(事例紹介)出勤途中の男性を殴った少年を傷害罪の疑いで逮捕
(事例紹介)出勤途中の男性を殴った少年を傷害罪の疑いで逮捕
今回は、福島県で起きた傷害罪による少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
・参考事例
10月31日、警察は傷害の容疑で郡山市に住む無職の少年A(16歳)を逮捕しました。
警察によると、Aは10月20日の午前8時45分頃、郡山市中町の路上で出勤途中の男性V(60代)に後ろから殴りかかり、顔などにけがをさせた疑いがもたれています。
警察は防犯カメラの映像などからAを割り出し逮捕したとしていて、Aは「間違いありません」と容疑を認めているということです。
VとAに面識はなく、警察は少年が無差別的に男性に殴り掛かったと見て捜査しています。
(※10月31日に『FTV 福島テレビ』で配信された「逮捕されたのは16歳の少年 出勤途中の男性に背後から突然殴りかかってけがをさせた疑い<福島県>」記事の一部を変更して引用しています。)
・傷害罪とは
今回の事例では、Aは傷害罪の疑いで逮捕されています。
傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。
- 刑法第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪に似た罪として暴行罪(刑法第208条)がありますが、傷害罪と暴行罪の違いは、暴行行為の結果、相手(被害者)が傷害(怪我)を負ったかどうかです。
暴行を加えた結果、相手が怪我を負った場合は傷害罪、相手が怪我を負わなかった場合は暴行罪が成立します。
今回の事例で考えると、AはVに対して後ろから殴りかかり、顔などに怪我を負わせています。
つまり、暴行を加えた結果Vの身体を傷害しているため、Aは傷害罪の疑いで逮捕されたということになります。
傷害罪が成立すると、15年以下の懲役または50万円以下の罰金で処罰されます。
・少年が傷害罪で逮捕された後の流れ
今回の事例のように、20歳未満の人が刑事事件を起こすと、少年事件として扱われ、通常の成人事件と手続きが異なります。
逮捕までの手続きは成人事件と同様の流れになり、逮捕後48時間以内に警察から検察官に事件の記録が送られます。
検察官に事件の記録が送られた後は、検察官が勾留するのか、勾留に代わる観護措置をとるのか、勾留はせずに家庭裁判所に送致するのか判断します。
勾留・勾留に代わる観護措置がとられると、少年の身柄は逮捕に引き続き拘束されることになります。
勾留に代わる観護措置とは、成人事件にはなく、少年事件でのみとられる手続きです。
勾留に代わる観護措置がとられると、少年は鑑別所に10日間収容されることになります。
また、少年事件は原則すべての事件が家庭裁判所に送致される「全件送致主義」がとられていて、家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所が少年の調査を行います。
調査の結果、家庭裁判所は少年に対して最終的な処遇を決定します。
▼少年事件の詳しい流れについてはこちら
・少年事件・少年犯罪の流れ
少年事件を起こしてしまい、勾留や勾留に代わる観護措置がとられると、身体拘束が長引くことになり、学校に発覚して退学になるおそれもあります。
子どもが少年事件を起こして逮捕されてしまい、早期釈放してほしいという場合は、少年事件に強い弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の刑事弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
初回無料の法律相談や、すでに逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご案内していますので、少年事件でお困りの方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。