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少年事件と逆送の流れ

2021-10-21

少年事件と逆送について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

札幌市内に住むA君(17歳)は、傷害致死罪でに逮捕、検察庁に送致された後勾留されました。その後、A君の事件は家庭裁判所に送致されましたが、少年審判で「刑事処分相当」であるとして「逆送決定」が出てしまいました。A君は、現在、留置場に収容されているようです。A君のご両親は今後のことが不安になって少年事件に詳しい弁護士に相談を申込みました。
(フィクションです)

~ 逆送とは ~

逆送とは、家庭裁判所の調査の過程、あるいは少年審判で本人が20歳以上であることが判明したとき(少年法19条2項、23条3項)、又は、家庭裁判所の審判において、刑事処分が相当であると判断されたとき(少年法20条1項)、あるいは、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件(※)であって、その罪を犯したときに少年が16歳以上だったとき(少年法20条2項)に、事件を家庭裁判所から検察官に送致される手続のことをいいます。手続的には、検察官から家庭裁判所へ送られた事件が、再度、家庭裁判所から検察官の元へ送られるわけですから「逆」送と呼ばれています。
逆送されれば、成人と同様の刑事手続に移行します。正式起訴されれば、成人同様、正式裁判を受けなければなりませんし、裁判で有罪となり裁判が確定すれば刑に服さなければなりません。前科も付きます。

※ 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件
原則的に検察官への送致を義務付ける事件で「原則逆送事件」とも呼ばれています。1997年に少年が起こした「神戸児童連続殺傷事件」を受け、平成 12年の少年法改正により新設された規定です。故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件とは、殺人罪(刑法199条)、傷害致死罪(205条)、強盗致死罪、強盗殺人罪(刑法240条)などがあります。

~ 逆送後の流れ(少年法20条の場合) ~

逆送後の流れを図にすると以下のとおりです。
家庭裁判所による逆送決定(①)

検察官送致(②)

強制起訴(③)(※)

裁判(④)

判決(⑤)

少年法20条の場合、少年の身柄は拘束されている場合がほとんどでしょう。①の段階では、まだ「少年鑑別所」にいます。しかし、②の段階になると、少年の身柄の措置は「観護措置」から「勾留」に変わります(呼称も少年から被疑者に変わる)。そして、被疑者(少年)の身柄は、捜査の便宜上、「少年鑑別所」から警察の留置施設(留置場)へ移されることもあります。勾留の期間は、検察官が事件の送致を受けた日から数えて10日間です。期間の延長(最大10日間)はほとんど認められないでしょう。
②の段階に入ると、検察、警察による連日の取調べなどを受けます。そして、嫌疑が固まりしだい起訴されます(③)。
※ 強制起訴と呼ばれていますが、次の場合は、起訴しないこともできるとされています(少年法45条5号但書)。
・送致を受けた事件の一部について公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がないとき
・犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追を相当でないと思料するとき
・送致後の情況により訴追を相当でないと思料するとき

起訴されれば、成人と同様の刑事手続で刑事裁判を受けなければなりません。事件が裁判員裁判対象事件である場合は、一般市民である裁判員6名の参加する合議体によって裁判が行われます。ただし、少年に対する刑事事件の審理は、少年のプライバシー等に配慮して行わなければならないとされています(少年法50条)。また、マスコミ等に対しては、刑事被告人が本人であることを推知させる記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならないことを求めている(少年法61条)など、一定の配慮をしています。

~本件における弁護活動~

逆送決定自体に対する不服申し立ては認められないと解されています。そこで、まずは、逆送決定が出る前に、少年の環境調整を行うなどして家庭裁判所(あるいは調査官に)に逆送決定は相当でない旨の意見書を提出します。次に、②段階での勾留に対する不服申し立て(準抗告)をすることが考えられます。不服申し立てが認められた場合は釈放されます。
起訴された場合は、裁判で、懲役刑や禁錮刑などの刑事罰ではなく、保護観察や少年院送致などの保護処分が相当である旨の主張を行います。この主張を行う前提として、当然、少年の環境調整を行っておく必要があることはいうまでもありません。この主張が認められた場合は、事件は再び家庭裁判所へ移送されます(55条移送)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

