(事例紹介)友人を監禁後に暴行を加えた18歳の少年を逮捕

2023-08-09

(事例紹介)友人を監禁後に暴行を加えた18歳の少年を逮捕

友人を車で監禁した後に暴行を加えて傷害を負わせたとして、18歳の少年2人が傷害罪と逮捕・監禁罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

・参考事例

友人の16歳の少年を車に乗せて監禁したとして、警視庁少年事件課は、逮捕監禁の疑いで、東京都小平市のアルバイトの男(18)と、東大和市の塗装工の男(18)を逮捕した。
2人は調べに対し、容疑を認めているという。

逮捕容疑は、6月3日午後8時半ごろ、友人でとび職の少年(16)を東村山市内に呼び出し、塗装工の男の車に無理やり押し込み、約30分間、車内に監禁したとしている。

小平市内で少年を車から降ろしたが、アルバイトの男は、男が住む団地の階段の手すりに、結束バンドで少年を縛り、竹ぼうきや金属バットで殴り、けがを負わせた疑いがある。
同課は、アルバイトの男を傷害と逮捕監禁の容疑で追送検した。

少年事件課は、少年とアルバイトの男との間で、金銭トラブルがあったとみている。
(※2023年8月4日に朝日新聞デジタルで掲載された記事の内容を引用しています。)

・傷害罪とは

今回の事例で、少年らが友人に対して行った行為の一つとして、傷害罪が成立しています。
傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。

  • 刑法第204条(傷害)
    人の身体を損害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪に似ている罪として刑法第208条で規定されている暴行罪がありますが、傷害罪と暴行罪の大きな違いは「暴行を加えた結果、相手に傷害を負わせたかどうかです。
暴行を加えた結果、相手に傷害を負わせていなければ暴行罪が成立し、相手に傷害を負わせた場合は傷害罪が成立します。

今回の事例では、少年らは友人に対して、竹ぼうきや金属バットで殴るという暴行行為を行った結果、相手に怪我を負わせているため、傷害罪が成立するということになります。

・逮捕・監禁罪とは

少年らには、前述した傷害罪以外にも、逮捕・監禁罪が成立しています。
逮捕・罪については、刑法第220条で以下のように規定されています。

  • 刑法第220条(逮捕及び監禁)
    不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

逮捕・監禁罪は、不法」に人を「逮捕・監禁」することで成立します。
ここでの「不法」とは「違法」と同じ意味で、警察官による逮捕や私人でも認められている現行犯逮捕、検察庁や裁判所によって行われる勾留など、適法に行われるもの以外での逮捕や監禁を指します。

また、逮捕・監禁とは、いずれも人の行動の自由を奪う行為ですが、意味合いが少し異なります。
「逮捕」とは「人の体を直接拘束することを指し、「監禁」とは「一定の区域からの脱出を不可能又は著しく困難にすることを指します。
相手の手足を縛って身動きが取れないようにすることは逮捕の典型で、部屋に閉じ込めて出られないようにすることが監禁の典型です。

今回の事例では、少年らは友人を車に無理やり押し込み、約30分間脱出ができない状態にしたことと、車から降ろした後に結束バンドで少年を縛っていることで、逮捕・監禁罪が成立するということになります。

・少年が逮捕された場合の流れ

成人が逮捕された刑事事件と、少年(刑事事件における20歳未満の者)が逮捕される刑事事件では、逮捕された後の流れが異なります。
警察が逮捕・取調べを行った後に検察に送致されるまでは成人と同じ流れですが、少年の場合、検察に送致された後については、原則全ての事件が家庭裁判所に送致されます。

また、今回の事例のような18歳や19歳の少年については特定少年として扱われ、家庭裁判所に送致された後に事件を検察官に戻す逆送」の対象になる事件の範囲が拡大されたり、少年において禁止されている実名報道が可能になったり、少年審判における保護処分の内容が限定されたりと、18歳未満の少年事件と異なる手続きが可能になります。

・傷害罪や逮捕・監禁罪でお子様が逮捕されてしまったら弁護士へ

お子様が傷害罪や逮捕・監禁罪で逮捕されてしまった場合は、弁護士へ刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の刑事弁護活動を担当した実績を持つ刑事事件少年事件に特化した法律事務所です。
警察から急にお子様が逮捕されたと連絡が来て、今後どうなるか不安に感じている方は、まずは24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)お問い合わせメールより、ご相談ください。

Copyright(c) 2021 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.