児童買春と虞犯

2019-05-25

児童買春と虞犯

~ケース~

兵庫県神戸市中央区の高校2年生のAさんは自宅にほとんど帰らず,学校の友人やインターネットで知り合った人の家に宿泊するなどして日々を過ごしていた。
また,Aさんはお小遣いや食費などを稼ぐためにSNSや掲示板で援助交際の募集をしていた。
Aさんは何人かの男性と関係をもち,その都度,2万~3万円を受け取っていた。
ある日,AさんがSNSの書き込みに応じて待ち合わせの場所に行くと,兵庫県生田警察署の生活安全課のXが待っていた。
兵庫県生田警察署のサイバー補導員であるXの捜査手法は,援助交際の募集などの書き込みに対し,応じたふりをし,待ち合わせ場所で児童を補導するというものであった。
警察から連絡を受けたAさんの両親は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~児童買春の発覚~

警察の生活安全課などは、サイバー補導としてネット上で児童買春援助交際の募集などを監視し,未然に防ぐ活動をしています。
援助交際などの募集に乗ったふりをし,会う約束をし,女児を補導します。
このような手法はおとり捜査で違法ではないかと思われるかもしれませんが,既に援助交際などの犯意をもって誘っている児童に対して未遂段階で補導をするという趣旨であり,新たに犯意を誘発しているわけではなく適法であると解されています。

~児童買春と補導~

児童買春は「児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童ポルノ禁止法,児童買春禁止法etc)」によって禁止されており,児童買春をしたものは処罰されます。
児童買春禁止法は児童買春をした者のみが処罰され,売春をした児童を処罰する規定はありません。
これは立法趣旨が「児童の権利の擁護」であるためです。
児童買春の当事者は売春防止法における「売春」をしたといえますが,売春防止法には売春行為そのものに罰則は設けられていません。
そのため,児童買春において売春した側の児童が刑事罰を受けるということは原則ありません。
しかし,児童買春補導されてしまった児童は少年法の手続きによって保護処分を受けることにな場合もあります。
具体的には,以下のとおり少年法の規定に抵触します。

少年法(抜粋)
第3条
1 次に掲げる少年は,これを家庭裁判所の審判に付する。
三 次に掲げる事由があつて,その性格又は環境に照して,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し,又はいかがわしい場所に出入りすること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

この規定に該当する者を虞犯(ぐはん)少年と呼びます。
成人の場合は,特定の犯罪をしなければ処罰をうけることはありません(罪刑法定主義)。
一方,少年の場合には,上記の虞犯少年に該当する場合には家庭裁判所の審判に付される場合があります。
虞犯少年の規定には罪を犯したことは要件になっていませんので,犯罪をしていなくても家庭裁判所の審判に付されることもあります。
審判により下される保護処分は刑罰ではありませんが、少年院送致をはじめとして少年の生活を制限する側面があることは否定できません。

虞犯少年として家庭裁判所の審判に付される場合,生活環境や日常生活などに大きな問題がある場合が多いです。
そのため,通常の少年事件に比べ,虞犯少年として審判に付された場合は少年院送致となる場合が高くなっています。

~弁護士として~

虞犯少年の場合,少年院送致の割合も高いため、審判に先立って観護措置がとられる可能性も高くなります。
観護措置がとられてしまうと少年鑑別所に収容され,大半の場合4週間少年鑑別所で生活することになります。
少年鑑別所にいる間は学校に通うことはできなくなります。
少年鑑別所は、身柄保全や心身鑑別などの重要な役割を担っています。
とはいえ,少年が身柄拘束されることは少年自身やご家族の方にとって大きな負担となります。
そこで少年事件に詳しい弁護士が弁護活動や付添人活動をすれば、早期釈放保護観察処分が実現できる場合もあります。
保護観察処分は基本的に家庭での更生を期待するものなので、やはり少年院送致とは自由の制約の程度が全く異なります。
いずれにせよ対応が早いに越したことはないので、できるだけ早く少年事件に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。

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