 

【少年による傷害事件】外国人少年が逮捕されてしまった場合の弁護活動

2021-10-14

少年が傷害事件で逮捕されてしまったケースを題材に、外国人少年事件の弁護活動などについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例:少年Aは、日用品を買うために入店したコンビニエンスストアにおいて、店員Vとトラブルとなった。
少年Aは、Vともみ合いになった後、Vを投げ飛ばすなどしてVに怪我を負わせた。
警察官は、少年Aを傷害の疑いで逮捕した。
なお、少年Aは外国人(外国籍)であった。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~暴行罪と傷害罪~

本件において、少年AはVに対する傷害の容疑で逮捕されています。
刑法204条は「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と、傷害罪について定めています。
また208条は、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と、暴行罪についての定めを置いています。
両条を見ると法定刑の重さや「傷害」結果が生じていることからも、当然のことながら傷害罪の方が重い罪だということが確認できます。
本件では、少年Aの暴行によってVに傷害の結果が生じてしまったことは明らかであり、上記204条の要件それ自体は満たしています。
もっとも、刑法38条1項本文は「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」といわゆる故意犯処罰を原則とする規定を置いています。
つまり、犯罪が成立するためには犯罪を行った者に「罪を犯す意思」(故意)があることが前提となるのです(ここでは、209条以下の過失傷害の罪に関しては触れないこととします)。

では、仮に本件で少年Aに暴行罪(上記208条)の故意はあるが、傷害罪(上記204条)までの故意はなかった場合にも傷害罪は成立するのでしょうか。
上述した208条を再度引用すると、同条は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に暴行罪が成立するとしています。
これは、判例通説上、暴行から「傷害」結果が発生した場合には、暴行罪の結果的加重犯としての傷害罪が成立する旨の規定であると解されています。
結果的加重犯とは、ある基本的な犯罪から意図しないより重い結果が発生した場合に成立する罪のことをいいます。
つまり、暴行罪の故意しか有していない場合でも、暴行により「傷害」結果を生じさせてしまった場合には傷害罪が成立することになります。
したがって、本件でも仮に少年Aが暴行の故意しか有していないとしても、Vに怪我を負わせてしまった以上は傷害罪(204条)が成立することに注意が必要です(なお、本件のような態様の暴行行為であれば、通常は傷害の故意まで認められるものと思われます)。

~外国人少年事件における弁護活動~

本件で逮捕されてしまった少年は、日本国籍を有しない外国籍の外国人です。
令和2年版犯罪白書によると、令和元年(統計上2019年と同義)の刑法犯検挙人員総数における外国人の割合は5パーセント程度となっています。
この中には、成人の外国人のみならず、外国人による少年事件も含まれることになります。
弁護士は、少年を含め逮捕された者と接見(面会)を行う特権を有しています(刑事訴訟法39条1項参照)。
一口に外国人といってもその日本語能力は様々であり、未成年の少年である場合には注意が必要です。
特に法律や手続の説明を日本語で理解できるかは個々人の来歴や年齢等によるため、日常のコミュニケーションには不都合がなくとも、通訳人を介した接見(面会)を行うことを要する場合もあると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、外国人の少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
弊所では、外国人事件の弁護士による接見(面会)も承っております。
傷害事件で逮捕されてしまった少年のご家族等は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはお電話ください。

脅迫罪と不処分

2021-10-07

脅迫罪と不処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

兵庫県内に住む高校生(16歳)のAくんは、友人VのSNSのコメント欄に「調子に乗るなよ。家に火をつけようか。熱いだろうな」などと書きこんでしまいました。Vは恐怖し、親に相談したところ、親は激怒して警察署に被害届を提出しました。ある日、Aくんの自宅に少年係の警察官が現れ、「SNSのことで聞きたいことがある」と告げ、A君は任意同行されてしまいました。
Aくんはその晩帰宅できましたが、今後どうなってしまうのか不安です。Aくんの両親から相談を受けた弁護士は、脅迫罪に当たる可能性があることを指摘したうえで、不処分を目指すことを提案しました。(フィクションです)

