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(事例紹介)回転寿司店での迷惑行為で少年が捜査対象に
(事例紹介)回転寿司店での迷惑行為で少年が捜査対象に
SNSを中心に多くの波紋を呼んだ回転寿司チェーンでの迷惑行為の動画が拡散された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
岐阜市にある回転ずしチェーン「スシロー」の店舗で、醤油のボトルを舐めるなどの迷惑行為の動画が拡散した問題で、岐阜県警が少年らを書類送検する方針であることがわかりました。
この問題では、岐阜市内のスシローの店舗で、少年が醤油のボトルの注ぎ口や、別の客が使う湯呑みを舐める様子などを撮影した動画がSNSで拡散しました。
スシローは1月31日に被害届を提出し、警察は偽計業務妨害の疑いを視野に捜査を進めていましたが、その後の捜査関係者への取材で、迷惑行為に関わった少年ら複数人を、早ければ2月中にも書類送検する方針であることがわかりました。
書類送検されるのは、迷惑行為をした少年のほか、動画の撮影者やSNSに動画を投稿した人物も含まれるとみられています。
(東海テレビ 令和5年2月10日(金) 11時39分配信 「撮影者や投稿者も含まれるか…スシロー店舗での“醤油ボトル舐め”等の迷惑行為の動画拡散 少年ら書類送検へ」より引用)
・迷惑行為で問題となる罪
多くの波紋を呼んだ回転寿司店での迷惑行為動画拡散の件について、上記以外にも多数のメディアが報道しています。
迷惑行為は、事件の内容や場所によってどのような罪に該当するかが変ってきますが、参考事例については、迷惑行為をした少年に対し偽計業務妨害罪の嫌疑(疑い)がかけられています。
偽計業務妨害罪の罰条は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。(刑法233条)
また、自身が使うわけではない湯呑やボトルの注ぎ口を舐めるなどの行為は、器物損壊罪に該当する可能性があります。
器物損壊罪というと、ものを壊した場合に成立するという印象を抱きがちですが、そのような場合のみならず「物の効用を害した」場合に成立するというのが判例・通説です。
他人が口を付けた湯呑やボトルを使用したいと考える人はおおよそいないと考えられますので、実際には壊れていなくても、その湯呑やボトルの効用は害されると言えるため、器物損壊罪の成立が検討されます。
器物損壊罪の罰条は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」です。(刑法261条)
なお、罪に問われるのは、実際に迷惑行為をした少年に限りません。
迷惑行為に関わった撮影者などの少年も共同正犯として罪に問われる可能性があります。(刑法60条)
・少年事件の手続きについて
報道によると、今回の被疑者は少年法上の少年(少年法2条において「20歳に満たない者」とされています。)に該当するようです。
少年の場合、捜査が終わった後は、原則としてすべての事件が家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送られた少年は、裁判官の判断により家庭裁判所調査官による調査面談や、少年鑑別所での観護措置などが行われ、保護処分を課す上で必要な情報収集を行います。
その後、家庭裁判所の裁判官は、少年に対して
・審判不開始決定(少年に対して保護処分を課すことなく終了する)
・審判開始決定(審判を開き、少年に保護処分を課すかどうか判断する)
・検察官送致(一定の重大犯罪で刑事裁判に附する)
のいずれかを決めます。
審判は成人の刑事事件とは異なり、非公開で行われます。
また、懲役・罰金といった刑事罰は設けられておらず、少年審判で下される決定は保護処分(少年院送致・児童自立支援施設等への送致・保護観察)となります。
これら審判で下された保護処分は刑事罰ではないため、俗に言う前科には該当しません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件も取り扱う刑事事件専門の弁護士事務所です。
弊所には初回無料でご利用いただける法律相談の他、弁護士が逮捕された方のもとへ直接伺う初回接見サービスを実施しています。
お子さんが偽計業務妨害罪や器物損壊罪で捜査を受けている、少年手続について知りたい、という方は、24時間体制で予約を受け付けている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご連絡ください。