少年事件と示談

2020-04-27

少年事件と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

兵庫県加古川市にある商業施設内のエスカレーターで、女子高生のスカート内を盗撮したとして、市内に住む高校生のAくんが逮捕されました。
兵庫県加古川警察署で取り調べを受けた後、自宅に帰ることができたAくんでしたが、Aくんの両親は被害者に謝罪被害弁償をしたいと考えています。
翌日、示談も含めた被害者対応について少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

示談について

被害者が存在する事件においては、被害者への対応が重要です。
当たり前のことですが、悪いことをした結果、誰かを傷つけてしまったり、誰かの財産を失わせたりしてしまったのであれば、きちんと謝り、何らかの方法でその傷や損失を回復すべきですだからです。
そのような道徳的理由に加えて、被害者へどのように対応したかといった点が加害者側の最終的な処分にも大きく影響するという意味でも、被害者への適切な対応をすることが重要です。

例えば、被害者との間で示談が成立しているかどうかは、検察官が起訴・不起訴を判断するときに考慮されますし、裁判官がどのような刑罰を被告人に科すべきかを決めるときにも考慮されます。
もちろん、示談の成立は、被疑者・被告人にとって有利な事情として考慮されます。

示談というのは、加害者が被害者に対して一定の金銭を支払う一方、被害者が加害者を許す、被害者が被害届や告訴を取り下げる、あるいは、提出しないといったことを約束し、今回の事件については当事者間で解決したとする合意のことをいいます。
このような示談が成立している場合には、不起訴処分となり前科を回避することができたり、執行猶予判決が言い渡され実刑を回避する可能性を高めることができます。
ですので、刑事事件における重要な弁護活動のひとつに、被害者との示談交渉が挙げられるのです。

少年事件と示談の効果

刑事事件では、示談の有無により、最終的な処分が大きく変わることになります。
それでは、少年事件でも示談には同様の効果があるのでしょうか。

少年事件の場合、要保護性の一要素として判断され、必ずしも処分の内容に直接反映されるとは限りません。
もちろん、被害が回復され、被害者の処罰感情が緩和されたかどうかといった点が処分の内容に大きく影響することにはなります。
しかしながら、より重要なのは、被害者への対応を行うなかで、少年の要保護性が如何に解消されたかという点です。
「要保護性」というのは、少年審判において審理対象となるものです。
この要保護性は、次の3つの要素で構成されると理解されています。

①犯罪的危険性
少年の性格や環境に照らして将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことにより、再非行の危険性を除去することができる可能性があること。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。

要保護性は、非行事実とともに少年審判での審理の対象となります。
ですので、非行事実が軽微であっても、要保護性が高い場合には、保護処分の中でも最も厳しい少年院送致となることもあるのです。

つまり、少年事件の場合、要保護性をいかに解消するかが、最終的な処分の結果に大きく影響するのです。
この要保護性の解消に向けた活動を「環境調整」と呼びます。
環境調整のうちの1つが、被害者対応となります。

環境調整である被害者対応において、単に被害弁償がなされた事実だけでは、必ずしも少年の要保護性解消にはつながらないことがあります。
少年が自身の行為を反省せず、被害者に対して素直に謝罪をしていないにもかかわらず、少年の親が被害者に謝罪し被害弁償をしたとしても、そこには少年の要保護性解消につながる要素を見出すことはできません。
少年事件においては、形式上の被害弁償を急ぐのではなく、少年自身が真に反省し被害者への謝罪の気持ちを持ち、それに基づいて被害者対応を行うことが必要となります。

少年の要保護性解消に繋げる被害者対応を行うには、もちろん少年の家族の協力が必要です。
加えて、付添人による環境調整活動は、少年の更生にとって非常に重要となるでしょう。
弁護士は、少年の権利を守ることはもとより、弁護人・付添人として、少年が自身の行った行為と向き合い、なぜそのようなことをしたのか、どうすれば同じ過ちを繰り返さないようにできるのか、自身が持つ問題を明らかにし、それをいかにして改善するかについて考え、見出すことができるよう支援する役割を担っています。

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