(事例紹介)知人少年から現金を脅し取った少年を逮捕

2024-01-31

(事例紹介)知人少年から現金を脅し取った少年を逮捕

少年 恐喝罪 傷害罪

今回は、少年が知人少年から現金を脅し取ったうえ、カッターナイフで怪我をさせたとして逮捕された少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

山口市の16歳の少年が、知人の少年から1万円余りを脅し取ったうえ、カッターナイフで手を切りつけるなどしてケガをさせたとして、恐喝傷害の疑いで逮捕されました。
少年は、容疑を一部否認しているということです。

逮捕されたのは、山口市のアルバイト店員の少年A(16)です。
警察によりますと、Aは、ことし1月、防府市内を走行中の車の中で、知人の少年V(15)にカッターナイフを示して現金1万1000円を脅し取ったうえ、路上でVの顔面を殴り、カッターナイフで右手を切りつけて、ケガを負わせたとして、恐喝傷害の疑いが持たれています。

(中略)

警察の調べに対し、Aは、「お金を取ったこと、殴ったことは間違いないが、脅してはいない。カッターナイフは手に当たって切れただけ」と、容疑を一部否認しているということです。
(※1/18に『山口 NEWS WEB』で配信された「知人の少年から1万円余脅し取った疑いなど 16歳少年を逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)

・Aに問われる罪は?

今回逮捕されたAは、恐喝罪傷害罪の疑いが持たれています。
それぞれの犯罪について見ていきましょう。

・恐喝罪

恐喝罪については、刑法第249条で以下のように規定されています。

  • 刑法第249条(恐喝)
    人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
     前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

「恐喝」とは、相手の反抗を抑圧するに至らない程度脅迫や暴行を用いて財物を交付させようとする行為を指します。
脅迫や暴行が相手の反抗を抑圧するに足りる程度で会った場合は、恐喝罪ではなく強盗罪が成立します。

恐喝罪における「脅迫」とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知を指します。
告知される害悪の種類は制限されていないため、生命、身体、自由、名誉、財産などに対するものだけとは限りません。

恐喝罪における「暴行」とは、相手を畏怖させる程度で、反抗を抑圧するに足りない程度のものを指します。

今回の事例で考えると、AはVに対してカッターナイフを示して現金を脅し取ったとされています。
カッターナイフのような刃物を見せながらお金(財物)を要求する行為は、相手の生命に対する害悪の告知と考えられ、客観的にも人を畏怖させるに足りる行為であると考えられるので、恐喝罪における脅迫に該当します。
結果、VはAに対して現金を渡している(=財物を交付している)ので、Aの行為は恐喝罪が成立する可能性があるということです。

・傷害罪

傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。

  • 刑法第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

今回、AはVの顔面を殴り、カッターナイフで右手を切りつけたとされています。
これはAがVに暴行を加えた結果、Vが怪我(傷害)を負ったと考えられるため、Aの行為に傷害罪が成立する可能性があるということです。

・子どもが事件を起こしたら弁護士へ

今回のAのように、20歳未満の者(=少年が刑事事件を起こした場合、少年法が適用され、少年事件として扱われます。

大切な子どもが少年事件を起こして逮捕されてしまえば、不安な気持ちばかり強くなる一方です。
少しでも不安な気持ちを解消するためにも、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談することで、少年事件の流れや現在の状況、今後の流れや見通しについて説明を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
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