(事例紹介)芸能人へのつきまといでストーカー規制法違反
(事例紹介)芸能人へのつきまといでストーカー規制法違反
~事例~
ジャニーズJr.のタレントに違法なつきまといをしたなどとして、警視庁は、横浜市内の女子高校生(17)をストーカー規制法違反と暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕し、18日発表した。容疑を認め、「昨年4月に渋谷駅で見かけて一目ぼれし、つきまとうようになった。その人しか考えられなくなった」と説明しているという。
渋谷署によると、女子高校生は今年4月1日~5月8日、恋愛感情が満たされなかったことに対するうらみとして、タレント(中略)の後を4回にわたってつきまとった疑いがある。4月30日にはJR渋谷駅構内で(中略)「もう行かないからストーカーのことは気にしなくていいよ」と言いながらカッターナイフを突きつけたり、カッターを持って約200メートルにわたって追いかけたりした疑いもある。
(後略)
(※2022年5月18日10:08朝日新聞デジタル配信記事より引用)
~芸能人へのつきまといとストーカー規制法違反~
今回の事例では、17歳の少女が芸能人へのつきまといをしたとしてストーカー規制法違反の容疑で逮捕されています。
ストーカー規制法では、「つきまとい等」の行為をすることを禁止しており、さらにその「つきまとい等」を繰り返すことも「ストーカー行為」として禁止しています。
ストーカー規制法第2条
第1項 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
第1号 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
第4項 この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(第1項第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)又は位置情報無承諾取得等を反復してすることをいう。
報道でも「恋愛感情が満たされなかったことに対するうらみとして」と記載されているように、ストーカー規制法が規制している「つきまとい等」や「ストーカー行為」は、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で特定の人に対する行為として行われる必要があります。
ですから、単なる嫌がらせ目的やいたずら目的でつきまとうなどした場合には、ストーカー規制法違反とはなりません(各都道府県の迷惑防止条例違反など、別の犯罪に該当する可能性はあります。)。
今回の事例では、芸能人へのつきまといで少女にストーカー規制法違反の容疑がかけられています。
芸能人には、いわゆる「追っかけ」的なファンもいると思われますが、度を越してしまえば、こうしたストーカー規制法違反などの犯罪に触れることになってしまいます。
被害者が芸能人ということになれば、謝罪や弁償をするにも所属事務所などを通じて行うことも予想され、当事者だけではどのようにすべきか分からないとなる場合も考えられます。
また、同じことを繰り返さないためにも、本人だけではなく周囲の方も協力して再犯防止策を取らねばなりませんが、どのような対策・改善をすべきなのかも、当事者だけでは見えづらいということもあります。
こうしたことから、早い段階で弁護士に相談し、アドバイスをもらうだけでもメリットは大きいと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、様々な刑事事件・少年事件を取り扱っており、ストーカー規制法違反事件についてもご相談・ご依頼いただいています。
0120-631-881では、スタッフがご状況に合わせたサービスをご案内していますので、まずはお気軽にお電話ください。