~脅迫罪~

脅迫罪は刑法222条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫罪の「人」とは、脅迫罪が個人の意思の自由を保護する罪である以上、その自由を享受し得る自然人を意味し、会社である法人は含まれないと解されています。
もっとも、法人の財産等に対する害悪の告知が、間接的に自然人に対する害悪の告知と解される場合も十分にあり得るところで、その場合は、やはり脅迫罪に問われる可能性があるといえます。

害を加える旨の告知(害悪の告知)とは、一般に人を畏怖させるに足りることを伝えることです。

生命に対する害悪の告知・・・「別れるくらいなら、あなた(あるいは親族)を殺す。」
身体に対する害悪の告知・・・「五体不満足にしてやる。」
自由に対する害悪の告知・・・「この街を安全に歩けると思うなよ。」
名誉に対する害悪の告知・・・●●をネットに掲載する、SNSで拡散する
財産に対する害悪の告知・・・「あなた(あるいは親族)の家に火をつけてやる。」 など

害悪の告知の方法に制限はありません。
加害者に直接会って言った場合はもちろん、電話、メール、FAXを使って伝えた場合などでも脅迫罪が成立する可能性があります。

~不処分~

不処分(決定)とは、家庭裁判所における少年審判の結果、保護処分に付することができないとき、又は保護処分に付するまでの必要がないと認めるときに、保護処分に付さない旨の決定のことをいいます。
「保護処分に付することができないとき」とは、非行事実の存在が認められない場合などが当たります。「非行事実の存在が認められない場合」とは、少年の非行事実の存在について、合理的疑いを超える心証が得られない場合をいいます。成人でいえば「無罪判決」に相当します。
「保護処分に付するまでの必要がないとき」とは、審判までに少年が更生し、要保護性がなくなった場合や試験観察期間中の少年の生活態度からさらに保護処分を行う必要がなくなった場合などが当たります。調査や審判の過程で、調査官などによる教育的な働きかけによって、少年の問題点が改善され、要保護性がなくなった場合をいいます。
不処分決定を受けることができれば、少年院送致、保護観察などの保護処分を受けることはありません。

~不処分決定を受けるための弁護活動 ~

付添人(弁護人)としては、調査の過程で、少年に対して教育的な働きかけを行っていき、少年の事件に対する反省を深めさせたり、生活環境を整えていったりしていきます。そして、その結果を、家庭裁判所調査官に書面などで報告します。家庭裁判所調査官は、その報告書や自ら調査した結果などをもとに、家庭裁判所に対し、処分に関する意見を上申することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。少年事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談等を24時間受け付けております。

淫行と不処分

2021-09-30

淫行と不処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大学生のA君は、18歳未満のVさんと性交したとして警察に青少年健全育成条例違反(淫行の罪)で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたA君の母親は少年事件に強い弁護士にA君との接見を依頼しました。A君は接見に来た弁護士に「Vさんとは交際中だったので納得がいかない。」と話しています。
(フィクションです。)

~少年と淫行の罪~

少年とは20歳未満の者をいいます。
淫行の罪といえば、18歳未満の少年(少女)が被害者、というイメージですが、その少年が反対の加害者、つまり被疑者の立場となり得ることもあります。
淫行の罪を規定する青少年健全育成条例では、

何人も、青少年に対しいん行またはわいせつな行為をしてはならない

としており、犯罪の主体(加害者)について何ら限定していないからです。
もっとも、少年同士の淫行事案だと、交際中、恋愛中の性交だったと主張したくなる場合もあるでしょう。
真実、交際中、恋愛中の性交であると認められる場合は「淫行」にはあたりません。もっとも、その当否については慎重に検討する必要があります。

~不処分決定~

家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、または、保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければなりません。
この決定を、「不処分決定」といいます。

このように、不処分決定には、
(1)家庭裁判所が保護処分に付することができないと認めた場合、になされるものと、
(2)家庭裁判所が保護処分に付する必要がないと認めた場合、になされるもの
の2種類があります。

(1)保護処分に付することができない場合の不処分決定
法律上または事実上、保護処分に付することができない場合には、裁判所は不処分決定としなければなりません。
具体的には、非行事実の存在が認められない場合、少年に心神喪失、死亡、所在不明、疾病、海外居住等の事情が生じた場合、そして審判条件を欠く場合などです。

