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(事例紹介)男性に怪我を負わせた少年2人を傷害罪の疑いで逮捕

2023-10-11

(事例紹介)男性に怪我を負わせた少年2人を傷害罪の疑いで逮捕

今回は、知人男性に殴る蹴るなどの暴行を加えて怪我を負わせたとして、傷害罪の疑いで少年2人が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

男性(20)の顔面などを殴打などしけがをさせたとして、16歳の無職の少年2人が、傷害の疑いで逮捕されました。

2人は8月30日夜、男性の顔面などを殴打したり、けったりし、けがを負わせた疑いがもたれています。

被害を知った男性の母親が「自分の息子が殴られてけがをした」と警察に通報し、事件が発覚。
警察は付近の防犯カメラを調べるなど捜査し、10月5日に容疑が固まり、2人を逮捕しました。

調べに対し、少年の1人は「暴力をふるったことは間違いないが、自分のふるった暴力でけがはさせていない」と容疑を一部否認。
もう1人は「殴ってけがをさせたことは間違いない」と容疑を認めています。

少年2人と男性は顔見知りで、警察は口論からトラブルに発展したとみて経緯を詳しく調べています。
(※10/6に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「16歳の少年2人 20歳男性に”殴るけるの暴行”…ケガさせ逮捕「3人は顔見知り」口論からトラブルに? 男性の母親が通報」記事を引用しています。)

・傷害罪とは

傷害罪は、刑法第204条で以下のように規定されています。

  • 刑法第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪は、暴行の故意により成立するパターンと、傷害の故意により成立するパターンの2つがあります。

そもそも、「故意」とは一般的には「わざと」と似た意味を持ち、刑法における故意とは「ある行為が犯罪に該当することを認識し、それを認容して実行すること」を指します。

相手に怪我を負わせるつもりはなかったけど、結果として怪我を負わせてしまった場合は、「暴行の故意」によって傷害罪が成立します。
最初から相手に怪我を負わせるつもりで怪我を負わせた場合は、「傷害の故意」によって傷害罪が成立します。

ただ、傷害罪は相手が怪我(傷害)を負った場合に成立するので、最初から相手に怪我を負わせるつもりだったが、結果として怪我を負わせなかった場合は、傷害罪は成立しません。

このような場合は、刑法第208条で規定されている暴行罪が成立します。

傷害罪の処罰内容は、15年以下の懲役刑50万円以下の罰金刑です。

・傷害事件における示談の重要性

傷害罪のように被害者が存在する事件では、被害者と示談を締結することが重要になります。
成人の刑事事件では、被害者と示談を締結することで不起訴処分を獲得できる可能性は高まります。

ただ、少年事件の場合、成人の刑事事件とは異なり、被害者と示談を締結したとしても、少年院送致などの保護処分が課せられる可能性はあります。

少年事件においては、①少年が深く反省していること、②再非行のおそれがないこと、③少年を保護する必要性がないことが、審判不開始の判断を獲得する上で重要なポイントになります。

▼少年事件の詳しい流れについてはこちらをご覧ください。
・少年事件・少年犯罪の流れ

少年事件において、被害者との示談締結が必ずしも良い結果に結びつくわけではないとはいえ、後に被害者から損害請求されるおそれがあったり、保護者が少年の行為に対する責任をとれていないと監督能力が疑われてしまうおそれがあるため、被害者との示談交渉を進めることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件で被害者との示談を締結して審判不開始を獲得した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が傷害事件を起こしてしまったという方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご連絡ください。

(事例紹介)速度超過+無免許運転の道路交通法違反で少年を逮捕

2023-10-04

(事例紹介)速度超過+無免許運転の道路交通法違反で少年を逮捕

今回は、少年が無免許運転速度超過(スピード違反)による道路交通法違反逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

北海道の留寿都村の国道230号線で10月3日、制限速度を21キロ超えるスピードで車を運転していたとして、自称15歳の無職の少年が道交法違反(速度超過)の現行犯で逮捕されました。

少年は制限速度50キロのところを21キロオーバーの時速71キロでレンタカーを運転中、現場で取り締まり中の警察官にみつかり、その場で逮捕されました。

調べに対し少年は「速度超過したのは間違いない。免許も持っていない」と話しています。
(※10/4に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「“無免許運転”でスピードオーバー 自称15歳少年を逮捕…20代の女性とレンタカーで北海道を旅行中 女性からも事情聞く」記事の一部を変更して引用しています。)

・道路交通法違反(速度超過)

速度超過(スピード違反)については、道路交通法第22条1項で以下のように規定されています。

  • 道路交通法第22条(最高速度)
    車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

道路標識などで速度が指定されている場合は、指定されている速度を超えることで速度超過となり、速度の指定がされていない場合は政令で定められている法定速度を超えることで速度超過となり、道路交通法違反が成立します。

