(事例紹介)福岡市の集団暴走事件 道路交通法違反で書類送検

2022-08-17

(事例紹介)福岡市の集団暴走事件 道路交通法違反で書類送検

~事例~

(略)
福岡県警城南署は10日、署付近の歩道を走行するなどの集団暴走をしたとして、福岡市早良区や城南区に住む18~19歳の少年4人を道路交通法違反(共同危険行為)の疑いで福岡地検に書類送検した。
署によると、4人は5月27日午後11時ごろ、バイクに乗って、城南区七隈7丁目の城南署前から早良区荒江2丁目付近まで、約4キロにわたって蛇行運転や信号無視をしながら暴走した疑いがある。
(後略)
(※2022年8月12日12:00YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

・集団暴走行為と少年事件

今回取り上げた事例では、18歳~19歳の少年が複数人で集団暴走をしたとのことです。
今年4月から成人年齢は18歳に引き下げられましたが、少年法上では20歳未満の者は「少年」として扱われ(少年法第2条第1項)、罪を犯せば少年審判の対象となります。
こうした集団暴走行為は、道路交通法でいう「共同危険行為」にあたることが多く、その場合には共同危険行為をしたことによる道路交通法違反となります。

道路交通法第68条(共同危険行為等の禁止)
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

道路交通法第68条の条文によると、「道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」がいわゆる共同危険行為になると考えられます。

今回の事例と照らし合わせてみましょう。
報道によると、今回の事例では、18歳~19歳の少年4人が、バイクに乗って蛇行運転や信号無視をしながら暴走したということです。
少年らは4人でバイクを運転していたようですから、道路交通法の条文にある「二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者」という主体に当てはまり、かつ、「道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合」であったと予想されます。
そして、少年らは一緒に蛇行運転や信号無視をしてバイクを走らせる集団暴走をしたとのことですので、複数人で一緒になって道路上で事故を引き起こすような行為をしたといえます。
こうしたことから、「共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」に当たる=共同危険行為をしたと判断され、道路交通法違反で検挙されるに至ったのでしょう。

少年事件では、こうした集団暴走による共同危険行為道路交通法違反となるケースがしばしば見られます。
いわゆる暴走族のようなグループに所属していなくとも、仲間内でバイクや原付を一緒に走らせるという少年もいます。
たとえ暴走族に所属しているというわけでなくとも、集団暴走をしてしまえば道路交通法違反という犯罪になってしまいますし、集団暴走事件の特性上、共犯者となる事件関係者も複数存在するため、逮捕や勾留による身体拘束を伴って捜査されることもありえます。

少年事件の終局処分は、少年の更生に適切な環境が整っているのかということが重視されますから、共犯者・事件関係者との関係を見直すことや、集団暴走の危険性を理解すること、少年の家族など周囲の人による監督体制の構築などが必要となってくると考えられます。
同じことを繰り返さないためにも、こうした環境の構築に取りかかることは事件が起きてから早い段階からスタートさせることが望ましいでしょうから、少年事件を取り扱う弁護士に早期に相談・依頼されることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年の集団暴走による道路交通法違反事件なども取り扱ってきました。
まずは手続の把握や今後の見通しを知りたいという方にも対応できる、初回無料法律相談初回接見サービスをご用意していますので、お気軽にお問い合わせください。

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