(事例紹介)少年事件で下される「保護観察」処分とは?

2023-12-13

少年 保護観察とは

今回は、沖縄県で起きた少年事件で少年らに保護観察処分が下された事例をもとに、少年事件で下される「保護観察」処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

那覇市内にある公園で9月、外国人女性がショルダーバッグをひったくられた事件で、那覇家庭裁判所は12日までに、窃盗の非行内容で家裁送致されていた17歳の男子高校生3人の少年審判を開き、それぞれ保護観察処分とすることを決めました。(以下略)
(※12/13に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「外国人女性からショルダーバッグをひったくる 高校生3人を保護観察処分に 那覇家裁」記事の一部を変更して引用しています。)

・「保護観察」処分とは

保護観察処分とは、事件を起こした少年に対して家庭裁判所が下す保護処分の一つです。

そもそも、20歳未満の少年が刑事事件を起こした場合は少年法が適用され、原則全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された後は、家庭裁判所による少年の調査が行われ、必要に応じて審判が開かれ、最終的に少年に対する保護処分が下されます。

保護処分とは、懲役刑や罰金刑といった刑事処分とは異なり、少年を更生させることを目的とした処分です。
刑事処分ではないため、保護処分を受けたことは前科にはなりません。

保護処分には、保護観察の他に、児童自立支援施設・児童養護施設送致少年院送致などの種類がありますが、今回は保護観察について解説していきます。

保護観察は、児童自立支援施設・児童養護施設送致や少年院送致のような施設への入所が必要な保護処分とは異なり、社会の中で生活しながら更生を目指す保護処分です。
保護観察処分が下された後は、保護観察期間中に守らないといけないルール(遵守事項)が決められ、これに違反しないように生活をしていく必要があります。

また、保護観察期間中は、保護観察官や保護司と定期的に面談や連絡を行い、生活状況などのチェックを受けることになります。
遵守事項を守って生活をしていれば特に問題ありませんが、保護観察期間中に遵守事項を破ったり問題を起こしてしまったりすると、必要に応じて少年院へ収容される可能性もあります。

・子どもが事件を起こしてしまったら弁護士へ

今回は、保護観察処分について解説してきました。
保護観察は施設に入所せずに社会生活の中で更生を目指す保護処分なので、児童自立支援施設・児童養護施設送致や少年院送致に比べると比較的負担は少ないです。

お子様が事件を起こしてしまってどうすればいいか分からないと不安になっている方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
ただ、少年事件は成人の刑事事件とは流れや手続き、弁護士の活動内容が異なるため、弁護士の中でも少年事件を担当した経験が豊富な弁護士に相談することが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
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