法定速度は、道路交通法施行令第11条によって、普通自動車の法定速度は60km/h原動機付自転車の法定速度は30km/hとされています。
高速道路においての最高速度は、道路交通法施行令第27条で100km/h(※例外もあります)と規定されています。

速度超過による道路交通法違反は、道路交通法第118条第1項第1号で6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金と規定されています。
また、過失により速度超過してしまった場合は、道路交通法第118条第3項で3月以下の禁錮または10万円以下の罰金と規定されています。

・道路交通法違反(無免許運転)

無免許運転は、一般的には運転免許を持っていない状態で自動車や原動機付自転車を運転する行為を指します。
無免許運転については、道路交通法第64条第1項と84条第1項で以下のように規定されています。

  • 道路交通法第64条(無免許運転等の禁止)
    何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(〜略〜)、自動車又は一般原動機付自転車を運転してはならない。

  • 道路交通法第84条(運転免許)
    自動車及び一般原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。

無免許運転は、道路交通法第117条の2の2により、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。

・お子様が道路交通法違反で逮捕されたら

年齢が20歳未満の場合に道路交通法違反で逮捕された場合、少年として扱われ、事件の流れが成人事件と異なります
お子様が逮捕されたと急に警察から連絡が来れば、今後どのように進むのか不安に思う方がほとんどです。
なので、まずは少年事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添活動を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
初回無料の法律相談や、すでに逮捕されてしまっている場合は、最短当日に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。

ご相談は予約が必要なので、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にてご連絡をお待ちしています。

(事例紹介)強盗罪で逮捕・家裁送致された少年2人を少年院送致

2023-09-27

(事例紹介)強盗罪で逮捕・家裁送致された少年2人を少年院送致

今回は、強盗罪の疑いで逮捕、家裁送致された少年2人の少年院送致が決定された事例をもとに、少年院について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

群馬県太田市内の県有施設で勤務中の男性を暴行して鍵を奪ったとして、強盗の疑いで逮捕、家裁送致された桐生市出身の中学3年の少年A=当時(14)=と伊勢崎市出身の中学2年の少年B(14)の審判が24日までに前橋家裁で開かれ、いずれも第1種少年院送致の保護処分を決定した。

2人は共謀して7月13日、同施設で宿直勤務をしていた男性の首を絞めるなどして脅し、同施設の鍵1本を奪ったとして逮捕された。
(※9/25に『上毛新聞』で配信された「群馬・太田市で強盗した少年2人を少年院に送致 前橋家裁」記事の一部を変更して引用しています。)

・少年院送致とは

少年院送致とは、少年事件を起こした少年に対して、家庭裁判所が審判で言い渡す保護処分の一つです。
保護処分とは、少年事件を起こした少年を更生させるための処分のことを指し、少年院送致保護観察児童自立支援施設等送致の3種類があります。

そもそも、刑法では20歳未満の者を「少年」として扱い、少年が事件を起こした場合は「少年事件」となります。
少年事件と20歳以上の者が起こした事件(成人事件)とでは、手続きなどが異なる箇所があり、保護処分も少年事件にしかありません。

少年院送致の保護処分を言い渡されると、少年院に収容されることになりますが、成人事件のような刑罰としての懲役刑とは目的が違います。

少年院は、家庭裁判所から保護処分として少年院送致を言い渡された少年に対し、少年の健全な育成を図るための矯正教育や社会復帰できるための支援を行うための施設です。
なので、学校と同じような授業を受けたり、少年院を退院した際に早く就職ができるように資格の勉強をしたりすることもあります。

・少年院の種類

少年院は、いくつかに分類されていて、少年の年齢心身の状態、犯罪傾向などを考慮してどの少年院に収容されるかが決められています。
少年院の種類については、少年院法第4条で以下のように規定されています。

  • 少年院法第4条(少年院の種類)
    少年院の種類は、次の各号に掲げるとおりとし、少年院の種類は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者を収容するものとする。

    一 第一種 保護処分の執行を受ける者(第五号に定める者を除く。次号及び第三号において同じ。)であって、心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満のもの(次号に定める者を除く。)
    二 第二種 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満のもの
    三 第三種 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね12歳以上26歳未満のもの
    四 第四種 少年院において刑の執行を受ける者
    五 第五種 少年法第64条第1項第二号の保護処分の執行を受け、かつ、同法第66条第1項の規定による決定を受けた者

    2 法務大臣は、各少年院について、一又は二以上の前項各号に掲げる少年院の種類を指定する。

第一種少年院から第三種少年院までは、少年院送致の保護処分の執行を受ける少年が収容されますが、第四種少年院と第五種少年院は少し異なります。

第四種少年院は、検察官送致(逆送)が行われて刑事裁判が開かれ、禁錮刑以上の刑が言い渡された少年が収容される少年院です。
第五種少年院は、18歳以上20歳未満の「特定少年で、2年間の保護観察としての保護処分が決定したが、保護観察中に重大な遵守事項違反があった場合に収容される少年院です。

