(事例紹介)売春相手に引き合わせ売春防止法違反に

2022-12-07

(事例紹介)売春相手に引き合わせ売春防止法違反に

~事例~

少女に売春相手を引き合わせたとして、18歳の少女が売春防止法違反の疑いで愛知県警に逮捕されました。
(中略)
警察によりますと、去年12月、名古屋市中区の路上で知り合いの当時17歳の少女に40代の売春相手を引き合わせたとして、売春防止法違反の疑いがもたれています。
警察によりますと、少女2人はいずれも家にはほとんど帰らず、名古屋市の中心部にある「池田公園」周辺に集まり、近くのホテルなどで寝泊まりして生活をしていたということです。
2人は事件の2日前に知り合ったばかりで、18歳の少女が以前、売春をした相手を紹介し、その見返りとして1万円余りを受け取っていたということです。
警察によりますと、調べに対し「覚えていない」と容疑を否認しているということです。
(後略)
(※2022年5月31日07:09NHK NEWS WEB配信記事より引用)

~売春防止法~

今回の事例では、18歳の少女が17歳の少女を40代の売春相手に引き合わせた容疑をかけられ、逮捕されているようです。
少女が違反したとして逮捕容疑となっている売春防止法では、売春行為自体の禁止だけでなく、売春行為に関わる行為についての禁止も定めています。
そのうちの1つが、売春の周旋等の禁止です。

売春防止法第6条
第1項 売春の周旋をした者は、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
第2項 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。
第1号 人を売春の相手方となるように勧誘すること。
第2号 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
第3号 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

周旋」という言葉はなかなか馴染みがない言葉かもしれませんが、意味としては、仲立ちをして取り持つことを指します。
つまり、売春の仲立ちをして、売春をする人と客を取り持つことをすると、売春の周旋をしたといことになります。

今回の事例では、少女が別の少女と売春相手を引き合わせたと疑われていますが、この疑われている内容は売春の周旋行為に該当するため、売春防止法違反の容疑がかけられたということなのでしょう。

度々取り上げているように、少年事件では、少年のしてしまった犯罪の重さだけでなく、その少年が犯罪をしてしまった原因・経緯や、その周囲の環境などを考慮し、少年の更生にどういった処分が適切なのかということが判断されます。
根本的に環境を変えなければ再犯を繰り返してしまうと判断されたような場合には、少年院送致などによって、施設に入所し生活環境を整えることから始めるという処分になる場合も考えられます。

例えば、今回の事例では、報道によると、少女らは自宅にほとんど帰らずに過ごしていたとされています。
こうした場合、生活習慣や生活環境を整えなければまた同じ状況となってしまうと判断されることも予想されますから、少女自身だけでなく、その周囲の方の協力を求めながら、そうした部分の改善をしていくことが必要となるでしょう。

少年事件では、今後の少年・少女の環境を改善することが重要なポイントの一つですが、当事者だけでは改善すべきポイントが見えづらかったり、どのように改善していくべきか行動の仕方が分からなかったりということもままあります。
適切な処分を求めるためにはもちろん、少年・少女の今後のためにも、早い段階から問題点を把握し改善に取り組むことが大切です。
だからこそ、少年事件を取り扱う弁護士からアドバイスを受け、家庭裁判所の審判を受けるまでの期間を十分に活用することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕・勾留・観護措置などによって身体拘束をされている方向けの初回接見サービスや、在宅捜査・在宅での調査を受けている方向けの初回無料法律相談まで、ご相談者様の状況に合わせてサポートできるよう、サービスをご用意しています。
弊所の弁護士は、刑事事件だけでなく少年事件についても数多く取り扱っているため、ご相談頂くことは少年事件についての疑問・不安の軽減にも効果的です。
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