少年事件における環境調整の重要性

2020-10-09

今回は、少年事件を有利に解決するために必要な「環境調整」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

さいたま市見沼区に住むAくん(16歳高校生)は、免許もないのに、イタズラ仲間数名と酒を飲んで自動車を運転したところ、ハンドル及びペダル操作を誤り、歩道に進入してしまった上、歩行者と衝突し大怪我を負わせてしまいました。
Aくんは酒気帯び運転及び無免許過失運転致傷の疑いで埼玉県大宮東警察署に逮捕されてしまいました。
なるべくAくんの将来に悪影響を及ぼさないように事件を解決するためにはどうすればよいのでしょうか。
(フィクションです)

~少年事件について~

Aくんは16歳の少年なので、少年保護事件として手続が進行することになります。
警察、検察において捜査を受けた後、家庭裁判所送致されます。
そして、家庭裁判所における審判を経て、必要な保護処分を受けることにより事件が終了します。

保護処分の類型として、①保護観察処分、②少年院送致、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致があります。

保護観察処分は、少年を家庭や職場等に置いたまま、保護観察官による指導監督という社会内処遇によって、少年の更生を目指す処分をいいます。

少年院送致とは、少年の再非行を防止するため、少年を少年院に収容して矯正教育を行う処分をいいます。
原則として外出が禁止され、生活訓練を行い、必要な場合は懲戒を行うなどして少年の更生を図ります。
特別の場合を除いては外出することができませんので、保護観察処分に比べて負担の重い保護処分ということができます。

児童自立支援施設又は児童養護施設送致とは、不良行為をしたり、又は不良行為をするおそれのある少年(満18歳未満)を入所させて、または保護者のもとから通わせ、必要な指導を行い、その自立を支援する処分をいいます。
少年院とは異なり、より開放的な施設内で指導を受けることになります。
この処分は、どちらかといえば低年齢の少年を対象としたものです。
Aくんの年齢、非行の内容を考慮すると、この処分が言い渡される可能性は低いでしょう。
したがって、ケースの事件においては保護観察処分か、少年院送致が言い渡される可能性が高いと思われます。

~少年事件の捜査~

捜査段階においては刑事訴訟法の適用があるため、成人と同様に逮捕・勾留されうる点では同じです。
ただし成人と異なり、勾留の場所が少年鑑別所とされる場合があります。

~家庭裁判所への送致~

少年事件においては、「全件送致主義」がとられており、すべての事件が家庭裁判所に送致されます。
そのため、成人の事件における「起訴猶予処分(検察において被疑者の犯罪を立証できるが、裁判にかけない処分)」に相当する制度がありません。
家庭裁判所における処分をなるべく軽くすることが、有利な事件解決の近道ということになります。

~環境調整を通じ、事件を有利に解決~

家庭裁判所が、Aくんを取り巻く環境をどのように評価するかにより、保護処分の内容が左右されます。
少年と両親との折り合いがすこぶる悪く家によりつかないとか、非行を繰り返す友人が多数いるということになれば、処分も重くなりがちです。
逮捕された段階から環境調整を行い、少年審判に備えて活動することが重要です。
ケースの場合には、両親による監護態勢を見直していくこと、一緒に事件を起こしたイタズラ仲間との付き合い方を見直すことがポイントになると思われます。

もっとも、Aくんにとって、一緒に事件を起こしたイタズラ仲間は、不良として片付けられたくない大切な友人かもしれません。
非行少年にこれらの者と縁を切るよう命じたからといって、効果があるものではありません。
少年事件を起こす少年は、多感な時期にあり、頭ごなしに「~しろ、~せよ」と命じても、かえって反発心を植え付け、非行少年としての性質をエスカレートさせてしまうおそれもあります。
したがって、少年事件に熟練した弁護士のアドバイスを受けながら環境調整を行うことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が酒気帯び運転、無免許過失運転致傷事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.