・お子様が少年事件を起こしてしまったら弁護士へ

今回は、少年院について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説してきました。

お子様が少年事件を起こしてしまった場合は、早急に弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談することで、少年事件の流れであったり、お子様が今おかれている状況や今後の見通しなどについて、詳しく説明してくれます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件で弁護・付添人活動をした実績を多く持つ、少年事件刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が少年事件を起こしてしまって、今後どうなるか不安な気持ちを抱いている方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

(事例紹介)施設に落書きをした19歳少年を建造物損壊罪で逮捕

2023-09-20

(事例紹介)施設に落書きをした19歳少年を建造物損壊罪で逮捕

街中でガードレールや壁に落書きがされているものを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ただ、落書き行為は立派な犯罪なので、発覚すれば逮捕されて処罰される可能性もあります。

今回は、市の施設などに複数回落書きをしたとして、建造物損壊罪の疑いで19歳の少年が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

静岡市役所の周辺で、市の施設などに相次いで落書きされているのが見つかった事件で、警察はこのうち、地下駐輪場の入り口のガラスに落書きをしたとして、19歳の少年Aを逮捕しました。
調べに対し、Aはほかの落書きについても関与をほのめかす供述をしているということで、警察は余罪についても調べることにしています。

8月30日、静岡市葵区の市役所周辺で、公園のトイレの壁や市の施設などあわせて10か所以上に落書きされているのが見つかり、市が警察に被害届を提出しました。

警察が目撃情報や付近の防犯カメラの映像などから捜査を進めた結果、住所不定で自称、引っ越し作業員のAが、地下駐輪場の入り口のガラスの壁に黒いスプレーで落書きをした疑いがあるとして、19日建造物損壊罪の疑いで逮捕しました。
現場の状況などからAは1人で落書きを行ったとみられ、調べに対し、容疑を認めているということです。

また、ほかの落書きについても関与をほのめかす供述をしているということで、警察は余罪についても調べることにしています。
(※9/19に『NHK NEWS WEB』で配信された「静岡市役所周辺で相次いだ落書き 19歳の少年を逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)

・落書き行為で成立する罪は?

前述したように、落書き行為は犯罪ですが、落書きの程度や範囲、対象によって適用される罪が異なります

落書き行為によって成立する可能性がある犯罪は以下の通りです。

  • 建造物損壊罪(刑法第260条)
  • 器物損壊罪(刑法第261条)
  • 威力業務妨害罪(刑法第234条)
  • 文化財保護法違反(文化財保護法第196条)
  • 軽犯罪法違反(軽犯罪法第1条33号)
  • 迷惑防止条例違反(都道府県などの各自治体が定めている場合)

今回の事例では、Aは建造物損壊罪の疑いで逮捕されているので、建造物損壊罪に焦点を当てて解説していきます。

・建造物損壊罪とは

建造物損壊罪については、刑法第260条で以下のように規定されています。

  • 刑法第260条(建造物等損壊及び同致死傷)
    他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

「建造物」とは、家屋やこれに類似する建築物を指し、判例では屋根を有し、壁又は柱によって支えられ、土地に定着し、その内部に出入りが可能なもの」と定義されています。

「損壊」とは、建造物の本来の効用を滅却あるいは減損させる一切の行為を指しています。
つまり、物理的に建造物を壊すような行為だけでなく、建造物の外観を汚すような行為についても、建造物本来の効用を実質的に滅却あるいは減損されたと認められれば「損壊」に該当する場合があるということです。

落書き行為については、建造物の外観や美観を著しく汚損し、原状回復に相当の困難を生じさせ、その利用についても抵抗感や不快感を与えかねない状態であれば、建造物損壊罪の「損壊」に該当する可能性があります。

今回の事例では、Aは市が管理している公園のトイレの壁や地下駐車場の入り口のガラスなど約10カ所以上に落書きをしています。
Aの落書きの程度などについて報道では記載されていませんでしたが、トイレや地下駐車場は判例で定義されている建造物に該当し、Aの落書き行為も損壊に該当していると判断されたため、Aは建造物損壊罪で逮捕されたと考えられます。

・お子様が落書き行為で逮捕されたら弁護士へ

今回の事例で逮捕されたAは20歳未満なので、刑法においては「少年」として扱われます。
20歳未満の少年が起こした刑事事件(少年事件)と、20歳以上の成人が起こした刑事事件(成人事件)では、手続きが異なる点がいくつかあります。
また、Aは18歳と19歳が該当する「特定少年」に位置しているため、18歳未満の少年が起こした少年事件と少し異なる点があります。

少年事件の流れについて把握している方は少なく、急に警察から子どもが逮捕されたと連絡が来れば、今後どうなっていくのか不安になる方がほとんどです。
もし、お子様が少年事件を起こしてしまった場合は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に相談すれば、少年事件の流れや現在お子様が置かれている状況、今後どうなっていくかの見通しなどについて詳しく説明してくれます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護活動を担当した実績を持つ、少年事件・刑事事件に特化した専門の法律事務所です。

