き上げるというものです。
今回の「パパ活狩り」の事例でも、少年らと少女が共謀して、少女が「パパ活」をするように見せかけて被害男性を誘い出し、少年らが「パパ活」に応じたことを言いがかりに被害男性をゆすって金品を渡させるという流れになっていたようです。

こうした「美人局(つつもたせ)」的な事例では、刑法の恐喝罪(刑法第249条)や詐欺罪(刑法第246条)に当たることが多いですが、今回の事例では、少年らは強盗罪の容疑で逮捕されています。

刑法第236条第1項(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

強盗罪は、暴行や脅迫を用いて、他人の財物を奪い取ってしまうという犯罪です。
この時に用いられる暴行や脅迫が、相手の抵抗を押さえつけるほど強いと判断された場合に強盗罪が成立することになります(それほど強くない暴行や脅迫が用いられたと判断された場合には恐喝罪となります。)。

今回取り上げた事例では、報道によれば少年らが被害男性の車を奪って被害男性を軟禁するといった行為もしているようですから、被害男性が抵抗できないほどの「暴行」を用いて被害男性から金品を巻き上げた=「他人の財物を強取した」と判断され、強盗罪となったのでしょう。

パパ活狩り」のような「〇〇狩り」と呼ばれる手口や「美人局(つつもたせ)」のような手口のゆすりたかりの類は、その言葉の印象から軽く感じられるかもしれませんが、強盗罪にも発展する犯罪です。
少年事件では、基本的に成人のように刑罰を受けることはありませんが、少年自身の年齢や事件の状況などから、逆送されて起訴され、刑事裁判を受けることも考えられます。
複数人で恐喝行為強盗行為をするということは悪質な犯罪行為ですから、更生のためには根本的に環境を変える必要があると判断されて少年院送致などの強い処分が取られる可能性もあります。
適切な処分を目指し、かつ、再犯を防止して更生を目指すためにも、早めに少年事件刑事事件を扱う弁護士からサポートを受けることをおすすめします。

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