(事例解説)少年による万引き事件と少年事件の流れ
(事例解説)少年による万引き事件と少年事件の流れ
今回は、少年が万引き事件を起こした事例をもとに、万引きで問われる罪や少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
・参考事例
男子高校生A(17)は、夜遅くに友人たちとコンビニを訪れました。
Aはアイスクリームをポケットに忍ばせ、店を出ようとしたところを店長に目撃されます。
店長が声をかけた際、Aは逃げようとしましたが、店員たちによって取り押さえられ、警察に通報されました。
警察の調べに対し、Aは「欲しかったから」と容疑を認めました。
(※この事例は全てフィクションです。)
・万引きで問われる罪
万引きは、法律上、窃盗罪として扱われます。
窃盗罪は、他人の財物を盗む行為を指し、刑法第235条により定義されています。
この条文には、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と記されており、万引きを含むあらゆる窃盗行為がこの罪に該当することが明示されています。
万引きが窃盗罪にあたる理由は、所有者の意に反して財物を奪う行為が、その財物の所有権を侵害するからです。
財物を無断で持ち去ることは、その財物に対する所有者の権利を無視する行為とみなされ、社会秩序を乱す行為として法律によって禁止されています。
窃盗罪の刑罰が10年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められているのは、窃盗行為が個人の財産権を侵害する重大な犯罪であることを反映しています。
万引きのような比較的小規模な窃盗行為であっても、被害者にとっては財産の損失を意味し、社会全体にとっては信頼関係の毀損や不安の増大を招く可能性があります。
・少年が万引き事件を起こすとどうなる?
万引きを行った者が未成年者(20歳未満)である場合、その処遇には少年法が適用されることがあります。しかし、その基本的な扱いは、窃盗罪としての認識に変わりはありません。
未成年者であっても、万引きは犯罪行為として適切に対処され、必要に応じて更生を促す措置が講じられます。
未成年者が犯罪を犯した場合、その法的処遇は成人犯罪者とは異なるアプローチが取られます。
少年法は、未成年者が犯した犯罪に対して、単に罰を与えるのではなく、その背景や原因を考慮し、未成年者の更生を支援することを目的としています。
この法律は、未成年者を犯罪から守り、健全な成長を促すための措置を定めており、未成年者の犯罪行為を社会的な問題として捉え、包括的な支援を提供することを目指しています。
未成年者が犯罪を犯した場合、家庭裁判所による少年審判が行われます。
この審判では、未成年者の年齢、犯罪の性質、背景、家庭環境、これまでの生活態度などが総合的に考慮され、最も適切な措置が決定されます。
措置には、保護観察、児童自立支援施設送致、少年院送致などがあり、重点は未成年者の更生と社会復帰に置かれます。
未成年者の犯罪行為に対する法的処遇の目的は、罰することではなく、未成年者が再び同じ過ちを犯さないように支援することにあります。
このため、更生プログラムや教育、カウンセリングなど、未成年者が社会に再び適応できるような支援が提供されます。
未成年者の犯罪行為に対するこのようなアプローチは、未成年者自身の将来だけでなく、社会全体の安全と秩序を守る上で非常に重要です。
このように、少年事件は成人が刑事事件を起こした場合と手続きや流れが異なるため、今後の見通しや流れなどについて把握できる方は多くありません。
そのためにも、子どもが事件を起こしてしまったという場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談することで、少年事件の流れの詳細やお子様の現在おかれている状況、今後の流れや見通しについて詳しく説明を受ける事ができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、少年事件・刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
大切な子どもが刑事事件を起こしてしまったという方や、急に子どもが逮捕されてしまって不安になっている方は、まずは弊所までご相談ください。