お子様が落書き行為による刑事事件を起こしてしまったり、落書き行為で逮捕されてしまったという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

初回無料の法律相談や、逮捕されている場合の初回接見サービス(有料)を提供していますので、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にてお電話をお待ちしております。

(事例紹介)友人を包丁で刺した少年を殺人未遂罪の疑いで逮捕

2023-09-13

(事例紹介)友人を包丁で刺した少年を殺人未遂罪の疑いで逮捕

知人の10代少年の首を包丁で刺して怪我を負わせたとして、15歳の男子高校生が殺人未遂罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

13日朝、石川県小松市内で10代の少年を刃物で刺し殺害しようとしたとして市内に住む男子高校生が逮捕された。
殺人未遂罪の疑いで逮捕されたのは小松市内に住む15歳の男子高校生Aだ。

Aは、13日午前8時頃、小松市内の自宅駐車場で知人の10代の少年Vの首の付け根付近をパン切り包丁で刺した疑いが持たれている。
刺されたVは、全治1週間のけがをした。

警察によると外で叫び声がしたため、付近の住民が事件に気づいて通報。
駆け付けた警察が男子高校生の身柄を確保した際、近くに包丁があったという。

調べに対し、男子高校生は「間違いない」と容疑を認めている。
警察は犯行に至った経緯や動機などについて詳しく調べる方針だ。
(※9/14(木)に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「石川県小松市で男子高校生が逮捕 10代少年を包丁で刺した疑い」記事を一部変更して引用しています。)

・殺人未遂罪とは

殺人未遂罪とは、殺人罪が成立する行為を実行した結果、既遂できなかった場合に成立する罪です。
まずは、殺人罪について見ていきましょう。
殺人罪は、刑法第199条で以下のように規定されています。

  • 刑法第199条(殺人)
    人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

殺人罪は、その名の通り「人を殺す」ことで成立します。
包丁で刺したりハンマーで殴ったりなど、人を殺す手段や方法については規定されていません。

ただ、殺人罪が成立するかどうかの判断で問題になることが故意の有無です。
刑法では、犯罪の成立には基本的に故意があることが必要になります。
故意とは、一般的な言葉で言うと「わざと」のような意味合いになり、この行為をすれば犯罪に該当することがわかっている上で犯罪行為を行うと故意があると判断されます。

殺人罪における故意は、「殺してやる」といった殺意を持った状態で人を殺すことで認められます。
ですが、殺意などは心の中で思うことなので、本当に殺意があったのかを判断することは難しいです。
なので、使用した凶器の種類殺害の手段死亡した人の傷の部位や程度などの客観的事情や、なぜ殺したかについての動機犯行後の行動などの事情を総合的に考慮して、故意の有無が判断されます。

殺人罪が成立する要件は前述しましたが、殺人罪に該当する行為を実行したものの、結果として相手が死亡しなかった場合に、殺人未遂罪が成立します。
殺人未遂罪については、刑法第203条で以下のように規定されています。

  • 刑法第203条(未遂罪)
    第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。

条文に記載されている第199条は殺人罪を指し、前条の罪とは刑法第202条で規定されている自殺関与罪・同意殺人罪をさしています。

今回の事例で考えると、AがVの首の付け根付近をパン切り包丁で刺したことは、客観的事情からも殺人罪の故意があったとみられる可能性があります。
刺されたVは死亡しておらず、Aの行為は既遂ではなく未遂になるため、Aは殺人未遂罪の疑いで逮捕されたと考えられます。

・少年が殺人未遂罪で逮捕された後の流れ

刑法においては、20歳未満の者は全て「少年として扱われ、20歳以上の成人が起こす成人事件と少年が起こす少年事件では手続きが異なる箇所があります。

捜査段階では、少年事件も成人事件と同様の流れになるので、少年であっても逮捕や勾留される可能性はありますが、少年事件は、警察や検察などの捜査機関による捜査が終了すると、原則すべての事件が家庭裁判所に送致される「全件送致主義をとっています。

また、少年事件は、家庭裁判所に送致された後に観護措置として少年鑑別所に収容される場合もあります。
今回の事例のような殺人未遂罪は重大な罪になるため、観護措置が取られる可能性が高いです。

さらに、少年事件は、家庭裁判所に送致された後に、家庭裁判所の調査官が少年に対して保護処分ではなく刑事裁判によって処分することが相当と判断した場合、事件を家庭裁判所から検察官に送る「検察官送致(逆送)こともあり、今回の事例も逆送される可能性があります。

