さいたま市大宮区の少年事件 家裁送致前後の国選制度の違い
さいたま市大宮区の少年事件 家裁送致前後の国選制度の違い
高校生のA君は傷害事件を起こし,逮捕・勾留されました。
その際,国選で弁護人が付きました。
その後,事件は検察から家庭裁判所に送致されました。
家庭裁判所では観護措置の決定が出て,A君は少年鑑別所に収容されることになりました。
A君の両親は,引き続き国選の弁護人が弁護を担当してくれるだろうと思っていましたが,どうやら国選では弁護人(付添人)を選任してくれないようです。
そこで,A君の両親は,私選で弁護人を付けようと弊所に無料法律相談を申込みました。
(フィクション)
~ 家庭裁判所送致前後の国選付添人 ~
傷害事件において,勾留状が発せられ(勾留され),被疑者(少年)が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは,国選で弁護人が選任されます(刑事訴訟法37条の2)。
しかし,事件が検察から家庭裁判所に送致された場合(少年法42条1項)は,その時点で,国選弁護人選任の効力は失われます(少年法42条2項)。つまり,捜査段階での弁護人が,そのまま家庭裁判所送致後も弁護を担当してくれるわけではないので注意が必要です。
では,家庭裁判所送致後に,国選で弁護士である付添人が選任されることはあるのでしょうか?
少年法では以下の場合に,国選付添人を必要的,任意的に選任することができると定めています。
1 必要的国選付添人
⑴ 検察官関与決定がなされた事件(少年法22条の3第1項)
⑵ 被害者等による少年審判の傍聴を許そうとする場合(少年法22条の5第2項)
2 任意的付添人
犯罪少年又は触法少年のうち,死刑又は無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮に当たる罪に該当する非行に及んだものについて,観護措置(少年鑑別所送致)がとられており,かつ,弁護士の付添人がいない場合に,事案の内容,保護者の有無等を考慮し,審判の手続に弁護士で付添人が関与する必要があると認める場合
A君の場合,上記のいずれにも該当しないということで国選付添人が選任されなかったと思われます。
しかし,弁護士である付添人は,少年審判時のみならず,少年審判開始前における示談交渉,少年の更生に向けた環境調整等に重要な役割を果たし,その結果が,少年審判での処分にも影響すると考えられます。
よって,国選で付添人を選任されなかったとしても,私選等で付添人を選任するメリットはあると考えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,少年事件も数多く取り扱っています。
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