オレオレ詐欺の受け子

2019-04-15

オレオレ詐欺の受け子

中学3年生のA君は内気な性格で学校にあまり友達がいなかった。
ある日,A君が通う学習塾で違う中学校のB君から,「簡単にお小遣いが稼げるバイトがあるんだけどよかったらやらない?」と声をかけられた。
A君は声をかけられたことを嬉しく思い,B君から詳しく話を聞いた。
B君いうバイトの内容とは指定された場所に行き,相手から荷物や現金を受け取るというものであった。
A君は何度かそのアルバイトをし,報酬として毎回1万円を受け取っていた。

ある日,A君がいつものように指定された場所で相手から現金を受け取ろうとしたところ,周囲に張り込んでいた大阪府茨木警察署の刑事によって現行犯逮捕された。
A君が逮捕された罪名は詐欺罪であった。
大阪府茨木警察署から連絡を受けたA君の両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談した。
(フィクションです)

~オレオレ詐欺組織~

オレオレ詐欺などの特殊詐欺は、当初個人で電話をかけ自分の口座に振り込ませる手口が一般的でした。
近年,特殊詐欺の被害の増加に伴い,銀行などで声掛けなどの防犯対策の実施されるようになり,振込による特殊詐欺の被害は減少傾向にあります。
しかし,最近では,直接,保険会社の者などと称する人間に現金を渡すように指示する特殊詐欺の手口が多くなっています。

近年,特殊詐欺はグループ化されており,グループ内で役割分担されていると言われています。
現金を出資する「社長」的役割,電話をかける「掛け子」,現金を受け取る「受け子」,他に掛け子や受け子を勧誘する「リクルーター」や受け子を現場まで車で送迎する「送迎人」などがいると言われています。
今回A君が担当した「受け子」とはこの現金を受け取る役割のことをいいます。
受け子になる友人などを紹介すると紹介料がもらえるというシステムになっている場合もあるそうです。

今回のケースのように中学生~高校生の少年が受け子として利用される事件も多くあります。
受け子となってしまった少年の中には、自分が特殊詐欺の一端を担っていると認識していない場合もあります。
そのような場合は、現金を受け取る行為について、普通の会社が通常の集金作業を行っていると少年に思わせている場合も多いです。
少年が自分が行わせている行為について不審に思って受け子を辞めたいと希望しても,家族や学校に知らせるなど脅すことによって辞めさせてもらえないケースがあるようです。

~少年事件~

今回のケースで、A君は詐欺罪逮捕されていますが,A君は未成年ですので少年事件として手続が進められます。
少年事件の場合,通常の刑事事件とは別の手続きが取られます。

通常の刑事事件の場合,事件の捜査をした警察から事件が検察官に送致され,検察官が事件を起訴するかどうかを判断します。
事件が起訴された場合は略式手続きとなる場合を除き,刑事裁判が開かれることになります。

一方,少年事件の場合,原則的に、送致を受けた検察官はすべての事件を家庭裁判所に送致します。
これを全件送致主義と言います。
事件の送致を受けた家庭裁判所は家庭裁判所調査官などによる調査を経て,少年を審判に付すかどうかを決定します。
この調査の際に,少年鑑別所などの施設に収容される場合もあります。

調査の結果によっては、審判に付す必要がないと判断される場合もありますが、ほとんどの事件では少年審判に付されます。
審判の結果,少年に、保護観察処分・少年院送致などの保護処分がなされる場合があります。

特殊詐欺の受け子の場合には,被害金額や本人の認識によっては少年院に送致される場合も考えられます。
しかし,今回のケースのように本人に詐欺であるとの認識がなかったような場合には少年院送致を免れられる可能性もあるでしょう。
もしお子様がオレオレ詐欺などの特殊詐欺に関わってしまった場合には、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
まずは、0120-631-881までお電話いただき、無料法律相談や初回接見サービスをお申込みください。。
無料法律相談・初回接見サービスは、24時間ご予約を受け付けています。
(大阪府茨木警察署までの初回接見費用:36,500円)

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