・少年事件を起こしたら弁護士へ

このように、少年事件は成人事件とは異なる手続きで処理されるため、流れを把握している人は多くありません。
お子様が逮捕されたと急に警察から連絡が来ると、どうすればいいかわからず不安な気持ちが募るばかりになる方がほとんどです。
そのような不安な気持ちを少しでも解消するために、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に相談すれば、弁護士から少年事件の流れやお子様が現在おかれている状況、今後の流れや見通しについて詳しく話を聞くことができます。
刑事弁護活動を依頼すれば、弁護士がお子様の身柄解放活動や処分を免れるための弁護活動に尽力します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した法律事務所です。
初回無料の法律相談や、最短当日中に弁護士が逮捕されてる方の接見に向かう初回接見サービスなどを提供していますので、お子様が逮捕されてしまって不安な方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

(事例紹介)強盗罪の疑いで15〜19歳の少年少女ら4人を逮捕

2023-09-06

(事例紹介)強盗罪の疑いで15〜19歳の少年少女ら4人を逮捕

マッチングアプリで男性を誘い出し、脅迫や暴行を加えて現金を奪ったとして、強盗罪の疑いで15〜19歳の少年少女ら4人が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

・参考事例

福岡県警中央署は6日、強盗容疑で15~19歳の少年3人と19歳の少女を逮捕したと発表した。4人とも容疑をおおむね認めているという。

発表によると、4人は6月3日午前1時45分ごろ、福岡市中央区にある雑居ビル敷地内で、会社員男性(52)を「財布を出せ」などと脅し殴るなどの暴行を加え、現金約2万2千円を奪った疑いがある。

19歳の少年が、女性のような名前で登録したマッチングアプリを通じて男性と知り合い、ビル付近で待ち合わせた。その場ではまず、19歳の少女が男性と会い、その後、この少年を含む3人が現れ、犯行に及んだとみられるという。

(※2023年9月6日に『朝日新聞デジタル』で配信された「マッチングアプリで誘い、強盗の疑い 少年少女4人を逮捕 福岡県警」記事の一部を引用しています。)

・強盗罪とは

今回の事例で、少年少女らは強盗罪の疑いで逮捕されています。
強盗罪については、刑法第236条で以下のように規定されています。

  • 刑法第236条(強盗)
    暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取したものは、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
     前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて他人の財物強取した場合に成立します。
簡単に説明すると、殴る蹴るなどの暴力を加えたり脅したりして、他人の物を奪い取る行為を指します。

強盗罪における「暴行又は脅迫」とは、被害者の反抗を抑圧する程度であることが必要です。

今回の事例で考えると、逮捕された少年らは、マッチングアプリで男性を誘い出し、その後、「財布を出せ」と脅し、殴るなどの暴行を加えて現金を奪い取っています。
つまり、暴行と脅迫を用いて他人の財物を強取しているため、強盗罪が成立するということになります。

・少年が逮捕されるとどうなる?

刑法における「少年」とは20歳に満たない者を指し、この少年が刑事事件を起こすと「少年事件」として扱われます。
20歳以上の者(成人)が起こした刑事事件は「成人事件」として扱われます。

少年事件では、全ての事件が原則として家庭裁判所に送致される全件送致主義がとられていたり、成人事件における公判(裁判)ではなく審判として、「少年の健全な育成」を目的とした保護主義がとられていたりと、成人事件とは異なる特徴があります。

ただ、今回の事例のように、少年事件でも捜査段階においては成人事件と同様なので、逮捕勾留はされます。
逮捕や勾留は身柄が拘束されてしまうため、学校に通うことができなくなったり学校に事件を起こしたことが発覚したりして、退学処分を受けてしまうおそれもあります。

・少年事件で弁護士に依頼するメリット

前述したように、少年事件においても成人事件と同様に逮捕や勾留がなされる可能性はあります。
その際には、早急に弁護士に刑事弁護活動を依頼することで、弁護士が身柄解放のための手続き等を進めてくれるので、早期釈放の可能性も高まります。

また、家庭裁判所に事件が送致された場合でも、弁護士ができる限り軽い処分を獲得できるような活動に尽力してくれます。
弁護士に少年事件の刑事弁護活動を依頼する際は、少年事件の弁護・付添人活動の実績を多数持つ専門の弁護士に依頼することがお勧めです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が刑事事件を起こしてしまい、今後どうなるか不安な方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)またはお問い合わせメールよりご連絡ください。

(報道事例)出頭要請を無視し続けた16歳の少年を逮捕

2023-08-30

(報道事例)出頭要請を無視し続けた16歳の少年を逮捕

15歳の男子中学生に対して顔や上半身などを殴り、怪我をさせたとして傷害罪の疑いで出頭要請を受けていた16歳の少年が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件が詳しく解説します。

・参考事例

3月下旬、北海道函館市の商業施設の敷地内で、15歳の男子中学生の顔や上半身などを殴り、けがをさせたとして、16歳の少年が逮捕されました。

傷害の疑いで逮捕されたのは、住所不定、16歳の会社員の少年です。
この少年は3月30日、函館市梁川町の商業施設の敷地内で、顔見知りの15歳の男子中学生の顔や上半身などを殴り、けがをさせた疑いが持たれています。

