威力業務妨害罪で勾留阻止

2019-01-25

威力業務妨害罪で勾留阻止

埼玉県飯能市の大学に通うAさん(18歳)は、履修している講義の発表の準備が間に合わなかったため、講義を中止させるべく爆破予告をすることにしました。
熟考した結果、Aさんは大学の教務係宛に「大学構内にあるB棟に爆弾を仕掛けた」というメールを送りました。
結局翌日の講義は全休となりましたが、大学側の通報により埼玉県飯能警察署が介入し、後日Aさんは威力業務妨害罪の疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士勾留阻止を依頼しました。
(フィクションです。)

【威力業務妨害罪について】

刑法
第二百三十三条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の…業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二百三十四条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
(一部略)

上記事例では、爆破予告をしたことでAさんが威力業務妨害罪を疑われています。
威力業務妨害罪は、業務の円滑な遂行を保護するための業務妨害罪の一種です。

威力業務妨害罪における「威力」とは、暴行や脅迫よりも広い範囲の勢力を指すと考えられています。
そのため、人を畏怖させるに値しない程度の弱い行為でも、「威力」には当たるとして威力業務妨害罪の手段となる余地があります。

また、刑法233条には「妨害した」と記載されていますが、業務妨害罪の性質上、妨害の結果が目に見えるかたちで現れる必要はないとされています。
つまり、売上の減少や業務の停滞といった具体的な結果が起こらなくとも、妨害行為にその危険さえ認められれば業務妨害罪は成立します。

上記事例では、Aさんが大学の教務係に対して、「大学構内にあるB棟に爆弾を仕掛けた」というメールを送っています。
この爆破予告は、大学の円滑な業務の遂行が阻害される危険を持つ「威力」と言えるため、Aさんには威力業務妨害罪が成立すると考えられます。

【少年事件における勾留阻止】

少年事件は20歳未満の者による事件であるため、大学生や社会人であっても20歳未満であれば少年事件の被疑者となる可能性はあります。
少年事件は様々な点で通常の刑事事件と異なりますが、必要に応じて逮捕勾留が行われることは異なりません。
逮捕および勾留は、事件の重大性や被疑者の態度などから、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれが認められる場合に行われます。
更に、少年事件に限っては、少年の心身が未発達であることを考慮して「やむを得ない場合」でなければ勾留できないと少年法に定められています。

ただ、少年法に従って少年に対する勾留が慎重に行われているかどうかは、正直なところ必ずしもそうとは限らないという現実があります。
そこで、弁護士としては、少年に対する勾留の当否を特に厳しい目で見ることが求められます。
仮に勾留阻止が叶わなければ、勾留によって10日間から20日間も身体拘束が継続されることになりかねません。
学校や仕事がある多くの少年にとって、そうした長期間の身体拘束は著しい不利益を被るものです。
もし少年が逮捕されたら、初回接見に続いて勾留阻止の実現を目指すべきです。
そして、勾留阻止の実現に向けた積極的な働きかけを行うためにも、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件のプロである弁護士が、これまでに培った知識と経験を駆使して勾留阻止の実現に取り組みます。
お子さんが威力業務妨害罪の疑いで逮捕され勾留阻止を目指すなら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料(時間の制限はございません)
(埼玉県飯能警察署までの初回接見費用:42,800円)

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