(事例紹介)客引きをして迷惑防止条例違反で逮捕された事例
(事例紹介)客引きをして迷惑防止条例違反で逮捕された事例
~事例~
大阪・ミナミの繁華街でキャバクラの客引きをしたとして、大阪府警保安課は9日、府迷惑防止条例違反の疑いで、大阪府藤井寺市の無職少女(16)を現行犯逮捕した。容疑を認め、「逮捕されるほど悪いこととは知らなかった」と供述しているという。
逮捕容疑は9日午後8時40分ごろ、大阪市中央区宗右衛門町の路上で、私服の男性警察官に「キャバクラどうですか」などと声を掛け、客引きをしたとしている。
(後略)
(※2022年11月10日16:44産経新聞配信記事より引用)
~客引きと迷惑防止条例~
今回取り上げた事例では、16歳の少女が客引きをしたことによる大阪府迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されたと報道されています。
歓楽街・繁華街などでは、自分達の店に客を呼び込むために、通行人に対して店に勧誘する、客引きが行われることがあります。
客引きはいわゆる「キャッチ」と呼ばれることもあり、馴染みのあるものかもしれませんが、この客引き行為は、各都道府県の迷惑防止条例などによって規制されており、場合によっては今回の事例のように逮捕されるに至る違法な行為です。
大阪府迷惑防止条例第8条
第1項 何人も、公共の場所において、不特定の者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 次に掲げる行為について、客引き(ホに掲げる行為に係る利用者に対する勧誘を含む。)をすること。
ロ 接待(法第二条第三項に規定する接待をいう。以下この項において同じ。)をして飲食をさせる行為又はこれを仮装したものの提供
ハ 異性に対する好奇心をそそるような方法により客に接して飲食をさせる行為(酒類を提供するものに限り、かつ、接待をするものを除く。以下この項において同じ。)又はこれを仮装したものの提供
今回の事例で逮捕された少女が客引きしていたのはいわゆるキャバクラであり、キャバクラは「接待」をして飲食を提供する場所であるため、大阪府迷惑防止条例の客引き禁止の対象になります。
客引き行為は、大まかにいうと、特定の人に対してその店やサービスの客となるように勧誘することを指します。
報道では、少女は私服の男性警察官に「キャバクラどうですか」などと声をかけたとされていますが、通行人の中から特定の人に対して店に勧誘した行為が客引き行為であると判断されたのでしょう。
~客引きと風営法~
なお、客引き行為を禁止しているのは、各都道府県の迷惑防止条例だけではありません。
風営法では、以下のような、客引きを禁止する条文があります。
風営法第22条第1項
風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該営業に関し客引きをすること。
第2号 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
風営法の対象となるのは、「風俗営業を営む者」であり、各都道府県の迷惑防止条例よりも対象が限定的であるといえます。
そのため、風営法違反とならなかった客引きであっても迷惑防止条例違反として摘発・処罰される可能性があります。
今回取り上げた報道で少女が「逮捕されるほど悪いことと知らなかった」と話しているとされていますが、そもそも客引き行為自体が犯罪に当たるのだというイメージのない方も多いのではないでしょうか。
犯罪をしてしまえば、場合によって逮捕されるということは客引き行為もその他の行為も同じです。
犯罪に当たらないようにするということはもちろんのことですが、もしも客引き行為などで逮捕されてしまったら、迅速に対応を開始することが重要です。
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