男子中学生は、頭部の傷、手や指の捻挫、太ももの打撲など、全治10日ほどのけがをしています。

現場で目撃した別の少年が交番に届け出て、警察は、少年を割り出し、再三にわたって出頭するよう求めていましたが、少年が応じなかったため、逮捕しました。
(※2023年8月27日に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「少年らの“たまり場”でトラブル、年下の男子中学生に“ヤキ”を…再三の出頭要請を無視、約5か月後に16歳の会社員を逮捕」の内容を一部引用しています。)

・出頭要請とは

今回の事例では、逮捕された少年は警察からの出頭要請を無視し続けていました。
出頭要請とは、警察や検察などの捜査機関が刑事事件の捜査をする上で取り調べる必要があると判断された人に対して、警察署や検察庁への出頭を求めることです。
出頭要請については、刑事訴訟法第198条で以下のように規定されています。

  • 刑事訴訟法第198条
    検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

ただ、出頭要請は強制ではありません。
条文の但書にも記載されているように、被疑者は出頭を拒むことができます。
つまり、出頭要請に応じて出頭するかどうかは出頭要請を受けた人次第ということです。

また、出頭要請は犯罪の疑いをかけられている被疑者だけでなく、事件を目撃した人や事件の関係者などの第三者も「参考人」として呼び出されることもあります。

・出頭要請を無視し続けるとどうなる?

前述したように、出頭要請は強制ではないため、出頭を拒むことができます。
ただ、出頭要請を拒み続ければ、警察や検察などの捜査機関が「このまま被疑者が出頭しなければ、逃亡するおそれ証拠を隠滅するおそれがあるから、身柄を拘束する必要がある」と判断し、身柄を拘束するために逮捕される可能性があります。

今回の事例でも、少年は警察からの出頭要請を無視し続けたため、逮捕されています。

・お子様が出頭要請を受けて不安な方は

急に自宅に警察からお子様に対する出頭要請の連絡が来てしまうと、どうすればいいか不安になる方がほとんどです。
そんな時は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士がお子様から事実関係を伺い、お子様が出頭した後にどのような流れになっていくのか、今後の見通しなどについて詳しく説明してくれます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護活動を担当した実績を持つ刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が出頭要請を受けていて不安に感じている方は、24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)またはお問い合わせメールより、ご連絡ください。

(事例紹介)電車に鍵をかけた威力業務妨害罪の疑いで少年を逮捕

2023-08-23

(事例紹介)電車に鍵をかけた威力業務妨害罪の疑いで少年を逮捕

今回は、電車のドアに鍵をかけて運行を遅らせたとして、威力業務妨害罪の疑いで17歳の少年が逮捕された報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

・参考事例

鉄道グッズ店で購入した専用の鍵を使ってJR埼京線の電車のドアを施錠し運行を遅らせたとして、警視庁少年事件課は29日までに、威力業務妨害の疑いで、東京都内の高校2年の男子生徒(17)を逮捕した。

電車の撮影が趣味で「かつて運転士にハイビームにされて撮れなかったことがあり、仕返ししたかった」と容疑を認めている。

捜査関係者によると、生徒は都内の店舗で鍵を購入し、恵比寿―大崎間を走行中の車内で同じ車両の片側のドア3カ所を施錠したとみられる。
大崎駅に到着した電車のドアが開かず、約10分の遅延が生じた。
防犯カメラの捜査から浮上した。
(※2023年7月29日に『dmenuニュース』で配信された記事の内容を引用しています。)

・威力業務妨害罪とは

今回の事例で逮捕された少年の行為は、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。
威力業務妨害罪については、刑法第234条で以下のように規定されています。

  • 刑法第234条(威力業務妨害)
    威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

条文に記載されている「前条」とは、刑法第233条の信用毀損罪・業務妨害罪(偽計業務妨害罪)を指しています。

  • 刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)
    虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

威力業務妨害罪の条文で「前条の例による」と規定されているので、威力業務妨害罪が成立した場合は、信用毀損罪・偽計業務妨害罪と同様に3年以下の懲役又は50万円以下の罰金で処罰されることになります。

威力業務妨害罪が成立するための要件としては、威力」を用いて「人の業務」を「妨害」していることが必要です。

「威力」とは、人(被害者)の意思を制圧するに足りる勢力を使用することを指します。
店内で暴れる行為や従業員に対して過剰なクレームをする行為も「威力」に該当します。

「人の業務」とは、人が社会生活において継続・反復して行う仕事を指します。
業務には、一般的な仕事以外にも、ボランティア活動や学校の授業なども該当します。
ただし、警察官などが強制力を行使する公務については、業務ではありません。
公務を妨害した場合は、威力業務妨害罪ではなく、公務執行妨害罪が成立します。

