公務執行妨害罪で逮捕・接見
公務執行妨害罪で逮捕・接見
事例:
少年A(17歳)は、神奈川県川崎市麻生区で深夜に仲間と集まり騒いでいたため、警察官による職務質問を受けた。
少年Aは、いきなり走り出し振り切って逃げたところ、警察官は転倒し、職務質問を継続できなくなった。
神奈川県麻生警察署の警察官は、少年Aを公務執行妨害罪の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、公務執行妨害罪を含む少年事件に強い弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~公務執行妨害罪における暴行~
本件で少年A(17歳)は、職務質問を振り切り警察官を転倒させたことによって、公務執行妨害罪で逮捕されています。
刑法は、95条1項において、「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」として、公務執行妨害罪を規定しています。
警察官も、「国又は地方公共団体の職員」として、刑法7条の規定する「公務員」に該当することから本罪の成否が問題となります。
もっとも、95条1項にいう「公務員」に対する「暴行」は、多くの人が想起するであろういわゆる暴行罪(刑法208条)にいう「暴行」とは、同じ文言でありながらその意味内容が異なります。
暴行罪における「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます(いわゆる「狭義の暴行」)。
これに対し、公務執行妨害罪における「暴行」は、人に向けられた不法な有形力の行使であれば足り(いわゆる「広義の暴行」)、暴行罪のように人の身体に対するものでなくてもよいと解されています。
すなわち、不法の有形力の行使が人に向けられていれば対象が物であっても、公務執行妨害罪の「暴行」には当たりうるのです。
このように、「暴行」を広く解釈しているのは、公務執行妨害罪の保護法益が、公務員の身体等を特別に保護するものではなく、公務それ自体の適正かつ円滑な遂行を保護するものであるため、公務の執行を妨害する程度で足りると考えられているためであるとされています。
したがって、公務員たる警察官等の身体に危害を加える意思を有しておらず、軽い気持ちで警察官を転倒させてしまったことによっても、公務執行妨害罪が成立してしまう危険性があることに注意が必要です。
~少年事件特有の弁護活動の一例~
少年事件においても、逮捕後は、公務執行妨害罪が「罰金以下の刑にあたる犯罪」(少年法41条前段)ではない以上、原則として検察官に送致されます(刑事訴訟法246条)。
そして、少年法においては、「検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは……これを家庭裁判所に送致しなければならない」(42条1項前段)とされており、家裁への全件送致主義が採られています。
すなわち、通常の成人の刑事事件とは異なり、少年事件には起訴猶予等の不起訴処分はありません。
したがって、弁護士としては、家裁送致を見越した上で少年の不利益を最小限化するような弁護活動を行うことが求められます。
そこで、成人と比べても自らの状況を法的に理解することが困難である少年に対し、迅速な弁護士による接見(面会)を行うことが重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
未成年者である少年も逮捕されてしまえば、基本的に成人と同じく警察署等に留置されてしまうため、一刻も早く弁護士による接見(面会)を行うことが重要です。
お子様が、公務執行妨害事件で逮捕されたご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)に今すぐお電話ください。
少年事件・刑事事件専門の弁護士が、迅速な初回接見(面会)を行っています。
(神奈川県麻生警察署への初回接見費用:39,400円)