(2)保護処分に付する必要がない場合の不処分決定
事件について、要保護性が存在しない、または小さくなっていることから、保護処分に付する必要がなく、児童福祉法上の措置や刑事処分の必要もない場合には、家庭裁判所は不処分決定とします。
例えば、調査・審判の過程で、関係者による働きかけが行われた結果、要保護性が解消され、再非行の危険性がなくなった場合には、不処分決定がなされます。
また、別件で関係者による働きかけが行われていたり、保護処分に付されているために本件では特に処分をする必要がないと認められる場合もあります。

非行事実に争いのない場合、関係者による働きかけが講じられた結果、要保護性が解消したため保護処分に付する必要がないとして、不処分決定がなされることが多いです。
この働きかけは、家庭裁判所の調査官や裁判官による指示、説諭、訓戒、誓約書徴取だけでなく、審判手続を経ること自体や観護措置による少年鑑別所での処遇も含まれます。
そして、付添人による少年に対する働きかけも重要です。
付添人は、少年の内省への働きかけ、被害者への謝罪・被害弁償、家庭環境や学校環境、交友関係等の環境調整を行い、少年の要保護性を解消することにより、保護処分に付する必要性がないと裁判官に認めてもらうよう働きかけます。

上のケースにおいても、捜査段階からしっかりと環境調整をしていくことで、審判では要保護性が解消されたと認められ、不処分決定が言い渡される可能性はありますので、できるだけ早くから働きかけることが大切です。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
少年事件は、成人の刑事事件とは異なる部分も多いため、少年事件の特色について把握している経験豊富な弁護士であれば、迅速かつ適切な活動を期待できるからです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。お子様が事件を起こしてしまい、対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

万引きと保護観察

2021-09-23

 

万引きと保護観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

高校生ののA君(16歳)は、コンビニで万引きをした件で、福岡県若松警察署に窃盗罪で逮捕されました。その後、A君は「勾留に代わる観護措置」の結果、少年鑑別所に収容されました。そして、収容から8日後、検察官による家庭裁判所送致によって事件は検察庁から家庭裁判所へ送致されました。そして、A君の身柄は引き続き少年鑑別所で収容されることになりました。一刻もはやい少年鑑別所からの釈放を望んでいるA君の両親は、少年事件に強い弁護士にA君との接見を依頼し、今後について相談することにしました。
(フィクションです)

~家庭裁判所までの流れ~

A君は、現在、「勾留に代わる観護措置決定」により少年鑑別所に収容されています。
これは、Aさんの万引き事件(刑事事件)が家庭裁判所に送致される前の少年に対する身柄措置の一種で、期間は、検察官が万引き事件の送致を受けた日から10日間と決まっています。
もちろん、この決定に対しては、準抗告申立てなどの不服申し立て手段を取ってAさんの釈放を求めていくことが可能です。
仮に、不服申し立てが認められず、万引き事件が家庭裁判所に送致された場合、Aさんは引き続き少年鑑別所に収容されたままになります。よって、A君の釈放を求める場合、Aさんの万引き事件が家庭裁判所に送致される前か同時期に、家庭裁判所に対して意見書等を提出するなどする必要があります。
家庭裁判所送致後の少年鑑別所における収容期間は、はじめ裁判所に万引き事件の送致があった日から2週間で、特に継続の必要があるときは1回に限り更新することができます(また、特別事由がある場合は、さらに2回の更新が認められています)。
仮に、意見書等を提出してもAさんが釈放されなかった場合は、さらに異議申立てにより釈放を求めていくことが可能です。

~保護観察を獲得するために~

事件が家庭裁判所に送致された後は、少年審判を開くかどうか、開くとしていかなる処分を下すのかが決められます。
処分には保護処分を下さない不処分、保護処分の中には少年院送致、保護観察などがあります。

「保護観察」は、少年を家庭や職場に置いたまま、保護観察所の行う指導監督と補導援護によって、少年の改善更生を図る社会内処遇です。
保護観察の期間は、対象者が20歳に達するまでとされますが、保護観察が決定した時から20歳になるまで2年に満たない場合には、期間は2年となります。
保護観察期間中であっても、対象者の状態に応じて、解除や一時解除が認められます。

