未成年者とインターネットオークション 

2022-02-14

未成年者とインターネットオークションについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

横浜市神奈川区に住むA君(18歳)は妻のBさん(18歳)と共にインターネットオークションサイトを運営して、出品者から手数料を取り儲けようとしていました。
インターネットオークションサイトを運営するには、公安委員会への届け出が必要であることは以前に検索して知っていました。
しかしA君は神奈川県神奈川警察署に届け出をするのが面倒だと思い、公安委員会に届けずインターネットオークションサイトを1か月ほど運営し続けています。
ある日A君の自宅に神奈川県神奈川警察署から「古物営業の届け出をしていませんよね。古物営業法違反で話を聞かせて下さい。」と電話がかかってきました。
A君はこのような大ごとになるとは思わず、少年事件に強い弁護士事務所へ問い合わせの電話を入れました。
(フィクションです)

インターネットオークションサイトの運営者について

インターネットオークションサイトを運営する人は、「インターネットオークション事業者」と呼ばれ
法律上は「古物競りあっせん業者」とされます。
では、古物競りあっせん業とはどのようなことかみていきましょう。

「古物」とは、①一度使用された物品②使用されない物品で使用のために取引されたもの③①、②の物品に幾分の手入れをしたもの
のうち一つでも当てはまれば「古物」とされます。
「一度使用された物品」とは、その物の性質によって定まっている用法に従って一度使用したものをいいます。
たとえば、カメラは撮影、テレビは視聴、などです。
「使用されない物品で使用のため取引されたもの」とは、新品を製造または販売して利益を得ることを仕事としている人が、その仕事のため取引をして所持している場合を除き(通常の商店は除く。)、一般の人が買ったりもらったりした新品を、使用しないで、そのまま売買などの取引の対象にしたものをいいます。
「幾分の手入れ」とは、部分的な修理や加工をすることです。
「あっせんの競りの方法」は、古物営業法施行令に基づく電子情報処理組織の方法で行わなければなりません。
「営業」とは、営利の目的で古物のあっせん競りを行う行為を反復継続して営む意思をもって行うことです。
なお、たまたま1回のあっせん競りであっても、反復継続の意思をもって行えば、営業に該当します。

公安委員会へ届け出をしないとどうなるのですか

※A君は未成年ですので原則は届け出ができませんが、結婚しているため、成人と同様の能力を有していると判断され、A君には届け出をする権利があります。

届け出をしないと、古物営業法違反となる可能性が有ります。
古物営業法についてみていきましょう。

古物営業法第10条の2(届出)
1古物競りあっせん業者は、営業開始の日から2週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあっては、住所または居所をいう、以下同じ。)の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。
この場合において、届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
①氏名または名称および住所または居所ならびに法人にあっては、その代表者の氏名
②営業の本拠地となる事務所その他の事務所の名称および所在地
③法人にあっては、その役員の氏名および住所
④第2条第2項第3号の競りの方法その他業務の実施の方法に関する事項で国家公安委員会規則で定めるもの

古物営業法第34条
次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
(略)
③第10条の2第1項の規定に違反して届出書もしくは添付書類を提出せず、または同項の届出書もしくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

つまり届け出をしない、または書類に嘘を書いて提出すると、20万円の罰金刑となる可能性があるのです。

弁護活動について

インターネットオークションサイトを運営する時に、「ついうっかり」や「めんどうくさい」と開業してから2週間以内の公安委員会への届け出を怠ると、古物営業法違反となります。
また、先に述べた通り未成年者は原則古物営業の届け出ができません。
インターネットオークションサイトを既に運営していて、運営することに届け出がいることを知って古物営業法違反になるけれど、自分は未成年者だから本来は届け出もできないので、どうしたらいいのかわからない。
また、未成年だけれど結婚をしているなど古物営業の届け出をする資格はあるけれど、知らなくて届け出をしておらず古物営業法違反になる可能性がある場合も気付いた時点で、まずは少年事件に強い弁護士に一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、古物営業法違反事件を含む刑事事件への対応をしてきた少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身がインターネットオークションの運営をしており、古物営業法違反で話を聞かれることになった、古物営業法違反に該当するけれどどうしたらいいのかわからないとお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。

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