恐喝罪で示談

2019-02-04

恐喝罪で示談

高校2年生のAさんは、放課後になるといつも友人のBさんとゲームセンターなどに遊びに行っていました。
ある日、どうしてもお金がなかったAさんは、Bさんに「なあ、適当なやつ見つけてカツアゲしようぜ」と言い、カツアゲできそうな相手を探すことにしました。
そして、Aさんらは東京都小金井市にあるゲームセンターに行き、そこで見つけたVさんに暴行を加えて1万円を脅し取りました。
後日、Vさんが警視庁小金井警察署に被害届を出したことで、Aさんらは恐喝罪の疑いで取調べを受けることになりました。
Aさんの父親は、弁護士に対して「示談でお金さえ払えば解決するんですよね」と聞きました。
(フィクションです。)

【恐喝罪について】

刑法
第二百四十九条
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

恐喝罪は、恐喝、すなわち暴行または脅迫を手段として、相手方から金銭などの財産を脅し取った場合に成立する可能性のある罪です。
よく似た罪として強盗罪が挙げられますが、手段となる暴行・脅迫の強弱により区別がなされる傾向にあります。
恐喝罪は暴行・脅迫が比較的弱い場合に成立しうる罪であり、少年によるカツアゲの多くはこれに当たると言えるでしょう。

恐喝罪が成立するためには、①恐喝行為、②相手方の畏怖、③畏怖に基づく財産の移転という流れがあり、なおかつそれぞれが因果関係を持つ必要があります。
上記事例では、AさんらがVさんに対し、暴行を加えて1万円を脅し取っています。
そうすると、Aさんらは①恐喝行為によって②Vさんを畏怖させ、③それより1万円の交付を受けたと言え、恐喝罪が成立すると考えられます。
ちなみに、仮に①恐喝行為はあったものの②相手方が畏怖ではなく憐れみなどから財産を交付した場合、恐喝未遂罪が成立するにとどまることになります。
この場合には、恐喝行為から財産の移転までに因果関係が欠けるためです。

【少年事件における示談】

上記事例では、Aさんの父親が弁護士に対して「示談でお金さえ払えば解決するんですよね」と発言しています。
たしかに、被害者が存在する事件において、被害弁償などを伴う示談が不起訴や執行猶予につながりやすいことは否定できません。
ただ、それは飽くまでも通常の刑事事件での話であり、少年事件ではそう簡単に行かない点で注意が必要です。

少年事件における最終到達目標は、制裁・犯罪予防としての刑罰ではなく、少年の更生を目指した保護処分です。
こうした措置が設けられている理由は、少年の心身が発展途上にあることを考慮し、少年の健全な育成を達成するためです。
ですので、少年事件におけるあらゆる活動は、全て「少年の更生に奉仕するか」という観点から行われなければなりません。
示談に関して言うと、一番大切なことは示談による被害の補填ではなく、示談に至る過程での反省や回顧です。
そうした行動を通して、少年は自身の非行について考え、将来どう振る舞うべきか学ぶことができるからです。

もし少年院などの施設に頼ることなく少年の更生を目指すのであれば、示談の結果ではなく過程に目をやることが大切になります。
お困りのことがあれば、ぜひ少年事件の経験を有する弁護士に相談してみてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、少年ひとりひとりと真摯に向き合い、真の意味での事件の解決を目指します。
お子さんが恐喝罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料(お時間の制限はございません)
警視庁小金井警察署までの初回接見費用:36,800円

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