「妨害」については、実際に業務を妨害される行為だけでなく、業務を妨害するに足りる行為であればよいとされています。

今回の事例でAが行った電車のドアを施錠する行為は、運転手(人)の電車を運行するという意思を制圧して電車運行を遅らせているため、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。

・お子様が威力業務妨害罪で逮捕されたら弁護士へ

少年事件と成人事件では、刑事事件を起こした場合の流れが少し異なります。
少年事件の場合は、警察から検察に送致された事件の全てが原則家庭裁判所に送られます。
また、身柄を拘束する必要がある場合の手続きも成人事件と異なる措置が取られる場合もあります。

少年事件に関する事件の流れを理解している人は多くはありません。
まして、お子様が逮捕されたと急に警察から連絡が来ると、気が動転してしまい、今後どうなるのか不安に感じてしまう方がほとんどです。
なので、お子様が事件を起こして逮捕されてしまった場合は、弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。

弁護士に弁護活動を依頼すれば、弁護士から少年事件の詳しい流れや、お子様の今後の見通し、現在お子様が置かれている立場・状況などを詳しく丁寧に説明してくれるので、不安な気持ちを一人で抱え込まずに対処することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、威力業務妨害罪はもちろん、様々な少年事件の弁護活動を担当した実績を持つ刑事事件・少年事件に特化した法律事務所です。
少年事件の弁護活動について、詳しく知りたいという方は、まずは24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

(事例紹介)仲間の顔を殴り怪我を負わせた少年4人を逮捕

2023-08-16

(事例紹介)仲間の顔を殴り怪我を負わせた少年4人を逮捕

仲間の顔を殴ったり、背中にたばこの火を押しつけたりするなどをして怪我を負わせたとして、15歳から16歳の少年4人が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

・参考事例

神奈川県警少年捜査課と都筑署は6日までに、傷害の疑いで、横浜市都筑区や緑区に住む、15、16歳で無職や高校1年の少年4人を逮捕した。

4人の逮捕容疑は、共謀し、9月12日午前0時45分ごろから約3時間、同市都筑区の河川敷で、高校1年の男子生徒(16)の顔を殴ったり、背中にたばこの火を押し付けたりするなどし、約2~4週間のけがを負わせた、としている。

署によると、4人はいずれも容疑を認めている。
4人と被害生徒は地元の仲間で、署は何らかのトラブルがあったとみて調べている。
(※2022年10月6日に『カナコロ』で掲載された仲間の顔を殴り、背中にたばこの火 容疑の少年4人逮捕の内容を引用しています。)

・少年らに問われる罪

今回の事例で逮捕された4人の少年の行動は、傷害罪に問われる可能性があります。
傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。

  • 刑法第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に書する。

傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯とされています。
「結果的加重犯」とは、加害者の行為が意図していなかった重い結果になった場合、重い結果に対する犯罪の成立を認めることを指します。
つまり、重い方の結果に対して加害者の故意がなかったとしても、加害者が最初に行った犯罪に対する故意があれば、重い結果に対する犯罪も成立するということです。

今回の傷害罪で考えると、傷害罪は暴行を加えた結果、被害者が傷害(怪我)を負うことで成立します。
暴行を加えた結果、被害者が怪我を負わなければ刑法第208条の暴行罪が成立しますが、怪我を負うと傷害罪が成立します。

加害者が被害者に怪我を負わせるつもりがない(傷害罪の故意がない)状態で暴行を加えた結果、被害者が怪我を負ってしまったとしても、傷害罪の成立は暴行の故意(暴行罪の故意)があれば成立するということが結果的加重犯の考え方です。

今回の事例で、少年らは被害者の少年に対して、顔を殴ったり背中にたばこの火を押しつけたりといった暴行を加えた結果、約2〜4週間の怪我を負わせています。
暴行を加えた結果、被害者の少年に対して約2〜4週間の怪我を負わせているため、少年らには傷害罪が成立する可能性が高いです。

・逮捕された少年の流れ

刑法における「少年」は20歳未満の者を指します。
少年が刑事事件(=少年事件)を起こして逮捕された場合と、成人が刑事事件(=成人事件)を起こして逮捕された場合は、少し手続きの流れが変わります。

捜査段階での手続きは少年事件も成人事件も変わりません。
警察が逮捕して48時間以内に検察官に身柄を送致され、検察官が24時間以内に勾留をするのかどうか判断します。
ただ、少年事件の場合は、検察に送致された後、勾留だけでなく「勾留に代わる観護措置」がとられる場合があります。

また、少年事件は「全件送致主義」がとられていることも、成人事件との大きな違いです。
全件送致主義とは、捜査の結果、少年に対して罪を犯した疑いがあると判断された場合は、原則全ての事件を家庭裁判所に送致することです。