このように、審判において保護観察処分が言い渡されると、少年は家庭や職場に身を置いたまま、定期的に保護観察官や保護司と連絡をとり、現状について報告を行った上で、指導・助言を受けることになります。
施設に収容されることなく社会内で生活を送ることができるため、社会と切り離されることがありません。

家庭裁判所が保護観察を終局決定とするには、裁判官が少年の更生には社会内処遇で足りると判断することが必要です。
逆に言えば、もし、裁判官が当該少年がきちんと更生するには矯正施設に入れる必要があると判断したのであれば、保護観察ではなく少年院や児童自立支援施設等への送致を選ぶ可能性があるのです。

万引きで保護観察を獲得するにはまずは、被害者に対して、被害弁償を行う必要があります。
成人の刑事事件のように、被害者への被害弁償や示談成立の有無が、処分に直接大きく影響するものではありませんが、被害者対応を通じて、少年の内省を深めることができたと評価される要素となります。

お子様が事件を起こし、対応にお困りの方は、今すぐ刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が、お子様の更生に向けて尽力致します。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

少年が保護責任者遺棄致死罪で逮捕

2021-09-16

少年と保護責任者遺棄致死罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大阪市に住む18歳の女子高生Aさんは、急に産気づいたため、近くのトイレに駆け込み子を出産しました。しかし、自宅に連れて帰ることもできず、また、自身で育てることもできなかったので、そのままトイレに置いて帰宅しました。数時間後、トイレから鳴き声を聞いた近隣住民と警察官により、新生児は無事に保護されました。Aは後日、警察に保護責任者遺棄罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~保護責任者遺棄致死罪~

幼年者や病者等を保護する責任のある者がそのこれらの者の生存に必要な保護をせず、死亡させた場合には、刑法第219条の保護責任者遺棄致死罪が成立します。
どのような立場の者が「保護責任者」にあたるかは、事案によって様々ですが、嬰児の親が「保護責任者」にあたることはほぼ争いがないといえます。
したがって、Aさんは「保護責任者」といえます。
また、生存に必要な保護をしないことは厳密にいえば「遺棄」ではなく、「不保護」にあたるのですが、このような「不保護」についても保護責任者遺棄致死罪が成立しえます。
トイレにそのまま放置することは、嬰児が生存するのに必要な保護をしていないとして「不保護」といえます。
その結果、嬰児を死亡させているため、Aさんは保護責任者遺棄致死罪で逮捕されているのです。

なお、仮に上の事案で、殺意をもって死亡させたという場合には、保護責任者遺棄致死罪ではなく、刑法第199条の殺人罪が成立する可能性があります。
殺意があるかどうかは、客観的・具体的な事実を基に判断されますが、長期的に食べ物を与えていない等の事実があれば、殺意があると判断されることもあるでしょう。

保護責任者遺棄致死罪の法定刑は、3年以上の懲役であり、起訴された場合にはこのような刑が科される場合があります。
また、上述の通り殺人罪が成立する可能性もあるので、逮捕された場合には刑事事件に強い弁護士に無料法律相談や初回接見の依頼をすることをお勧めします。
弁護活動の内容によっては、逮捕・勾留に伴う身体拘束から解放されたり、執行猶予付の判決が認められたりする場合もあります。
保護責任者遺棄致死罪でお困りの方ははやめに弁護士に相談する必要があります。

~少年事件の接見の重要性~

少年事件において接見は重要です。
少年の場合、精神的に未熟であるがゆえに、身柄を拘束されると成人以上に落胆の度合いが大きく、将来について悲観的になりがちです。そのため、ときに捜査官の取調べにに迎合して虚偽の自白をしたり、自らの意図とは関係のない話をしてしまうおそれがあるからです。

