コンビニ店員レジ係の窃盗事件で示談解決

2020-05-08

窃盗事件・横領事件の示談解決について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

大阪市北区在住のAさん(16歳少年)は、コンビニでレジ係のアルバイトをしていたところ、月に1,2回の頻度で、レジ内の現金を抜き取って、自分の物にしていた。
あるとき、コンビニ店長にAさんのレジ現金窃盗行為が発覚し、Aさんは店長から呼び出しを受けて、窃盗行為の経緯について詳しく話を聞かれた。
Aさんは、Aさんの両親に事件のことを相談し、両親とともに刑事事件に強い弁護士に法律相談することで、なんとか警察への被害届が出される前に、コンビニ側と示談交渉を行って、事件を早期解決することを弁護士に依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~コンビニのレジ店員の窃盗・横領の刑事処罰~

コンビニのレジ係が、レジ内の現金を抜き取って自分の物にした場合には、刑法の「窃盗罪」に該当して、「10年以上の懲役又は50万円以下の罰金」という刑事処罰を受けます。

・刑法235条(窃盗)
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

他方で、コンビニ店長などの「コンビニ経営や商品納入等に携わっていて、レジ内の金品を管理する立場にある人」が、レジ内の現金を抜き取って自分の物にした場合には、刑法の「業務上横領罪」に該当して、「10年以下の懲役」という刑事処罰を受けます。
「横領」とは、自分が保管などを任された他人の物を、自分の物にしてしまう行為をいいます。
レジ内の現金を管理する立場にあって、レジ内の占有があると判断されれば「業務上横領罪」が成立し、他方で、アルバイトの立場でレジ内の占有が無ければ「窃盗罪」が成立すると考えられます。

・刑法253条(業務上横領)
「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。」

~少年事件の少年審判の流れ~

20歳未満の少年が犯罪を起こした場合の手続の流れは、成人の刑事事件手続の流れとは異なります。
一般的に成人の刑事事件では、警察の取調べによる調書作りや証拠集めが終わった後に、事件が検察庁に送られて、検察官による事件の起訴・不起訴の判断が行われ、懲役刑・罰金刑・不起訴処分などの刑事処罰の求刑判断がなされます。

一方で、少年事件の場合には、警察取調べ段階の終了後に、事件が家庭裁判所に送られて、
少年の普段の素行や家庭環境・学校環境の調査が行われ、少年審判に付されます。
家庭裁判所の少年審判では、刑事処罰を受けることは無く、家庭裁判所調査官による調査結果をもとに、少年に対する保護処分として、少年院送致児童自立支援施設送致保護観察処分不処分などの判断がなされます。

~窃盗事件・横領事件の示談解決~

窃盗行為・横領行為が発覚した場合には、弁護士と相談した上で、できるだけ早い時期に、被害者側との示談交渉を行うことが重要です。
被害者が警察に被害届を出す前の段階で、示談交渉に長けた弁護士が示談を仲介する形で、被害金額の返還、被害者への謝罪を真摯に行い、被害者側に許してもらう形の示談が成立すれば、窃盗事件・横領事件を公にしたくない会社(被害者)側が、警察に被害届を提出せず、刑事事件とはならないケースも考えられます。

たとえ、被害者側が警察に被害届を出した後のケースであっても、弁護士の助言のもとで被害者側との示談が成立し、被害者の許しを得ている事情があれば、他に不利な事情がない場合(初犯である、被害額が小さい等)には、不起訴・不処分となる可能性が高まります。

コンビニ店員レジ係窃盗事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

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