家庭裁判所に送致された後は、少年に対する調査が行われ、最終的な処遇を審判で裁判官が決定します。

・傷害罪でお子様が逮捕されてしまったら弁護士へ

お子様が傷害罪で逮捕されてしまった場合は、弁護士へ弁護活動を依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪による少年事件はもちろん、様々な少年事件の弁護活動を担当した実績を持つ刑事事件少年事件に特化した法律事務所です。
お子様が逮捕されてしまえば、今後どうなるか不安になる方がほとんどなので、自分だけで抱え込まずにまずは弁護士に相談しましょう。

24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)お問い合わせメールより、ご連絡をお待ちしております。

(事例紹介)友人を監禁後に暴行を加えた18歳の少年を逮捕

2023-08-09

(事例紹介)友人を監禁後に暴行を加えた18歳の少年を逮捕

友人を車で監禁した後に暴行を加えて傷害を負わせたとして、18歳の少年2人が傷害罪と逮捕・監禁罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

・参考事例

友人の16歳の少年を車に乗せて監禁したとして、警視庁少年事件課は、逮捕監禁の疑いで、東京都小平市のアルバイトの男(18)と、東大和市の塗装工の男(18)を逮捕した。
2人は調べに対し、容疑を認めているという。

逮捕容疑は、6月3日午後8時半ごろ、友人でとび職の少年(16)を東村山市内に呼び出し、塗装工の男の車に無理やり押し込み、約30分間、車内に監禁したとしている。

小平市内で少年を車から降ろしたが、アルバイトの男は、男が住む団地の階段の手すりに、結束バンドで少年を縛り、竹ぼうきや金属バットで殴り、けがを負わせた疑いがある。
同課は、アルバイトの男を傷害と逮捕監禁の容疑で追送検した。

少年事件課は、少年とアルバイトの男との間で、金銭トラブルがあったとみている。
(※2023年8月4日に朝日新聞デジタルで掲載された記事の内容を引用しています。)

・傷害罪とは

今回の事例で、少年らが友人に対して行った行為の一つとして、傷害罪が成立しています。
傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。

  • 刑法第204条(傷害)
    人の身体を損害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪に似ている罪として刑法第208条で規定されている暴行罪がありますが、傷害罪と暴行罪の大きな違いは「暴行を加えた結果、相手に傷害を負わせたかどうかです。
暴行を加えた結果、相手に傷害を負わせていなければ暴行罪が成立し、相手に傷害を負わせた場合は傷害罪が成立します。

今回の事例では、少年らは友人に対して、竹ぼうきや金属バットで殴るという暴行行為を行った結果、相手に怪我を負わせているため、傷害罪が成立するということになります。

・逮捕・監禁罪とは

少年らには、前述した傷害罪以外にも、逮捕・監禁罪が成立しています。
逮捕・罪については、刑法第220条で以下のように規定されています。

  • 刑法第220条(逮捕及び監禁)
    不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

逮捕・監禁罪は、不法」に人を「逮捕・監禁」することで成立します。
ここでの「不法」とは「違法」と同じ意味で、警察官による逮捕や私人でも認められている現行犯逮捕、検察庁や裁判所によって行われる勾留など、適法に行われるもの以外での逮捕や監禁を指します。

また、逮捕・監禁とは、いずれも人の行動の自由を奪う行為ですが、意味合いが少し異なります。
「逮捕」とは「人の体を直接拘束することを指し、「監禁」とは「一定の区域からの脱出を不可能又は著しく困難にすることを指します。
相手の手足を縛って身動きが取れないようにすることは逮捕の典型で、部屋に閉じ込めて出られないようにすることが監禁の典型です。

今回の事例では、少年らは友人を車に無理やり押し込み、約30分間脱出ができない状態にしたことと、車から降ろした後に結束バンドで少年を縛っていることで、逮捕・監禁罪が成立するということになります。

・少年が逮捕された場合の流れ

成人が逮捕された刑事事件と、少年(刑事事件における20歳未満の者)が逮捕される刑事事件では、逮捕された後の流れが異なります。
警察が逮捕・取調べを行った後に検察に送致されるまでは成人と同じ流れですが、少年の場合、検察に送致された後については、原則全ての事件が家庭裁判所に送致されます。

また、今回の事例のような18歳や19歳の少年については特定少年として扱われ、家庭裁判所に送致された後に事件を検察官に戻す逆送」の対象になる事件の範囲が拡大されたり、少年において禁止されている実名報道が可能になったり、少年審判における保護処分の内容が限定されたりと、18歳未満の少年事件と異なる手続きが可能になります。

・傷害罪や逮捕・監禁罪でお子様が逮捕されてしまったら弁護士へ

お子様が傷害罪や逮捕・監禁罪で逮捕されてしまった場合は、弁護士へ刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の刑事弁護活動を担当した実績を持つ刑事事件少年事件に特化した法律事務所です。
警察から急にお子様が逮捕されたと連絡が来て、今後どうなるか不安に感じている方は、まずは24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)お問い合わせメールより、ご相談ください。

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