警察から「お子様を逮捕した」、との連絡が入り、弁護士とお子様との接見を希望される場合は、まず幣所のフリーダイヤル0120-631-881までお電話していただく必要があります。24時間、専門の事務員が電話を受け付けております(いつ逮捕されるか分かりません)。
接見を希望される場合、事務員が親御様からお聞きした情報を基に、お子様がいずれの留置場に拘束されているのか調べます。その上で、接見にかかる弁護士費用を算出の上、金額などにご納得していただけるのであれば、速やかに弁護士を派遣する手続きを取ります。
(なお、弁護士の都合やお子様の予定(取調べなど)などによってはご希望の日、時間に弁護士を派遣できないこともあります。また、当接見は1回のみで、その後の接見や弁護活動をお希望される場合は、委任契約を結んでいただく必要がございます。)

弁護士が接見した後は、ご依頼者様に接見の報告をいたします。
お子様が疑われている罪の内容、お子様の話、今後の事件の見通しや、取るべき対策などについてアドバイスさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間体制で、無料法律相談・初回接見の予約を受け付けております。

【業務妨害事件】少年が爆破予告で逮捕・少年事件における実名報道

2021-09-09

少年が業務妨害で逮捕されてしまった事例を題材に、少年事件の実名報道などについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例:少年A(18歳)は、その気がないのに、爆破事件を起こすと虚偽の予告を行った。
これにより、警察が出動する騒ぎになった。
警察官は、少年Aを偽計業務妨害の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~公務執行妨害罪とその他の業務妨害罪~

まずAの行為は、警察活動という「公務」を妨害したとして、公務執行妨害罪に当たるのではないかということが考えられます。
この点、刑法95条1項は「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」と規定しています。
本条を見れば明らかであるように、公務執行妨害罪によって保護される「公務」とは、「暴行又は脅迫」を手段としたものに限られることになります。
よって、本件では「暴行」や「脅迫」が用いられていないため、公務執行妨害罪が成立することはありません。

次に問題となるのが、刑法223条および224条の業務妨害罪です。
223条は「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」とし、224条は「威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による」と定めています。
本件では、「威力」が用いられていないため、専ら前者の223条の「偽計」業務妨害罪の成否を検討することになります。
本件では、虚偽の犯罪予告を行っており、「偽計を用いて」いることは明白といえます。
さらに、本条にいう「業務」に公務が含まれるかが問題となりますが、裁判例(東京高判平成21年3月12日)は「妨害された警察の公務(業務)は、強制力を付与された権力的なものを含めて、その全体が、本罪の対象となる」と判示し、「業務」には公務が含まれるとしています。
有力な学説は、その理由として、偽計による妨害を自力で排除することは難しい以上は、強制力を付与された権力的な公務も「業務」に含めて保護する必要があることを挙げています。
したがって、本件のような権力的な公務に対しても、「偽計を用いて」「その業務を妨害した」として少年Aの行為に偽計業務妨害罪(刑法223条)が成立します。

~報道における成人事件と少年事件との違い~ 

通常の刑事手続を経ることになる成人事件と、少年法の適用対象である少年事件の違いとして理解しておきたいのは報道に関する差異です。
刑事事件を起こしてしまった場合、被疑者となる本人やそのご家族がまず心配するのが実名報道の有無です。
いわゆる通常の刑事事件(成人事件)においては、逮捕等のタイミングで実名報道されてしまうことが少なくありません。
これに対し、少年事件においては少年法の明文によって実名報道は法律上禁止されているのです。

少年法は、「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない」と規定しています(61条)。
同条は「家庭裁判所の審判に付された少年」又は「少年のとき犯した罪により公訴を提起された者」としていますが、それ以前(逮捕段階など)の家裁送致前にも適用されるものと解されています。
なお、推知報道の禁止に関しては2021年5月に成立した改正少年法において、一部例外が認められたことから、施行時期なども含め注意を要します(2022年4月施行)。
以上のような点を含め少年事件においては、成人の通常の刑事事件との違いに十分に留意した弁護活動が求められることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
仮に本事例のように逮捕までは至らなかった場合でも、事情聴取・取調べ対応を含め、刑事事件・少年事件の専門知識を有する弁護士に相談することが重要です。
業務妨害事件を起こしてしまった少年のご家族は、24時間対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)まで まずはお問い合わせください。

 

少年と強制わいせつ

2021-09-01

少年と強制わいせつについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

中学生のA君(15歳)は、自宅マンションの駐輪場で、面識のあったⅤちゃんに自分の陰茎を触らせたりするなどのわいせつな行為をしたとして警察に強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。A君には本件以外にも同様の余罪があるようです。A君の両親は今後のことが不安になって弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~強制わいせつ罪~

強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。 

「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、殴る、蹴る、叩く、首を絞める、馬乗りになるなどが「暴行」の典型ですが、そのほかAさんのようにわいせつ行為の手段として腕を引っ張る、羽交い絞めにするなどの行為も「暴行」に当たります。
「わいせつ行為」については、膣を触る、陰部に手を入れる、乳房を揉む、相手方の感情を無視したキスなどが典型です。

また、A君の行為態様によっては強制性交等罪に問われる可能性もあります。
強制性交等罪は強制わいせつ罪よりさらに重たい罪です。
強制性交等罪は刑法177条に規定されています。

刑法177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も同様とする。

なお、被害者が13歳未満の場合、強制わいせつ罪も強制性交等罪も性的な行為を行っただけで成立する可能性があります。

~少年審判~

家庭裁判所での調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときは、審判開始決定がなされます。
少年審判では、必要に応じて、①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致といった、保護処分が言い渡されます。
これに対し、いずれの保護処分にも付する必要がないと認められれば、何らの処分も行わない不処分決定がなされます。

少年審判が開始された場合において、Aくんにもっとも負担がかからないのは、不処分決定を獲得することです。
不処分決定を獲得するためには、審判開始決定がなされる前から、Aくんに真摯な内省を促し、家庭環境を調整するなどして、Aくんの監護態勢を整えておく必要があります。
どのようにすれば説得的な環境調整ができるのか、という点については、少年事件を専門とする弁護士の助言が大いに役立つでしょう。
お子様がケースのような事件を起こしてしまった場合には、なるべく早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。お子様が刑事事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

事後強盗で子供が逮捕

2021-08-19

事後強盗で子供が逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。  

高校生のA君(16歳)は、コンビニエンスストアで菓子パン1個(時価108円相当)を万引きしました。ところが、Aさんは、店外の駐車場に出たところで店員Vさんに「万引きしたでしょ」と声をかけられましたが、Vさんの右頬を右拳で1発殴ってその場から逃げました。後日、防犯ビデオ映像などからAさんの犯行であることが判明し、Aさんは事後強盗罪で逮捕されました。
(フィクションです)

~事後強盗罪~

事後強盗罪とは、窃盗犯人が、手に入れた物の取返しや逮捕などを免れるため、追跡してきた人に暴行・脅迫を加えたことで成立する犯罪で強盗罪の一種です。
万引きならば窃盗罪として10年以下の懲役ですが、事後強盗罪は5年以上の有期懲役と窃盗罪よりも格段に刑が重くなります。

事後強盗罪は、強盗罪の一種ですから、暴行・脅迫は追跡者、逮捕者の反抗を抑圧するに足りる程度のものでなければならないとされています。また、判例は暴行・脅迫は「窃盗の現場」、又は少なくとも「窃盗の機会の継続中」になされることを要するとしています(最決昭和33年10月31日等)。ちなみに、Aさんが暴行を加えた場所はコンビニの駐車場ですが、店の一部であることなどから「窃盗の現場」と言えることは明らかでしょう。

~少年事件の弁護活動~

少年事件における弁護活動はどんなものがあるのでしょうか?
少年事件における主な弁護活動は以下のとおりです。
まず、逮捕、勾留段階では関係機関に意見書などを提出するなどして、釈放に向けた弁護活動を行います。
家庭裁判所送致後はご家族様はもちろん、家庭裁判所調査官、場合によっては学校などの関係機関、関係者と協議するなどして少年の環境調整に努めます。  
これは、少年事件の場合、少年審判において「少年院送致」「保護観察」「児童自立支援施設または児童養護施設送致」のいずれかの保 護処分が下されることが予想されるところ、釈放後の環境が整っていればいるほど保護観察という軽い保護処分を受ける可能性が高くなる からです。また、場合によっては保護処分すら下されない「不処分」の決定が出る場合もあります。なお、場合によっては、上記と同様、少年の釈放に向けた弁護活動も行います。

また、事後強盗罪は強盗罪は財産犯の一部ですから、被害や被害額はどれほどだったのか、それに対して被害弁償、慰謝の措置は取れているのかがまず重要視されるものと思われます。
ですから、刑事弁護としては、まず、逮捕された方からじっくりと話しを聴き、事実を認めるのであれば被害弁償、慰謝の措置に向けた行動をとる必要があります。
また、強盗とはいえ、本質は万引きです。
万引きは再犯のおそれが高い犯罪だと言われていますから、被害弁償、慰謝の措置と同時に、再犯防止に向けた具体策を決め、その結果を検察官や裁判官にアピールしていかなければなりません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。弊所では、これまで多数の少年事件を取り扱っており、少年事件における知識・経験とも豊富です。少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までご連絡お待ちしております。

少年と器物損壊罪

2021-08-12

少年と器物損壊罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

高校3年生のA君(17歳)は、受験勉強のストレスを発散するため、マンションの駐輪場に停めてあった自転車に自己の精液をかけました。ところが、A君は、ある日突然、警察官から警察署に出頭するよう要請されました。駐輪場に設置されていた防犯ビデオの映像などからA君の犯行であることが判明したようです。A君やA君の両親は今後のことが不安になって弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~少年と器物損壊罪~

器物損壊罪は、刑法261条に規定されています。

刑法261条
 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

「前三条に規定するもの」とは、公用文書等(刑法258条)、私用文書等(刑法259条)、建造物等(刑法260条)を指します。よって、器物損壊罪の対象(客体=「他人の物」)とは、これら以外の有体物ということになります。ちなみに、動物も「物」に含まれます。
ここでの「損壊」とは動物以外への毀棄、「傷害」とは動物に対する毀棄をいいます。毀棄とは、物理的な毀損・破壊行為のみならず、ひろく物の本来の効用を失わせる行為を含むと解されています。
この点、他人の自転車に精液をかける行為も損壊にあたることから、A君は器物損壊の疑いで警察官から出頭要請を受けています。
器物損壊罪の罰則は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっていますが、A君は20歳未満の少年ですから、原則としてこれらの刑罰を受けることはありません。

ただ、少年法によれば、家庭裁判所は、少年審判を開始した事件につき、一定の場合を除き、保護処分を行わなければならない、としています(少年法第24条)。

保護処分には、
・保護観察処分
・少年院送致
・児童自立支援施設又は児童養護施設送致
の3種類があります。

一方、保護処分が行われない場合として、
・調査の結果、児童福祉法の規定による措置を相当と認めるとき(少年法第23条1項・18条1項)
・死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき(少年法第23条1項・20条1項)
・審判の結果、保護処分に付することができず、又は保護処分に付する必要がないと認めるとき(少年法第23条2項)
・審判の結果、本人が二十歳以上であることが判明した場合(少年法第23条3項)
があります。

少年審判とは、家庭裁判所において、少年が本当に非行(罪)を犯したかどうかを確認した上、非行の内容や少年個々人が抱える問題点に応じて、適切な処分を決めるための手続きです。

少年審判は必ず開かれるわけではありません。
家庭裁判所は、調査の結果、①審判に付することができず、又は②審判に付するのが相当でないと認めるときは、少年審判を開始しない決定を出すことができます(少年法19条1項)。
これが「審判不開始」決定です。

①審判に付することができないときとは、非行事実の存在の蓋然性がない場合などが挙げられます。
②審判に付するのが相当でないと認めるときとは、事案が軽微であったり、少年が十分に反省しており、更生のための環境も整っているなど要保護性が低い場合などが挙げられます。

審判不開始決定が出されるのは、多くは②の場合です。
ですから、少年審判を回避したければ、裁判所に対し、少年の反省具合、更生のための環境が整っていることなどをしっかりアピールしなければなりません。
また、それと併行して、被害者に被害弁償、示談等を行っていくことも大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件のみを専門に扱う法律事務所で、少年事件にも精通した弁護士が所属しています。
弊所では、少年事件でお困りの方のための無料法律相談等を24時間いつでも受け付けています。

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